昨日の夕方ニュースをみていたら、メルシャンの話題をやっていて、ワインの常飲者は6%程度(何に対して?成人ってことかな?)なのだそうで、需要の掘り起こしを狙っているそうです(ちなみにコンキチはワインもよく飲みます)。
「 何故ワインは普及しないのか?」なんてろくに調べもしないで、無責任なタイトルをつけましたが、感覚的に、
ビール→圧倒的な支持
ワイン→敷居が高い?(実際はそんなことないのだが…)
的なイメージは日本国民のコンセンサスを得ているのではないかと思います。
で、番組ではメルシャンの新ワイン(たぶんコレ)は、料理(特に家庭料理)との組み合わせを重視したワインということで、メルシャンの社員っぽい人が試飲会(っぽい席) で、
「しめ鯖(の寿司)と合いますね」
なんていう台詞を吐いていて、コンキチは軽く気分が悪くなりましたが…..(しめ鯖には日本酒だろうが!個人的に鮪の赤身の刺身とフルボディーの赤は合うと思いますが、しめ鯖とワインは合う気が全然しない。機会があったら検証してみようかとは思いますが…)
それから件のワインですが、店頭での小売価格は600 mlで640円程度らしいです(750 ml換算で800円)。
さて、料理の相性の良さを武器にワインの浸透を狙っているようですが、果たしてその戦略はうまくいくのでしょうか?コンキチは力強く失敗すると思いますね。理由はこんな感じです↓
1) 「本物」ではないから
ワインで640円(750 ml換算で800円かな)っていったら、明らかに低級品です。つまり、「本物」っていうか本格的な造りでない可能性が高い(イエローテイルやチリワインみたいに廉価で高品質な例外もあるけど)。日本のメーカーで、これくらいの価格帯で本格ワインにであったことはまだ無いです(メルシャンの本格路線のシャトー・メルシャンブランドはもっと高い)。「本物」でなければ持続的な成功はありえないでしょう(歴史が証明していると思う)。それから、ワインの高級品は天井知らず。そのため、低価格ワインのグレードが実質的な価値以上に低い印象を消費者に与えてしまうのもマイナス要因と思う(特にワインは高級品という意味不明なバイアスがかかっている我が国ではその影響は顕著かと思う。つまりブランドイメージとプライシングのミスマッチ)。一方、ビールは低級品とプレミアム品の価格域が狭い(だからプレミアム品も低級品もそれなりにそこそこ売れるような気がする)。
2) 新しいコンセプトではない
料理との相性(マリアージュ)をウリにしているようですが、それは全然新しいコンセプトでもなんでもないです。昔からマリアージュの探求は行われてたと思うけどな。しかも、良い取り合わせのマリアージュは既に蓄積されているし。「どんな料理にもワインを」っていうんじゃなくて、TPOをわきまえた提案の方が消費者のためのように思うのはコンキチだけでしょうか?
3) 未成熟のワイン文化
バレンタインデーとホワイトデーに、近所のスーパー等でボジョレー・ヌーボーが主要フェイスの一角を占めていました。しかも、値引きなしで!お祭りのためだけにあるボジョレー・ヌーボーが越年したにもかかわらず、2千円超で売られている現実に驚きです(普通のボジョレーの2倍ちかく)。ボジョレー・ヌーボーの値段の主要部分は空輸代だっていうのに。嘆かわしいです。大して旨くないボジョレー・ヌーボーに大枚はたくくせに、それ以外のワインに対する盛り上がりは希薄なような気がします。なんていうか、未だに文化として定着してないんですよね、ワインが。
という感じで、メルシャンの新製品は失敗に終わると思うのですが、一酒呑みとしてコンキチの予想が大はずれして、我が国にもっと酒が文化として定着することを祈る窓際研究員なのでした。
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