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2006年11月18日土曜日

製薬業界のラスト サムライ

わかりやすい人事が会社を変える」という本を読了しました。


この本は「勝ち組企業の成果主義」の姉妹本(とコンキチは思っている)です。著者は武田薬品工業の元人事部長(専務まで上り詰めた)で、タケダの十余年に渡る構造改革を記した著作です。

出版された順番は、「わかりやすい人事が会社を変える」(2001年5月)→「勝ち組企業の成果主義」(2003年6月)なのですが、コンキチは逆の順に読了しました(「勝ち組企業の成果主義」は2年くらい前に読了済み)。

勝ち組企業の成果主義」は紙面の全てを成果主義のあり方=従業員の処遇制度に費やしていますが、「わかりやすい人事が会社を変える」は、武田薬品の構造改革への道程が綴られていて、興味深いものがありました。

特に、本書では、当時の社長である武田國男氏(現会長)に関するエピソードがけっこう出てくるのですが、その部分に最も興味をそそられましたね。武田國男社長(現会長)の「意志の強さ」、「業績が悪くないときのも危機意識を持つというセンス」、「遂行力」、「理念」がひしひしと伝わってきました。失われた10年と揶揄される時代に、武田薬品が地道に粛々と改革の種を育てることができたのも、武田國男社長のなせる技だったのだと思います。コンキチが不勉強なだけかもしれませんが、武田國男会長が名経営者としてフォーカスされたことが印象に(全然)亡いのですが、本書を読んで、はっきり言って名経営者だとコンキチは思いました。

高い地位にあって、自らを率先して律することのできる、希有な人物だという印象を受けましたね。探せば、ひとかどの人物とはまだ世の中にいるのだなあと久しぶりに素直にフレッシュな気持ちになったコンキチでした。

まあ、本書は経営サイドから見たものなので、その点を割り引いて考えなければならないと思いますが、そういった部分を差し引いて武田國男はひとかどの人物だと思います。そして、自社の改革の内幕と、人事制度改革のノウハウを世に広くさらけだすことを許す武田薬品は懐の広い会社だと感じました(っていうかノウハウだけ知っても到底真似できませんが.....)。

同書をコンキチの会社の社長をはじめ、役員、管理職に読ませたいと思う、二流大出の窓際研究員でした。

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