とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Saturday, July 31, 2010

歪んだマーケティング•ツール

うだるような暑さが続く今日この頃。プロ市民政治家の雄、辻元清美が社民党に離党届を提出しましたね。

存在意義の無い弱小政党で存在感を高め、いよいよ社民党がいけないとなると、寄らば大樹とばかりに民主党にすり寄るあたりは、正に機を見るに敏。ある意味賞賛に値します。

それから、不思議の国の瑞穂ちゃんよりプロ市民政治家の大先輩宰相の方にシンパシーを感じたかな?

それにつけても、今回の騒動でテレビって凄いなと改めて思いました。というのも、まともな政治家としての価値が全くない辻元清美のような人間が、テレビに露出してもの凄く国民にアピールされている。

しかも、直近の国交副大臣だったときの映像や、疑惑のデパート発言や、「ソーリ、ソーリ、ソーリ」発言(パフォーマンスだけのバカ追求)といった好意的な映像ばかりがお茶の間に垂れ流され、秘書給与をシェアとか言ってごまかそうとして有罪判決くらった事件や政治的思想については言及されていない。


結局、今回のことで一番得をしたのは、辻元ということだ。で、辻元はそのことを十分分かった上で今回の決断へと至ったのであろう。要は、

1st 前原国交相との抱擁&涙の離別映像が流れれば、辻元の政治的立ち位置が民主党のそれに近いこいう錯覚をアピールできる(まあ、民主党は烏合の衆だからある意味あたっってる)。

2nd 弱小政党とはいえ、社民党の実力者の民主党へのトラバーユは報道ネタ的にはけっこう美味しく、テレビへの露出が期待できる。

3rd 結果、民主党寄り、政府の要職を経験、テレビへの露出による知名度UP↑という印象を国民(愚民)に広く周知できる。


選挙で最も重要なのは「知名度」だ。知名度が無ければ、そもそも自分の存在を周知することができない。そうでなければ、例えば、先の参院選で、柔道しか取り柄のない谷亮子や、高卒で政治的素養を感じることができない三原じゅん子(介護には熱心なようだが)が当選できた理由が(少なくともコンキチには)分からない。


メディアをプロモーション•ツールとして最大限に利用するその狡猾さには見習うべきところがありますね。


それにつけてもメディアの、思慮の浅いお茶の間(愚民)が食いつきそうなネタだけを面白可笑しく取捨選択して垂れ流す姿勢は改善して欲しいですね

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Aromatic Cation Activation (1)

こんな文献を読んでみました↓

Nucleophilic Acyl Substitution via Aromatic Cation Activation of Carboxylic Acids: Rapid Generation of Acid Chlorides under Mild Conditions
J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 5002-5003.


カルボン酸をaromatic cation (シクロプロペニウムカチオン)で活性化して、酸塩化物へと誘導するお話です。

著者らは、これまでにアルコールのaromatic cation activationを経たクロロ化に成功しており、今回の報告はその拡張版です。

それではます、アルコールのaromatic cation activationから紹介しましょう↓
(Aromatic Cation Activation of Alcohols: Conversion to Alkyl Chlorides Using Dichlorodiphenylcyclopropen J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 13930-13921.)

シクロプロペニウムカチオンは、2π-electron aromatic systemで、1975年にBreslowによって見出されました。高度に安定化されたカルボカチオンであり、置換基を変えることにより、電子的、立体的な特性を調整することができます。

さらに、シクロプロペニウムカチオンには以下のような特徴があります。
a) 芳香属性と電荷を有し、上図のように荷電状態と中性状態にある
b) 3,3-ジクロロシクロプロペンは容易に加水分解してシクロプロペノンになる
c) シクロプロペニルエーテルの容易に加水分解される


で、著者等はシクロプロペニウムカチオンに係るこれらの特性を踏まえて、こんな反応をデザインしました↓


最適溶媒はCH2Cl2で、12 examples, 45-95% yield。1H NMR studyから、シクロプロペニウムイオン(中間体)の生成も確認されています。

