こんな文献を読んでみました↓
Scaleable Preparation of Functionalized Organometallics via Directed Ortho Metalation Using Mg- and Zn-Amide Bases
Org. Process. Res. Dev. 2010, 14, 339-345.
MgとZnからなる金属アミドを使って芳香環のo-メタル化して、 種々の求電子剤と反応させるという反応です。しかも大スケールで。大スケールっていうと抽象的で、人によって定義が異なるかと思いますが、ここでいう大スケールは80-100 mmolです。
さて、本報で用いられている金属アミドは↓
a) tmpMgCl·LiCl (tmp = 2,2,6,6-tetramethylpiperidyl)
LiClがあることで、アミドが単量体化する。速度論的塩基性の高さはLiClの存在に起因する(ref. ACIEE 2008, 47, 8079.)。
b) tmp2Mg·2LiCl
強力なメタル化剤だが、安定性にやや難あり(25℃で24 hrくらいしかもたないらしい)。ArMgtmp•2LiClを発生させる(ref. ACIEE 2007, 46, 7681.; ACIEE 2008, 47, 1503.; Org. Synth. 2009, 86, 374.; JACS 1989, 111, 8016.; ACIEE, 2002, 41, 2169.; JACS 1993, 115, 11375.; JCS Perkin Trans. 1 1996, 2331.)。
c) tmp2Zn·2MgCl2·2LiCl
センシティブな基質のメタル化に有効。高い速度論的塩基性と良好な溶解性にMgCl2とLiClが必要。6ヶ月間安定(ref ACIEE 2007, 46, 7685.; Org. Lett., 2008, 10, 4705.; Chem. Commun., 2008, 47, 6387.; Chem. Eur. J. 2009, 15, 457.)。
では、反応例を少々↓
さらに、これらの反応は容易かつ安全に実施でき、小スケール(2 mmol)時とマルチグラムスケールで、メタル化の速度と収率が同等だといいます(これは凄い!)。
あと、tmp-Hは回収可能。ちょとコスト的に高いかなっていう気はするけど、反応の堅牢性は、正にプロセス向きの反応と思いました。
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