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2013年1月14日月曜日

The Winner’s Aroma

ここ数年、アメリカのTVドラマシリーズにハマっているコンキチです。で、マハってたのは次の3シリーズ↓

(1) Lie to me (SEASON 1-3)











主人公のカル・ライトマンは、赤の他人であっても、言葉さえ交わさずに、数分感、ときには数秒間観察しただけで、その人のことをズバリ断定することできる。
主人公のこの特異な能力は、主に「微表情(マイクロエクスプレッション)」を読み取ることで達成される。すなわち、ウソをつく人に特有の、僅か数ミリ秒のタイムスケールでしか持続しない「微表情」を読み取ることで相手の心理を読み取っていくのだ。
さらにこの物語を魅力的にしているのは、主人公は「人間ウソ発見器」の異名をとる実在の精神行動分析学者ポール・エクマン教授をモデルにしているという点と思います。


(2) WHITE COLLAR (SEASON 1-3)











収監中の天才詐欺師がFBIに捜査協力する代わりに制限付き自由を与えられ、知的犯罪捜査のコンサルタントとして数々の難事件を解決していく話。

詐欺師としての経験を生かした思考や、テクニックを駆使してニューヨークに蔓延する知的犯罪を解決していく様は小気味いい。


(3) THE MENTALIST (SEASON 1-3)











ニセ霊能者(サイキック)としてテレビで人気者だった主人公パトリック・ジェーンは、番組で連続殺人鬼「レッド・ジョン」を挑発したことから妻と娘を殺された。それを契機に、CBI(カリフォルニア州捜査局)の捜査コンサルタントへと転身し、凶悪犯罪を見事な手際で解決しながらレッド・ジョンへの復讐を果たそうとしている。
パトリック・ジェーンの使うテクニックは主にコールド・リーディング。鋭い観察眼から繰り出される人を食ったようなコールド・リーディングのテクニックは観ていて小気味いい。


閑話休題


学生さんにとっては就活の季節ですね

かつて香料会社で働いていて、まだ後ろ髪ひかれる想いも若干残っている今日このごろ(まあ、今の会社の方が給料・裁量・福利厚生・施設の面で圧倒的に待遇がいいから満足してるけどね)、こんな記事を見つけました↓

http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=32845396

スイスの香料会社の話です。みんな知ってるかどうか分かんないけど、香料会社世界ナンバー1・2はスイスの会社で、ジボダンとフィルメニッヒっていう名前の会社です(ちなみに3位はアメリカのIFF)。

で、この記事には次のようなことが書いてあります。

1) 不景気知らず  
「人間は食べる、飲む、体を洗う、そして掃除をする。それらの活動の8割が当社(香料会社)のビジネスだ。景況に左右されるのは高級香料の製造部門だけだ。つまり、不景気が大きな問題になったことはない」

要は、香料産業はディフェンシブってことです。


2) 緊密に結びついた香料業界  
「実のところ香料メーカー各社は競合相手であると同時に互いの顧客でもあるというのが香料業界の現状だ。各メーカーが独自の得意分野を持っているため、同業他社が緊密に結びついた業界となっている」
「世界的に展開している香料メーカーでなければプロクター&ギャンブル(Procter & Gamble)、ユニリーバ(Unilever)、ネスレ(Nestlé)、ダノン(Danone)など大企業の取引先にはなれない。大手香料メーカーは、主な市場のすべてに開発と製造の拠点を持ち、販売とマーケティングのスタッフを揃えている」
「ジボダンは、新興市場に進出した顧客の多国籍企業とともに国際的なビジネスの環境を築き上げてきた。ネスレは中国市場へ、プロクター&ギャンブルはラテンアメリカへの進出を望んでいた。風味や香りに対する嗜好はその土地に特有なものであるため、我が社はそれらの多国籍企業とともに現地へ進出した。例えば、中国の消費者向けにインスタントの粉末緑茶をスイスで作ることはできない。これは中国でやる必要がある」