で、基質一般性はこんな感じ↓
•1級のベンジル及びアリルアルコールは室温下、短時間(~10 min)で高収率(91-95%)で塩素化されます。

•また、cis-アリルアルコールも異性化することなく、円滑に反応が進行(23℃, 5 min, 84%)。

•プロパルギルアルコールもアレンが生成することなく、目的の塩化物を与えます(23℃, 5 min, 92%)。

•活性化された2級アルコールもマイルドな条件下、高収率(88-93%)。

•活性化されていない1級アルコールもマイルドな条件下、高収率(89%)。

•活性化されていない2級アルコールは高温が必要(CH3CN, 80℃, 93-95%)。

•3級アルコールでは脱離反応が進行してしまいます。

•さらに、(S)-1-phenylethanolを基質に用いると、90% yield, 93%eeで対応する塩素化物が得られるます(SN2が支配的)。ちなみに、MsCl, Pyridineで塩素化すると78%ee (Org. Lett. 2005, 7, 1537.)。

ここまでが、アルコールの塩素化のお話です。

あと、3,3-ジクロロ-1,2-ジフェニルシクロプロペンは、こんな風にして調製できます↓

(出発物質はTCIで売ってて、シクロプロペノンはアルドで売ってます)

カルボン酸のaromatic cation activationは次回。


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Saturday, July 24, 2010

大スケール ortho-メタル化

こんな文献を読んでみました↓

Scaleable Preparation of Functionalized Organometallics via Directed Ortho Metalation Using Mg- and Zn-Amide Bases
Org. Process. Res. Dev. 2010, 14, 339-345.


MgとZnからなる金属アミドを使って芳香環のo-メタル化して、 種々の求電子剤と反応させるという反応です。しかも大スケールで。大スケールっていうと抽象的で、人によって定義が異なるかと思いますが、ここでいう大スケールは80-100 mmolです。

さて、本報で用いられている金属アミドは↓
a) tmpMgCl·LiCl (tmp = 2,2,6,6-tetramethylpiperidyl)
LiClがあることで、アミドが単量体化する。速度論的塩基性の高さはLiClの存在に起因する(ref. ACIEE 2008, 47, 8079.)。

b) tmp2Mg·2LiCl
強力なメタル化剤だが、安定性にやや難あり(25℃で24 hrくらいしかもたないらしい)。ArMgtmp•2LiClを発生させる(ref. ACIEE 2007, 46, 7681.; ACIEE 2008, 47, 1503.; Org. Synth. 2009, 86, 374.; JACS 1989, 111, 8016.; ACIEE, 2002, 41, 2169.; JACS 1993, 115, 11375.; JCS Perkin Trans. 1 1996, 2331.)。

c) tmp2Zn·2MgCl2·2LiCl
センシティブな基質のメタル化に有効。高い速度論的塩基性と良好な溶解性にMgCl2とLiClが必要。6ヶ月間安定(ref ACIEE 2007, 46, 7685.; Org. Lett., 2008, 10, 4705.; Chem. Commun., 2008, 47, 6387.; Chem. Eur. J. 2009, 15, 457.)。


では、反応例を少々↓


さらに、これらの反応は容易かつ安全に実施でき、小スケール(2 mmol)時とマルチグラムスケールで、メタル化の速度と収率が同等だといいます(これは凄い!)。

あと、tmp-Hは回収可能。ちょとコスト的に高いかなっていう気はするけど、反応の堅牢性は、正にプロセス向きの反応と思いました。

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スポコンの白眉

六三四の剣にあこがれて、剣道少年だった(一応、剣道二段)コンキチです。

突然ですが、久々の青春スポコン小説を読了しました。武士道シックスティーンです。
物語は二人の女子高生剣道ガール(高1)を中心に回っていきます。

一方は物心つく前から剣道の英才教育を受けて育ち、全中(全国中学校剣道大会)準優勝の実力者にして、武蔵オタクの剛の剣の使い手の香織。そしてもう一方は、日舞から転身した剣道歴3年で、センスが良く、お気楽不動心を発揮する柔の剣の使い手の早苗。物語は「香織」、「早苗」の二つの視点から綴られていきます。

発端は早苗が香織に地方の小大会で勝利してしまったこと。そこから香織が早苗に因縁をつけていくことで、お話が展開していきます。で、剣道に対するディテール、スタイル、考え方が水と油の二人の掛け合い、高校生ならではの悩み、葛藤、邂逅が爽やかに描かれています。

まあ、ひらたく言えば、日本人好みの青春スポコンモノですよ。でも、コンキチはそういうのがもの凄く好きです。はっきり言って、本作は青春スポコンモノの白眉の一つと言っていいでしょう。

六三四の剣、ひかりの剣(see http://researcher-station.blogspot.com/2010/11/blog-post_02.html)、バッテリー(映画版)などの作品と比して勝るとも劣らない作品に仕上がっていると思います。

