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2016年6月25日土曜日

HOW WE LIE TO EVERYONE (2) : なぜ"ずる"をしてはいけないのか?

はじめて銀座アスターに行って、お一人様でランチしたときのメモです。食べたのは麻婆豆腐です。

-陳麻婆豆腐 (1,944 JPY) + ライス (216 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
Spicy braised tofu and minced beaf in casserole (Very hot)と書いてあったのでで注文すうかどうか逡巡しましたが、頼みました("陳"の名を関する麻婆豆腐はもの凄く辛いのがある)。
S&B食品のテーブルコショー様のspicy noteが強烈。山椒の香りもやんわりと香る。
お豆腐は絹。エッジの立った濃厚body。決してベトベトしているわけではないoilyさ。辛さは(ボクの感覚だと)日本人基準の辛口。(日本人的に)けっこう辛くて良い。山椒の清涼感のあるシビレが心地よい。
商品説明に「山椒•唐辛子を使った本格的な辛さの四川成都式牛肉の麻婆豆腐です」なんて書いてあったけど、大分日本人仕様にモディファイされてるね。
食後に烏龍茶(ややマイルドでキリッとしている)が供される。

cf オレの中で麻婆至上最も辛かった麻婆→陳麻婆豆腐ランチ (http://researcher-station.blogspot.jp/2015/05/co-2.html)


閑話休題



ダン•アリエリー教授の「ずる―嘘とごまかしの行動経済学」のメモの続きです。


最近の(2015-2016)の企業不祥事ってどんなものがあったかなと思って、ウィキペディアを覗いてみたら、こんな感じでした↓

•タカタ   エアバッグ不具合 (2015)
•東洋ゴム   免震パネル試験データ偽装 (2015)
•旭化成建材   杭打ち工事データ改ざん (2015)
•東芝   粉飾決算不適切会計 (2015)
•三菱自動車   軽自動車燃費不正表示 (2016)

こうした大企業の不祥事に較べれば、個人の些細な"ずる"なんていうものは可愛いものかもしれません。世間話で、昨日のゴルフのスコアを多少下駄を履かせて話したり、市民マラソンのタイムを多少盛って話したりすることなんて、なんて可愛らしいんでしょう。

まあ、確かに毒にも薬にもならない罪のない"ずる"はあるでしょうが、もう少しハイグレードな"ずる"を犯すのは厳に慎んだ方が良いようです。例えば、ブランドのコピー商品です。ニセモノをそれと知りつつ身につけると、道徳的な抑制力が幾分弱まり、その結果、不正(もっと大きい"する")を犯しやすくなるといいます。ついでに、他人のこともあまり正直でないと見なすようになります(実験結果から例証された)。
偽ブランドを意図的に身につけて周囲に対する虚栄心を満たすのは、決して褒められたことではばいけれど、滅茶苦茶大きな罪というわけでもないでしょう(多分、日本の法律では個人使用目的の購入で刑事罰は問われないはず)。

でも、

a) こういった"ずる"を一つ許容し、それが定着し、
b) 「どうにでもなれ効果」も手伝って、
     (どうにでもなれ効果: 何かのきっかけで約束をやぶると、その途端に「これまでした努力など無駄だ」と感じてしまい、全てをを諦めてしまう)
c) その結果、道徳的規範が緩んで(自分の全体的な不正直さの水準が高まったという自己シグナリングを発し)、
d) それをもとにつじつま合わせ係数を大きくして
e) もっと大きい"ずる"に手を染める。例えば、粉飾決算不適切会計とか

としたらどうでしょう?

こういった観点から、著者は

(多分、ちょっとした)不正行為をとるに足りないものと片づけるべきではない

と主張します。初めての不正行為(抽象的だけど)は、その後の自分自身や自分の行動に対する見方を形成するうえで、特に大きな意味をもつと著者は警告します。

なので、

最も阻止すべきは最初の不正行為

なのです。

ボクの個人的な感情論に基づいた見解によれば、(大)企業の組織的不祥事とか全部そうなんじゃねーのって思います。小さい"ずる"が伝染して組織に広まり、段々エスカレートしていく。心情的には完璧に定説です。というわけで、ちょとした不正行為をないものと片付けるべきではないのです。人(一個人) なんて弱い存在だから。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の読書感想文でした。

まだつづく.....(次は、社会集団における社会規範として、ごまかしが受け入れられるメカニズムを解き明かす一助となる興味使い実験のメモなどです)


HOW WE LIE TO EVERYONE (1) : 人は息を吐くように"ずる"をする

水道橋に鰤シャブを喰いにいったときのメモです↓

-能登美 別館 memo-

-鯖の糠漬け (へしこ) (518 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
皮は硬め、発酵した香りがする。身にはサクッと歯が入る。乾物のめざし様の魚くささ。かなり塩辛い。粕漬けチックな風味もする。
口に含むと、topに鯖の風合い。いぶりがっこにも似た風味も感じる、
これは酒が進む。

-天然ブリしゃぶ (1,706 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
お出汁は濃厚昆布風味。ブリの他に野菜がたっぷりで嬉しい。薬味は、もみじおろしと刻み万能ネギ。鰤はしっとりした食感で、脂々しておらず上品な旨味を感じるも、血合い様の生臭さを伴う(これは残念ポイント)。
Web Siteには、「当店の大ヒット鍋!!2、3回出汁に通し、ほんのり白くなったところをやっつける!!美味しさにしばらく声もでません!!」と書いてあるんだけど、もう少ししっかりしゃぶしゃぶした方がいいと思います。この辺は出汁の温度にもよるのだろうけど、あまりに短時間だと表面が冷たいままで、鍋の醍醐味に欠ける。
適度(?)に熱を加えると、表面が少し硬い食感となり、口の内でホロホロとほぐれていく感じと、身の内部のしっとり感とのコラボが素敵。表層が活性化されている。
血合い由来と思われる生臭さは、薬味(もみじおろし、刻みネギ)を十分に載せて食べれば殆ど気にならないレベル。
味付けは醤油ポン酢。ポン酢は器に全量入って提供されるので、はじめのうちは(特に野菜を食べる際に)味が濃すぎる(しよっぱい)。

