とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Monday, September 18, 2017

もっと、水酸基を吹っ飛ばせ!

初ブルーボトルコーヒーしてきました。しかも、mAAchに期間限定で入ってるBlue Bottle Coffee POP UP STOREで(http://top.tsite.jp/lifestyle/table/i/36622095/index)。

淡路町界隈に寄り道して、mAAchの前を歩いて秋葉原駅に向かっていたら、凄くイイ匂いがしてきたので、漂ってくる匂いの先を振り返ってみたら、ブルーボトルコーヒーじゃありませんか。調べてみたら9月18日までの期間限定だとか。その日はちょっと呑んでいたので、後日満を持して訪問してきました。以下、初ブルーボトルコーヒーのメモです。


-Blue Bottle Coffee POP UP STORE
   DRIP ブレンド (ベラ•ドノヴァン) (450 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
酸味を想起させる心地よい香りを伴った、mildなコーヒーフレーバーがとっても良い匂い。多少粘度を感じさせる口当たりで、コク深くrichなbody。cacao, sweet, chemical, powderyなtasteでfinishに酸味を感じる。とっても膨よかな味わいのコーヒー。冷めてくると、苦•渋•酸が強調される。
このコーヒーの唯一の欠点は、量が多すぎること。


-BLUE BOTTLE COFFEE COLD BREW (600 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
chemical調の香りを伴ったhigh roastを想わせる香り。tasteは、まず酸味がきて、それから糖蜜を想わせる濃厚なコクが押し寄せる。そして、僅かにchemicalさと微弱なbitter。全体的にclearな味わいで酸味が強い。
温度上昇に伴って、powdery, cacao, chemicalなニュアンスがup↑して、high roast感よりmellowなaromaが強調される。
気になるレベルで酸味が強いね。

ここのショップのお姉さんが話しかけてきてくれたんだけど、若い頃の須藤理彩と松本伊代を足して二で割った感じで可愛かったです。あと、ホットコーヒーは量が多いので、熱さ対策のためにカップを二重にしてもらうこともできます。
当初は9月18日までの出店だったんですが、9月20日まで2日延長するそうです。神田界隈をウロウロしているブルーボトル未経験のコーヒー好きの人は、この機会に訪問した方がいいと思います。


閑話休題


先日のメモ(http://researcher-station.blogspot.jp/2017/09/blog-post.html)を書いた後、もうちょっとdeoxygenationについて軽くサーチしていたら、こんな資料を発見しました↓

Silicon-Based Reducing Agents
(https://www.azmax.co.jp/data/cnt_catalog_chemical/pdf/attach_20110517_112436.pdf)

Gelestというアメリカのシリコーン化合物に強みをもつ会社の資料で、アヅマックスのサイトにありました(アヅマックスはGelestの日本の総合代理店になっている)。

で、この資料の"Silane Reduction of Alcohols to Alkanes"という項目をメモしてみます。

先に書いたブログ(http://researcher-station.blogspot.jp/2017/09/blog-post.html)で、Et3SiHを用いたdeoxygenationについて言及しました。今回のメモでは、シランを使ったdeoxygenationをもうちょっと掘り下げます(シランは2当量必要で、一つはアルコールのシリル化に使われ、もう一つが還元に使われると考えられています)。


この種の反応の特徴は以下の通り↓

a) 生成するカルボカチオンが安定な場合に反応が進行する(2級と3級の脂肪族アルコールとベンジルアルコールは容易に還元される)。
Can. J. Chem., 1972, 50, 281.


b) 2級アルコールは、シランとプロトン酸の組合わせでは還元されず、BF3やAlCl3のような強力なルイス酸が必要(Tetrahedron Lett., 1976, 17, 2955.; U.S. Patent 4,130,574, 1978.)。

c) 1級アルコールの還元には、tris(pentafluorophenylboraneのような超強力なルイス酸が必要(J. Org. Chem., 2000, 65, 6179.)。


d) アリルアルコールと3級アルコールがある基質で、選択的にアリルアルコールを還元することもできる。
Tetrahedron Lett., 1994, 35, 61.


