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2014年3月23日日曜日

"1,2-" or "1,4-", That is the Question (6)

三ツ矢堂製麺所のメモです。

-らーめん (780 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
麺は(中)太麺でほぼストレート。モチモチを超えた噛みごたえで、あと一歩で超コシの強い饂飩を想起させる領域。スープはカツオ節様の魚介と豚骨っぽい獣系か?creamyで、獣臭は微弱で上品に仕上がっている。粘度が高くねっとりとした食感だが、味自体はあっさりtaste。太めの硬い麺に良く絡むように設計されているんだろうと思いました。
ただ、スープの塩辛さにグラデーションがあり、下部にいくほど塩辛さがup↑していく(スープの粘度が対流を阻害し、塩ダレが滞留してしまうのだろうか?)。ちょっと食べ疲れるね。

-ふかひれ入り酸辣湯つけめん 冷もり (930 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
(中)太のストレート麺は、ツルツルで強い弾力が心地よい。噛み進めることによって生じる香味の広がりは無いが、悪くない。スープは少しとろみがあり、甘味が少し強めの甘辛。しょっぱさも強めだが、太い麺に合う濃度でバランス良いと思う。ただ、温度低下著しく残念。

-ふかひれ入り酸辣湯つけめん あつもり (930 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
「冷もり」は冷たい麺をつけ汁につけて食べるため、スープの温度低下が著しく残念な気持になったので、「あつもり」の麺でリベンジ。
麺の熱さは「あたたかい」程度。つけ汁につけることで進む温度低下は殆ど気にならず、美味しくいただけた。ただ、普通にラーメン形式で提供したらいんじゃないの?っていう素朴な疑問が生じた。

-つけめん ゆず風味 あつもり (780 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
麺は相変わらずで、噛み応えのある弾力の強い麺の食感は凄い!つけ汁につけて食べると少しもっさりした味。つけ汁は甘味と酸味がかなり効いた豚骨醤油(?)も、動物的臭みは全く感じず、柚子の香りが立って爽やかで良し。しかし、温度がちょっとぬるい。濃度勾配があり、下にいくほど味が濃くなる。スープ割りで割ると酸味が際立つ。割りスープは玉ねぎ入りのコンソメtaste。具はメンマ、ネギ、激マズなナルト。



閑話休題


α,β-不飽和カルボニル化合物の共役二重結合の還元はヒドリドによる1,4-還元の他にも、[Hydrogenation]っていう手も使えます。接触還元の触媒としてはRaney-NiやRh/Al2O3とかを使った例が報告されていると思いますが、今回はパラジウム炭素に絞ってメモしようと思います。


簡単に調べられるところでは精密有機合成にこんな例があります↓

精密有機合成

それから、LarockのComprehensive Organic Transformation (2nd Ed.)に書いてあるパラジウム炭素を使った接触還元例をいくつか↓

J. Org. Chem., 1958, 23, 1853.
EtOH/ HCl aq.中で反応を行うとcis-選択的。


J. Org. Chem., 1987, 52, 2875.


J. Org. Chem., 1987, 52, 5594-5601.


J. Am. Chem. Soc., 1985, 107, 7967-7974.

あと、これはたまたま見つけたんだけどこんなのもあります↓

Chemical & Pharmaceutical Bulletin, 1996, 44, 1318-1325.

α,β-不飽和ケトンを飽和アルコールまで還元してからJones酸化するというなんとも面倒な方法でα,β-飽和ケトンを得ています。こういった事例があることから、パラジウム炭素はハマれば良いんだろうけど、基質一般性はそれほど高くないかもしれないという匂いがします。また、金属ヒドリドを用いた1,4-還元の研究がけっこう続けられていることからも、接触還元の汎用性が必ずしも高くなさそうな気持でいっぱいになります。

で、ここで着目したいのが岐阜薬科大の佐治木先生の研究成果です↓

まずはPd/C-Ph2S system。コンセプトはシンプルで被毒させて触媒活性を落として選択性を出すという、まあ、分かり易いアプローチです。基本条件は、

10% Pd/C (10 wt%), Ph2S (0.01 eq.), MeOH, H2 (1 atm), rt., 24 h

Org. Lett.20068, 3279-3281.
Tetrahedron200662, 11925-11932.

Pd/Cで還元されやすい芳香族ケトンも還元されません。あと、芳香族ハロゲン、エステル、アミド、ニトリル、カルボン酸、N-Cbzも還元されません(アジド、ニトロ基は還元される)。

この条件だと芳香族アルデヒドは還元されちゃうけど、溶媒をAcOEt or THF or MeCN or 1,4-dioxaneに変えること選択的のC-C二重結合のみを還元できます(但し、α,β-不飽和アルデヒドの例はない)。

ちなみに、Pd/C[Ph2S](パラジウム-活性炭素ジフェニルスルフィド複合体)は市販されていて、発火性が少ないとされています(佐治木先生のHPでは、エヌ・イー・ケムキャットから市販されていると紹介されています。以前は和光純薬が紹介されていて5,000 JPY/g, 15,500 JPY/5gで売ってたはずです)。

あと、Pd/Fib(パラジウム-フィブロイン複合体)。

基本の反応条件は、

2.5% Pd/Fib, MeOH or THF, H2 (balloon), rt.

有機合成化学協会誌, 2005, 63, 1218-1231.

Pd 2.5%がムラなくロスなくフィブロインにパラジウムが吸着されるようです。そして、触媒は発火性を全く示さず、目の粗い濾紙で濾過するだけで触媒を分離できるそうで、かなり好感触
芳香族アルデヒド、芳香族ケトン、芳香族ハロゲ ン、ベ ンジルエステル、N-Cbzには不活性で、そういった官能基ん存在下、C-C二重結合を選択的に還元できます(アジド、ニトロ基は還元される)。しかしながら、立体障害に弱いようで、トランス二置換、三置換オレフィンは水素化が困難なものが多く、常圧では全く反応が進行しないものもあります(残念。あんまり詳しくみてないけど、Pd/C[Ph2S]も立体障害に弱いかもしれないです) 。trans-α,β-不飽和ケトンで高収率でオレフィンの還元が進行する基質もけっこうありかすが、Pd/Fib触 媒存在下、トランスオレフィンが シスオレ フィンに異性化し、わずかに生成したシスオレフィンが還元を受けて反応が進行するものと考 えれば合理的に説明できるとしています。あと、この触媒も市販されています(和光純薬から4,500 JPY/g, 14,000 JPY/5g)。

立体障害に弱そうだという制限がある(ありそうだ)けど、高い官能基選択性は魅力的です。マジ使ってみたいです、Pd/C[Ph2S]Pd/Fib


次回、まとめです。

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