-宗玄 純米 (734 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
能登の酒。日本酒度 +3
いかにも日本酒といったようなbodyの強さを感じさせる匂い。
酸→甘→苦→渋といった具合に味が流れていく。特に甘味が特徴的。膨よかでmilkyな甘み。

-黒帯 悠々 特別純米酒 (648 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
石川の酒。日本酒度 +6。雪冷えで頂く。
いかにも日本酒といや感じの匂い。ほんのり甘く、すっきりした味(日本酒度 +6だしね)。

-一の蔵 超辛口 (486 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
日本酒度 +10。熱燗で頂く。
白い素焼きの徳利で提供される。一緒に出される猪口も温められているのが嬉しい。
安定の旨さ。


閑話休題



ダン•アリエリー教授の「ずる―嘘とごまかしの行動経済学」を読了しました。行動経済学の本です。

本書によると、「人間は、一方では正直でありたいと思いながら、その一方でずるをしてトクをしたいとも考える」のだそうです。

なので、

「正直な人間」という自己イメージと、実際の行動との間にズレが生じることがある

と言います。

我々はそういったズレを解消しようとするわけですが、人はその補正項の大きさを(都合良く)自在に変えて「そこそこ正直な人間」という自己イメージを保てる水準までごまかしをするそうです。著者はその補正項を"つじつま合わせ係数 (fudge factor)"と名付けました。

で、このような鷹揚さを「認知的柔軟性」と言い、この(極めて)人間的な能力のおかげで、多くのの善良な人々は、ほんのちょっとだけ"ごまかし"をする分には、"ごまかし"から利益を得ながら、自分を素晴らしい人物だと、ご都合主義的に、思い続けることができるというのです

自分を正直で立派な人間だと思いたい『自我動機』と、ごまかしながら利益を得てできるだけ得をしたいという『金銭的動機』は相反するものですが、両者のバランスをとり自分を正当化するプロセスが我々人間にはあると著者は宣います(これが「つじつまあわせ仮説」)。

要は、小さい"ずる"は無視できるほど瑣末なことで、自身の品格に影響するものではないと識別する"言い訳"機能がボクたちに組み込まれてということなんでしょう。

こうした、ちょとした小さな"ずる"を多くの人がやっているであろうことは、本書で紹介されている実験によって例証されています。

ところで世間一般では、"ものには限度がある"と言います。なので、多くの人が許容できる"ずる"にも限度(範囲)がある訳で、その大きさも条件によって変動するはずです。

それでは、どういった場合に、"する"の大きさ(=つじつま合わせ係数)がその程度変動すりのか?また、どういった条件を課せば"ずる"を抑制できるのかについて複数回に分けてメモしてみます。

まずはじめに、どういった場合に人は"ずる"をしやすいかについて、とりあえず3例のメモです。

A) 不正からの距離感が大きいとき、人は"ずる"しやすい
ゴルフの話です。ゴルフは紳士のスポーツなどと称されますが、プレイヤーの行動が不正行為の実行から離れているときや、わりにくいとき、正当化しやすいときに不正をし易いと感じ、実際に不正をするそうです↓

Table 紳士(ゴルファー)の不正 (インタビュー)

ゴルフを嗜む紳士たちがボールを動かす"ずる"をする際、クラブ(道具)>足>手(明確な意思)と不正行為の距離が自分から離れるに従って、不正し易くなります。マリガン(1打目のショットだけは無打罰で無かったことにできるというローカルルールでもないく、ルールブックに存在しないルール)やスコア記録の"する"も同様です。
(とんでもない紳士がいたもんだね)。


B) 利益相反のある場合、人は"ずる"しやすい
利益相反は至る所で、頻繁に見られるといいます。そして、利益相反のよくある原因は、「恩義を返したい」という人間が本来もっている欲求(=返報性)によるとことが大きいといいます(返報性は詐術における最も強力な手段でもある see http://www.mag2.com/p/news/122934)。あと、ハイテク機器を導入したいときはそのマシンを活用したいということが、学校の先生が論文書けそうな感じだったら論文の中身を充実させたいいう動機が利益相反行為を促す。

で、本書で紹介されてる返報性を利用した最も強力な例として紹介されているのは製薬企業のMR (Medical representatives, 医薬情報担当者)の行動です)。