要は、香料業界は成熟産業で、大手の交渉力が強い。そして、ローカライゼーション戦略が効くってことですかね。だから、国産香料メーカーが国内では幅をきかせているってことでしょう。で、国内の市場規模がそこそこ大きいからそれなりにウハウハできる。

ただこれからは日本国内市場は人口オーナスの影響をモロ受けなので、このままでは売上げはゆっくりと縮小していくか、良くて現状維持なんでしょう(ボク的にはソリューションビジネスを全面に押し出していくべきと思います)。香料業界は超成熟産業なので、ゆるやかな斜陽の坂をゆっくりかつまったりと下っていくか、のらりくらりと現状維持なんだろうと思います。

世界市場規模も産業の成熟感でいっぱいのような気がします(see http://www.leffingwell.com/top_10.htm)。


あと、香料業界に就職したいっていうマニアックな人には、上場会社のIR資料、香料(香りの本)、アロマリサーチ、J. Agric. Food. Chem.を読むことをお勧めします(退屈かもしれないけど、パテント読むのもいいかもしれません)。でも、入社試験で官能試験したりするので、あまりにも鼻バカな人はキツイかもしれませんね


就活生に幸あれ


2010年11月9日火曜日

香料会社給料激減

サラリーマンの平均年収が減少しているらしいですね
see http://nensyu-labo.com/heikin_suii.htm

平成21年のサラリーマン(民間企業で働く会社員やパート従業員)の平均年収は406万円(男性 499.7万円(▲6.2%); 女性 263.1万円で(▲2.9%)なんだそうです(国税庁民間給与実態統計調査)。近年で最低の給与水準らしいです(ボクの年収は昨年よりも50-60万以上増えそうだけど)。

ボクがかつて身を置いていた香料業界はどうなんだろうか?という想いが頭をよぎったのでサーチしてみました↓


あららら

(高砂香料に関しては、平均年齢の低下も影響あると思う)。

まあ、「平均」に比べれば、まだまだ給与水準高いし、ぬるま湯な業界だからいんじゃないですか?

とりあえず、1Q, 2Q, 3Qの決算からは、今期は、前期よりはマシみたいですね

2008年2月12日火曜日

香料業界考 (8)

国内香料会社の国際競争力ってどうなのかな?っていうことについてちょっと考えてみました。

先のブログ(香料業界考 (1))で述べた通り、国内香料会社2社が世界トップ10にランクインしています。

随分昔の話で恐縮ですが、1995年に出版された「香料の物質工学」の序文によると、

わが国の化学工業会社、製薬会社の中で売上高が世界の10位以内にランクされる会社が1社しかないのに対し、香料産業においてのみ、この10年に2社が世界の10位以内に入って検討している

という記述があります。

ちなみに、我が国でエクセレント・カンパニーの呼び声高い製薬会社の雄、武田薬品工業でさえも、世界的に見れば↓

16位 (利益率はトップクラスらしい)←日本経済新聞2008/2/5朝刊 06年医薬品メーカー売上高より


なので、一見すると世界トップ10に2社も国内香料会社が入っているというのは、けっこう国際競争力があるんじゃないの?という感じがします。

でも、本当にそうなのでしょうか?

とりあえず、フレグランスに関しては全然競争力がありませんね。10年近く前のデータ(1999年)を引き合いにだすのもどうかと自分でも思いますが、世界市場ではフレーバー、フレグランス半々くらいなのに、高砂は22%、長谷川は15%。圧倒的に競争力が無いと思われます。

では、フレーバーはどうかというと、高砂も長谷川も主戦場は国内という感じがして(特に長谷川はそう)、グローバルな競争という意味ではメチャクチャ競争力があるような気がしません(まあ、あくまでそんな気がするだけです)。

で、勝手な結論ですが、

a) 国内にはけっこう潤沢な市場がある。
b) そして、地域独特の食(=フレーバー)に対する強力な嗜好性が、海外勢が製品開発するに当たって強力な障壁になっている(例えば、納豆は我が国の国民食だけど、欧米人と関西人は納豆嫌い。欧米人はブルーチーズ好きだが、日本人は苦手な人がけっこういる的なこと)。(食に対する)感性って、ドメスティック以外では代替が難しいと思う。
c) なので、日本の食(フレーバー市場)をがっちりキープしていれば、そこそこのシェアがGETできる。