特に、剣道経験者にはおすすめです。

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就職予備校全入時代

大学全入時代が嘯かれて久しい今日この頃。こんな記事を発見しました↓

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100721-OYT1T01227.htm

今春の大学の「就職留年者」が、読売新聞調べで推定約79,000人いるらしいです。これは、卒業予定者の7人に1人が留年するってことらしいです(大学4年生って55万人くらいいるんだね)。

ところで、コンキチは(個人的に)この記事の中に幾つかの興味深い文章を発見しました。例えば↓

職業教育も必要だ。高校や大学は、社会で働くことの意味を十分教えてきただろうか。将来どんな職業に就くかという目的意識を持つことなく、取りあえず高校から大学に進学し、そのまま就職活動に臨む学生は多い。
→オレは高校や大学で職業教育なんか受けた事ないけど、受けたいとも思わない。っていうか、高校っていう閉鎖空間しか知らない教師や、象牙の党の住人に真っ当な職業教育なんてできるのかというツッコミを入れたい。そんな職業教育なんてある種の洗脳だろう。


文部科学省は2月に大学設置基準を改正し、来年度からすべての大学に対し、職業意識を育む教育を行うことを義務づけた。
→大学って職業教育を受けるところなんですか?少なくともボクは、大学は学問の社だと思っています。


学生一人ひとりに卒業後の目標を立てさせるとともに、目指す職業に必要な能力や倫理観を身に着けさせる教育が肝要である。
→大学って就職予備校だったんですね


っていうか、就職目的で大学入るのって違いと思うな(そういう意味で、コンキチは教員養成課程に否定的です)。っていうか、大学入ったら一生懸命勉強して、学会発表したり論文の1報でも投稿して下さい。で、就職留年とかいって騒いでる人は、それくらい大学でやってから留年して下さい。


それにつけても、この読売新聞の記事が全面的に肯定されることとなると、社会は大学を就職予備校と認めたことになると思います。まあ、企業の新卒採用至上主義と労組の不利益変更拒否に対する異常なまでの抵抗には辟易させられるけど、大学が就職予備校化していく姿をみるのは慚愧に堪えない。そこまで我が国の大学が落ちぶれて欲しくはないと思います。

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N-クロロアミン

こんな文献を読んでみました↓

Transition-Metal-Free Electrophilic Amination between Aryl Grignard Reagents and N-Chloroamines
Org. Lett. 2010, 12, 1516-1519.

N-クロロアミンとArMgXを遷移金属フリーでカップリングさせて、アリールアミンをつくるとおいう素敵な反応です。

16例、49-95% yieldです。

この反応にはTMEDAが必須で、TMEDAがないとAr-Clが生成します。で、著者らは反応機構を以下のようす推定しています↓

without TMEDA: coordination control

with TMEDA: electrostatic control

こんなN-クロロアミンとGrignard試薬との間で反応が可能です↓

ニトリルやエステルを含む基質でもオッケーなのが驚きです。

あっ、ちなみにN-クロロアミンの調製法ですが、対応するアミンをNaClOやNCSで処理すると合成できるそうです(ref. Tetrahedron Lett. 2005, 46, 1099-1101.; JOC 1986, 51, 5043-5045.)。

不勉強なんでN-クロロアミンの特性って良くわかんないんですが、この反応なんかそそられます。

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Monday, July 19, 2010

都合のいい報道

気がつけば、既に梅雨明けしている今日この頃。暑いです。

最近報道番組等で、高福祉国家にして経済成長を遂げている幸せの国というイメージでフィンランドが紹介されているような気がします。でも、フィンランドって本当に理想の国なんでしょうか?

$企業の研究員というお仕事-OECD.pngOECD Factbook 2010によると、フィンランドの自殺率は、OECD (Organisation for Economic Co-operation and Development , 経済協力開発機構)加盟国中、日本に次いでワースト4位です。

また、2008年失業率は、日本が4.00%であるのに対してフィンランドは6.40%です。

あと、ノキアというグローバル企業があるなんて言ってるけど、それだけでしょう。


フィンランドが悪い国だとは思わないけど、いいとこ取りの報道は止めて欲しいです。っていうか、大きな政府へと誘導し、勝ち逃げを狙った老人の悪意さえ感じてしまいます。まあ、TVメディアの偏向報道は今に始まったことではありませんが.....