本書によれば、(多分、アメリカの)MRの「とにかく至れる尽くせり」攻撃(返報性期待トラップ)には次にようなものがあるそうです(いっぱいある)。

a) 自社のロゴが入った無料のペンやメモ帳、マグ(を配る)
b) サンプル薬
c) 医師を神のように扱う
d) 医院の職員にについて、好きな食べもの、担当者と面会できる時間帯、一番面会時間の長い担当者のタイプを調べる。
e) 看護師、受付係にお菓子や粗品を配って、最初からみんなに気に入ってもらえるよう努める。
f) 教育という名目で、指定したテイクアウト店に医師が行けば、何でも好きなものをただでもち帰れるように手はずを整える。
g) 自社のロゴ入りにの黒いマグカップを医師や研修医に配り、これを地元のコーヒーチェーンに持っていけば、エスプレッソかカプチーノを好きなだけついでもらえるように手配
h) ハンサムで人好きのする20代前半の男性が、テコでも動かなかった女医の社交ダンスの相手を買って出た
i) 医院の職員全員に豪華な食事をおごる。
j) 医師に報酬を与えて、自分たちの売りこもうとしている医薬品について、ほかの医師たち相手に簡単な講演をしてもらう(当の医師が自分の言葉を信じるようになり、薬を処方し始める)。
k) 社交上の友人関係の領域にまでおよぶこともある(医師と友人として海釣りとか、バスケットボールの試合をしたりとか)。

ペンとかメモ帳といったジャブ程度のものからはじまって、まあ、いろいろ大変だなと思いますが、もっとえげつないことやってる東洋の先進国がありませんでしたっけ?製薬業界に限らずに。でも、以前聞いたMRの豪気な接待の(噂)話は凄いなと思ったことがあります。

マジ、パネーです

的レヴェルで。

実際、MRの接待規制(医療用医薬品製造業公正競争規約の改正, 2012年)が入りましたし、かつては相当なものだったのでしょう(多分)。ちなみに、欧米ではMRの接待は一切認められておらず、上に列挙した『(多分、アメリカの)MRの「とにかく至れる尽くせり」攻撃』は、極東のどこかの先進国のそれと比較すると、「至れる尽くせり」と言う割りには極めて可愛らしく感じられるのは気のせいではないと思います。
(製薬会社の「接待」規制、その後も抜け道だらけという実情なんていう記事(http://www.mag2.com/p/news/122934)もあるし、我が国のなんとか伝統を守り抜こうとする姿には頭が下がります。)


C) 疲れているとき、人は"ずる"しやすい
イスラエルでのリサーチです。仮釈放審査会の判事が仮釈放を許可するのが最も多いのは、一日の最初の審問と、昼食休憩直後の審問だったそうです。
審査委員会の標準的な決定は、仮釈放を認めないことだそうです。したがって、標準的な決定を覆すこと=「仮釈放を認めること」はより大きな努力を要するわけで、最も疲労の蓄積が少ない時間帯にその決定がなされるという寸法です。
なので、一日のうちに多くの困難な決定を下し認知付加が高まるにつれて、仮釈放を認めないという、より単純で標準的な決定を判事は選ぶようになります。
一般に、人は意思力がすり減ると、欲求を抑えるのにとても苦労するようになり、その苦労のせいで正直さまでもすり減ってしまうと著者は言います。


以上まとめると、不正との距離感が大きい場合、利益相反(特に返報性)がある場合、疲れているときに"ずる"しやすくなるということを学習しました。どうですか皆さん?心当たりありませんか?
少しでも正直で品行方正に生きたいと考えている現代社会では希有な方は、上述した人間の特性を理解•注意して生活を送れば、望みの真っ当な人生を歩む一助になるでしょう。

つづく.....


2016年6月11日土曜日

アニリン合成の新展開

千葉の渋谷こと柏Cityで食べたカレーのメモです↓

-カレーの店ボンベイ-
-チキンカレー (鶏肉•普通) (800 JPY) memo-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
シャビシャビのほぼ液状のカレー。辛さは甘くはないが、中辛よりちょい甘か?ちょっとおとなしい味だけど、ソリッドなニュアンスもある。全体的にちょっともっさりした味。
ライスは固めで、まあ旨い(多分、山形はえぬき)。
ライス、カレーともに熱量が明らかに不足していて全体的に物足りない(猫舌仕様かと思った)。
あと、チキンがちょっと硬い(熱量不足もあって、余計に硬さが気になったか?)
デミタスコーヒー(まずまず旨い)が付く。

-ハートランド 500 ml (600 JPY)-

店内は軽くモダンな感じ。店員は黒のポロシャツのユニホームで揃えている。この日は男子3人と若くて可愛い女の子1人。
GABANのスパイス(スパイシースパイス、ハーブスパイス、ミックススパイス&シーズニングスバイス)を使用。
ところで、この店、カレーの入った寸胴鍋を床に直置きしてたんだよな。衛生面でちょっとどうかとました。行ったのは2年くらい前なんだけど、その後改善されていることを期待してます。


-BOMBAY CAFE-
店内はwoodを基調とした昭和のにおいがする落ち着いたチョイレトロ調。寸胴鍋を地べたにおくといったこともなく、クリンリネスは本店に勝る。本店(カレーの店ボンベイ)にのようにユニフォームはないが、接客面も本店よりワンランク上。
カレーは作り置きして、冷蔵庫にストックしているようだ。

-インドカレー (鶏肉•辛口) (850 JPY) memo-
-RATING- ★★★
-REVIEW-
カレーの流動性はスープの領域。心地よい辛味でそのままスープとして飲みたくなる暗いの旨さ。本店とは異なり、ホッコリしたジャガイモとチキンには熱が残っている。
同一商品ではないが、本店よりもカレーの流動性高く、もっさり感じもないく、ワンランク上の味がする。
ライスは硬めに炊きあがっている。

