先日、PLUTOの8巻が発売されましたね。コンキチも8巻(最終巻)を手にとり、PLUTO全巻コンプリートするに至りました。
高度な人工知能を搭載した人型ロボットが人間と共存する社会において、ロボットは感情を持ち始める。人間(といっても極一部の天才科学者)によって作り出されたロボットの持つ感情と、人間(オリジナル)の感情とでは、どちらがより人間らしいのか?的な「毒」の部分が埋め込まれているこの作品は、けっこう大人テイストな味わいに仕上がっていると思います。ラストは所謂、日本人好み(?)の大団円だけれど(そう思う)、そこまでにたどり着くプロセスを堪能して欲しい作品と思います。
閑話休題
こんな文献を読んでみました↓
Redox Economy in Organic Synthesis
Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 2854-2867.
レドックス•エコノミーのフレームワークのレビューです。
理想的な合成とは、refunctionalizationを排し、直接的にターゲット分子の構造を構築することという定義があるそうです。
The ideal synthesis creates a complex skeleton ... in a sequence only of successive construction reactions involving no intermediary refunctionalization, and leading directly to the structure of the target, not only its skeleton but also its correctly placed functionality.
J. B. Hendrickson, J. Am. Chem. Soc. 1975, 97, 5784-5800.
で、皆さん周知のことと思いますが、Redox反応に係るrefunctionalizationというのが多くを占めているので、レドックス•エコノミーを考慮したルート設定が重要ということになります。
ところで、レドックス反応を完全に排除した合成スキームをisohypsicというそうです。ただ、isohypsicは、不斉中心を構築する戦略的な酸化•還元も排除してしまうため、まあ現実的な概念ではありません。
なので、レドックス•エコノミーとは、非戦略的な酸化•還元を極小化することにより、ステップ•エコノミーやアトム•エコノミーを極小化するためのフレームワークという気がします。もちろん、そういったエコノミー系の話をするならば、エコノミー(経済性)、E-ファクター、RME、EQなども同時に考慮すべきでしょう(see http://morereasonablelife.blogspot.com/2007/05/gsc-oriented-indices.html)。
以下メモです↓
Tactics to Achieve Redox Economy
ex. 1 アリルアルコールをつくる
Skelton-extending routes
骨格形成と同時に保護基を導入(Chemoselective routes)↓
ex. 2 アルデヒドをつくる
By refunctionalization
By functionalization
ref.
a) J. Org. Chem. 2007, 72, 5704-5708; Synthesis 2007, 1121-1150.
b) Org. React. 2000, 56, 1-354.
上記反応は官能基選択的であり、またhydroformylationはタンデム反応が可能でスッテプ数を減らす一助となるそうです。
続く.....
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