やっぱ専業メーカーの資料は掘り下げが深いね。ちょっとした総説になっていて勉強になります。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のdeoxygenationメモでした。


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Friday, September 15, 2017

水酸基を吹っ飛ばせ!

先日作戦終了した夏イベ(艦これ)を無事終了しました。


どもチバラキ在住オタッキーのコンキチです。

千葉県知事の森田健作 (鈴木栄治)がやっている「千葉の贈り物」でも紹介された、千葉の渋谷こと柏Cityにある野菜buffet「さんち家」に行ったときのメモです。
(ボクは、長年千葉の観光情報番組を発信し続けている森田健作 (鈴木栄治)知事を高く評価しています。千葉県の津々浦々を万遍なく紹介していて、これだけで評価に値します(はっきり言って、他の仕事はどうでもいいです)。森田知事に較べたら東国原知事の宮崎アピールのトップセールスなんて一過性の客寄せパンダでしかないと思います)


-ビュッフェスタイル 70 min (1,512 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
70分間の野菜onlyビュッフェ。以下、ボクが食べたもののメモ↓
椎茸の天ぷら
揚げたてを狙って食べると「いと旨し」。柔らかく、juicyで豊潤な旨味が迸る。衣が薄く、素材の味を堪能できる。(天ぷら類は揚げ置きなんだけど、ライトを当てて温め続けているのは好感が持てる)

かき揚げ
揚げ置きのためか、少し油の重さを感じるけど、けっこう美味い。揚げたてはかなり美味いと想像する。

出汁巻玉子
普通かな。

長ネギのヌタ
けっこう旨い。葱は柔らかく、胡麻味噌仕様のヌタはmild tasteで仄甘くなかなかの旨さ。ヌタは苦手だったけど、これはいける。

大豆ミートの南蛮漬け
大豆ミートの食感がとても面白い。リアルな肉と較べたら確かに物足りないんだけど、大豆とは思えないクオリティーの食感。味は少し気の抜けた感じだけど、味付けはマイルドで好感がもてる。

里芋の煮っころがし
薄味で里芋の旨さがダイレクトに伝わってくる。普通に旨い。

胡瓜の漬け物
普通に旨い

紫大根の漬け物
これは旨い。千枚漬けライクなmild tasteでとても旨い。大好き。

蕪+甘酒ドレッシング
甘酒ドレッシングがツボにはまった。マイルドな味わいながら独特のコクがある。ペースト状で食材に良く絡む。なので、

しょうが、ハイビスカス、ローズヒップ、ドライフルーツのお茶
これは絶品(おかわりして3杯も飲んだ)。甘くtropicalで豊潤な香りがもの凄く鮮烈・強烈でいて、嫌なところが全くない。tasteはシック。甘みは殆どなく、シックな味に加えて、心地良い酸味がとってみ良い。冷めてくると酸味を幾分強く感じるけど、とにかく旨い!

舞茸ご飯
舞茸がすっかり縮んでしまってしまい残念な見た目。細かくカットされたお芋(さつまいもか?)も入っている。見た目は貧弱だけど、舞茸の味は滋味深く、キュルッとした食感が心地良い。お芋の甘さは自然な感じの控えめでご飯に合う。ご飯はジャーに入れっぱなしなので、それ相応。

さんち鍋
大根、こんにゃく、(多分)水菜の鍋。薄めの味付けが好感もてる。大根がしっかりお出汁を吸い込んでいて良い。

味噌汁
大根と人参がふんだんの味噌汁(野菜たっぷりで嬉しい)。薬味に葱を入れていただく。"汁"の味は豚汁ライクなtasteで滋味深くボクの好みにピッタリ(肉は入っていない)。とっても美味しい。

