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2008年10月19日日曜日

Co-opetition (1)

豆腐(木綿ね)をアテに新政↓を呑んでるコンキチです。

-新政メモ-
言わずと知れた6号酵母発祥の蔵、新政酒造の純米酒「新政 秋田流純米酒」。嘉永五年(1852年)創業の伝統蔵。
秋田流純米酒というネーミングが(個人的に)なかなか良いと思います。本品は寒冷な気候を上手に使い、丁寧に丁寧に時間をかけて発酵させる「秋田流低温長期発酵」(低温で18日間かけて酒母を育成する)により醸された一品で、時間をかけることにより、丈夫な強い酵母が育ち、熟成しても味ダレしない酒を生み出すのだそうです。協会酵母発祥蔵故に「秋田流」という言葉が重みを伴って耳に響いてきます。
酸味がけっこう強い。ラクトン様のmilkyな香り。僅かに果実香。熟成香(っぽい老香)がやや鼻につく。滑らかな飲み口で、口に含むと僅かの林檎様の香味が漂う。ヌルッとした独特の触感。切れ上がりよく辛い。
原材料/ 米・米こうじ
アルコール分/ 15-16%
精米歩合/ 麹米60%, 掛米65%
酵母/ 協会6号(新政酵母)
日本酒度/ +3.0
酸度/ 1.6
新政酒造(株)
http://www.aramasa.jp/

閑話休題

最近、「ゲーム理論で勝つ経営」(「コーペティション経営」の改題文庫本)という本を読んでいます。
まだ読書中なのですが、気になったところをメモします。

「Co-opetition」とは「Competition」と「Cooperation」を合成した造語です。ビジネスのフィールドでは、競争と強調が同時に起こり、「Co-opetition」では補完的生産者(補完財を供給する存在)を重視しています。そして、「競争相手」でさえ「補完的生産者」になり得ると説きます(例えば、アメリカン航空とデルタ航空は、空港設備の利用をめぐって競争しているが、ボーイングのような供給者に対しては、ボーイングの開発費用の引き下げ=販売価格の低下という面で補完的関係が成り立つ)。

で、Co-opetitionではPARTSというフレームワークを使って分析を行うようです。ちなみに、
P: Players
A: Added Values
R: Rules
T: Tactics
S: Scope
です。

今、「Player」の章を読んでいるのですが、気になった事例を一つ↓

Aspartameの話です。登場するPlayersは以下の通り↓

a) モンサント社: Aspartameの独占的供給者。商標はニュートラスウィート。
b) HSC (オランダ•スウィートナー•カンパニー): Aspartameの特許切れを狙って新規参入を試みる事業者。製薬業でいえばゾロメーカーですね。
c) コカ•コーラとペプシ•コーラ: アメリカにおけるモンサント社の顧客

最初の主戦場はヨーロッパ。欧州での特許切れをうけて、HSCはAspartame市場に参入。しかし、モンサントは学習効果による大幅な値下げによりHSCを撃退。 したかに見えたが、裁判でモンサントにアンチ•ダンピング関税を課すことに成功し、新規参入に成功します。

これに気を良くしたHSCはアメリカ市場への参入を試みます。アメリカ市場における主要顧客は、コカ•コーラとペプシ•コーラ。しかし、競争が起こる事はなく、特許が切れる前にコカ•コーラとペプシ•コーラはモンサントとの長期契約を結んだそうです。

(価格)競争が起これば得するはずのコカ•コーラとペプシ•コーラは何故特許切れ(HSCの参入)を目前にしてモンサントと長期契約を結んでっしまったのか?

理由は↓




ニュートラスウィートというブランド力



たとえ全く同じものであっても、ブランド名(商標)が違うと消費者はそれが(品質も劣った)違うものと認識してしまう。

ちなみに、フリー•ランチに預かったのはコカ•コーラとペプシ•コーラ(両社合わせて2億ドル/年のコストダウンを達成)。
モンサントは、ブランド力とコスト優位性で、シェアを維持し損失を最小限に抑えることができた。
HSCは競争を無料で売ってしまった。


教訓

a) ブランド力は偉大だ
b) 特許切れを狙うときは、先行企業の学習効果に基づくコストダウンの能力分析すべし(法律のことは良く分かんないけど、アンチ•ダンピング関税が発動しなかったら、HSCは欧州市場でヤバかったのでは?)


以上、二流大出のなんちゃって研究員の読書感想文でした。

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