海堂尊「四兆七千億分の一の憂鬱」を読了しました。この小説は、短編で、「このミステリーがすごい! 2010年版」に収録されていて、桜宮サーガでおなじみ桜宮警察署のデジタルハウンドドッグ(電子猟犬)こと加納達也警視正とその手下1号の玉村誠警部補のコンビが活躍する作品です。
テーマはズバリ、DNA鑑定。タイトルの四兆七千億分の一とは、最新のDNA鑑定におけるDNAの一致する人間の出現する確率です。ちなみに、人類の人口は65億5千万人弱(see http://arkot.com/jinkou/)。よって、DNA鑑定における鑑定結果は、確実に個人を特定できるというわけです。
で、このお話の要諦は、鑑定結果は確実であっても、そこで思考停止してはならないという、至極当たり前のことです。
例えば、配偶者が殺害されたとして、その体内から他人の体液が検出されたとして、その体液のDNA型があなたのものと一致したからといって、それだけではあなたが犯人と断定される言われはないというようなことです。
ミステリというより、人生訓的な作品に仕上がっているかなという印象を受けました。
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