高野豆腐の酢豚
mildな味付けで好感が持てる。野菜(ピーマン、人参、玉葱)は何れもfresh。で、最も特筆すべきは高野豆腐。高野豆腐はあまり好きではなかったんだけど、これは旨い!表面の感触が独特(高野豆腐らしくない)で、ツルツル感じがあって、歯を入れる際の弾力が心地よい。酢豚のタレが良くあっていて、美味しくいただける。

筑前煮
普通に旨い。

きんぴらごぼう
普通に旨い。

ほうれん草の胡麻和え
普通。

ポテトサラダ
普通。

ピーマンの天ぷら
揚げ置きを食べたのでちょっとイマイチ。ライトを当てて保温しているんだけど、具材が薄くて、席に戻って食べるまでに大分冷めてしまう。揚げたてならかなり旨いんだろうと思った。

蕪の漬け物
薄味で、自然な感じの味付けで普通に旨い。食材の味を堪能できて嬉しい。

長葱の天ぷら
揚げ置きだけど、それでもかなりの旨さ。葱の良い甘みが良く出ていてとても良かった。是非、揚げたてを食べたい。

甘酒
甘酒の脇に氷が備えてあったけど、常温でいただいた方が香味が立って良いと思ったので、そのままいただく。変に甘過ぎず、コク深さも感じられてなかなかの旨さと思う。グラスに水垢がけっこう付いていたのが残念。

ポテトフライ
一口サイズで食べ易く、ホックホクで美味しい。塩味控えめで、ジャガイモのjuicyさが引き立つ。

大学いも
多分、今まで食べた大学いもの中で一番旨いと思う。大学いもは苦手なんだけど、これならいける。お芋の表面をコーティングしている糖蜜がかなり薄くて、甘さも大分控えめで、芋の味をダイレクトに味わい易い。それから、一片の大きさが小さいので、さつまいも特有のバフバフ感が少なく感じられ、さらにホクホクした食感を楽しめる。芋の甘みは自然な感じでjuicyさも具備。

キュウリ+甘酒ドレッシング
胡瓜は苦みが全くなくて、甘酒ドレッシングとの相性も悪くない。

高野豆腐の煮物
高野豆腐にwet感が十分にあって、まずまず。前述の酢豚と較べると、2ランクくらいダウンか?

グリーンスムージー
けっこう甘い。かなり甘い。この甘さが青い野菜と全く合わないと思う。ボク的には駄作。


閑話休題


今回は水酸基を吹っ飛ばしてツルンツルンにする反応のメモです。
さて、こんな化合物↓を合成したいとき、どうしましょうか(売ってないときね)?


最も、古典的かつ教書的な合成法は、こんな感じかと思います↓


ただこの合成法、必ずしも上手くいくとは限りません。例えば、α-アルキル化は四級炭素の構築になるので、反応点周りが嵩高くなって反応が上手く進行しないかもしれません。さらに、α,β-不飽和エステルの1,4-還元もひょっとしたら意外と手こずるかもしれませ(ボクの狭い経験上、意外とすんなりいかないことがあると感じます)。なので、(この合成に限りませんが)オルタナティブな合成経路を考えてみます。

ということで、alternativeな方法として、ターゲットの3-位に水酸基があったとして、水酸基をマイルドな条件で吹っ飛ばしてツルンツルンにできたとしたらどうでしょうか?

浅学なボクはちょっと前まで"水酸基を吹っ飛ばす"っていう発想が全くありませんでしたが、あるんですね世の中には、そういう都合のいい反応が。しかも、大分前から。

3-位の水酸基をマイルドに吹っ飛ばせるとなると、ターゲットの前駆体は1,3-ジオキシ化合物なので、その構築はアルドール反応の十八番になると思います。イソ酪酸エステルのアルドール反応は報告例があるので、生成したアルドール付加体の水酸基を気持ちよく吹っ飛ばすことができれば、Misson Complete!です。


