2013年8月31日土曜日

C層の研究 : 保守とはアンチ構造改革である


日本をダメにしたB層の研究」(http://researcher-station.blogspot.jp/2013/06/blog-post_15.html, http://researcher-station.blogspot.jp/2013/06/b.html, http://researcher-station.blogspot.jp/2013/06/b_19.html)の著者、適菜収の新作「日本を救うC層の研究」を読了しました。

著者の適菜収は、議会主義と古典を愛する真の保守主義者で、民主主義(民主政)を毛嫌いし、選民政治を志向するちょっとエキセントリックな人物です。大の三島(由紀夫)推しで、世にはびこるジャリタレが大嫌い。モノマネ芸人大好きで、好きな芸人は青木隆治、荒牧陽子、松村邦洋、ダチョウ倶楽部、コージー冨田、神無月、コロッケ、清水ミチコ。嫌いな芸人は、アンガールズ、高橋真麻、友近。率直に言ってお友達になれそうな気はしませんが、上から目線のその視座には、はっとさせられる部分も多くあります。ちなみに、この本の著者は構造改革否定派みたいだけど、ボクは構造改革肯定派です(最早、構造改革のなかに共産主義的な思想は死んでいて、現実的には構造改革は規制改革と同義と思います)。

まず、この本のタイトルにもその名が冠されている「C層」なるものは何者かというと、構造改革に否定的でかつIQが高い層、すなわち頭のいい保守であり、構造改革のいかがわしさを筋道たてて説明できる層だそうです。

構造改革(規制緩和、共有地の悲劇の回避のための規制強化、小ささ政府)というのはこれまでのシステムを破壊するある種の革命であり、グローバリズムに代表される近代的価値を信奉する改革派の主張です。それに対抗するのが真の保守主義であり、古典や伝統を重視した反グローバリズムの立場に立つ人達と言います。

ボクは著者の反民主主義の思想にはシンパシーを感じるけど、アンチ構造改革の主張には首を傾げざるを得ません。

ボク的には、今の日本の体たらくは、古くさくなって適応不全となった産業構造(保護主義)や社会システム(肥大化した社会保障制度)をムダな金をかけて温存するといった停滞という名の後退だと思っているので、実質的にアンチ構造改革とは怠惰な既得権保有者のムダな保護にしか見えません。

まあ、鎖国したりテクノロジーを廃して非効率化の名の下にみんなに仕事を回し、自由を制限してみんなで貧しくなるっていうのも個人的にはそう悪くないかもしれないと思うけど、それは非現実的じゃない?

っていうか、構造改革(規制緩和、共有地の悲劇の回避のための規制強化)のいかがわしさを筋道たてて説明して欲しいと思いました。ボクのつたない読解力では、彼のロジックは、構造改革は全体主義的革命思想で、革命は伝統•秩序•自由を破壊するからダメというちょっとすっ飛んだ考えにしか思えませんでした。。それに「保守」と「守旧」は紙一重の言葉遊びっしょ。


つづく.....

New Trifluoromethylation Reagent

あの有機合成化学者作家の喜多喜久氏の最新作「化学探偵Mr.キュリー」を読了しました。

で、率直な乾燥なんですが、

ガッカリです

本作は、探偵役の理学部化学化の准教授と、ワトソン役の大学庶務課の新人事務員が、学内を中心にして起こる不可思議な事件を解決していくミステリ短編集ですが、一ミステリファンとしてこの作品にミステリとしての重さが全く感じられないんですよね。っていうか、まずタイトルがあか抜けない。

そして、内容は「ガリレオ」と「ビブリオ古書堂の事件手帳」を足して二で割った出来の悪いイミテーションかと思いました。はっきり言って、化学(ケミストリー)ネタを無理矢理絡めようとしているとうふうにみえて極めて陳腐な内容と思いました。それから、第三話の「人体発火の秘密」は化学者のモラルを疑われかねない作品に仕上がっていると思います。