-カシミールカレー (鶏肉•極辛口) (900 JPY) memo-
-RATING (as soup)- ★★★★★
-RATING (with rice)- ★★★★☆
-REVIEW-
猛烈にspicyな香味。色が濃いスープ状のカレー。taseteはかなりsolidで辛い。ボンベイのメニューで最高峰の辛さ"極辛口"は相当辛いが、無理せず食べられる範囲の辛さ(但し、ここまで辛いのは久しぶりといった辛さ)。繰り返しになるが、スパイス感はかなり高い。
具は、大きめにカットされたチキンとジャガイモで、このカレーのスパイスとの相性は抜群。スパイスがこの上ないほどよく効いている。チキンは歯切れよく、ジャガイモはホクホク。辛口スープとして最高に旨い。
ただ、スパイス感が非常に強いこのカレーは、本質的にライス(白米)との相性はイマイチと思います。

-生ビール (ハートランド (400 JPY)-
カシミールカレーのような、けっこう辛いカレーを胃の中に流し込むのに
最適なのは、やっぱ、淡色ラガーだと思います。

-ボンベイカレー (野菜•普通) (1,100 JPY) memo-
-RATING (as soup)- ★★★★★
-RATING- (with rice)- ★★★★☆
-REVIEW-
刻んだキャベツ、玉ネギ、ピーマンを山盛りに盛った野菜たっぷりカレー。topにがトマトを戴き、sideにはジャガイモが鎮座する。カレーはシャビシャビの液状で、硬派なspicyな香味がやんわり漂う。野菜由来の豊潤な甘みがとてもrichに広がる。まさにカレースープの装い。グビグビと飲める。ライスなしでスープとして成立する。
具の野菜は舌触りのよい大きさに刻まれ、煮込まれていて、ボリュームもあって良い。老美味しく-Lamn菜を摂取できる。
ライスは硬め。ライスに掛けて食べると、bodyの弱さを感じる。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Transition-Metal-Free Access to Primary Anilines from Boronic Acids and Common +NH2 Equivalent
J. Org. Chem., 2015, 80, 2545-2553.

遷移金属フリーでアリールボロン酸をアニリンに変換するお話です。

遷移金属が触媒するクロスカップリングを用いたアリールアミンの合成法としてすぐに思いつくのは、Buchwald-Hartwig Cross-CouplingとChan-Lam-Evans Couplingではないかと思います。
cfhttp://researcher-station.blogspot.jp/2013/10/c-n-1.html

Buchwald-Hartwig Cross-Couplingは、sec-アニリンやtert-アニリンの合成には有効ですが、primaryアニリンのマイルドかつ有効な合成はチャレンジングだと言います。さらに、primaryアニリン合成に用いられるアンモニア等価体には、イミン類やTMS2N-Metal salts、同様に切断可能な保護基を持つ含窒素化合物がありますが、step economyやatom economyが悪くなります。

Chan-Lam-Evans Couplingも、sec-アニリンやtert-アニリンの合成には成功を収めていますが、primaryアニリンの合成例は殆ど報告されていません。

こんな具合にprimaryアニリン合成が難しいことに加えて、遷移金属フリーのarylative amination自体がレアで、一般性に乏しく過酷な反応条件が必要となります。
遷移金属フリーのarylative aminationとして、アリールGrignard試薬とクロロアミンの反応が有効な方法だと報告されていますが、tert-アニリンの合成に限定されるようです(Org. Lett., 2010, 12, 1516.)。

ここまで述べたように、クロスカップリングによってアンモニア等価体を導入してprimaryアニリンを合成するのはハードルが高いですが、遷移金属フリーのhydroboration-aminationによる脂肪族アミンの有効な合成法は開発されています。

さて、一旦遷移金属フリーのarylative aminationの過去の報告例をおさらいしてみましょう↓

何れの方法も目的物取得のためには昇温(加熱)が必要で、primaryアニリンを合成できるのは「JACS, 2012, 134, 18253.」の方法が唯一だそうです。

で、This Workですが、著者らは簡便かつ室温で反応が進行する遷移金属フリーのprimaryアニリン合成を模索する中で、hydroxylamine-O-sulfonic acid (HSA)に目を付けます(なんで目を付けたかの根拠はあまり説明されてないとオレは思った)。因に、脂肪族ボロン酸エステルはHSAによりアミノ化されるという大昔の報告例が既にあります(JOC1986, 51, 3150.; JACS, 1986, 108, 6761.)

mp. 210˚C (dec.)
hygroscopic
Aqueous solutions are unstable, decomposing readily above 25˚C
47,800 JPY/ 500 g (TCI)

中性条件下でアリールボロン酸に対してHSAは低活性ですが、塩基性水溶液下で反応を行うことで望みのarylative aminationが進行します。

29 examples
(28 examples of them, 69-99%)

この反応の特性ですが↓

トリフルオロメチル基(電子吸引性置換基)の導入により反応性が低下します。ニトロ基やカルボニル基が入ると室温では反応が進行せず、refluxするとcomplex mixtureになってしまい、この反応に適合しません。
立体障害の影響は軽微で、置換位置も収率にあまり影響しません。とりあえず、電子供与性置換基で環が活性化されていれば嵩高い基質であってもイケイケみたいな感じです。
また、水酸基やアミノ基があってもへっちゃらで、ハロゲンがあってもブイブイ言わせちゃいます。
あと、複素環のボロン酸はこの種の反応は難しいと言われていますが1例だけだけど、quinolineboronic acidはいい感じに反応が進行します(但し、4-pyridineboronic acid、3-furanboronic acidを基質に用いて反応を行うとcomplex mixtureになってしまいます)。

それから、この反応はボロン酸だけでなく、ボロン酸誘導体にも適用できます(ボロン酸が不安定な場合があるので、これはポイント高いです)。

(過剰のシリカの添加によって、トリフルオロボレートの加水分解が促進するらしいです。ref. JOC, 2009, 74, 7354.)

