最近、下流なんていう単語が流行っているようですが、企業の研究員にも上流・中流・下流があると思います。
a) 上流研究員: 新しい知価を創造することが研究員の使命だと思っている。
b) 中流研究員: 知価創造が重要なのは理解しているが、思索に耽ってばかりでは(生意気そうにみえて)上司のウケが良くないのでとりあえず実験しますかっていうタイプ。
c) 下流研究員: ただ単に実験することが目的化している研究員
↑こんな感じに(コンキチの全くの独断と偏見です)。
全ての研究員の仕事は創造的で、己が叡智を存分に発揮することが必要とされるチャレンジングなモノだと思ったら大間違いです。少なくとも、二流企業の研究員にはそんなに高度なことは要求されません(コンキチの
所属するセクションではそうです)。
ここで、コンキチが勤務する会社(二流企業)で起こったとある出来事を紹介しましょう。因みに前回のBlogに続いて今回もGrignardネタです。
とある研究会議でのこと、ある先輩がGrignard反応の話をしていたのですが、
メチルGrignardとケトンの反応で、副生成物としてカルボニル基が還元されたアルコールが微量生成しているという報告がなされました。
「何故?」
とコンキチは純粋に思ったので、
コンキチ 「どういう機構でアルコールが生成するんですか?」
と質問してみたのですが.....
先輩 「(Grignard反応の)副生成物としてアルコールができる(のはあたりまえ)だろ」
(おいおい還元のメカニズムを理解してねーのかよと思いつつ)
コンキチ 「それはβ-水素を持つGrignard試薬が擬似6員環遷移状態を経てヒドリドシフトが起こる訳で、メチルGrignardにはβ-水素が無いですよねえ」
上司 「(とりあえず)アルコールができてんだからいいじゃん(みたいなことを言われた)」
とまあこんな感じでお茶を濁されてしまいました。
「オイオイ、他に誰も疑問に思わねーのかよ(全員で10人位いた)?」と思うとともに、「じゃー反応してGrignard試薬は何になるんですか?」というつっこみを入れたくなったのですが、面倒くさくなったのでやめときました。
この事件でコンキチはマジビビリましたね。
論理思考"ZERO".....orzですから!!!
結局、大きなトラブルもなく、結果がそこそこ(スペックイン&ハイ・イールド)なら全てO.K.なんですよね(二流の)企業は。まあ、だからこそ二流大卒のコンキチが能生と研究員をやってられる訳なのですが.....
研究者には知的好奇心が必須であるとコンキチは思います。
何故なら、知的好奇心こそが、自然科学における新たな真理の発見の道しるべとなる唯一の動機だからです(多分)。
だって(知的)好奇心がなければ、「ある現象の合理的な理由付けを求めよう」っていうモチベーションが発現しないでしょ。
上記エピソードでNO REACTIONだった研究員(達)は、知的好奇心が欠落している下流研究員か会議で発言するという無駄なenergyを使うのが勿体ないと思っている達観した研究員のどちらかに違い有りませんね(コンキチは前者だと思いますが)。
研究活動こそ、鈴木敏文会長が宣っておられる「仮説と検証」のPDCAサイクルが端的に求められる職種だと思うのですが、現実はそうではないのです。特に二流企業の下流研究員がやることはDo Do Do!!!!!だけです。平たく言えば、「下手な鉄砲なんとやら」ってな感じです。
二流企業の研究員を狙っている二流大学の学生諸氏はその辺にも留意して就社を決断するようにしましょう。二十歳を過ぎたら自己責任です。
Tweet
0 件のコメント:
コメントを投稿