ということで、今回は水酸基のdeoxygenationについてメモしてみようと思います。

まず水酸基を吹っ飛ばすと聞いて、安直に真っ先にボクが思い浮かぶのは水素化分解(hydrogenolysis)です。ただ、浅学なボクの印象では、「マイルドな条件で進行する例もあるけど、基質を選ぶ」、「圧力、触媒等の反応条件の検討がけっこう面倒」です。要は、「一般性の高いファーストチョイス的条件が(多分)ない」です。

次にちょっとサーチして見つけたのがacidicな条件で水酸基をツルンツルンにする方法です。例えば、Et3SiH-TFAなんていう例があります(e-EROS, Triethylsilane-Trifluotoacetic Acid)。

JACS, 1971, 36, 758.; JOC, 1989, 54, 4591.

Synthesis, 1986, 386.

JOC, 1976, 41, 725.

Chem. Commun., 1986, 1568.

pKR+ >24のカルボカチオンを生成するアルコールにEt3SiH-TFAを作用させるとハイドロカーボンへと還元されるようです。この反応はカルボカチオンの安定性が鍵となるので、三級アルコールやベンジルアルコール以外の基質の脱酸素は難しいかもしれません(実際、難しい)。BF3•Et2O-Et3SiHを用いた反応もありますが、これも同様にカルボカチオンの安定性が重要なのだと思います。

で、最後に紹介したいのが"Barton-McCombie radical deoxygenation"です↓


"Strategic Applications of Organic Named Reactions in Organic Synthesis"には次の反応例が示されています。以下の合成例の他、複雑な構造の化合物にも適用されているので、サンプルワークレベルでは有用性が高いと思います。

Tetrahedron Lett, 1998, 39, 6147-6150.

J. Am. Chem. Soc., 2000, 122, 6160-6168.

J. Org. Chem., 1998, 63, 4011-4017.

J. Org. Chem., 1999, 64, 5485-5493.

Tetrahedron Lett., 1996, 37, 1331-1334.

この反応は1級、2級、3級アルコールに適用可能です。1級アルコールから誘導されるxanthateは概して反応性が低いようですが(高温が必要だったり、低収率だったるする)、(n-Bu)3SnHの代わりに(TMS)3SiHを使用することで解決します(S-Si結合 (90 kcal/mol)はS-Sn結合 (65 kcal/mol)より強いので、xanthateが再生しにくい)。(n-Bu)3SnHは比較的毒性が低いと言われていますが、一般的にスズ化合物は有毒なので、安全面からも毒性の無い(TMS)3SiHを使った方がいいんだろうと思います。
あと、radical deoxygenationはxanthateを用いた例が(圧倒的に)多くて、このご時世に二硫炭かよというツッコミを入れたくなりますが、フェニルチオカーボネートやチオカルボニルイミダゾレートを用いた例もあります。ボク的にはチオカルボニルイミダゾレート推しです。TCDIを用いてチオカルボニルイミダゾレートに誘導してradical deoxygenationする合成は、こんな例があります↓
J. Org. Chem., 1991, 56, 438-442.

この例では1,2-ジクロロエタン中でrefluxしています。因に、ボクもBarton-McCombie radical deoxygenationをやったことがあるんだけど、チオカルボニルイミダゾレート合成はDMAPを入れたら室温で定量的に反応が進行したです。

ボクの個人的な感想は、

"Barton-McCombie radical deoxygenation、
けっこう良いやつ"

です。機会があったら、また使ってみたい反応と思いました。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。

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Monday, August 14, 2017

IWAKI (AGCテクノグラス株式会社)より愛を込めて

艦これ(夏イベ)始めてます。GETです。



ども、チバラキ在住のオタッキーのコンキチです。

チバラキと言えば、千葉の渋谷こと柏Cityがまず思い浮かびますが(多分)、柏にはボクの大好きな水出しコーヒーを出してくれるCafe Stageっていうお店があります。そのお店の水出しコーヒーのメモです↓