さらに著者等は、ボロン酸の前駆体からOne-Potでアニリン誘導体を合成する手法も開発しています↓
7 examples, 24-91% Yield
(収率24%は4-bromobenzotyifluorideを基質に用いた場合)

6 substrates, 40-93%
(Derected Metalation GroupがN,N-diethylaminocarbonylだと0% Yield)

最後に著者らは1,2-aryl B-N migrationの反応機構のついて言及していて、HSAが二回脱プロトン化を受けるdianionic mechanismを推しています。


それにつけても、こんなにマイルドな条件でTransition-Metal-FreeでPrimary Aniline合成できるなんて信じ難いです(まあ過酸化水素による酸化反応のアナローグではあるけど)。けど、今回使った"NH2"等価体は大昔からある古典的試薬だけど、古い試薬でもまだ分かってないいろんな可能性があるんだなって思う、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。


2016年6月5日日曜日

外食産業の憂鬱 (5•終): 続•外食チェーンを斬る

ラーメンのメモです↓


-北海道らーめんひむろ北千住店
札幌味噌らーめん (750 JPY) memo-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
10種類のスパイスが決め手という濃厚味噌拉麺。
具は、ネギ、ワカメ、メンマ、もやし、焼豚。焼豚からは獣臭を少し感じる。
スープは白味噌ベースでニンニクが少し効いていて、甘めでマイルドな味ながら、bodyは十分。けっこう好きな味。
麺は、黄色中細ちぢれで、ツルツル、シコシコ系。自己主張する麺ではないが、穀物を想起させる好ましい余韻がやんわり残る。
スープと麺の相性は良く、シャキシャキしたもやしと味噌のコンボは鉄板。


閑話休題


「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。」を読んだメモの続きです。


先のブログで書いたように、この本で評価の対象となったリアル外食(チェーン)店について、本書評価とボクの個人的な評価を比較してみようと思います。以下、寸評です↓

CASE #1   神○バー
【本書の評価】
明治創業のビアホールとして紹介され、「外食店の鏡」と評される日本最古のバー。
【ボクの評価】
浅草大好きなボクはけっこう通ってる店。電気ブランが有名だけど、ボクの一押しは「アサヒスタウト」。アサヒのスタウトを置いてる店は希少。さすがアサヒビールのお膝元といったところか。この店で、ジャーマンポテトつまんでアサヒのスタウトを煽りながら一人で論文読んでる輩がいたら、それ、多分オレです。
店舗は浅草1-1に居をおく3階の建物。1Fが所謂神谷バー。2Fはレストランカミヤ。3Fは割烹神谷。3Fは使ったことないけど、1、2Fはいい感じ(1、2Fでメニューは同じはず)。予約するなら2F、大正浪漫チックなところを味わいたいなら1Fがおすすめ。1Fは相席になることもあり、オレは初対面のお爺ちゃんが丁稚奉公してた時分の話を聞いたことがあります(つまみも奢ってもらった)。それから、1Fには半券をスゲーいい音させて切るウェイターさんがいるんだよね。あと、ウェイトレスのお姉さんに聞いたんだけど、平日だったら1Fも予約可能だそうです。
神谷バー、いいお店です。学生時代にカミさんとデートした店でもあって、思い出たっぷりだよ。


CASE #2   あきんどス○ロー
【本書の評価】
社長が職人出身の回転寿司チェーンは、他社(多分、くら寿司とかかっぱ寿司のことだと思う)とは一線を画しているといいます。ネタは店の厨房で処理している=サクで仕入れてきて、炙るものは炙っている。シャリは温かく美味しい。炊きたて、切りたて、あぶりたてにこだわっている。
(他のチェーンは、たいていは、ネタをあらかじめ切ったものが各店舗に配送される)
【ボクの評価】
正直、旨いかどうかで評価したら旨くないでしょ。シャリは甘いし(子供仕様)、ネタは超薄でオカモトとか不二ラテックスを目指してるのかよと思ってしまいます。基本、ロボシャリにスライスを載せてるだけなので、丼で食った方がいいよねと思います。
see http://researcher-station.blogspot.jp/2013/11/blog-post_23.html (過去のREVIEW)

ただ、寿司をファーストフードとしてみた場合、スシローにも正当な存在理由があるんだろうと思います。というのも、江戸前寿司ってそもそもファーストフードだったそうじゃないですか。江戸っ子が手早く小腹を満たすためのものだったと。で、今の時代、ファーストフードと言える寿司は、立ち食い寿司と100円回転寿司くらいでしょ。そう考えると、大手100円回転寿司の中で品質が跳びぬけているスシローは価値が高いのかもしれません。ついでに、ロボットの作るシャリ玉は相当レベルが上がってきていると思います。
ボクが初めてロボット寿司を食べたのは学生時代で、1994年だったと記憶しています。場所は、アメ横に新しくできた食べ放題の寿司屋(とっくの昔になくなっている)。貧乏だったので、友達に誘われるがままに入店したんだけど、その品質の低さに閉口してしまいました。ネタも酷かったけど、シャリが信じられないくらい不味かった。それから考えると、現代のロボットのシャリ玉製造技術はもの凄くレベルアップしていて、隔世の感があります(実際20年以上経つけど)。空気の含み具合とか、口の中で米粒が解ける感覚なんかがもの凄く改善されているとボクは感じています。

