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2006年11月1日水曜日

知の集積(1)

某香料会社に勤務しているなんちゃって研究員のコンキチです。

先日、コンキチが唯一先輩風を吹かすことのできる後輩が、試薬を探しているのを目撃しました。で、

コンキチ 「PTCなんか探してなにやるの?」

後輩 「○×反応に使います」

コンキチ 「何種類も探してるみたいだけど、PTCって値段がけっこう違うし、工業化されてないのもあるかもよ。あと、PEGもPTCになるって知ってる?あとN系以外にもP系のPTCもあるよ。それから、値段によっては一番安いヤツを沢山使うっていう手もあるよ。ついでにいうと、その検討って▲△さんが前にやってたような気がするんだけど.....知ってる?」

後輩 「.....」

コンキチ「昔、値段調べたから、その時の値段でよかったら気が向いたら探しとくよ。あと、■▽会社の~ログもみてみる?持ってるから。でもちゃんと値段を問い合わせないとダメだよ。」

後輩 「ありがとうございます」

という訳で、コンキチが昔書いた月報と、▲△さんの書いた月報(報告書になっていなかった)と製品カタログを見つけて、後輩に持って行ってあげました。

っていうか、

ちゃんと以前の検討結果を調べてから指示だせよ!上司!!

もしこのまま(コンキチが唯一先輩風を吹かすことのできる)後輩がそのまま検討を始めたら、かなりの機会ロスが生じたのではないでしょうかねえ?その責任って誰がとるの?

(一応)研究機関は知の集積こそが最大のミッションだと思うのですが、コンキチの勤務する会社では、残念ながらそれがなされていないようです。

以前コンキチも、(当時の)上司に.とある香料化合物を合成して、その香気を確認してみようという指示を受け、ターゲット化合物を単離・精製して、香気を評価してもらったのですが.....

その直後に、

上司「なんか前にそれ香気評価したことがあって、イマイチだったからそれ月報に書く必要ないから」

コンキチはちょっと(というかけっこう)ムッとしちゃいましたね(心の中で)。

<以下、心の叫び↓>
コンキチ「部下の気に入らないところを怒るクセに、自分のミスはお咎めなしかよ(怒)」
<心の叫び終了>

ついでに言うと、現在コンキチの会社の有機合成セクションは

(上司1人+部下1人)×3グループ

です。

しかもグループ間で研究内容の交流は全くありません(上司達は部門会議とかで概要は聞くのでしょうが)。月報とか回覧してないし。

これってどう思いますか?セクショナリズムもここまでくるとある意味気持ちがいいですよ。

世の愚かな人々って、昇格すると(職責が変化しただけなのに) 偉くなったと勘違いして、自分が気持ちいい世界で仕事できる自慰空間を構築しようとっする傾向があるとコンキチは思います。外野にピーチク・パーチク干渉されるのを避けるためにセクショナリズムに走る。

職位が上がるにつれて、より全体最適を志向し、権限が及ぶ範囲で、そのワーキング・グループが効率的に利益を創出するシステムを構築しなければならないと思うのですが.....

結局、人はユルい存在だから、ストイックに全体最適(企業の利益を創出)するよりも、ダークサイドに堕ちて自分が気持ちいい自慰空間を確保したいんでしょう(セクショナリズム、ROIの低い気持ちいいグッズを買う、自前主義、情報の囲い込み)。そして、そういった自慰空間が「知の集積」を阻害する一要因なのだと思います。

実る程、頭を垂れる稲穂かな。そういう上司に私は会いたい

今日もひねてる、某二流大卒のなんちゃって研究員でした。

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