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「アルコール→ニトリル」のダイレクトトランスフォーメーション

こんな文献を読んでみました↓

Catalytic Oxidative Synthesis of Nitriles Directly from Primary Alcohols and Ammonia
Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 6286-6288.

アルコールを一気にニトリルに変換するという反応で、こんな感じです↓

13 examples, 65-96% GC Yieldで、その内訳は、

a) 電子供与性置換基、電子吸引性置換基を有するベンジルアルコール/ 7 examples, 72-96%
b) アリルアルコール/ 2 examples, 76, 82%
c) heteroaromatic containing alcohol/ 4 examples, 65-81%

あと、触媒リサイクルの実験なんですが、基質に2-naphthylmethanolを用いた場合、対応するニトリルの収率は、1回目:96%。2回目:81%。

アルデヒド→ニトリルっていう変換もO.K.


7 examples, 71-93%


で、possible reaction mechanismはこちら↓


さらに、アルール→1級アミドへのone-pot反応も可能です↓(70% yield)



はっきり言ってこの反応、ラボ的には厳しいけど、工業的にはかなり魅力的なトランスフォーメーションのように感じます。触媒はリサイクル可能そうだし、THFはちょっと高いけど、副資材はアンモニアと空気だけで、アルコールを一気にニトリルに変換できるんだから!

いつかこの反応が企業化されないかなと思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

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Sunday, July 18, 2010

浅草大好き

7月は大好きな浅草に2度ほど足を向けたので、そのメモを書きます。

浅草は老舗や名店と呼ばれる蕎麦屋が幾つかあります。で、おソバ大好きのコンキチがまだ未チェックのお店に行ってきました。

ということで↓
尾張屋支店
住所は台東区浅草1-1-3。雷門から東に歩いていくと本店あります。ちなみに、尾張屋は永井荷風が通いつめた店として有名です。
で、たのんだのは
大ざる 800 JPY
-RATING-★★★☆☆
-REVIEW-
白いお蕎麦(更科か)。細麺。口に含んだときの蕎麦のバラケル触感が良い。香味は乏しい。当然、ツユはゆるい。薬味は、ネギ、山葵、大根おろし。普通の蕎麦よりはちょっと旨いという程度の味かな。

あと、ビールも頼んだんですが、いくらアサヒのお膝元といえスーパードライとはかなりガッカリでした。

それから、
十和田メトロ通り店
住所は台東区浅草1-33-5。ここの女性店員は、人力車のえびす屋チックな前掛けを着用しています。
食べたのは
暮坪そば 950 JPY
-RATING-★★★☆☆
-REVIEW-
十和田湖周辺の特選南部そば粉を使用した十割の更科っぽいです。太麺で、モチモチ感有るも淡白な香味。ツユは普通。あと、ツユは徳利に入ってなくて、つぎ足しできなくいて不満です。
薬味は暮坪かぶ。このかぶは、グルメ漫画の雄「美味しんぼ」でも紹介されたことのある食材で、大根のような形と強烈な辛味が特徴的なおそばにベストマッチな薬味ということです。で、実際に食した感想ですが、辛味は強烈で、土っぽく、フィニッシュにはかぶの風味が漂うなかなか印象深く希有な味の食材と思いました。薬味は秀逸、蕎麦は凡百といった印象です。

それから十和田では浅草にちなんだ地ビールを置いていたのでそれも試してきました↓
←浅草白麦酒 550 JPY
-RATING-★★★☆☆
-REVIEW-
酒銘に「白」を冠していますが、色はlight brownです。fresh, fruityな良い香り。酸味が特徴的で、spicyかつfreshな味。bodyは弱い。
-DATA-
原材料/ 麦芽、小麦、ホップ
アルコール分/ 5%


あと、折角の浅草なんで、久しぶりに神谷バーにも行ってみました。それにつけても、神谷バーはいついっても活気に満ちた楽しい場所です。なんかエナジーを補充できるパワースポット的な存在ですね、ボクには。それから、神谷バーっていうと、デンキブラン(260 JPY)が看板商品と思いますが、コンキチはアサヒスタウト (520 JPY)をオススメしたいですね。ちなみに、アサヒスタウトはアサヒビールの熟練マイスターのみに醸造が許された我が国でも屈指のスタウトタイプのプレミアムビールなんですよ。情緒豊かな神谷バーの店内で、アサヒスタウトを呑むというエキサイティングな体験を日本中に広めたい気持ちで一杯です。

浅草行って、軽く癒されてきたので、いつもの二割り増しくらいで反応仕込めたらいいなと思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

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