2014年10月18日土曜日

カップルカップル

両国のお店のメモです↓

-博多屋台上がり からくさや memo-

-お通し-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
(このときは)絹ごし豆腐に胡麻油、塩吹き昆布の線切りがかかったもの。塩吹き昆布はかなり塩味が効いていて、その塩味と昆布の旨味、それから胡麻油の香味が淡白なお豆腐の味と融合してexcellentな味を醸し出している。

-名物焼ラーメン (780 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
(よく豚骨ラーメンに入ってる)極細麺が熱せられた鉄板に載せられてジュージュー音をさせながら提供される。「生卵をよくかき混ぜてから食べてください」と言われたので、そのようにやってみると良い具合に卵が熱せられて変性して良い感じ。極細麺の上にはベビースター(?)も載ってるんだけど、極細ラーメンのしっとり感と一部強熱されて焦げて軽くパリパしした香ばしい感じに加えてベビースターのサクサクパリパリ感の食感の融合が楽しいです。味付けは甘めのソースでちょっと濃いめでジャンキーtaste。明太子入りの辛みそマヨネーズをかけるとジャンクさup↑の面白ジャンクフードと思いました。

-濃厚鶏レバ刺 (780 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
とっても旨い。身は薄く切られていて食感が心地よい。また、冷凍感のないヒンヤリした温度がとても良い。控えめな胡麻油の味付けの加減がgood。お肉の味はあっさりしていてcreamy、そこにやんわりしたoily感、それでいてレバー特有の力強いbodyにネギとニンニクチップのコンビネーションがとても良く合う。ヒンヤリとしてテゥルンテゥルンな食感にネギのシャキシャキ感とチップのパリパリ感の融合がシナジー効果を出している。生臭さが殆どなく、旨さが口の中いっぱいに迸る絶品。

-本格もつ鍋 (1,050 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
モツは、周りがぷりゅんぷりゅんの脂エリアで中心にキュっと締まった筋肉質ユニットがある。他の具はシンプルにニラとキャベツのみ。
first impressionは味噌ベースかと思ったけど、どうだろうか?スープはエバラ焼肉のタレをもの凄く上品にした感じの軽やかにしてジャンキーなtaste。唐辛子と少し大きめに刻まれたニンニクでさらに香味付けされている。ニンニクのパンチが凄く効いていてvery good(翌日、注意が必要)。あと、キャベツにスープの味が染みてとても旨い。

-生ビール-
銘柄はアサヒ

-白霧島・黒霧島 (各380 JPY)-
neatで一杯380円。ロックにすると氷代50円がかかる。


なかなか楽しい店と思いました。他のメニュー(酢もつ、地鶏のタタキ刺、辛子れんこんとか)にもトライしてみたいと思います。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Catalytic Direct Cross-Coupling of Organolithium Compounds with Aryl Chlorides
Org. Lett., 2013, 15, 5114-5117.

塩化アリールと(ヘテロ)アリールリチウムのカップリングの話です。

有機リチウムのクロス・カップリング反応への適用は、その反応性の高さゆえに選択性を欠くため、難しいものがあります。しかしながら、有機リチウム化合物へのアクセシビリティーには魅力があります。

塩化アリールはその反応性の低さから、クロス・カップリングパートナーとしての使用頻度は高くありませんが、低コストかつ入手容易性が高いところに魅力があります。

で、反応性の高すぎる有機リチウムと反応性の低い塩化アリールをカップリングさせちゃおうっていうのが本報です。

ちなみに著者等は最近、有機リチウムと臭化アリール or 臭化アルケニルとのクロス・カップリングを達成しています(Nat. Chem., 2013, 5, 667.)。この反応の鍵となるのは、トルエン溶媒中、配位子にPtBu3を使うことで、高選択性と高収率を実現させています(リチウム-ハロゲン交換やホモカップリングは抑制される)。

とまあ、既に臭化アリールとアリールリチウムのカップリング反応は開発されているんですが、それでも塩化アリールとの反応はチャレンジングだと言います。

一般的に、嵩高く立体障害の大きいジアルキルビアリールホスフィンやNHC配位子が、有機ホウ素、有機亜鉛、有機スズ、有機マグネシウムとのカップリングに対して有効であることが知られていることから、著者等はそういった配位子を選択して反応開発を行いoptimal conditionsを見出します。