というような気がします。

あと余談ですが、香料業界もご多分に漏れずM&Aが活発化しているようで、世界的にはここ数年で業界地図が変わっています。
(ちなみにドラゴコという格好いい(多分)龍のロゴをあしらった香料会社があったのですが、合併してそのロゴがなくなってしまい哀しいです)

でも、国内ではどこ吹く風って感じでしょうね。
高砂は買収防衛策を策定したし、
長谷川は41.9%位の株式をがっちりキープしてるし、
小川は非公開同族企業、
曽田は東レの子会社、
その他も非公開で同族色が強そう

ですから。

外資に買収されて、我が国特有のワークスタイルが激変する可能性は極めて低いと言えるのではないでしょうか?

とまあ、ここまで偉そうなことを適当な想像で述べてきましたが、素人の戯言なのであまり真に受けないで下さい。

2008年2月11日月曜日

香料業界考 (7)

国内大手4社の幾つかの数字を表にしてみました↓

company高砂長谷川小川曽田
連結売上高113,876 M50,066 M38,786 M18,180 M
単体売上高61,549 M45,955 M19,073 M17,996 M
粗利益率(連結)30.1%34.6%-30.6%
粗利益率(単体)28.1%33.4%34.8%29.5%
営業利益率(連結)5.3%13%-10.2%
営業利益率(単体)4.5%12.8%6.2%9.9%
研究開発費8,261 M3,430 M-988 M
売上高研究開発費率(連結)7.3%6.9%-5.4%
製品の割合68%94%-69%
従業員数(連結)2,4381,068-344
研究員数(連結)529267-69
研究員比率(連結)21.7%25%-20%
単体平均年間給与(万円)764.3761.1-752.8
平均年齢(単体)4040.835.841
平均勤続年数15.417.5-17.1

小川は高い粗利の割に、営業利益率が振るいませんが、最近設備投資に熱心だったので、CFで考えなければならないかもしれませんね(非公開企業の為、データをGETできませんでした)。それから、事業ポートフォリオと粗利益率を鑑みると、小川は長谷川と同程度の製品/商品比率であると想像できるのではないかと思います。

曽田は、粗利益率が低い割に、営業利益率が高いです。各社の有報を詳細にみたわけじゃないので(B/S, P/L, CF計算書もツマミ食い程度にしかみていません)、あまり多くを語れませんが、ローコストオペレーションが徹底しているのか(VAとか経費削減とかいってるし)、設備投資を控えていて減価償却費が嵩んでいまいのか、あるいは、他者に比較して少し控え目な研究活動への投資が、競争が比較的緩やかな業界の構造にマッチしているのか?分かる人がいたら教えて下さい。

ちなみに、研究員1人当たり連結製品売上高を計算してみると↓
高砂/ 148.5 M
長谷川/ 176.3 M
曽田/ 179.2 M

製品売上高/研究開発費は↓
高砂/ 9,5倍
長谷川/ 13.7倍
曽田/ 12.5倍

高砂に比べて、長谷川や曽田の研究開発効率が高いような気がします。高砂は上場3社中最も研究開発費に資源(金)を投入している(対売上高に対する比率も一番高い)にも関わらず、その成果がイマイチクンのように感じられます。暇があったらその辺、特に高砂と曽田の比較を詳細にやってみたらやってみようかと思います(ただ、コンキチは会計素人なので、そのへんの勉強もしないといけないですね)。

個人的な即断と偏見に基づく感触としては、長谷川香料が、財務(有利子負債少ない)・収益(利益率良好)・戦略(国内フレーバーシェアNo.1)の面でバランスに優れてるかなと思います(力強い根拠はありませんが)。

最後に香料会社の給料についてちょとサーチしてみました。上場3社(高砂、長谷川、曽田)の平均年収は、2007年に「化学」セクターに上場の218社中、

高砂香料工業 23位 (764.3万)
長谷川香料 26位 (761.1万)
曽田香料 29位 (752.8万)

です(かなりの高水準ですね)。
ref. http://www.nenshu.jp/list/t0007a.htm

寡占市場で、競争もメチャクチャ激しくはなさそうで、それなりにシェアを維持できそうで、けっこう美味しい業界なのかもしれません(大手香料会社は)。

2008年2月10日日曜日

香料業界考 (6)

さて、業界4番手の曽田香料についてみてみましょうか?

