またちょっと古い文献を読んでみました(産総研の報告)↓
Synthesis of 1-tetralones by intramolecular Friedel-Crafts reaction of 4-arylbutyric accids using Lewis acid catalysts
Tetrahedron Lett. 2003, 44, 4007-4010.
4-arylbutyric acidのcatalyticな分子内ダイレクトFriedel-Craftsです。フリーデル(アシレーションね)っていったら、酸クロと等量のAlCl3って言うのが定番かと思いますが、カルボン酸を酸クロへと誘導する手間と、大量(化学量論量以上)のAlCl3を使わなきゃならないっていうのと、ハロゲン系の溶媒を使わなきゃならないっていうのが、プロセスケミストとっしては哀しくなります(シクシク)。
なので、ハロゲンフリーの世溶媒中のcatalytic-Friedelってあこがれですよね。4-arylbutyric acidの分子内ダイレクトFriedel-CraftsっていったらPPAでグツグツ煮るっていうのが真っ先に思い浮かびます。
see Org. Synth. Coll. Vol. 3 1955, 798.
で、著者らが4-Phenylbutyric acidのintramolecular catalytic Friedel-Crafts Acylationのスクリーニングした結果のベスト•プラクティスは↓
(反応は封管して実施ね)
ちなみに、トルエン, 180℃, 7 hrで97% yield。大気圧下トルエンrefluxでは、触媒を10 mol%使って20 hr反応させても59% yield。デカンやデカリンのような炭化水素中ではtraceね。あと、Lewis酸としてはSm(OTf)3もなかなか良いです。
電子供与性置換基がついてると、容易に環化が進行。ハロゲン置換の不活性化している基質ではp-Xyleneとの分子間Friedel-Craftsが少量生成するらしく、PhClを溶媒に使って副反応の最小化を図っています(反応温度200℃ね、あとPhClはきついなあ)。
もっとマイルドな条件で反応が進行すると言う事無いんだけど、コンセプトは好きです。
以上、二流大出の三流研究員の勝手な感想でした。
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