橘玲の新作「亜玖夢博士のマインドサイエンス入門」を読了しました。テーマはタイトルにもある通り、(多分)脳科学です。
ところで、素人がサイエンスを評論することは難しい。
因に、コンキチは(一応)(有機)化学が専門であるので、「化学」的話題に対しては、それなりにツッコミを入れることが出来ます。
ただ、専門知識があっても、その人のレベル、信条、detailによって、ツコッミ所の正否に対する認識が異なるであろうことは留意すべきでしょう。
そして、近代科学は、複数の専門領域を融合することによって成り立っている場合も珍しくはなくなっています。
(ある一つの)専門家でも正しいツッコミを入れることが困難となった現代社会において、素人が正しいツッコミを果たしていれることができるのだろうか?
なんていうことを考えながらこの本を読みました。
閑話休題
まあ、そんなめんどくさいことは置いといて感想書きます。
脳科学スーパー素人級のコンキチはこの書籍のマインドサイエンス的な部分はチンプンカンプン チンプンカンプン イェーイっていう感じなので、その辺はおいといてメモしてみましょう↓
前作の経済学入門は(流行りの)行動経済学に主たるスポットを当てた作品と思います。で、それに続く本作が脳科学を話題としていることは、必然的流れかなとまずは思いました。両者の共通キーワードは「感情」と思います。それから、心理学というと神学的な匂いが残っているように感じるのですが、脳科学とは心理学をけっこうサイエンスに昇華させたモノという気がします。
で、本書は脳科学のトピックスを題材としたブラックユーモア小説ですが、ラストはブラック感を幾分緩和させる日本人好みの仕上げになっています。物語は全5編↓
認知心理学
「ひきこもりの原因は、自分が思う自分と他人が思う自分が食い違っていること。それなのに、自分を他人の評価に合わせるのは難しい......」
→解決法「夢を実現すること」
これでひきこもりも撃退。ブラボー
進化心理学
人間界の出世競争は、サル山のボスザル争いに近しいそうです。
超心理学
キーワードは「変性意識」。変性意識は、時空間の変容、高揚感、全一性を伴う半覚醒状態。変性意識下では様々な不思議体験(神、天使、幽霊などに出会う心霊現象)。但し、その不思議現象は脳のなかのただの幻影だそです。ちなみに、幽体離脱は平面の視野情報を三次元に置き換えているだけらしいです。
洗脳
なんて甘美で素敵な響きなんでしょう。騙され易い人は、騙されることを欲している。そして、いったん信じてしまうと、脳は自分の判断を合理化しようとして、信念に反する情報を拒絶してしまうといいます。
(あと、人の記憶はあとから簡単に書き換えることが可能だそうです。)
人口生命
ナノテク(nanotechnology)の究極の未来像を描くSF
橘小説にはが素晴らしい「毒」がまぶされている。そしてその「毒」は役に立つ(と思う)。ところで、コンキチは橘玲のファンで、氏の金融を題材にした著作に感銘を受け、今や信奉者と化しています。はっきり言って、ボクはタチバナ教の教えを拝する信者で、多分、橘氏の次回作がトンデモ本的内容であっても信じてしまうと思います。これが「洗脳」されてるってことなのかななんて思いました。
ただ、本書をはじめとして橘玲作品は面白くてためになる(と思う)ので、「洗脳」されてみるのもいいのではないかと思います。
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