Pages

2019年8月18日日曜日

鈴木カップリングでベンジルアルコールつくってみました!(エーザイ)

暑いですね。夏ですね。夏といえば穴子ですね!!!
ども、穴子大好きコンキチです。先達て穴子を食べに行ったときのメモです。

-関宿屋 memo-

-ビール (中) (658 JPY)-
クラシックラガーです。

-穴子天丼 (1,512 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
お新香、お吸い物付き。
天丼からは甘いタレのいい匂い。tail noteにはお醤油の締まった香りがキリッと。穏やかな残心をが伺える。
天麩羅は薄衣でサクッとした軽やかな食感。それに対して穴子はふんわり柔らかく、それでいてダレておらず、しっとりとした可愛らしい食感。そして、穴子のお味は淡白で滋味深い旨味。この上品な天麩羅にキリッと締まった甘ダレが良く合う。
丼のご飯は粒小さめか?少し硬めに炊きあがっていて、口の中で米粒の形状をしっかりと認識できて、いい感じにキックを楽しめる。
サクッとした薄衣、ふわふわの穴子の身、そしてご飯のコントラストが実に素晴らしい。
胡瓜と大根のお新香は浅めの糠漬けでfresh感rich。お吸い物は上品な仕上がり。

-穴子白焼 (972 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
甘く味付けされたお醤油と本山葵、檸檬が添えられて提供される。
皮から立ち昇る穴子独特の香ばしいfishy falavorが最高に食欲を掻き立てる。身の硬さは良い按配でとっても心地よい。
薬味の山葵と白焼きの相性は鉄板。少し塩気が欲しくなったら、ほんのちょっとだけお醤油をつけていただくのが良い。それから、お醤油に檸檬を絞るとmild tasteになっていいと思う(これオススメ)。
焼きあがるのに15分程度かかるので、注文は計画的に。


閑話休題


突然ですが、先日、あのノーベル賞反応である鈴木カップリングを使ってベンジルアルコール誘導体を合成するという論文を読んだんですが、ボク的にスマッシュヒットな感じで面白かったので、ちょっと古いんですが、メモしてみます↓

Palladium-Catalyzed Direct Hydroxymethylation of Aromatic Halides and Triflates with Potassium Acetoxymethyltrifluoroborate
Org. Lett., 2012, 14, 1278-1281.

エーザイの報告です。

アリールハライドをヒドロキシメチル化するお話です。
古典的な方法としては、

(i) 金属-ハロゲン交換反応でメタル化して、ホルムアルデヒド(等価体)と反応させる
(ii) ビニル基を導入した後、酸化的に開裂させる
(iii) COガスと反応させてカルボニル化した後、還元する
(iv) acyloxymethylzinc iodidesを使ったヒドロキシメチル化

などが挙げられますが、これらの方法には幾つかの制限があって、出発物質が強塩基性条件下で安定でなければなかったり、多段階合成であったり、(そのままだけど)COガスを使わなければいけなかったりします(イントロまる写しです)。

で、何か他にいい方法ないの?ってことで紹介されているのがこちら↓

Migita et al., Chem . Lett., 1985, 997.

この反応はマイルドな反応条件で、COガスを必要とせず、ヒドロキシメチル基を直接導入できるのがいいところで、幾つかの天然物合成にも用いられています(K. C. Nicolaou et al., 2010; L. Shen et al., 2008; D. R. Williams et al., 2003; I. A. Zanze et al., 2004; N. Yasuda et al., 1999)。しかしながら、

• 電子吸引性置換基を有する臭化アリールには適用できない。
• 塩化アリールや塩化ヘテロアリールへの適用例は数例のみ。
• やっぱ有機スズは毒性あるよね。

といいったマイナスポイントがあり、オルタナティブな合成法の開発が求められるわけです。

で、著者等が取り組んだのは、trifluoroborateを使って鈴木-宮浦カップリングすることでone-carbonユニットを導入するという戦略で、2005年にacyloxymethyltrifluoroboratesを用いたハロゲン化アリールの直接的ヒドロキシメチル化を開発に成功しましたが、幾つかのケースで低収率でした(WO2006098270)。
WO2006098270

ということで、より一般性の高いヒドロキシメチル化へとインプルーブメントしたのがThis Workです。具体的にはacyloxymethyltrifluoroborateをpivalateからaceatteに変え、Pd触媒、ホスフィン配位子、塩基などのスクリーニングをして最適化したのがこちらです↓


そして、基質一般性↓

流石鈴木カップリング、いい感じです。あと、ちょっと興味深いなと思ったのが、臭化物より塩化物の方が収率がいいんですよね(Brは反応性高すぎなの?)。

そして気になるClとOTfの反応性(選択性)↓


やっぱ、トリフラートの方が反応性高いです。

因みに、メシラートやトシラートでもイケイケ❤️


この反応、かなり使えそうじゃないっスか?

クロスカップリング界きっての堅牢な反応である鈴木カップリングのチョイスと、one-carbonユニット導入のための試薬のデザインがイケテてるとボクは思いました。

それから、

One more thing

なんですが、

この反応で使用される主だった試薬は全て(ボクの大好きな)TCIから入手できるんです!




どうですかみなさん、夏休みが終わったらTCIに試薬を発注して鈴木カップリングでベンジルアルコール誘導体をつくってみたくなりませんか?

あと二週間くらい夏休みが続いて欲しいと思う、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のヒドロキシメチル化メモでした。



0 件のコメント:

コメントを投稿