とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Friday, December 31, 2010

バリュー風物詩

今年もボチボチ終わりですね

大晦日ということで、非合理的とは自分でも思いつつも、昨年に続いて蕎麦くってきました。で、今年チョイスした店は、駒形は一茶庵系の名店「蕎上人」(写真は春に撮ったモノ)。



注文したのは↓
せいろ(1,000 JPY) + 大盛 (+300 JPY) = 1,300 JPY
ビール中瓶(ヱビス) 700 JPY

感想ですが、ツユは少し甘め。ソバはコシが強くモチモチ感があり、喉ごしが素晴らしく良くて絶品の域に近いです(九段一茶庵と似ている)。相変わらず旨いです。

ところで、浅草周辺には蕎麦屋が多く、老舗の「並木の薮」とか「尾張屋」は行列が盛りだくさんでしたが、蕎上人は知名度に劣り立地も少し悪いからか、落ち着いて美味しいお蕎麦を楽しめました(っていうか、個人的に蕎麦の旨さでいったら蕎上人と並木の薮がnearly equalで尾張屋は劣ると思う。まあ、尾張屋は更科系?で毛色が違うけど。)。

味的にはトップクラスの蕎上人が比較的空いてるっていう現実に、ブランディングってっ凄いなって思うとともに(確かに「並木の薮」は凄いし、尾張屋(本店には永井荷風が通いつめたという)も悪くはない)、蕎麦屋でバリュー飲食(バリュー投資のオマージュ)が可能だゼと思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

余談ですが、実は一昨日、晦日前だったら空いてるかなと思って、「神田まつや」と「かんだやぶそば」をハシゴしようかなと思って行ってみたんですが、超並んでました、29日なのに、開店時間に行ったのに。

並ぶのが嫌いなので、ハシゴはあきらめてアメ横の「上野薮そば総本店」(「かんだやぶ」からの暖簾分け第1号。個人的には、かんだやぶや蕎上人よりも好き)に行ったら、けっこう余裕で入店できました(勿論、蕎麦は超絶旨かった)。

ここでクエスチョン。大晦日に蕎麦屋に行列なす人は、旨い蕎麦を喰いたいのか?それともネームバリューのある店で喰いたいのか?それとも観光の記念に喰いたいのか?

皆さんはどうですか?

蕎麦屋で蘊蓄たれながら、山葵をツユにどっぷりといて蕎麦喰ってる人が大嫌いな二流大出のなんちゃって研究員でした。

それでは、良いお年を。


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Sunday, December 26, 2010

龍の水

東京FMで、土曜の17:00からやっている「Suntory Saturday Wating Bar AVANTI」(Web Site http://www.avanti-web.com/index2.html)という番組があります。

学生の時分(いまから十何年か前)、研究室の先輩が好きで、毎週土曜の夕方はこのラジオ番組を流しながら実験していたものです。

大学卒業後、"AVANTI"を聴くことはなくなってしまいましたが、最近そのPodcastがあることに気付き、iPodでそのPodcastをチビチビ聴いています。で、とある回のPodcastにドラゴン•ウォーター(Dragon Water)というチャイニーズカクテルが紹介されていたので、そのレシピをメモしてみます(いつか試してみる予定)↓

ドラゴン•ウォーター(Dragon Water)レシピ
   紹興酒/ 60 ml
   烏龍茶/ 適量
   氷を入れたタンブラーに注ぎ、軽くステア(結構アバウトなカクテルです)

話に聴くところ、紹興酒と烏龍茶の相性は素晴らしく良いらしいです(意外)。


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2-Bromo-3-hexylthiophene-5-ylmagnesium iodide

個人的に気になった反応のメモです↓


macromelecules, 2004, 37, 1169.