This work
21 examples, 76-98% Yield

触媒システムは、Pd-PEPPSI-IPentかPd2(dba)3/XPhos。Pd-PEPPSI-IPent(52,800 JPY/g, Sigma-Aldrich)は市販されていて、air stableだそうです(ちなみに、Sigma-AldrichでXPhosは876,300 JPY / 100 g)。

どちらの反応条件もhigh yield, mild conditions (rt. to 40˚C), short reaction times (40 min to 4 hr)。Pd-PEPPSI-IPentを用いる場合は、ArLiのslower additionと高濃度での反応が良いそうです。

チエニルリチウムとの反応では、TMEDAの添加と高温(40˚C)が必要となります。また、嵩高いオルト置換有機リチウムとの反応は、室温で反応が進行し、高収率で目的物を与えます。

あと、こんなことも出来ます↓

まあ、有機リチウムを使ってるので、シンプルな基質しか使えませんが、基質の電子状態に関わらずおしなべて収率は良く、機会があったら使ってみたい反応と思いました。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。

2014年10月13日月曜日

Catalytic Reductive Dehydration

増税前に行った東京のラーメン屋のメモです↓

-鮮魚らーめん五ノ神水産 らーめん銀だら搾り (780 JPY) memo-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
入店すると猛烈なタラの匂いが充満している。そして、湿度が凄く高い。店員は3名(平日昼)は皆おしゃれな帽子をかぶってる。箸は無骨な形状の竹箸。
で、ラーメンはというと、
麺は細〜中細のストレート。エッジが立っていてモチモチしていて少し蕎麦に似た食感で旨い。
スープはタラの香りがプーンと立ち昇り、タラの香味は充分。非常に濃厚かつクリーミーなスープ。粘度も高い。動物的な感じられないが、魚臭さがいささか鼻につく。この魚臭さで好き嫌いが分かれるところと思うが、このクセの強さは"ラーメンらしさ"を出すための演出だろうか?
具は鶏の照り焼き、ブロックメンマ、葱等。メンマはなかなか旨い。鶏の照り焼きはラーメンに合わせるにはやや淡白と思った。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Catalytic Reductive Dehydration of Tertiary Amides to Enamines under Hydrosilylation Conditions
Org. Lett., 2014, 16, 680-683.

ヒドロシリル化を介した還元的Dehydrationによってtert-アミドからエナミンをつくるお話です。

ヒドロシリル化を介したアミドの触媒的還元反応に良く知られた反応ですが、たいていアミンへと誘導され、エナミンへの誘導(エナミンでとめる)はあまり探索されていません。

1996年に、hydrosilylation protpcolを用いたアミド→アルデヒドというtransformationをBuchwald等が報告しており、中間体としてエナミンを経由します(Ti(OiPr)4-Ph2SiH2 system, Angew. Chem. Int. Ed., 1996, 35, 1515.)。

それから、本報と同様にtert-アミドからエナミンを作るという報告が永島等が報告しています↓

Chem. Commun., 2009, 1574-1576.

この手法を著者等は"only catalytic system"であり、"high selectivity and yield"と述べています。

で、This workです↓
11 examples, 65-96% yield

はじめ著者等はNHC/ironベースの触媒システムで検討を行いましたが、まあ、色々検討した結果、NHCリガンドも鉄触媒が無くても反応が進行することを見出し、optimalな触媒はKOtBuであることを見出しました。

また、用いるシランは、PMHS (polymethylhydrosiloxane)、TMDS (1,1,3,3,-teramethyldisiloxane)、Ph2SiH2、(EtO)2MeSiHはダメで、(EtO)3SiHと(MeO)3SiHのみがアクティブです。

それから溶媒効果が大きく、THFが最適で、2-MeTHFでもTHFと同等。トルエンでそこそこ反応が進行するも、ジクロロメタンとアセトニトリルではNo Reactionです。