著者は、「今後の作家人生で、このシリーズだけを書くことになったとしても、何ら後悔しない(see http://www.chem-station.com/blog/2013/07/-mr725.html)」と述べていますが、悔い改めて欲しいと思いました。ボク的には、ケミストリー三部作(「ラブ・ケミストリー(http://researcher-station.blogspot.jp/2011/03/blog-post.html)」、「猫色ケミストリー(http://researcher-station.blogspot.jp/2012/05/2.html)」、「ラブ・リプレイ(http://researcher-station.blogspot.jp/2012/10/70.html)」)や、「美少女教授・桐島統子の事件研究録(http://researcher-station.blogspot.jp/2013/03/blog-post.html)」のようなモラトリアム系サイエンスオタッキーをターゲットにしたサイエンス•ファンタジー•ミステリ(オレの上司曰く、少女マンガみたい)に作風を戻して欲しいと思いました。喜多氏の次回作に期待したいと思います。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Amidirate Salt of Hexafluoroacetone Hydrate for the Preparation of Fluorinated Compounds by the Release of Trifluoroacetate
Org. Lett., 2013, 15, 208-211.

カルボニル化合物への求核的トリフルオロメチル基付加反応につかう新しい試薬を開発したというお話です。

Fragmentation of Hexafluoroaceton Hydrate
J. Org. Chem., 1968, 33, 2100-2102.

著者らは上記Schemeで示されるトリフルオロアセテートの放出を伴う反応にインスパイアされて、次のような反応を開発してきました↓

J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 5802-5805.


trifluoroacetate-release olefination
J. Org. Chem., 2011, 76, 3676-3683.


J. Org. Chem., 2011, 76, 9163-9168.

でThis workですが、著者らは無水条件でCF3アニオンを出せれば、Hexafluoroacetone Hydrateのフラグメンテーションのプロセスが使えるんじゃないかと考え検討を進めていき、その目的に適した新たな試薬と、それを用いた反応を開発しました(水の存在下、CF3アニオンはCF3Hになるらしいです)↓

A New Trifluoromethylation Reagent : Hexafluoroacetone Hydrate Amidinate Salt



モデル化合物を使って決定した最適条件は、amidinate salt (1.2 eq.), tert-BuOK (4.4 eq.), n-Bu4NCl (4.4 eq.), DMF, -30˚C。反応例は、カルボニル化合物(アルデヒド、ケトン)で11 examples, 78-96% Yield。ジスルフィドでは、フェニルジスルフィドで73% Yieldです。

tert-BuOKにn-Bu4NClを作用させることで、カウンターイオンの交換が起こり、tert-BuOBu4とKClが生成すると考えられます(なんか固体が発生する)。

それから、この新amidinate salt の他の適用例としてこんな反応にも使えるぜとアピールしています↓


このトランスフォーメーションは、フルオロホルムのC-F活性化を経たリチウムエノレートのジフルオロメチル化がオリジナル(Mikami et al., Angew. Chem. Int. Ed., 2012, 51, 9535-9538. 33-82 %)ですが、著者らが開発したamidinate saltを適用することで、系内で発生させたフルオロホルムをバブリングさせることで反応を進行させることができます(ハンドリングは大幅に向上ですね)。

ボク的にはトリフルオロメチル化って、人生でまだ一度も経験したことないんですが、このamidinate salt 試薬は使い勝手がかなり良さげと思いました。機会があったら是非使ってみたいと思った二流大出のテクニシャン(研究補助員)でした。


2013年8月28日水曜日

Direct Amidationを遂行せよ

春に食べたラーメン(コンキチの愛読書「ラーメン発見伝」に原作協力している石神秀幸とラーメン花月嵐がコラボレーションしてできた期間限定ラーメン)のメモです(http://www.k2-museum.jp/limited/104_tenshou_01.html)↓

-牛肉麺 天晶 (780 JPY) memo-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
麺は平打ちの軽くちぢれ麺。きしめん様。率直に言って、特筆すべきデリシャスな点はあまりない。スープは辛•酸•甘が各々穏やかにバランスしていて悪くない。そしてパクチーと良くあう。具は、パクチー、糸唐辛子、牛肉、ネギ。このラーメンは麺を旨く食べるためのラーメンじゃなくて、牛肉を旨く食べるためのラーメンためのラーメンと思いました。牛肉、麺、スープ、パクチーを一緒に食べるとなかなか旨い(但し、感動的というレベルでは全くない)。良く出来たチェーン店ラーメン。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Direct Synthesis of Amides from Carboxylic Acids and Amines Using B(OCH2CF3)3
J. Org. Chem., 2013, 78, 4512-4523.