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Saturday, December 25, 2010

LDA

有機合成において、最も広く用いられている試薬と思われるLDA のメモです↓

a) CAS 4111-54-0
b) pKa 35.7 in THF
c) 0℃で、Et2O, THF, DME, HPMA中で不安定
d) hexane, pentane中(0.5-0.6 M)、室温で数週間安定
e) 1分子のTHFとの錯体はアルカン中で安定
f) THF溶液中では二量体


g) TCIから市販されている試薬は、25% in THF/PhEt/Heptane, ca. 2 mol/L。多分、安定剤としてMg(iPr2N)2が入ってると思う(http://www.tokyokasei.co.jp/catalog/L0171.html)。
h) 関東化学から市販されている試薬は冷蔵保存品で、ca. 1 mol% in n-hexane-THF (LDA: 16%, n-hexane: 70%, THF: 14%)で、モル比換算すると、LDA : n-hexane : THF = 1 : 5.4 : 1.3。多分、LDAとTHFの1:1錯体でしょう(http://www3.kanto.co.jp/catalog/CDetail.aspx?SYU_ID=%20%20%20%20222053)。
i) あと、こんな風にしても合成できるらしい↓


よくLDAを0℃とかで反応させる例がありますが、これって市販のLDAを使ってるんですよね?だって、THF中、n-BuLiとiPr2NHから調製したLDAって、その温度域で不安定だし。


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すき家のオペレーション

はじめてすき家に行ってきました。すき家といえば、外食産業の雄「ゼンショー」グループの中核事業であり、その高効率なオペレーションが日経ビジネスで取り上げられました。そして、当ブログでも以前そのことについて言及しています(see http://researcher-station.blogspot.com/2010/12/blog-post_19.html)。

で、実際すき家のオペレーションってどんなものなんだろうという好奇心からすき家の牛丼 (並) 280円を食べにいったというわけです。ちなみに、コンキチが訪れた店はこんな店↓


席数/ 39席 (カウンター: 11席、テーブル: 28席)
来店者数/ 25人前後
クルー/ 3人(全て女性)
駐車場/ 約15台駐車可能
飲食時刻/ 13時頃


さて、感想です。まず来店一番、こういった店にありがちな食券の自動販売機がないことにびっくりしました。そして、テーブル席があったことにも少し驚きましたね。だって、オペレーション効率が下がりそうじゃないですか?

それから、客に対するクルーの数が少ないように思いましたね。食べ終わった食器が放置されていたり、商品の提供もファストフードショップとしてははっきり言って遅いと感じました。あと、人の働き方も一様ではない。1人だけ背中を汗びっしょりにしてあくせく動き回っていましたが、他の2人の動作はやや緩慢としかいえませんでした。

まあ、郊外のロケーション的にやや僻ってる店1軒だけみて全てを判断するわけではないですが(でも、けっこう混んでた)、すき家のオペレーションって人の労働効率を馬車馬 or ロボット並に高めることが鍵と思いました。人にやらせられることは徹底的に人にやらせる。で、単純労働を過負荷でクルーに付与することで、思考能力を低下させ、思考停止の無意識状態でオペレーションを遂行可能な人間兵器を養成することがすき家の生産性向上のキーファクターではないかと。

次は都内の繁盛店に行ってみようかと思います(コンキチはあまり牛丼とか好まないのでいつになるか分かりませんが)。
あと余談ですが、テーブルを拭く際、肘から下のみの動作でZ字に拭いてはいませんでした。


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Thursday, December 23, 2010

DMF Dimethyl Acetal

N,N-Dimethylformamide Dimethyl Acetalに関するメモです。


CAS 4637-24-5
bp. 102-104℃/720mmHg
pKa 6.25


この種の化合物(formamide acetals)は、主に、上式右の様なazo-oxo-stabilized carbenium ionの発生を介して反応(アルキル化、ホルミル化)に関与します。


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資源大国の宿命?

このあいだ業者の人からもらったTCIプロダクトノート「超原子価ヨウ素化合物」に目を通していたんですが、その冒頭にこんな件がありました↓

わが国は天然資源に恵まれず多くの原材料を輸入しているが、ヨウ素に関しては世界最大級の資源国である。しかしながら、その現状は付加価値の低い単体ヨウ素として生産、輸出し、そして、X線造影剤、写真用フィルム感光材などの高付加価値ヨウ素製品に形を変え輸入されている。貴重なヨウ素資源が国内で有効に利用されていないことになる。

のだそうです。

高付加価値ヨウ素化合物というと有機合成で使う超原子価ヨウ素(余談ですが、名古屋大の石原先生の開発したIBSをいつか使ってみたい)くらいしか知らなくて、他の高付加価値ヨウ素の市場環境に関する知見は皆無で申し訳ないんですは、日本でさえ資源がウハウハあると、Raw Materialで輸出しちゃうんですね

軽く驚きです。で、思いつきなんですが↓

資源が豊富だとそれをRaw Materialとして生産することで満足して、高付加価値製品を開発するというインセンティブが失われてしまうっていう傾向があるんじゃないだろうか?