官能基許容性ですが、アルデヒド、ケトン、イミンを含む基質はダメ(孤立オレフィンはオッケー)です。

あとこの反応、反応中のガス(おそらく水素)が発生するといいます。

このことから、脱プロトン化プロセスにおいてヒドリドが塩基として働いている可能性が示唆されます。

ウリ:遷移金属フリー
特徴:tert-アミド→エナミンっていう反応で、触媒にアルコキシドを使ったはじめての例


以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の論文メモでした。

2014年10月12日日曜日

tert-ブチル基の化学 Extra Operation : tert-ブチルエステル合成の新手法

今はもう無くなってしまった(閉店してしまった)八かく庵 柏高島屋ステーションモール店のメモです↓

-豆腐屋ご膳 (増税前 1,580 JPY) memo-
-RATING- ★★★
-REVIEW-
・京とうふ藤野豆乳 (★★★☆☆)
僅かに乳様の香り。豆乳嫌いのボクでも普通に飲めるあっさりとした味。
・出来立ておぼろ豆腐 (★★★☆☆)
"出来立て"と言うだけあって、温かい状態で提供される。木綿豆腐派のボクとしては大満足という感じではなかったが、普通に旨い。それから、秀逸なのは調味料。出汁醤油はけっこう甘味が効いていて上品かつ軽やかな香味で豆腐に良く合う。
あと、塩がとても旨い。滋味深い味。驚くほど豆腐の味を凄く引き立てる塩だ。
梅胡麻は、醤油 or 塩と組み合わせてアクセントとして使うのが良い。
がおかわり自由がうれしい。
・豆腐の彩り揚げだし (★★★★★)
"彩り"部分は、それって必要?と思うが、全体としてかなり旨い。豆腐は軽く揚げてあって、あっさり上品な味わいで食感は大分柔らかい。出汁もそれに合わせてあって比較的薄味で上品な味に仕上がっている。
・豆腐の茶碗蒸し (★★★☆☆)
薄味で上品に仕上がっていて普通に美味しい。しかしながら、ボクの大好きな銀杏が入っておらずがっかり。
・豆腐屋のおばんざい二種
・寄せ豆腐と揚げ湯葉のサラダ
・豆腐田楽二種 (★★★☆☆)
一つは甘い味噌。もう一つは柚子で味付けされた味噌。
・五穀米のちりめん山椒のせ (★★★★★)
これは真剣に旨い。どうでもいいけどとても旨い。日本人好みの味。
・京漬物
・豆腐とおぼろ昆布の味噌汁 (★★☆☆☆)
はっきり言って、いまいち。

-十富 純米酒 (冷酒, 680 JPY) memo-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
苦・甘・酸・渋の味がしっかり出ている。絵に描いたような淡麗辛口。フィニッシュにおいて、切れ上がっていく辛さが特徴的でexcellent。top noteに好ましい苦みを想起させる香りがある。また、温度上昇に伴い、甘味が強まる。

-京山水 (燗酒, 650 JPY) memo-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
燗の温度はnearly人肌で嬉しい。ほんのりと甘さが漂う。淡麗辛口だが、根底に酸・辛・渋・苦がバランス良く存在する。

あと、このお店のお子様ランチなんですけど、とてもお得と思います。内容は、エビフライ、ゆばナゲット、豆腐ハンバーグ、おむすび、オレンジジュース、わらび餅、サラダに加えて大人と同様に出来立ておぼろ豆腐(おかわり自由)が付いて、500円。

なかなかいい店と思いました。関東には新宿と横浜に店舗があるので、機会があったらまた入ってみたいお店と思います。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Preparation of tert-Butyl Ester via Pd-Catalyzed tert-Butoxycarbonylation of (Hetero)aryl Boronic Acid Derivatives
Org. Lett., 2014, 16, 1836-1839.


25 examples, mostly 32 to 94 % yields

新しい(ヘレロ)アリールカルボン酸のtert-ブチルエステル合成法のお話です。

(ヘテロ)アリール誘導体のアルコキシカルボニレーションは、Grignard試薬やリチウム試薬とクロロギ酸アルキルや炭酸ジメチルなどの反応により合成できるようですが、極低温が必要となるそうです(イントロにそう書いてあったけど、Grignard試薬の場合はホントに極低温が必須なの?って思います)。

さらに、操作性の良い条件下でのtertiaryエステルの合成はチャレンジングであると言います。

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ちなみに、最近報告されてたアルコキシカルボニレーションによるtert-ブチルエステルの合成に次のものがあります↓

Skrydstrip et al. Org. Lett., 2012, 14, 284.