Direct Amidationのお話です。

カルボン酸とアミドの脱水縮合によりアミドを作るという反応は、最も古典的な反応の一つで、今日までに様々な縮合剤などが開発されてきましたが、真にGreen Sustainable Chemistryを志向した実用的なDirect Amidationは殆どないと思います(要は、原子効率が低い)。

最近、幾つかの実用的なDirect Amidationが報告されていますが、基質一般性に問題があるようです(例えば、Direct thermal amide formation→Chem. Commun., 2012, 48, 666-668.; Radiofrequency heating under neat conditions→Org. Biomol. Chem., 2013, DOI:10.1039/C2OB26930A)。

また、金属が触媒するアミド化も報告されていますが、これらの反応は禁水条件が必要で(一応、著者らはその点が問題と考えていま)す(Ti(OiPr)4Synlett, 2012, 23, 2201-2204.; Cp2ZrCl2Chem. Commun., 2012, 48, 666-668.; ZrCl4Chem. Eur. J., 2012, 18, 3822-3826.)。


著者らが注目しているDirect Amidationは、ボロンが触媒するアミド化ですが、この種の反応は、副生する水の除去と、比較的希釈条件下での反応、しばしば化学両論量のボロン試薬が必要になる、無水条件が必要になる、過剰の酸またはアミンが必要になる、比較的活性化された基質に限られるといった問題が指摘されています。

で、著者らの最近の報告なんですが、こんな反応を報告しています↓

Org. Biomol. Chem., 2011, 9, 1320-1323.

シンプルなホウ酸エステルがDirect Amidationやアミド交換反応に有効だっていう報告です。(この論文は読んでないけど)B(OMe)3も幾つかのケースで有効なんだそうで、興味をそそられます。

B(OCH2CF3)3を使った触媒的Direct Amidationは↓

(1) より活性が高く
(2) より多くの基質に対して有効で
(3) シンプルな操作手順
(4) オープンエアでもオッケー
(5) 等モルの酸とアミンの使用でオッケー

という好ましい特徴があります。

ということで、本報では、

(i) B(OCH2CF3)3の大量合成法
(ii) アミド化の広範な基質一般性(68 examples)
(iii) DMFとのアミド交換反応を介したアミンのホルミル化
(iv) 固相精製法

について報告しています。

まず、B(OCH2CF3)3の調製法についてですが、最初の合成法はこんな感じ↓


収率はなかなかの高収率ですが、著者らは極低温条件とBBr3が高いことを改善すべき点と考え次のような反応を探して(Monatsh. Chem., 1969, 100, 1489-1493.)、マルチグラムスケールで調製可能であることを示しました(HBrがモリモリ発生するのは気分悪いけど、ホントにcryogenicな条件が必要なのかは疑問)。


このプロセスのウリは、CF3CH2OHがリサイクル可能で、B2O3がBBr3よりも安くて湿気に敏感じゃないことです。でも、スケールアップすると収率が低下していくっていうのはかなり頂けないと思います(しかも、通常蒸留による精製は量が増えるほどホールドアップとか大気ロスが減るので収率が上がる)。

基質一般性の検討はかなりの数が検討されています。


スタンダードな条件は、カルボン酸とアミンのモル比は1:1, B(OCH2CF3)3 (2 eq.), CH3CN, 80℃。solid phase workupでクロマトなしで簡便かつ迅速な後処理-精製も可能です(aqueous workup (acid and base washesも可)。

solid phase workupは、反応液をCH2Cl2、AcOEt、水で薄めてAnberlyst A-26(OH), Amberlyst 15, Amberlite IRA743 (ボロンスカベンジャー)をボディフィードして30分撹拌したあと、MgSO4乾燥して、樹脂とMgSO4をまとめてろ過して終了。このオプションのメリットはデマジでデカイと思います。


あと、嵩高い基質や反応性の低い安息香酸誘導体との反応において、スタンダード•コンディションでは収率が上がりませんが、より激しい条件で収率が改善します

それから、とりあえずかなりイマイチな結果に終わったものをメモしてみます↓



ちなみに、B(OCH2CF3)3は室温、不活性雰囲気下で少なくとも4ケ月はもつそうです。


2013年8月25日日曜日

トリフェニルホスフィンオキシドを減らせ

鰻はあんまり好きじゃなくて、穴子派のコンキチです。より具体的には、鰻は刺身が好き。蒲焼き白焼きは嫌い。穴子は白焼き派です。で先日、旬の穴子を食ったときのメモです↓