ところで、四季報には「香料で国内3位」なんて書いてありますが、所謂香料会社で上場している3社中第3位という意味で、実際の3位は小川香料で、曽田香料4位です。注意しましょう。

カテゴリ別売上高構成比は↓
高砂、長谷川、小川が売上高構成の半分以上をフレーバーが占めているのに対して、曽田は47%と50%を下回っています。その代わりに「合成香料とケミカル」が34%と高い数値となっています。

そして、製品/商品の割合は製品が69%、商品が31%で、高砂香料工業と同程度の比率です。

地域別売上高構成比は↓
75%が国内売上高です。


粗利益率は30.6%(単体29.5%)、営業利益率は10.2%(単体9.9%)です。研究開発費は連結で988百万円(対売上高5.4%)。

売上高の構成比からタイプとしては、「高砂-曽田」、「長谷川- 小川」というよううグルーピングできそうです。ただ、合成のウェイトがかなり高いですね。製品だけに限ると、売上高構成のトップは合成(合成香料&ケミカル)になります。この辺りが曽田の特色なんでしょうか?四季報では「都市ガスの着臭剤やラクトン系合成香料に強み」と述べられており、有報でもラクトンと大環状ムスクに関する記述があり、そういった独特のポジショニングが強みなのかもしれません。

あと、フレーバーの製品/商品の割合は56/44で、かなり商品でボアアップされている気がします。国内フレーバー市場で高い競争力があるようには感じられませんね。


ちなみに、過去数年の有報から窺える取引先は....とりあえずマイナー(だと自分は思った)な企業も全部書きます↓
三井物産日本ミルクコミュニティ、ソダアクト、森永乳業FIRMENICH SWISSE、大日本インキ化学工業POLAROME INTERNATIONAL INC.雪印乳業明治乳業、全国農協直販、POLAROME USA、カネボウ化粧品誠寿堂、ロベルテ、合同酒精日本表面化学旧旭電化工業、ファミネット、オルトコーポレーション、ナガオカ、(昔の)カネボウ、アズウェル、サンテイスト、ロベルテ日能商店、富山小林製薬


国内の主な拠点は、野田(工場、研究各部)、郡山(工場)。それから、海外には台湾と中国の関係会社があります。

従業員は連結で344人(内研究員69人, 20%)。単体で281人。平均年間給与は753万円(平均年齢41歳)で、平均勤続年数17.1年。

筆頭株主は東レ(50.01%)で東レの子会社という位置付けですね。

次回は大手4社の数値比較をしてみましょう。

2008年2月7日木曜日

香料業界考 (5)

今回は小川香料についてサーチしてみます。小川香料は非公開企業なので、容易に入手可能なデータが少ないです。なので、 新聞記事等も活用してブログを構築していこうと想います。
あと、連結の情報は同社のWeb Siteに記載してあった売上高のデータしかGETできなかったので、単体主体でまとめていきます。

それでは単体売上高構成比です↓
長谷川香料同様フレーバー(80%)に特化した内容です。ちなみに、上記グラフのOTHERは、日経会社プロファイルによると「関連商品」で、四季報では「輸出」となっています。

粗利益率(単体)は34.8%。製品/商品の比率は分かりませんが、この高い粗利益率から察するに、長谷川型の高付加価値製品重視政策をとっていることが想像されますね(数年前は40%超だった)。