まあ、これらの手法だと、COは扱いたくないし、有機金属試薬は官能基許容性が低いしってところなのでしょう。
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さて、This Workの話に戻りますが、著者等の開発したBoc2Oをカップリングパートナーにクロスカップリングは"novel protocol to synthsize tert-butyl esters"なんだそうです。で、その特徴なんですが、塩基が必要ないというのが一番の特徴と思います。このことについて、著者等は、パラジウム触媒のBoc2Oへの酸化的付加によってtert-ブトキシド等価体が形成し、それが続くtransmetalationの際に必要となる塩基の役割を果たすのだろうと推測しています(っていうか、塩基(無機baseとかtert-BuOK)を加えるとBoc2Oの分解が促進されるためか収率が低下してしまいます)。

実際、フェニルボロン酸のピナコールエステルを用いた反応をGC-MSでモニターすると、Boc2Oの分解によって生成したbaseが存在することが確認されています。

ちなみに、最適条件は、「5 mol% Pd(OAc)2, 15 mol% Ph3P, solvent: anhydrous dioxane, 100˚C」です。

それから、基質一般性の特徴ですが
(i) ピリジンボロン酸のピナコールエステルは(電子リッチでも電子プワーでも)moderateからgood Yield
(ii) エーテル、アルキル、ビニル、エステル、ニトリル、アミノ基は許容
(iii) 3-ピリジルボロン酸ピナコールエステルでは他の置換基の置換位置の影響は軽微
(iv) シアノ置換ピリジンボロン酸ピナコールエステルのうち、嵩高い基質は収率減
(v) ピリジン環に対するピナコールボロネートの置換位置は収率に影響する(4-位で激減)
(vi) 芳香環がベンゼン→ボロン酸が良い
(vii) 芳香環がピリジン→ピナコールボロネートが良い
といった感じです。

で、著者等の提案する反応機構はこちら↓

著者らは本法を"more direct, convenient, novel route"といっていますが、ホントそうだなって思いました(ジオキサンが最適溶媒っていうのはちょっと気分悪いけど)。

ボク的には機会があったら使ってみたい反応と思う、二流大でのテクニシャン(研究補助員)のメモでした。

2014年10月5日日曜日

tert-ブチル基の化学 (4)

ども、チバラキ在住のコンキチです。今年のまだ寒い時期にいったチバラキ地方のお寿司屋さんのメモです↓

-伊澤家 にぎり盛合せ (1,380 JPY) memo-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
まぐろ(2貫、中トロか?)、蛸、海老、玉子、イクラ、とびっこ、白身、帆立、烏賊に味噌汁付き。烏賊がネチョネチョしていて嫌な味が広がっていただけない。あと、軍艦のシャリがネッチョリしていてダメ。白身はなんか不思議な感じな味も悪くはない。
全体的にシャリの食感がどうかと思うレベル。ネタの鮮度もいいとは全く思わなかった。はっきり言って、沼津魚がし鮨に方がマシなレベルと思いました。とりあえず、ボクに二度と行かない店リストにランクインしました。
このお店、当時は食べログでけっこう高評価だったんですが、まあ、評価者の母数が少ないからこんなもんなのでしょう。


閑話休題


前回のブログの続きで、tert-ブチルエステルの開裂についてメモします↓(Recent Developments on the Synthesis and Cleavage of tert-Butyl Ethers and Esters for Synthetic Purposes and Fuel Additives Use (Current Organic Synthesis20129, 137-148.)のメモの続き)

Green's Protective Group in Organic Synthesisには、tert-ブチルエステルは、マイルドな塩基性加水分解条件、ヒドラジン、アンモニアに対して安定で、その開裂は中程度の酸加水分解で達成され、副反応を抑制するために、生成するイソブテンやtert-ブチルカチオンをスカベンジする必要があると書いてあります(多分。あと、酸加水分解の他に強塩基条件下での加水分解例とかも載ってる)。


tert-ブチルエステルの加水分解による開裂は、(i) 古典的な付加-脱離機構か、(ii) tert-ブチルカチオンの特異的な安定性に起因する酸素-アルキル結合の開裂があります。

