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2012年7月16日月曜日

late-stage trifluoromethylationのためのTrifluoromethylator (2)

昨年、くぼのっていう蕎麦屋にいったんですが、その時食べたそばがあまりにも印象的だったので、いまごろになってメモしてみます。

-くぼの メモ-
もりそば (630 JPY)
-RATING- 激マズ
-REVIEW-
ソバは粘土とゴムを想起させる食感で信じられないくらい太さにバラツキがある。極細からキシメンくらいの幅がある(っていうか、ちゃんと切れていない部分が多数)。ソバには黒い斑点があり、挽きぐるみを使用しているのだろうか?ツユは業務用かと思うほど風味がない。少ししょっぱめだが、圧倒的にソバに絡まずカツオ風味が少しするのみ。ちなみに、ツユはソバ徳利には入っておらず、全量が茶碗に入って提供される(従って、ソバを食べ進むうちにどんどんツユが薄まっていく)。また、ワサビも業務用か?
全てのテーブルには無造作に灰皿が置いてあるという無神経さで、店員の愛想も良くない。
席に着いて出される飲み物は冷たい麦茶。個人的には二度と行かない店リストにランクインしたのだが、店は客で混み合っていた。
-DATA-
栃木県馬頭産そば粉100%使用
二八そば
-SHOP OWNER- 久保野 源司


閑話休題


今年上半期に読んだ論文のメモです↓

Copper-Catalyzed Oxidative Trifluoromethylation of Terminal Alkynes and Aryl Boronic Acids Using (Trifluoromethyl)trimethylsilane
J. Org. Chem., 2012, 77, 1251-1257.

アルキンとアリールボロン酸のトリフルオロメチル化のお話です。銅が触媒するトリフルオロメチル化には以下のようなものがあります↓

Electophile + Nucleophile Protocol

Nucleophile + Nucleophile Protocol

Nucleophile + Electrophile Protocol
(トリフルオロメチル化剤が高額らしいです)

で、今回著者らが開発したのはこちら↓

This work

Nucleophile + Nucleophile Protocolの触媒バージョンです。系内でTrifluoromethlator (see http://researcher-station.blogspot.jp/2012/03/hartwig-trifluoromethylation-late-stage.html)を発生させてトリフルオロメチル化を行っています(stoichiomethic reactionだと殆どの場合、収率up↑)。



触媒的なNucleophile + Nucleophile Protocolという新たな方法論を確立したことは凄いと思うけど、この反応、はっきり言って操作が超面倒そうです。TMSCH3とKFからトリフルオロメチルアニオンを発生させるんですが、CF3-は不安定で、普通に反応させると、発生したCF3-が壊れちゃって触媒サイクルが回らなくなってしまいます。そこで、CF3-の分解を抑える滴下法を採用する必要があります。なのでCuI, 1,10-phenanthrolin, KF, DMFのmixtureにTMSCF3 (2 eq.)を加え、100℃に加熱した後、TMSCF3 (2 eq.)と基質をシリンジポンプで4時間かけて滴下しなければなりません(基質もゆっくる加えるのはホモカップリングを抑制するため)。

はっきり言って、TMSCF3を無理して5 eq.つかうくらいだったら、stoichiomethic reactionでよくね?って思うのはボクだけでしょうか?殆どの場合、収率もアップするみたいだし。

cf.
TSMCH3 (Mw. 142.20)/   28,800 JPY/25 g (TCI)
1,10-phenanthlorin monohydrate/   6,800 JPY/25 g (TCI)
CuI/ 12,000 JPY/500 g (Kanto)
(CuOTf)2・C6H6 (Mw. 251.67)/ 29,600 JPY/5g (TCI)
KF/ 9,000 JPY/500 g (Kanto)

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