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2006年6月29日木曜日

WEB 2.0

いつもネガティブなBlogばかり書いているコンキチですが、たまにはポジティブな話題を.....

コンキチが普段Watchingしている複数のWeb Siteで激賞されている本があったので読んでみました。



ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる

です。

久しぶりに、こういうビジネス書系の本で興奮してしまいました。Webの膨大な可能性が垣間見える凄い本です。

コンキチがインターネットにはじめて触れたのは、10年前の1996年。大学4年のときで研究室に配属された年です。Windows3.1から飛躍的にGUIが向上したWindows95(といっても所詮Mac OSの模倣ですがね)発売の翌年で、我が国でパーソナル・コンピュータなるものがコモディティ化する潮流が目覚め始めたころだったと思います。
コンキチがいた大学は首都圏の(二流)国立大学(余談ですが、300MHzのNMRが東大のお下がりだった)だったのですが、当時としてはかなり充実した通信インフラが整備されていましたが、それでも現在に較べて通信速度は死ぬ程遅く、10年でここまでインターネットの使い勝手、サービスが進化するとは夢にも思っていませんでした。

そこから10年、Webの世界でも「ムーア時間」で時間が流れ、インターネットの通信インフラが指数関数的に整備されるとともに、情報までの到達速度が驚異的に速まり、その取得コストが著しく押し下げられ、Webを介した知の集積がじわじわと展開されているように思います。そして、集積された知を効率よく取捨選択するツールがGoogleなのかもしれません。

本書ではWeb 1.0からWeb 2.0へとWebサービスが進化していくプロセスが描かれており、
Web上ではREAL世界とは異なった特有の現象が存在することが詳述されています。

例えば、「ムーアの法則」「ロングテール現象」「チープ革命」「オープンソース」とか

あと、REALな世界では技術(テクノロジー)や知価(情報)の囲いこみにより、収益を確保するのに対して、
Webの世界では技術(テクノロジー)や知価(情報)の開放により、爆発的にリーチを増やし、薄く広く収益を確保するビジネスモデルが成立することに、正直驚きを隠せませんでした。

そして、Web 2.0時代のtoolとして、「Blog」「SNS(コンキチはSNSにはやや懐疑的)」「Wikipedia」「AdSense」「AWS」が紹介されています。

そして、インターネット空間では情報を取得するのみならず、個人が世界に情報を発信する障壁がゼロになっているという現実と、ビジネスのローコストオペレーションが可能になると説きます。

多分間違っていると思うのですが、コンキチは、
Web 1.0→Webを利用した、囲い込みによるサービスの提供
Web 2.0→ロングテールの追求。Web上での知の集積(共有)をベースにして、そこから新たな知価を創造するためのサービスー(nearly無限大)×(nearlyゼロ)=広く薄く=Somethingーの提供
なのかなと感じました。

ちなみにコンキチはGoogleの提供する以下のサービスを利用しています。
Google Spreadsheets(限定テスト)
Google Calendar
Blogger

このいずれもが、Web上での情報(知)の共有を前提に設計されており、知の共有によるシナジーを期待させるサービスであるように思います(但し、コンキチは全然使いこなせていませんが)。

はっきりいって、Googleのガリバーっぷりがいやでも際立ちます!!!

さて、万年五月病で、常に(仕事に対して)ヤル気Nothingのコンキチですが、一応、化学に携わっているモノの端くれで、お仕事は化学工業です。力強くREAL世界に存在する化学工業(製造業)では、サイバー空間の無限の恩恵をあまり活用できそうにありませんが、限定的であっても

「知の集積と、その集積された知を利用した新たな知の創造」

くらいはなんとかできるんじゃないかと考えています。

例えば、OrganicSynthesesの記事検索・閲覧サービスや、 PubMedの文献検索サービスなんかの無料サービスは、Web上で集積された(化学に関する)知を引き出す有効なtoolになっていると思います(無料だし)。そして、最近使い始めたのですが、Google Scolar、これ結構凄いと思います(特に日本語で検索すると結構PDFがヒットしてくる感じ)。

でも、コンキチの周囲では、STNみたいな有料検索サービスは良く使っているんですが、上記サービスを活用している人は見かけないので、まだまだminorityな存在なのかなあとちょっとガッカリです(無料なのに&けっこう使えるのに。しかもSTNよりユーザーフレンドリーだし)。

あと、WikiとかBlogとかを社内(ローカル)で構築できたら、けっこう凄いtoolになると思います。(社内の)色々なキャリアを持っている人の「知」が集積されますから!あくまでも知の創造は、REALな実験を通して最終的に確認されますが、WikiとBlogの相互徹底利用は新たな「知」を創造する為のseedsを育てるプラットホームになり得るんじゃないかなんて思ったりもします(理想論ですかね?)

でも、これって社内の大勢が「自発的に情報を発信してやろう」っていう強烈なモチベーションが前提に無いと上手く機能しないように思いますけどね(っていうか、立ち上げることさえ難しいでしょう)。結構めんどうくさいし。

特に保守的な環境では、こういった比較的新しい試みを導入するのは困難かもしれませんね(研究員は新しいモノを創造するのが仕事のハズですが。ちなみにコンキチは超保守的です)。

でも、グローバルにWeb 2.0の潮流が展開して、いづれはネットの「あちら側」を介したインタラクティブな仕組みが世間に広く受け入れられることを期待してやみません。

以上、某二流大学出の貧乏研究員の寝言でした

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