-日本橋 玉ゐ 室町店 memo-

-30食限定ランチ (1,000 JPY)-
-RATING (Conger)- 
-RATING (Sashimi)- 
-REVIEW-
煮穴子のお重、刺身(赤身、帆立)、お新香(玉ねぎ、ピリ辛の胡瓜の漬物)、味噌汁のセットで、大盛り無料。
煮穴子は2切れ。薬味は柚子、山葵、胡麻、葱がついてくる。白焼き派のコンキチとしては、「こんなもんなのかな」という感想。タレは旨いが、感動はなし。プラス200円で出汁をオーダーできる。で、最後、出汁をかけてお茶漬けにするんだけど、それがとても旨い。但し、出汁とタレのシナジーは全く感じられず、むしろ、出汁の旨さがタレで消されていると思った。
刺身は赤身(小3切れ)、帆立(3切れ)。赤身はブロック的な切り身で、味もそんなに良くなく、歯切れも良くないし(少しスジが入ってる)、形が悪いので醤油ののりも悪い。帆立は鮮度が良さそうでぷりっぷりっなんだけど、実はコンキチは帆立の刺身自体にありま興味が無かったりするのでどう評価していいかよくわからない。

-出汁 (200 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
鉄瓶で提供される穴子の出汁。上品で滋味豊な味でとっても美味しい。上層と下層で濃淡があり、上層は薄く、下層は濃い(抽出時間と抽出対象物からの距離に依存するのでしょう)。特に、後半の濃厚スープは絶品。是非注文した方がいいと思う一品。

-あなご酒 (1,000 JPY)-
-RATING (Sake)- ★★☆☆☆
-RATING (Conger)- ★★★★★
-REVIEW-
燗酒は菊正宗生酛。あなご酒は酸味が際立つが、香り立ちも殆どなく凡庸な味。あなご酒自体は凡庸だが、中に入っている焼いた穴子の身はとっても美味しい。

穴子の刺身を期待して行ったんですが、残念ながらメニューにありませんでした。穴子専門店なので、次回は白焼きと天ぷらを試してみたいなと思いました。


閑話休題


「気ままに有機化学」さんで紹介された論文
(http://chemistry4410.seesaa.net/article/367513628.html)を読んでみました↓


Development of a Scalable Synthesis of Oxadiazole Based S1P1 Receptor Agonist
Org. Process Res. Dev., 2013, 17, 666-671.

プロセス化学の文献です。で、個人的に興味を持ったの二点。光延反応後のPh3P=Oの除去法と、中性条件下でのエステルの加水分解です。


光延反応後にクロマトを回避したトリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)の除去は、ポリマー担持トリフェニルホスフィンや水溶性トリフェニルホスフィン誘導体を使用することでも達成されますが、コストや入手容易性に問題があります。そこで、著者らが見出したコストイフェクティブな方法は、トリフェニルホスフィンオキシドと塩化マグネシウムとの難溶性の錯体を形成させ、ろ別して取り除くという方法です(WO1998007724)。

Solvent Dependence of TPPO Removal Efficiency
CH2Cl2
THF
PhMe
TPPO removed (%)
45
80
>95
Complex Solubility (mg/mL)
57
5.2
2.1

ちなみに、著者らの方法では、溶媒のトルエンを使い、MgCl2処理した後にヘプタンを加え、過剰のMgCl2、TPPO-MgCl2錯体、還元されたDEADをろ別して(次の反応に問題ないくらい)取り除いています。


あと、上記Schemeの最後のtert-ブチルエステルの加水分解ですが、普通に酸性条件下で加水分解を試みると、ピリジンユニットに結合しているiso-プロピル基も幾分外れてしまうそうです。この副反応を回避する加水分解条件が、TMSOTf-Et3N(Synthesis, 1980, 545.)を使った中性条件下での加水分解で、一旦シリルエステルをつくって加水分解します。


ところで、トリフェニルホスフィンオキシドの除去っていえば、他にもこんな方法があることを思い出しました。

光延じゃなくてWittig反応でなんですが、こんなのがあります↓

Tetrahedron Asymmetry, 2011, 22, 323-328.

