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2008年5月6日火曜日

電子ゴミの憂鬱

この間のプレミアAで、中国の電子ゴミのはなしをやっていました。

中国の貧しい村では、アメリカや日本から電子ゴミが不法に大量輸入されているそうです。で、ターゲットは金。電子基盤に含まれる僅かな金を回収するのが目的です。電子基板を鉄板で熱してハンダを融解させて取り除き、さらに薬品で洗浄(?)を繰り返して金を採取してゆきます。当然、ハンダ融解作業を行うオペレーターの作業環境は劣悪で、作業所には普通の換気扇が一つか二つ(?)あるばかり。そして、使用済みの薬品の廃液は近隣の川に垂れ流し。ちなみに、近所の住民に鉛中毒の症状がみられるとか。

この怪しげな会社を経営するのは三十代の男性(2人?)で、「(俺たちは)全てのゴミを消費できる」と嘯きます。

良識ある人達は、人体と環境を汚染すして不法に富みを貪るこの経営者達を「悪」と断じ、強く非難することでしょう。しかし、彼等(悪徳経営者)を断罪することは、本当に正しいことなのでしょうか?

人は生まれながらに不平等です。金持ちの家に生まれた子供と貧乏人の家に生まれた子供とでは、スタート時点と、その後の成長過程における環境に大きな隔たりああるでしょう。これは、国家間についても言えることで、豊かな国(日本とか)に生まれた我々は、その時点で他の貧しい国々に生まれた人々に比べて圧倒的に有利な立場にあります。日本に生まれた時点で、全世界的に見れば生活レベルはトップクラスのはずと思います(どんなに貧乏でも中学までは義務教育だし、奨学金とか駆使すれば大学だっていける。少なくとも、死ぬ程頑張れば起業したり、高級官僚になったり、大学教授になったり、大企業の幹部候補生になれる可能性は充分ある)。

でなにが言いたいかというと、幸運にも極めて豊かな国に生を受けた我々が、貧しい国に生まれた貧しい人間が、その生まれながらの不平等を解消するために、不平等を生み出している社会が勝手に決めたルールを無視して経済的にささやかな金をGETしたからといって、簡単にその行いを断じてよいものかということです。

ある意味、鉛中毒をまき散らして金をGETしている経営者の行いは「罪」でも「悪」でもなく、社会が生み出した不平等(アンフェア)を解消するための、至極当然の一手段なだけとさえ思えます。

だって、我々先進工業国は、地球温暖化による水位の上昇に伴い水没地域が出ると囁かれているにも関わらす、それらの地域にいる人々を生贄にして、過去にもこれからも温室効果ガスを排出し続け、自分達だけ豊かな生活を謳歌しようとしているのだから。


我々は、今こそ偽善者の仮面を剥ぎ取り、こう叫ぶべきだ!

俺たち(豊な国の人間)の豊かな生活のために、(水没がいち早く訪れそうな)貧しいお前等は犠牲になってくれ

と!!!


いや~。今回はかなり毒づいてみましたが、まあ、二流大出のアホな研究員の寝言と思って、軽くながしていただけたら幸いかなと思います。


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