単体売上高は19,073百万ですが、連結だと38,786百万(HPに記載、単体の約2倍)あります(何やってるんだろう?)。大手4社の売上高を連結ベースで考えた場合、

高砂 / 長谷川 / 小川 / 曽田 = 5 / 2.5 / 2 / 1

といった感じでしょうか?単体との比較とは全然違った景色がみえてきます。

それから、創業家が仕切っている会社なので意思決定が速そうです。そして、ここ10年の設備投資が凄いです。

1999年 舞浜研究所スタート
2001年 (確か業界では他社にさきがけて)ERPを導入(5億)
2004年 つくば事業所スタート
2004年 中国上海に有限公司設立

それから、同社の2005年に設立した健康素材研究所や、食品会社をターゲットにした機能性素材DBの提供は、フレーバー関連事業の強化ですね。個人的に、機能性素材DBの提供による会員の囲い込みは、B to Bの関係強化を促す仕組みと考えています。

あと、他者に比べてウェブマーケティングがウマいなと思いました。研究成果をHPでアピールしたり、HPの更新というか、リデザインもけっこうやっていてアクティブな印象をうけますね。「食品(フレーバー)に特化してます」っていうのがとても伝わってきます。一つの力点(フレーバー)に収斂している印象を見る者に与えますね。就活している学生さんにもアピールになっていると思います。

従業員数は単体で457人で、平均年齢は35.8歳と他社に比べて圧倒的に若いです。
(高砂 40歳、長谷川 40.8歳、曽田 41歳)

事業拠点は、舞浜(研究所)、岡山工場、つくば事業所。

a) 旺盛な設備投資
b) (成熟産業にしては)圧倒的な若さ
c) 『食」への集中
d) 濃い顔の社長

なんかアグレッシブな匂いがしますね。(完璧にイメージですが)活力を感じますね。


2007年度大学生就職人気ランキング理系女子ランキング 73位と未上場企業ながら、なかなかの好感縮さが窺えます。


ただ、

2007年 従業員数 457人 (平均年齢 35.8歳)
2006年9月 従業員数 562人 (平均年齢 35.8歳) 連結 898人
2006年7月 従業員数 533人 (平均年齢 35.8歳)
2005年 従業員数 502人 (平均年齢 37.2歳)

と、2006→2007の従業員の出入りの激しさが気になります。単に団塊世代の自然減とかならよいのですが、仔細は分かりません。

それから、ブログ情報なんですが、小川社長と
サントリー
の佐治社長は 「東京ピアー会ジュニア」なる会に参加しているとか(佐治社長が中心らしい)。今後、取引とか増えるのかな?↓
http://office-lets-do-it.ameblo.jp/office-lets-do-it/entry-10040600364.html


次は曽田香料です。

2008年2月5日火曜日

香料業界考 (4)

香料業界を考えるブログシリーズ4回目は、国内香料業界No.2の長谷川香料について、誰でも入手できる資料(IR資料)に基づいて、コンキチの独断と偏見により、勝手に考えてみたいと思います。

で、セグメント別売上高構成比(連結)は↓
IR資料より、合成香料はキャプティブ・ユース主体。フレーバーの国内シェアは推定No.1で、ほとんどの大手食品メーカーとほぼ主力取引を維持しているとか。高砂香料に比べて、フレーバーに特化していると言えるでしょう。

ちなみに、過去数年の有報から窺える取引先は、森永乳業(直近16.1%)、サントリー花王キリンビバレッジキューピーアサヒ飲料日清食品など。

商品の構成比が6.7%(グラフは四捨五入してるので6%になっている)と低く(高砂単体で商品30%くらい)、同社の四季報とかに書いてある「研究開発で実績」という記述を裏打ちしているような数字と思います。
四季報情報によると、【連結事業】フレグランス10、食品84、商品7【海外】17 <07・9>だそうです。

連結の粗利益率は34.6%(単体33.4%)と高砂(30.1%)よりも高く、高付加価値製品が多いような気がする。研究開発費はグループで3,430百万円(対売上高6.9%)です。