著者らは、50%程度のDMF水溶液に対するTPPOの溶解度が大きいことを見出し、反応後50% DMF水溶液とヘプタンで液-液抽出することで、カラム精製することなしにTPPOを除去することに成功しています。

あと、個人的にやったTPPO除去法なんですが、抽出溶媒にトルエン-ヘキサン、洗浄液に60%程度のメタノール水溶液を使ってTPPOを取り除いたことがあります。

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難溶性TPPO-MgCl2錯体の形成と中性条件下でのエステル加水分解は覚えておいて損はないかなと思った、二流大出のテクニシャン(研究補助員)でした。





A Researcher Invests Overseas

先日、超久しぶりにホワイト餃子食べにいきました。そのときのメモです↓


-ホワイト餃子 柏店 memo-

-焼餃子 10コ 420 JPY-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
独特の調理法のためだろうか、少し厚みを感じる皮は外がパリパリで内側はモチモチ感が残っていてとても美味しい。餡は普通。皮がもの凄く旨い。
-スープ水餃子 8コ 460 JPY-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
薄っーいワカメスープに普通の水餃子が浮かんでいる。特筆すべき点はなし。

-餃子定食 750 JPY-
-MEMO-
焼餃子、ライス、ワカメスープのセット

瓶ビールは、ハートランド、一番搾り、クラシックラガー、スーパードライが揃っており(各500 JPY)、缶ビールはバドワイザー (390 JPY)がある。ビールで焼餃子をつまむための店と心得るべき。


閑話休題


最近、環境が整ったのでInteractive Brokers証券(Interactive Brokers LLC)っていうアメリカの証券会社に口座開設してみました。この証券会社はアメリカ随一のディスカウント•ブローカーで NASDAQに上場している会社です(ティッカーはIBKR)。幾つかの書籍やWeb Siteでも紹介されていて、まあ海外投資を志向する投資家の間では超メジャーな米国証券会社と思います。

で、この証券会社を使うボク的なメリットは↓

a) 各国の株式市場にアクセスできる
b) 安く送金できる
c) 外貨への両替がとても安くできる
d) 手数料がとても安い
e) (万が一の)預金封鎖の対策になる(と思う)
f) インタラクティブ•ブローカーズ証券株式会社(Interactive Brokers LLCの日本法人)が口座開設の取り次ぎサービスをしてくれる(日本語サポート有り)
etc.

デメリットは↓

a) なにもしなくても毎月10 USD(=120 USD/year)は費用がかかる
b) 税金関係が面倒くさそう
etc.

といったところでしょうか。

米国証券ということで「口座開設って面倒なんじゃないの」と思うかもしれませんが、実際はめっちゃ簡単で、国内ネット証券に口座開設するより容易に口座開設することができます。

申し込みは全てインターネットネット上で完結します。海外の金融機関なんだけど、パスポートさえ必須ではなく、身分証明書類、住所確認書類もデジタルデータをアップロードすればオッケー(Citibank銀行も同様のシステムを構築していて簡単に口座開設できる。他の日本の金融機関も見習って欲しいと思います。)

で、口座開設までの具体的な流れですが、こんな感じです↓

step 1   インタラクティブ•ブローカーズ証券のweb siteの口座開設申込みフォームから必要事項を記入し、身分証明書類、住所確認書類をアップロード

step 2   二日後、本人確認書類を確認したっていうメールが届く

step 3   口座開設申込みから4日後。書留が届く(配達時に不在だったので翌日受け取る)。この書留受領をインタラクティブ•ブローカーズ証券が確認することで本人確認手続きが完了。

step 4   口座開設申込みから9日後。口座開設完了のメールが届く。

step 5   口座開設申込みから12日後。送金の準備が整ったので、送金する。その日の内に着金が確認され、晴れてInteractive Brokers LLCデビュー(っていっても何もしてないけど)を果たす。

っていう感じです。

あと、インタラクティブ•ブローカーズ証券まめ情報↓
a) 日本法人は12人で回していて、その大半がIT系のプログラマー
b) 今後開拓しようとしている市場はブラジルとタイ
c) 米国株取引等のサービスを提供している証券会社もインタラクティブ•ブローカーズ証券のシステムを利用している

だそうです。

とりあえず、Interactive Brokers証券(Interactive Brokers LLC)デビューを記念してAppleの株主になってみた二流大出のテクニシャン(研究補助員)でした。