ところで、デカネタ戦略を展開している沼津魚がし鮨っていうチェーン店がありますが、魚がし鮨では、一見するとカウンターの職人が一から寿司を握っているようにも見えますが、シャリを掴む動作、そこから握る動作、それらの速度から推察するに、ロボットが作ったシャリ玉にネタを装着してもう一握りしてからお寿司を提供しているとボクは考えています(全ての店舗でそいうオペレーションをしているかは分からないでど)。あと、軍艦や炙りモノはバックヤードで作っていて、シャリ玉はロボットから排出されたものをそのまんま使っていると思います。例です↓

-沼津魚がし鮨 秋刀魚炙り-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
まず、大根おろしが薬味っていうのがナンセンス。炙った秋刀魚が水っぽくなってしまっている。写真見れば分かると思うけど、(ボクの感覚では、当然)シャリ玉はロボシャリで、ネタ的なものはロボシャリの上にただ載せただけ。シャリ自体の味は100均チェーンのように甘ったるくはなく、味的にそれほど悪くはないが、意識すると少し甘めで味も軽薄かもしれない。


-山いも軍艦-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
山いも普通に旨いです。ただ、寿司にする意味が見いだせない。あと、写真で分かるとおもうけど、オレの見立てではコンプリートにロボシャリね。

こんな風に、一見職人が握っていると見せかけて、デカネタでごまかしてる
余談だけど、デカネタは醤油とネタとシャリのバランスが崩れるし、醤油もつけにくいし、食べにくいのでマジやめて欲しいと思います。沼津魚がし鮨の話は以上。

参考までに、一番最後にスシローに行ったときのメモ(昨年5月)↓

-瓶ビール 500 ml (中瓶) (このときは518 JPY)-
-REVIEW-
銘柄はTHE PREMIUM MALT'S。スシローで1番安心できる商品。


-茶碗蒸し (178 JPY)-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
「だしにこだわった茶碗蒸しには、刺身でも食べられるほど新鮮なほたての貝柱がまるごとはいっています。ほたての旨みの楽しめる、すし屋ならではの逸品です。」との商品説明文とは裏腹に、全体的に万遍なく魚くさくていけない味。使用している鶏卵は国産。

-まぐろ (108 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
「大型で色の濃いものを厳選!延縄漁でとったまぐろは鮮度抜群。名実ともにスシローNo. 1のネタです。」との説明文。
相変わらすのペラペラのネタだけど、味自体は悪くない。シャリは以前より甘さが抑えられているように思った(基本、けっこう甘いわけだが)。"軽薄なくらいの甘さ"ではなくなった気がする。そして、ロボットのシャリ玉製造技術に驚いた。ネタとシャリの一体感は(当然)皆無だけど、シャリのほぐれ具合はちょっと感動的ですらあった。あと、さび抜きがデフォルトなのは相変わらずで興ざめだけどワサビに一応改善がみられる。
まぐろはキハダ鮪 or メバチ鮪で、産地は韓国•台湾•その他。

-金印生おろしわさび-
-REVIEW-
小袋入りで、冷やされながら回っている。
原材料名は、西洋わさび、本わさび、ぶどう糖、からし、植物油脂、酸味料、香辛料抽出物、着色料(紅花黄、クチナシ)。oily感感じず、粒々感と山葵様の香味も感じる。

-蓮根の海鮮はさみ揚げ (194 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
「厚めにカットされた蓮根に、海老とイカ入りの海鮮すり身を挟んでカリッと揚げました。プリップリのすり身とシャキシャキの蓮根の歯ごたえの組み合わせをお楽しみください。」という商品説明。
店舗で揚げているようで、アツアツでカリッと揚がっている。古くなった油の嫌な臭いもない。すり身にはイカの小片が入っていて、これがよいアクセントになっている。たっぷり載っているネギも嬉しい。トップにポン酢ジュレが載っているのも、揚げ物が水っぽくならなくて良い工夫と思う。
これは旨い。


-倍とろ (108 JPY)-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
「400店舗達成を記念して、あの倍とろが期間限定で復活!いつものボリューム2倍で価格はそのまま!脂のりにこだわって仕れた中とろの、とろける食感が口いっぱいに広がります。」という説明文とは裏腹に、はっきり言って、脂くさい赤身みたいな味。少し生臭く、食感も少し硬い(食感悪い)。全然ダメ。
まぐろはミナミ鮪でオーストラリア産。


CASE #3   カレーハウスCoCo壱番屋
【本書の評価】
セントラルキッチンを採用。カレーのルーは注文を受けてから小鍋で一人前づつ温めている(大鍋だと最後は煮詰まる)。店によって味のバラツキがない。
【ボクの評価】
全国展開できてる唯一のカレーチェーンということで、前々から興味があった店でした。
-ポークカレー (463 JPY) memo-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
スーパーで売ってるナショナルブランドのルーを使って家庭で作ったカレーをほんの少しだけ洗練させた感じ。カレーは少し流動性が高い。甘めの中辛にスパイスを振りかけたような味で、甘みとスパイシーさとの一体感に欠ける。具のポークは極小のキュービックカットが僅かしか入っておらず、ほぼプレーン状態。はっきり言ってコスパ悪い。低品質。秋葉原店だったんだけど、けっこう混んでいて驚いた。


CASE #4   サルヴァドーレ•クオモ
【本書の評価】
野菜や肉、魚は国産。チーズやハムは本場の食材を使用している。
【ボクの評価】
2015年2月に行ったときのメモです↓

-オリジナルロッソサングリア Rosso Red Mojito Sangria (626 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
『サルヴァトーレの定番!クラッシックに赤ワインとオレンジで』というアピール商品。
けっこう甘くて、小児科の風邪薬を想起させるchemical flavorがする。但し、嫌な感じではない。オレンジは思ったより強くなくてtropical感の方が印象的か?マンゴーチックなフルーツが小振りのブロック状カットされて入っている。

-ハイボール Highball (210 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
レモンフレーバーが濃厚で良し!