コンキチが勝手に思っていることですが、調合ってある種の錬金術だと思うんですよね。というのも、安い原料を調達して、ブレンド技術というブラックボックスを通して、高値で売る(かなり大雑把な例えですが)。で、ブレンド技術は、調香師の確保(育成)とノウハウの蓄積が決定的で、簡単にはまねしがたく、その辺が競争優位につながっていると思う(勝手な想像です)。

一方、合成香料事業の場合、所謂ケミカルカンパニーが競合となる可能性があり競争が激しくなる可能性がある。しかも、けっこうやり尽くされた感があって、新規素材の開発も難しそうな気がする。規制が強化されていく中で、ファイナル製品がトイレタリー商品とか、食品なので、医薬品みたいな付加価値を乗せるわけにもいかないと思うし。なので、高砂は利ざやが稼げそうな医薬中間体の製造(合成)に多様化しているんだと思います(合成香料だけでウハウハできるのなら、そっちをもっと伸ばせばいい)。

そういう意味で、調香というブラックボックスに注力している長谷川香料の戦略は王道かなと勝手に思っています。

アメリカ、シンガポール、中国、タイに海外拠点。

地域別売上高構成比は↓
8割超が国内です。

営業利益率は連結で13%(単体12.8%)。なかなか利鞘のよい商売のようです。

国内の主な拠点は、川崎(技術研究所)、深谷(食品香料、香粧品香料、合成香料)、板倉(食品関連、天然香料、機能性物質)。

従業員は連結で1,068人(内研究員267人, 25%)。単体で856人。平均年間給与は761万円(平均年齢40.8歳)で、高砂より3万円ほど少ないくらい。平均勤続年数17.5年。

筆頭株主は長谷川藤太郎商店で41.9%。同族色が強そうですね。まあ、正しい意志決定が可能ならば、経営の舵を切るスピードが速くて良いのかもしれません。


あと、長谷川香料のIR資料は上場3社中で一番良くできていると思います(国内市場をざっくりと俯瞰する意味で)。

ちなみに長谷川香料

2007年度大学生就職人気ランキング理系総合ランキング 93位
2007年度大学生就職人気ランキング理系女子ランキング 61位

と学生さんに人気の香料会社なのです。

次回は業界3番手の小川香料いきたいと思います。

2008年2月3日日曜日

香料業界考 (3)

さて、国内大手香料会社4社についてみてみますか。ちなみにデータソースは、上場3社については、各社の有報をはじめとするIR資料を、小川香料に関しては日経会社プロファイルを主に参考にしました。

ますは業界最大手の高砂香料工業から

同社のセグメント別売上高構成比(連結)は↓

不斉合成技術を活用したファインケミカルズの比率が高いという(コンキチの勝手な)イメージがあったのですが、8%程度にとどまっています。

29の子会社と3つの関連会社からなり、世界23カ国に拠点を有しており、同社はアジア唯一のグローバル香料会社を標榜しています。香料市場は地域性が強い(ローカライゼーションが重要)と思うので、個人的にはグローバルというより、多国籍企業という気がしますが。

単体売上高61,549百万円に対して連結売上高は113,876百万円(単体の1.85倍)。国内香料会社の比較では未だに単体売上高で比較されているようですが、連結で比較すべきなんじゃないかと思いますね(連結決算が基本ですしね)。高砂小川のように連結と単体の乖離が大きい会社と長谷川曽田のように連結と単体が二アリー・イコールのような会社を較べるときは注意が必要でしょう。

また、国内/海外の売上高構成比(連結)は↓
39%が海外売上高です。


それから、単体の製品/商品売上高構成比↓
相対的に利益率の低いと言われる商品が29%を占めています。ちなみに連結の営業利益率は5.3%(単体4.5%)。そんなに利鞘が厚くない感じです。この辺も後で他社と比較してみたいです。

コカ・コーラ ナショナルビバレッジ株式会社への販売が14,411百万円(12.7%)あり、最大の取引相手。ここ数年の有報から、日本コカ・コーラ大塚製薬森永乳業Merck武田薬品工業サントリー、(かつての)住友製薬との取引がとりあえず確認されます(製薬会社関係からの医薬中間体の受託製造が想像されます)。

