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2008年12月21日日曜日

統計マジック

最近、めっきり寒くなってきました。コンキチは先日リリースされた大塚愛のニューアルバム「LOVE LETTER」を聴いて心を暖めています。












さて、今回のブログでは、先日読んだ「若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来」の中でコンキチが気になったところのメモです。

具体的には、何年か前に話題になった日米の労働時間逆転のウソ?を解説した部分です。当時、その報道を耳にしたとき、はっきり言って感覚として全然信用できませんでした。

で、本書ではそのカラクリを解説しています。同書では、日本のデータは厚生労働省の2003年毎月勤労統計調査(製造業対象)をベースに作成したグラフが示されています(他国にデータの出所は記載なし)。

ちなみにOECD Factbook 2008からひっぱってきたデータはこちら↓
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3100.html(製造業に限らない産業一般の数字)

ところで、こういった国際比較を行う場合、各国のデータの収集方法とか、(この場合)雇用慣行などを考慮して比較しないと意味がないと思います。ちなみに、上述のOECD Factbook 2008を基にしたWeb Siteのグラフには「データは、各国の時系列は開くのために作成されており、厳密には資料の違いから特定時点の国際比較には適さない」と注意書きがあります。

さて、城氏の著作に戻りますが、厚生労働省のデータでは、2003年度の日本の年間総実労働時間は1,975時間。
1,975時間÷12ヶ月=164.6時間
ひと月20営業日とすると、所定労働時間は8時間×20日=160時間/月
月当たりの残業時間はざっくり4.6時間
でまあ、この統計にはパートタイマーも含まれているため、そいいった結果この数字は我が国に普通のサラリーマンの姿を表している数字とは思えないと述べています。
また、この統計では、年俸制や裁量労働といった勤務形態の場合、実労働時間ではなく、所定労働時間分しかカウントされないそうです(っていうことは、所謂管理職も所定労働時間分しかカウントされないのかな)。それから、当然サービス残業もカウントされません(給与支払実績をもとに作成されている)。

城氏は、厚生労働省のデータより実態に近い資料として、総務省の「労働力調査」(戸口調査)という資料を挙げており、その2005度版における男性一般常用雇用者の週平均労働時間は約48時間だそうです。
1年=52週として、年間約2,500時間。

1,975時間と2,500時間では全然違う。まあ、コンキチもまじめに統計資料を精査したわけではなく、このブログでは城氏の著作の内容を単に列挙しただけです。ただ、こういった統計資料を読むときは、その細部に着目することが非常に重要ということを久しぶりに再認識しました。

センセーショナルな数字に踊らされないようにしたいなと思う、二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

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