-彩り野菜の自家製ピクルス Homemade Pickles (324 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
パプリカ、人参、蕪のピクルス。sharpなお酢の香味が印象的。パプリカや人参にはこの酢の香味が合うと思うけど、蕪には少し落ち着かない感じ。

-砂肝とマッシュルームの鉄板焼き Teppan-yaki Chicken Gizzard and Mushrooms (540 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
砂肝、ポテト、マッシュルームがoilyな油とfattyな脂(バター)のflavorをほど良く纏っている。ポテトとマッシュルームには砂肝由来と思われる香味も移って野趣的でとても良い。ポテトはホクホク、マッシュルームはholeで傘付きで食感が楽しめる。


CASE #5   餃子の王将
【本書の評価】
(餃子は)店内で包んで、包みたてを焼く。フランチャイズ制なので、店によって味やサービスに大きな差がある。
【ボクの評価】
最後に行ったのは2010年4月。当時、テレビで餃子の王将の人気っぷりが報道されていたので行ってきました。そのとき食べたのは「ニラレバ炒め」でした↓

-ニラレバ炒め (当時 367 JPY) memo-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
味は普通の定食屋のあまり旨くないぼやけた味。また行きたいとは全然思わなかったけど、コスパ自体はかなり高いと思いました。
あと、味とは直接関係ないけど、接客とクリンリネスはかなりレベルが高いと思いました。
でも、洗脳じみた宗教がかった新入社員研修の話題とか、黒い噂もあって、ちょっと怪しい会社だよね。
see
http://researcher-station.blogspot.jp/2010/04/124.html
http://www.j-cast.com/kaisha/2010/04/14064474.html
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/12/news047.html
それから、本書の著者は、「フランチャイズ制なので、店によって味やサービスに大きな差がある。」って言ってるけど、フランチャイズだからと言って、チェーン店なんだから味のバラツキは問題あると思います。


CASE #6   丸亀製麺
【本書の評価】
店で麺を打っている。麺を仕入れて出す某うどん(同じような価格帯の)チェーン店とは全然味が違う
【ボクの評価】
もう行ったのは随分前の話だけど、書きます。
初めて行ったのは、2011年6月で、かけうどんを頼んでみました。
-かけうどん (2011年) (280 JPY+Tax) memo-
-RATING- ★★★★☆☆
-REVIEW-
普通に旨いと思いました。ボクの大好きなはなまるうどんとほぼ遜色ないと思いました。
当時のはなまるうどんのかけは210円なので、コスパ的にははなまるに軍配が上がるかなというイメージ。あと、はなまるよりもセルフ感が高かったと記憶しています。

はじめて訪れたときの感触がまあまあだったので、2013年4月に再訪してみたときの感想です↓
-釜揚げ (大) (2013年) (380 JPY+Tax) memo-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
麺はまあまあだったけど、つけツユが恐ろしく不味かった。しょっぱいだけの業務用か?と思うほど。ついでに、食いにくかったです。しかも、このとき丸亀は「釜揚げ」を全面に押し出した広告を打っていたのにこの体たらくかよと思いました。

率直な感想ですが、2011年→2013年の間に相当劣化したなと思いました。2013年4月に訪れた店舗では、そんなに混んでいなかったにも関わらず(むしろ空いていた)、テーブルは前に客の食べカスで汚れている席ばかりで、揚げ物もいつ揚げたんだか分からないくらいの放置プレイ状態で、ダメだこりゃと思っていたら、これと前後して竹すだれカビ事件の発覚で炎上ですよ。それ以来、ボクは丸亀製麺に二度と足を運んでいません。

まあ、現在は丸亀のクリンリネスに係るオペレーションや商品の品質も改善されているかもしれませんが、もう行く気がしませんね。クリンリネスも味的な部分も再びチャンスを与えても良いと思えるレベルではなかったんで。

因みに、ボクははなまるうどんん(丸亀製麺とよく比較されるよね)がお気に入りで、今でもたまに利用しているけど、チェーン店(オペレーターがバイト)の悲しさか、一度だけ白湯の味が強く出るくらいツユの味が信じられないくら薄いときがありました。次に行ったときは元に戻っていたけど、努々注意して欲しいものです。
(オレってはなまるでは「かけ (小)」しか頼まないんだけど、このときの店員にスゲー見下された目で見られて軽く不愉快になりました)。

ところで、本書の著者はWeb上の記事で、
『盛り付けるだけ、温めるだけの仕事にやる気は生まれませんから、手を十分に洗わず厨房に入ったり、爪が伸びた状態で食材に触れたり、それを注意すらされることもなく現場の士気は下がるばかり…。ちょっと大げさかもしれませんけど、このままいくと、激安食品が日本を滅ぼすことになるかもしれません』(http://wpb.shueisha.co.jp/2016/02/09/60605/)と述べていますが、このときの丸亀製麺は著者の言に近しい状態だったんじゃないかと思います。


CASE #7   和幸
【本書の評価】
厨房で肉をスライスし、パン粉をつけている。パン粉を店内でつくっている。
【ボクの評価】
和幸はボクの大好きなファミレストンカツチェーンで、たまに家族で食べにいきます。以前テレビで見たんだけど、パン粉は独自レシピ(水分多めもっちりパン)で大手製パン会社に特注してるというこだわりっぷり(http://www.tbs.co.jp/gacchiri/archives/20120212/1.html)。チェーン店でこのクオリティ出せるのは信じ難い(油のいい匂いもするし)。それから、お新香がまた旨いんだよなぁ。

