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2008年4月21日月曜日

改革は細部に宿る

改革でも会社でも政治でも地域社会のことでもなんでもいいんですが、

正しいことを言うことはわりかし簡単と思います。

例えば、「無駄な道路は造らない」なんていうのは、それ自体正しいと思います。しかも、皆賛成する。でも、

1) 無駄な道路の定義は?計測方法は?誰が判断するの?
2) 基本的に道路を造って不便になるということはない。(程度の差はあるが)利便性は確実に向上する。だから、全く役に立たない道路というのはありえない。
3) 自分の住んでいるところに建設予定の道路を「無駄」という人はいないでしょう。

っていう感じであらゆる自治体では、

無駄な道路をつくるのはいけないよね。でも、俺たちの街につくる道路は必要不可欠なんだよ。住民の利便性が向上するし。

ってな主張に終始して終わっちゃうような気がします。

コンキチの実家の目と鼻の先に高速道路のインターが出来て、個人的に凄く便利になったけど、はっきりいっていつも空いてるし、費用対効果を考えたら、完璧にムダな道路だと思うな。

あと、

学校教育の充実とか老齢者の医療の拡充とか(経済的)弱者の救済とかも正しいと思う。その全ての政策を実行に移すべきとも思います。但し、無尽蔵に金があればの話だけど。実際、資源は限られていて、トレードオフを迫られるのは必定。なんでもかんでも全てを救済してたら、資金繰りがショートするのは火を見るより明らかでしょう。それから、救済にあまり力点をおいてしまうと、非救済者にフリーライドされているという不平等感が高まると思う。

ところで、

共○党とか社○党とかは、ばかの一つ覚えのように弱者救済とか格差是正とか一見耳障りのよいことばかりを主張していますが、議席数は全然増えません。超絶ナイーブな人ならだませるかもしれないけれど、ちょっと分別のある大人なら彼の政党の主張は机上の空論であるということがまる分かりだからなんだろうとコンキチは思っています。ただ正しいっぽいことを言っているだけで、具体性=「プランの細部」が全然見えないんだよね。彼らには、自分達のプランを実現するためにどれだけのコストなら支払ってもいいかということを有権者に聞いて欲しいな(支持者の間でも選好の逆転が起こる気がする)。

会社でも、ちょと偉い人はもっともらしい発言をまき散らしますが、それを具現化するためのインセンティブを用意していなかったりすることが多々あるように思います。

例えば、我が国では批判が多いかと思われる成果主義ですが、仕事の成果に応じて報いるという考え方自体は、特に間違っていないと思います。でも、成果主義と称して、(a) 降格制度が欠如していて、(b) 豊富な属人的給与と手当があり、(c) 評価基準が曖昧だったら、成果主義の賃金制度としては機能しないでしょう。細部がなおざりだらけだから。考課者(上司)と被考課者( 部下)に、真面目に成果主義に取り組もうというインセンティブが働かないんだよね。


徒然なるままに書き散らしてきましたが、ここである言葉を思い出しました。

構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌」の中で何度も連呼されたフレーズで、


改革は細部に宿る(だったと思う)
by 竹中平蔵


です。

具体的な方法論を詰める作業が計画に実効性を持たせるということで、具体案なき理想は虚像なりというやつなのだと思いました。

正しいことをただ垂れ流すだけじゃなくて、システムを細部まで設計してこそ一人前。そんな気がします。そのためには、インセンティブを効果的にシステム内に組み込むことが肝要と思うのでした。


二流大出のなんちゃって研究員の独り言なので、軽く流してくれたら幸いです。

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