余力があったら、関東天然瓦斯開発(連結でヨウ素最大手。国内シェア43%。世界シェア13%。)のIR資料くらいはサーチしてみたいと思いますが、詳しい人がいたら教えて下さい。


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Sunday, December 19, 2010

洗脳企業

橘玲のブログで、牛丼チャーン「すき家」を展開するゼンショーに関する記事がありました。

その記事によるとゼンショーの仕事(現場のオペレーション)は国内究極のマックジョブであるといい、社員には「ゼンショーグループ憲章」という小冊子(シリアル番号入りで、なくすことは許されない)が配られ、新人研修は「学生時代の誤ったリーダーシップ観を徹底的に否定する」という自己否定から始まり、ゼンショーの思想を植え付けるという洗脳じみたものだといいます(コワッ)。

そして、「日経ビジネス 9月20日号 外食日本一ゼンショー 280円で仕掛ける"メガ盛り生産性革命"」がオリジナルの記事といいます。

ということで、ボクもこの日経ビジネスの記事を読んでみました。


で、読んでみた感想なんだけど、一言でいうと、

ゼンショーってロボット生産工場だな


だって、

a) 朝礼で10分間の店内オペレーションのロールプレイングと(スーツ)スクワットをするそうです。で、ある幹部社員は「うちの朝礼は素早く仕事モードに切り替えるための合理的なセレモニーなんです。恐らく一般の会社は、始業後、数時間ムダにしてるんじゃないでしょうかね」と嘯いているそうです。
→どこが合理的かサッパリ分からないけど、(軍隊に入ったことねいけど)軍隊チックな感じですね。因に、ボクの職場は上述の儀式はないけど速攻仕事モード入ります。

b) 「ゼンショーグループ憲章」には、「商談は30分」「社員は群れてはいけない」「笑ってごまかさない」「いい人に思われるようにするな」「歩く時は1秒に2歩以上」なんていう記述があるそうで、社員にとってはバイブルに等しいそうです。
→ミスター•マリック張りに相当キテマスね。こんな小学生じみたことを憲章に列挙するのは、オペレーターを精神的にロボット化する意図しか感じられない。
あと、「社員は群れてはいけない」って労組を結成しちゃダメって暗にほのめかしてますよね。けっこうブラック(ボクは、個人的に労組には否定的だけど)。

c) 丼の洗い方やテーブルの拭き方にまで細かいマニュアルがあり、ムダな動きだと叱責される。例えば、テーブルを拭く際は、肘から下のみの動作でZ字に拭かなければならない(上腕を使うと動きが大きくなりムダという)。
→正にロボット化

d) 現場でクルーがマニュアル通りに動いているかを確認する社員の定期循環に加えて、全店に監視カメラを設置し、監視役の社員が24時間モニターしている(防犯対策の意味もある)。
→グーグルなどのクリエイティブ企業とは対照的な徹底管理。自己実現ゼロの退屈な職場環境では、オペレーターは低きに落ちてゆくから徹底監視による厳格管理が必要ってことですね。恐怖政治だな。

多かれ少なかれ企業っていうのは、従業員を洗脳して自社に忠誠を尽くすようにするための洗脳プランっていうのを持ってると思いますが、こゼンショーは凄いね

(あと、ゼンショーに匹敵する宗教じみた洗脳研修を実施している企業は、王将フードサービスだろうか see http://www.j-cast.com/kaisha/2010/04/14064474.html)

さらにゼンショーは個々のオペレーションの詳細を徹底的に規格化して、個人の裁量を排除してオペレーションのムラを取り除こうとしているようです(クルーの唯一の独自性は笑顔だそうだ)。例えば↓

a) トヨタばりにタクトタイムを管理

b) ゼンショーには牛丼のミニ用、並盛用、大盛用の3種類のおたまがある(吉野家は1種類しかない)。

c) 製造ラインの組み替え(段取り替え)をパートだけで効率的に組み替えるマニュアル整備と訓練をしている。

d) FFS (Five Factors & Stress)の導入
米国海兵隊が使っている組織理論。性格毎にクルーのベストマッチな組み合わせを最適化し、チームとしての効率を高めるている


e) パート•アルバイトを徹底活用↓

ゼンショー
吉野家
牛丼並盛の価格
280円
380円
売上高
1,006億 (すき家)
1,021億 (吉野家)
店舗数
1,482 (すき家)
1,178 (吉野家)
原価率 (連結)
33%
38%
社員対パート
1対7
1対4
平均単価
500円弱 (すき家)
500円弱 (吉野家)
1人当り売上高(正社員のみ、連結)
6,900万円
4,690万円
1人当り売上高(パート込み、連結)
887万円
889万

