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2008年11月8日土曜日
PB vs NB (4)
最近、めっきり気温がさがり、ホット•コーヒーが飲みやすい季節になってきました。コンキチはスタバのESPRESSO ROAST(パッケージ変わったね)を直火式のエスプレッソ•メーカ-でたてて楽しんでいます。
さて、先日イトーヨーカドーに行ったときに、カップラーメンの値段をメモってきました↓
a) セブンプレミアム きつねうどん (68g) 88円 (東洋水産)
b) セブンプレミアム 天ぷらそば (69g) 88円 (東洋水産)
c) セブンプレミアム カレーヌードル 98円 (サンヨー食品)
d) セブンプレミアム シーフードヌードル (78g) 98円 (サンヨー食品)
e) セブンプレミアム しょうゆヌードル (79g) 98円 (サンヨー食品)
f) 日清 どん兵衛 きつねうどん (97g) 158円 (日清食品)
g) 日清 どん兵衛 天ぷらそば (101g) 158円 (日清食品)
h) マルちゃん 赤いきつねうどん (96g) 158円 (東洋水産)
i) マルちゃん 緑のたぬき天そば (101g) 158円 (東洋水産)
ここで注目したいのは、NBに対する対抗PBを同時に陳列している東洋水産です。
一見すると、自社NBのカニバリズムが懸念さますが、それを回避するそれなりの工夫が感じ取れます。以下メモ(実際に共食い現象が生じているのかどうかは確認してません)↓
1) セブンプレミアムの商品は、全てカップヌードルスタイルの容器で、NBはどんぶりタイプの容器でした。容器の形状を変えることで、対抗PBという印象を与えないようにしている気がする。
2) 東洋水産のPBは、重量ベースで内容量が極端に少ない。ちなみに、グラム当たり単価はサンヨー食品のPBより高いが、販売価格は圧倒的に安い。東洋水産のPBは価格感度の高い層をターゲットにしていると思う。
ちなみに各社製品のグラム当たり単価は↓
a) 東洋水産PB/ 1.28-1.29 JPY/g
b) サンヨー食品PB/ 1.24-1.26 JPY/g
c) 日清食品NB/ 1.56-1.63 JPY/g
d) 東洋水産NB/ 1.56-1.65 JPY/g
3) マルちゃんブランドでどん兵衛に対抗し、廉価なPBで、NBでとりこぼしている価格感度の高い顧客をカバーしている気がする。
4) Harvard Business Reviewの寄稿集でるHarvard Business Review Anthologyシリーズの価格戦略を知る者が「利益」を制すという本があります。で、その中の「価格シグナル戦略」という論文にこんな記述があります↓
<引用開始>
では、最低価格保証を利用して消費者に好印象を抱かせるには、商品の何割程度が他店と擬革できる必要があるだろうか。その比率は意外にも小さい。トウィーター(ニューイングランド地方の家電小売り)が先のように最低価格を自動的に保証する方式を始めた時、払い戻しの対象となったのは販売件数のわずか六パーセントにすぎなかった。
おもしろいことに、メーカーのなかには納入先ごとに商品の仕様を少しずつ変えて、消費者が最低価格保証を利用しにくくしているところがある。このように同一ブランドで多数の変種をつくる方法は家電業界では一般的であり、メーカーは小売企業ごとに異なるモデル番号の商品を出荷している
<引用終了>
この本ね↓
価格戦略を知る者が「利益」を制す (Harvard business review anthology)
内容量を抑え、プライシングを低く設定し、他社PBや自社NBとの単純な比較を難しくしている東洋水産の戦略はこれに似てると思うな。
最近、公私ともに忙しいんだけど、時間がとれたら東洋水産かの有報でも読んでみようかな。
以上、二流大出のなんちゃって研究員のメモでした。
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