国内香料会社の国際競争力ってどうなのかな?っていうことについてちょっと考えてみました。
先のブログ(香料業界考 (1))で述べた通り、国内香料会社2社が世界トップ10にランクインしています。
随分昔の話で恐縮ですが、1995年に出版された「香料の物質工学」の序文によると、
わが国の化学工業会社、製薬会社の中で売上高が世界の10位以内にランクされる会社が1社しかないのに対し、香料産業においてのみ、この10年に2社が世界の10位以内に入って検討している
という記述があります。
ちなみに、我が国でエクセレント・カンパニーの呼び声高い製薬会社の雄、武田薬品工業でさえも、世界的に見れば↓
16位 (利益率はトップクラスらしい)←日本経済新聞2008/2/5朝刊 06年医薬品メーカー売上高より
なので、一見すると世界トップ10に2社も国内香料会社が入っているというのは、けっこう国際競争力があるんじゃないの?という感じがします。
でも、本当にそうなのでしょうか?
とりあえず、フレグランスに関しては全然競争力がありませんね。10年近く前のデータ(1999年)を引き合いにだすのもどうかと自分でも思いますが、世界市場ではフレーバー、フレグランス半々くらいなのに、高砂は22%、長谷川は15%。圧倒的に競争力が無いと思われます。
では、フレーバーはどうかというと、高砂も長谷川も主戦場は国内という感じがして(特に長谷川はそう)、グローバルな競争という意味ではメチャクチャ競争力があるような気がしません(まあ、あくまでそんな気がするだけです)。
で、勝手な結論ですが、
a) 国内にはけっこう潤沢な市場がある。
b) そして、地域独特の食(=フレーバー)に対する強力な嗜好性が、海外勢が製品開発するに当たって強力な障壁になっている(例えば、納豆は我が国の国民食だけど、欧米人と関西人は納豆嫌い。欧米人はブルーチーズ好きだが、日本人は苦手な人がけっこういる的なこと)。(食に対する)感性って、ドメスティック以外では代替が難しいと思う。
c) なので、日本の食(フレーバー市場)をがっちりキープしていれば、そこそこのシェアがGETできる。
というような気がします。
あと余談ですが、香料業界もご多分に漏れずM&Aが活発化しているようで、世界的にはここ数年で業界地図が変わっています。
(ちなみにドラゴコという格好いい(多分)龍のロゴをあしらった香料会社があったのですが、合併してそのロゴがなくなってしまい哀しいです)
でも、国内ではどこ吹く風って感じでしょうね。
高砂は買収防衛策を策定したし、
長谷川は41.9%位の株式をがっちりキープしてるし、
小川は非公開同族企業、
曽田は東レの子会社、
その他も非公開で同族色が強そう
ですから。
外資に買収されて、我が国特有のワークスタイルが激変する可能性は極めて低いと言えるのではないでしょうか?
とまあ、ここまで偉そうなことを適当な想像で述べてきましたが、素人の戯言なのであまり真に受けないで下さい。
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お世話になっております。
返信削除こちらはディドリームのラッサルと申しますが、日本の香料市場(特にフレーバー)について市場調査を行っている最中です。
ブログのポストが気になって、ぜひ日本の香料業界についてお話したいと思います。以下、こちらの連絡先を伝えておきますのでメールでも電話でもご連絡下さい。
宜しくお願い申し上げます。
Olivier Lassalle
Consultant
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