-ひれかつ御飯 (1,420 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
肉が淡白で、ほどよい弾力があって良い。衣は薄くサクっとした食感で、油感が軽量で良い。
ソースは甘めの普通のボタニカル系で、古くなった感が全く無くて好感が持てる。何もつけずに食べて旨い。淡白な豚の味を味わいたかったらソース•オフで食うべし。

-カキフライ御飯 (1,300 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
とってもjuicyで滋味深い。中の牡蠣は熱々。衣はサックリ、カラっと揚がっていてとても美味しい。また食べたい一品と思いました。

-ひれかつ鍋御飯 (1,520 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
とっても良い。アツアツで、上部はサクっと、下部(ツユに浸ってる部分)はツユを吸ってしんなりしていて、両者とも旨い。カツ自体がjuicy。玉子とも良く合う。
あと、ツユはmild tasteで味わい深く、濃度的にも料理全体の調和感を醸し出していてGood!


CASE #8   スターバックス
【本書の評価】
飲み物の温度管理がきちんとできている(研修システムがきっちりしているのだと思う)。
【ボクの評価】
ボクはスターバックスが好きだ。大好きだ。スタバに行ってだいたいいつも注文するのが「アイスカフェモカ」。ディープな甘さと圧倒的なpowdery感が堪らないです。
あと、オレの中でスタバは豆屋で、エスプレッソローストとフレンチロースとがお気に入り。直火式のエスプレッソメーカーで淹れるよとHigh Roastな感じとEarthyな感じがとっても良く出て旨いんだよね


EXTRA CASE   ゆで太郎
【本書の著者の評価】
工場ではなく各店舗の店内で粉から製麺し、『ひきたて』『打ちたて』『ゆでたて』の“三たて”にこだわっています。麺に配合するそば粉の割合も5割程度とチェーンの中では突出して高く、その日の湿度や気温によって微妙に水加減を変えたりしている。 食べ比べるとわかりますが、しっかりとしたそばの風味と香りを味わわせてくれますよ。材料と人にコストをかける分、多くの店が駅から離れた家賃の低い場所にありますが、それでも歩いて食べに行こうと思わせてくれるのが『ゆで太郎』です
(http://wpb.shueisha.co.jp/2016/02/09/60605/3/)
【ボクの評価】
はっきり言って、ゆで太郎のソバは不味いと思います。お世辞にも旨いとは言えない低レベル品。蕎麦粉使用率50%以上(55%程度?)を謳ってたり、「三たて」アピールしたり、つゆの素材にもこだわってるとか言ってるけど、純粋に旨くないんだよね。蘊蓄を羅列して、顧客に情報を摂取させてるだけと思います。
オレの舌的には、蕎麦に異臭はないが風味に乏しく、食感は素麺ライク。そして、ツユがダメ。特に、冷たいツユは変な異臭を感じた。あと、スーパーの薄めるタイプのそばつゆを濃いめにした印象。かきあげは油でべたべたしている。
see http://researcher-station.blogspot.jp/2014/04/blog-post.html

以上が本書の著者とボクの意見の全比較記事ですが、冗長で分かりづらいので一覧表にまとめてみました(本書の著者は各店のランク付けをしてないので、著者の文章を元にボクの主観を交えてランク付けしてみました)↓

ボクの主観を交えた評価まとめ(5段階。S>A>B>C>D)
本書の評価ボクの評価
神○バー
S
S
あきんどス○ロー
A
C
カレーハウスCoCo壱番屋
A
D
サルヴァドーレ•クオモ
A
B
餃子の王将
B
C
丸亀製麺
A
D
和幸
A
A
スターバックス
A
A
ゆで太郎
A
D

まあ、食べ物の味の評価なんて定量化はおろか定性化するのだって難しいから、人によって評価が異なるのは当然です。だけど、成型肉に含まれているリン酸塩の味やファミレスのハンバーグにかかっているソース中に含まれるグルタミン酸ナトリウムの濃度(0.3%だって)にまで言及している著者が、某ソバチェーンのツユにみられるイガイガした味について何も述べていないのは不可思議です。ひょっとしたら、多くの人は麺には敏感だけど、ツユ(スープ)にはあまり頓着しないもかもしれません。本書の著者は丸亀押しだけど、そのライバルチェーンで多分、ボクの大好きなはなまるうどんは酷評してたりしてるし、著者とボクの評価が分かれるのは純粋に好みが異なるっていう可能性によるものかもしれません。

余談だけど、食べログで高評価(3.51)でトラフィックも十二分にある上野の「国産二八蕎麦 蕎香」っていう店がありますが、ボク的にははっきり言って不味い店扱いです。蕎麦(麺)はそれなりに頑張っているのかもしれませんが、ツユが致命的に不味いです。参考までにREVIEWです↓

-国産二八蕎麦 蕎香 二八そば (550 JPY) memo-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
蕎麦の色は黒めで星が入っている。穀物チックな香りが少々。角が立っていて、硬めで喉越しは楽しめるものの、少し粉っぽくてボソボソした食感。
ツユは強めのbodyの蕎麦に合わせて濃い味だけど、甘ったるくて、塩辛い(見た目は大分薄めの色だけど)。塩みは効いていて味も濃いけど、ただそれだけで薄っぺらい味。この蕎麦ツユを蕎麦湯で割ると変な味が際立つ。


以上、化学調味料も大好きな二流大出のテクニシャン(研究補助員)の主観バリバリの食レポメモでした。