最近、久しぶりに光学分割(Optical Resolution)に関する論文を読んでみました(一応、コンキチの学生時代の専門は光学分割です)。
で、気が付いたら新しい光学分割手法が開発されていました。開発した研究期間は光学分割の雄「山川薬品工業」です。
新しく開発された手法は、DCR (Dielectric Contrlled Resolution)という名前で、まあ、手法的にはジアステレオマー塩法(diastereomeric salt formation method)と同様の操作なのですが、分割剤(resolving agent)として、一方のエナンンチオマー(enantiomer)のみ使用で、被分割剤の両エナンチオマーを調製可能という点がとってもユニークと思います。
再結晶溶媒の比誘電率をコントロールすることによって、擬多形結晶の形成が制御され、難溶性の塩として析出してくるジアステレオマー塩の種類が溶媒の比誘電率のレンジによって変わるというものです。
この手法はあらゆるケースに適用できるかといったら、全くそんなことはなく、分割剤と被分割剤の立体中心周りがリジッドで、コンホーメーションがフレキシブルに変化し難いものではDCRは起こらないようです。
コンキチの学生時代のい研究でも、分割効率に対する溶媒効果が顕著にでていた例がけっこうあったので、そのうちデータを掘り起こして、溶媒の比誘電率との関係をリサーチしてみようかと思います。
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