人件費の安いパート人材の比率を増やして利幅を稼いでいるんですね(BRAVO)。

マックジョブは低付加価値事業で、そういった事業は薄利多売スキーム(EDLP)だから、非正規社員を沢山つかってコストカットしたり、スケールメリット(国内外食 No.1)を効かしたやり方っていうのは王道ですよね。しかも、何も考えず言われたことをしっかりやってくれるロボットオペレーターは最強の戦力だ。

コンキチはこの記事を読んで、ちょっぴりゼンショーに興味を持ちました。実は、すき家には一度も入ったことがないんだけど、今度クルーの作業している様子を観察しに入店してみようと思います。それから、ゼンショーの組織構造も余力があったらサーチしてみたいです。

それにつけても、マックジョブって恐いな。橘氏は自身のブロググで、

マックジョブには「自己実現」はないけれど、仕事で悩んでうつ病になったり、自殺したりすることもない。

と述べているけれど、ボクには耐えられないな。来る日も来る日も単調な作業の繰り返しなんて、退屈で退屈で狂い死にしそうです。しかも、いい年した大人(我が国で大卒は20歳超えてるまぎれもない大人だ)が思想まで強要されたくない。

改めて、学生みたいなキタナイ恰好で通勤できて、そこそこ楽しい研究ライフを送れている自分の運命に感謝したい気持ちでいっぱいの二流大出のなんちゃって研究員でした。


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Saturday, December 4, 2010

グルは死なない

抗生物質を服用していて断酒中で調子の出ないコンキチです。

ところで、我が国が誇る経営学の(かつての)グル大前研一先生の著作「民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論」を読了しました。

この著作でコンキチのこころにとまったのは次の3点↓

1) 「夫婦+子供2人」はマジョリティではない

1960年
2005年
単身世帯
約400万世帯
約1,330万世帯
夫婦と子供から成る世帯
-
約1,464万世帯

我が国では、もはや、各年代で単身世帯数がフラット化しているといいます。企業は、こういったクリティカル•マスの動態を把握してマーケティング戦略を立てたければなりませんね

2) 加ト吉の人材育成法
加ト吉では、中国市場攻略のための人材獲得手段として、日本の大学や大学院に留学している中国人を採用し、日本で育てて中国の本部長や工場長にしているそうです(20年くらいかかったらしいです)。エクセレントな戦略と思いました

3) インドネシア
インドネシアは輸出主導の「弟1ステージ」から内需主導の「弟2ステージ」に転換し、中国よりも魅力的な市場となっているそうです。新興国市場要チェックですね
(コンキチは現在新興国市場に食指を伸ばそうかと考えています)

以上、メモ終了です。まだグルは完全に力を失っているわけではなさそうですね


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Friday, December 3, 2010

これってイノベーション?

先日、ユニクロで折りたたみ傘を購入しました(確か780 JPY)。こいつです↓


傘本体と傘袋がリードで繋がっていて、そのまま使用できるんです。

ボクは、よく折りたたみ傘の傘袋を無くして、その度腹立たしい気持ちになるんですが、これだったらそんな心配ナッシングです。

っていうか、この傘袋を本体とリードで繋ぐっていうアイデアって、誰でも考えつきそうだけど(少なくともボクは)今まで見たことなかった。ちょっとしたイノベーションだよね。

希代の天才が、「何もないところからアイデアを生み出す」というイメージはロマンがあって魅力的であるが、危険なフィクションである。イノベーションや創造性というものは、そのイメージほどミステリアスなものはない。すでに開発されたアイデアを取り入れ、それを新しい状況に適用しているにすぎない。(「製品開発力と事業構想力」より引用)
see http://researcher-station.blogspot.com/2007/01/blog-post.html

なのです。

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