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2013年10月20日日曜日

C-Nカップリングの新展開 (2)

先日、ファミレス界の雄、かつ工房 和幸で期間限定メニューのカキフライ御飯を食べたときのメモです↓

-カキフライ御飯 (1,300 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
とってもjuicyで滋味深い。中の牡蠣は熱々。衣はサックリ、カラっと揚がっていてとても美味しい。また食べたい一品と思いました。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

Selective Formation of Secondary Amides via the Copper-Catalyzed Cross-Coupling of Alkylboronic Acids with Primary Amides
Org. Lett., 2013, 15, 2314-2317.

Csp2-Nカップリングは、Buchwald-Hartwigクロスカップリングや、Ullmann-tyeのカップリング(Goldberg反応)、Lam-Chan反応などけっこう盛んに研究されていますが、Csp3-Nカップリングの研究は大分遅れているそうです。

遅れているってことは、まあ、難しいことの裏返しでもあると思います。

Buchwald-Hartwigカップリングの場合、ハロゲン化アルキルやアルキルボロン酸と遷移金属触媒との反応性が低いことや、βヒドリド脱離との競合がCsp3-Nカップリングを難しくしているようです(Chem. Rev., 2013, 111, 1417-1492.)。

Lam-Chan反応の場合は、使える基質が限られていること、βヒドリド脱離が起こり易いこと、過剰の銅触媒とボロン酸を使用しなければならなうことといった問題点があります(唯一の触媒バージョンは収率が当量バージョンに劣るそうです Org. Lett., 2008, 10, 1653-1655.)。

この種のトランスフォーメーションには、ハロゲン化アルキルとのダイレクト・アルキレーションという方法もあるかと思いますが、オーバー・アルキレーションと競合してしまいます(Bull. Chem. Soc. Jpn., 1983, 56, 2647-2651. まあ、ジBoc化して、一つBocを外して、アルキル化して、脱Bocっていう方法もあるかと思うけど、超絶面倒くさいね)。

で、This workです↓
31 examples, 40-91% isolated yield

この反応の鍵は、マイルドなベース(NaOTMS, 共役酸(TMSOH)のpKa = 12.7)の使用と、酸化剤にDTBPを使うことだそうです。多くのケースで、β-水素のある基質でもオッケーで、ボロン酸も大過剰には必要ありません。

limitationは、

a) p-ジアルキルアミドより強い電子吸引基を有するベンズアミドは反応しない
b) 芳香族ブロミドはダメ
c) エステルは加水分解するのでダメ
d) tert-boronic acidはダメ

といったものがありますが、それ以外は許容性が高く、著者等は"wide functional group tolerance"を謳っています。

以上、二流大出のテクニシャン(実験補助員)のメモでした。

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