研究所は平塚に集約されていて、工場は平塚(フレーバー、フレグランス)、磐田(アロマケミカル、ファインケミカル)、鹿島(フレーバー、フレグランス)にあります。

従業員は連結で2,438人(内研究員は529人, 21.7%)。単体で949人(平均年齢40歳, 内研究員232人, 24.4%)。平均勤続年数15.4年。

連結の粗利益率は30.1%(単体28.1%)、研究開発費はグループで8,261百万円(対売上高7.3%)です。

平均年間給与は764万円と(上場3社ともに言えることですが)化学セクターの中ではかなりの高水準と思います。

ちなみに、最大株主は日本生命(9.1%)で、2007年に買収貿易策を導入しました。

とりあえず、大手4社の各論が出そろったところで、各社の相違を改めて総括することとして、高砂香料工業については、ひとまずこの辺にしておきたいと思います。

で、次回は業界第二位の長谷川香料についてサーチしてみましょう。

それから、このブログは窓際三流研究員が適当に作成しているので、どこか間違いがあったらご愛嬌ということで許して下さい。

まだ続く…

2008年2月2日土曜日

香料業界考 (2)

先のブログでは、世界と国内の香料産業のザックリとした市場規模をジャブ程度にサーチしてみました。そして、国内市場は、世界市場(といっても各ドメスティック市場の集合ですがね)に比して圧倒的にフェレーバーの販売金額が大きいということを学習しました。

で、今回は国内市場をもうちょっと詳しくみてみますかね。

まずは、長谷川香料のIR資料によると、国内大手5社の国内市場におけるマーケットシェアは↓(国内の大小様々な香料会社は3桁に達するようですが、総合香料メーカー的な香料会社はそう多くありません)



a) 上位10社の単体売上高の合計を100としている。
ということが注意ポイントです(純粋に香料だけじゃないということ。それから高砂香料工業小川香料は連結と単体の乖離がけっこう大きいです)。

大手4社の合計で70%超の市場占有率ですから、国内市場は寡占市場といって良いでしょうね。しかも、上位5社のシェアも少なくともここ数年たいした変動はないです。

上場3社の有報には競争が激化みたいなことが書いてありますが、新規参入の危険は皆無に近いと思うし、産業的にも安定していて(トイレタリー商品や加工食品は安定した需要があるし)、もっと競争の激しい産業に比べたら、ぬるま湯につかったようなぬくぬくした匂いがします。

長谷川香料のIR資料では、香料市場への参入障壁として
1) あまり大きくない市場規模
2) 大きな設備投資と研究開発費
3) 品質保証体制の確立

というのをあげています。

長谷川香料IR資料とオーバーラップしますが、コンキチ(素人)の個人的勝手な見解としては、

1) 顧客ごとにカスタム製造していると思うのでスケールメリット(規模の経済)が生かしにくい(香料業界は多品種少量製造と言われています)。市場自体もたいして大きくもなく飽和しているのでなおさら。
2) パヒューマーとフレーバリストの確保が困難。多品種少量のカスタム生産においてシェア(生産量)をのばそうと思ったら、優秀な調香師の確保が決定的になると思います。パヒューマーやフレーバリストの養成学校もあるようですが(日本FF学院とか)、マイナーですよね。パヒューマーやフレーバリストになるための明確なキャリアパスって答えられますか?そういった意味で調香師の人件費と育成費用がかかるという意味では研究開発費は大きなウェイトを占めるのかと思います。
3) ブレンド技術のノウハウ(調合技術)の蓄積。全くの一からつみあげたら超時間かかりそうで大変そうです。

といったことの方が障壁になっていると思うのですが、どうでしょう?

