前回のブログで光延反応についてメモしてたら、以前読んだ文献を思い出したので、ついでにメモします。
タイトルは↓
Organocatalytic Mitsunobu Reactions
J. Am. Chem. Soc. 2006, 128, 9636-9637.
この論文も、光延反応後の副生成物の除去に着目したものです。
具体的には、DEADが還元されて生成する1,2-dicarbethoxyhydrazineを化学量論量のPhI(OAc)2で酸化してDEADを再生することにより、DEADを触媒的に回して、除去し難いヒドラジン誘導体の生成量を減らし、精製を容易にしようしという論文です
ベストプラクティスは、0.1eq.のDEAD、2.0eq.のPhI(OAc)2とPPh3を使用したとき。
4-ニトロ安息香酸(1.1eq.)と2-フェニルエタノール(1.0eq.)との反応では、THF中、上述したモル比で試薬を作用させ、室温で16時間反応させることで、目的のエステルが収率90%で得られる。
で、ちょっと驚いたのが、DEADなしでも反応がある程度進行するということ(現在っていうか当時、メカニズムの解明中らしいです)。
この他に9例あったのですが、いずれも化学両論量のDEADを用いた場合より収率は低いのが残念です。
コンセプト的には個人的にけっこう好きですね。
Tweet
0 件のコメント:
コメントを投稿