Green's Protective Group in Organic Synthesis同様、本総説も酸加水分解を中心として、比較的最近の報告が紹介されています。以下、それらのメモ↓

・Brønsted acids (Synlett, 2010, 812-816.)
・85% H3PO4 (73-100% Yield, J. Org. Chem., 2006, 71, 9045-9050.)
N-Cbz、ベンジルエステル、酢酸エステル、グリコシド結合は不活性。但し、ベトベトしたリン酸エステルの形成が深刻なドローバックとなる。
・硝酸 (3-4 eq.), CH2Cl2, 0˚C, 2 hr (Tetrahedron, 2000, 56, 3625-3633.)
チロシンのようにベンゼン環が活性化されたアミノ酸だと、環が定量的にアルキル化される。メチオニンにような含硫黄アミノ酸は酸化してスルホキシドになる。
・96% H2SO4, CH2Cl2, ambient temp., 6 hr (89-98%, Tetrahedron Lett., 2005, 46, 2075-2078.)
シンプルな基質に限定される。
・"microwave, 3-4 min" or  "p-TsOH•H2O (2 eq.), solvent free" (73-96%, Synth. Commun., 2004, 34, 3017-3020.)
シンプルな芳香族エステルに限定される
・Silica gel, 120˚C (quant., Bull. Korean Chem. Soc., 2009, 20, 230-232.)
シンプルな基質に限定
・Silica gel, toluene, reflux, 0.5-7 hr (68-94%, Tetrahedron Lett., 2001, 42, 5163-5165.; J. Med. Chem., 1997, 40, 2525-2532.; Tetrahedron Lett., 1997, 38, 5069-5072.)
極性の高い基質は親和性が高く反応が速い。Fmoc-アミン、アミド結合、trimethy;silylethyl エステル、エチルエステルは影響を受けない。
・ZnBr2 (5 eq.) (62-91%, Tetrahedron Lett., 2000, 41, 2847-2849.; J. Org. Chem., 2004, 69, 6131-6133.)
電子供与性基を有する芳香族・脂肪族エステルに対して有効。電子吸引性基があるとダメ。アルコール、アミドのようなLewis塩基は反応を阻害する。
・montmorillonite KSF, CH3CN, reflux, 3-5.5 hr (80-95%, Synlett, 2002, 826-828.)
ベンジルエステル、メチルエステル、アリルエステル、酢酸エステル、オレフィン、カルバメート、エーテル、ハライドは影響を受けない。
・CeCl3•7H2O (1.5 eq.), NaI (1.3 eq.) (86-91%, J. Org. Chem., 2001, 66, 4430-4432.)
シンブルな基質にはBest。他のエステルがあっても選択的。N-Boc, tert-ブチルエーテルとは反応する。アセトニトリル中、リフラックス (24 hr)条件にして、CeCl3•7H2Oの溶解度をあげてやると、N-Bocは影響をうけないらしい。

・I2 (30 mol%), water, CH3CN, reflux, 4-5 hr (82-92%, Tetrahedron Lett., 2006, 47, 4921-4924.)
(他の)エステル、二重結合、N-Bocは影響を受けない。
・Yb(OTf)3 (5 mol%), CH3NO2, 40-50˚C (90-99%, Indian J. Chem. Sect. B: Org. Chem. Incl. Med. Chem., 2012, 41B, 157-160.)
(tert-ブチル以外の)エーテル、(他の)エステル、N-Fmoc、N-Cbzは影響を受けない。tert-ブチルエーテルとtert-ブチルエステルに対する選択性無し。
・PhMe2SiH (1.2 eq.), triruthenium cluster (1-3 mol%), 40˚C, 7 hr (Eur. J. Org. Chem., 2010, 1021-1025.)

・hexafluoroisopropylalcohol, 100˚C, microwave irradiation (82-96%, Tetrahedron Lett., 2010, 51, 2244-2246.)

こんな感じですか。



ところで、そういえばGreen's Protective Group in Organic Synthesisの第5版が発売されましたね

kindle版が安くて、日米両国で購入可能です。


以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のtert-ブチル基メモでした。