割と高い参入障壁があり、香料を含有するファイナル製品は、安定した需要があって、かつすぐに消費されて行きます(ジュースとかシャンプーとか完璧消費材です)。「化学」セクターの中では、産業としての魅力度は高いと思います。

とまあ、香料市場を大雑把に概観したところで、次回のブログでは、国内大手4社の各論についてコンキチ(素人)の戯れ言を綴りたいと思います。

余談ですが、コンキチが就活していたころ(10年くらい前)は、有報をはじめとするIR資料を簡単に入手することはできなくて、四季報とかを見てせっせと葉書を出していましたが、便利な世の中になったものですねえ。

2008年2月1日金曜日

香料業界考 (1)

香料会社に入社しながらも、香料とは全然関係のない仕事をやってる窓際(席もホントに窓際で寒い)研究員のコンキチです。

とことで、香料会社って世間的にかなりマニアック系な感じがすると思うのです。一応、国内では3社が上場しているのですが、コンキチが就職するまで、親戚一同「香料会社?なにそれ?」っていう感じでした(多分今もそう)。

香料会社の研究員のブログと銘打っておきながら、香料ネタが皆無に等しいので、たまには香料ネタをと思い、なんとなく香料業界についてサーチしてみました(はじめて調べた)。軽くマニアックな業界に対する皆さんの理解が進めば幸いですね。

まずはじめに、グローバル市場を概観。世界の香料業界のマーケットシェアですが、こんな感じになるようです(1$=ca.119.2JPY)↓

日本の香料メーカーとしては、高砂香料工業長谷川香料が世界のトップ10に食い込んでいます。

データの出所はLeffingwell & Associates で、ここのサイトのF&F Top Tenという所にあったデータです。だた、上のデータは

a) 2006年のもので、2007年には、GivaudanがQuestを買収、FirmenichDanisco(12位)のフレーバー部門を買収しているので、業界地図は変わっています。

b) 多分、各社(所謂香料メーカー)の連結売上高をドル換算しているデータで、純粋に「香料」のみを取り扱った数字ではない。

というところに注意ですね。

さらにまたもやLeffingwell & Associates から拝借したデータですが、グローバル市場におけるカテゴリーの比率です。ちょっと古いですがこちら↓

フレグランス(香粧品香料)とフレーバー(食品香料)の比率がだいたい半々くらいだということを覚えておいて下さい。我が国のドメスティック市場との対比が面白いです。

で、国内市場はどうなっているのよとちょっと見てみましょう。データは国内上場3社(高砂香料工業長谷川香料曽田香料)のIR資料を参考にしてみました。

まず、長谷川香料のIR資料によると、国内香料市場の生産金額(フレーバー&フレグランス)は↓
(出所は日本香料工業会会報だそうです)

グローバル市場と全然違って、圧倒的にフレーバーの販売金額が大きい。このことから、香料産業のローカル性の強さというのが匂ってくるようです。それから、もし香料業界を目指す学生さんがいたとしたら、

1) 国内で調香やりたかったら、フレーバリストを目指した方がなれる確率が高い
2) パヒューマーになりたい人は、グローバルに就活することも視野にいれているといいかも

ということが言えると思います(分かってると思いますが、あくまでコンキチの勝手な憶測なので、あまり真に受けないで下さい)。

市場規模は1,700億に満たないくらい(後述する曽田香料のIR資料に載ってるデータと比較すると、合成香料市場のデータは加味されていないっぽいです。まあ、長谷川香料は合成香料を外販していない(と思う)ためですかね)。フレグランスの市場規模は180億に満たないくらいで、ここ数年横ばい。フレーバーは微増です。まあ、改まって言うほどのことではありませんが、国内香料市場はかなり成熟していますね(実際そう言われている)。長谷川香料のIR資料によると、フレーバーは加工食品の開発にともなう安定成長なのだそうです。

で、合成香料の外販もやっている曽田香料のIR資料によると、こんな感じ↓

2,000億の市場規模といったところですか。

まあ、グローバル市場と国内市場の対比ということで今回はこのへんにしておこうと思います。

次回は、国内香料会社の市場占有率や、コンキチが勝手に思う国内香料産業の特性について勝手な感想を適当に綴ってみたいと考えています。

続く