-水出しアイスコーヒー (620 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
7時間かけてゆっくり抽出した水出しアイスコーヒー。とってもmellowで澄んだ味わい。繰り返しになるけど、糖蜜の様に濃厚な香りと澄んだ味。ハイローストの豆から抽出されたfull bodyのアロマは、一本芯が通っていて、richなフレーバーと清純なテイスト醸し出す。雑味がほとんどなくて清純なんだけどハイローストの濃厚な味。
ミルクとの相性は抜群で、ボクは最初は何も足さずに飲んで、残り半分くらいになったところで、ミルクをたっぷり注いで飲むのが好きです(ちょっと下品だけど)。


←大型のウォータードリッパーが水出しコーヒーの実製造も兼ねてディスプレイされているんですが、この巨大なドリッパーを眺めながら飲むのが最高なんですよねぇ。

このお店は柏高島屋のステーションモールに入っていて、以前はおかわり自由(何杯でも)だったんだけど、先日行ったときは「おかわり自由」の表示がメニューから無くなっていてちょっぴち残念な気持ちになりました(でも、かなり濃厚なので、二杯が限界だったけど)。


閑話休題


突然ですが、ボクはIWAKIのガラス製品が好きです。大好きです。
会社ではIWAKIの駒込ピペットを愛用しています。駒込ピペットの先端は割れ易く、廉価品はすぐにダメになってしまいます(ボクの使い方が悪いだけかもしれませんが)。(ぞんざいなボクの使い方に耐えれる)高品質なガラスの駒込ピペットを探すとなると、IWAKIかSHIBATAの二大ブランドから選ぶことになるかと思いますが、ボクは圧倒的にIWAKI推しです。そして、その理由を一言で言うと、"スタイリッシュ"だから。

駒込ピペットに限らず、IWAKIの製品はSHIBATAのそれに較べて細身で肉薄なのです。ボクが一番良く使っている駒込ピペットは5 mlのものなんですが、SHIBATAのピペットを小さい口(小径)のフラスコに入れようとすると引っ掛かってピペットの先端が入っていかないんですよね、(IWAKIより)太いから。
人によってはSHIBATAの質実剛健で武骨なつくりを好むかもしれませんが、ボク的にはスタイリッシュ(引っ掛からない)で手に馴染み易いIWAKI一択です(まあ、この辺りは一長一短ありますが)。

とまあこんな具合に、駒込ピペットからはじまって、メスシリンダー、試験管、ナス型フラスコといった実験器具にとどまらず、プライベートでもIWAKI製品を愛用しています。

プライベートで使っているIWAKI製品の一番のお気に入りは2重構造耐熱ガラスで、その名も"Airグラス"です。

見た目に美しく、保温性(断熱性)に優れ、ホット(熱燗)でもアイス(on the rocks)でもおサケやコーヒーを美味しくいただけます。耐久性も、まだ割ってないので、大丈夫でしょう。

それから最近購入してコスパが高くて満足しているのが、水出しコーヒーをつくるためのウォータードリップコーヒーサーバーです。


この製品、水の滴下速度の調整は全くできないんですが、初心者には逆にそれが良くて、そこそこ美味しくて、そこそこ一定品質の水出しコーヒーを調製することができます。しかもたったの千四百円ちょっとで。

もう大分前のことなんだけど、社会人になりたての十数年前に、ちょっと気合いをいれて水出しコーヒーメーカー (ウォータードリッパー)を購入しました。ojiのこんなやつ↓(ハンズで買った)


ojiのドリッパーは本格的なつくりなんだけど、水の滴下速度の調整(コックの調整)が難しくってなかなか再現良く美味しい水出しコーヒーを淹れることができませんでしたが、IWAKIの製品は滴下速度調製機能が無いので、悩むことなく、ある程度のクオリティーの水出しコーヒーをBestではないけどBetterな抽出効率で淹れることが出来ています。

ここでちょっと訂正なんだけど、"ある程度のクオリティー"って一応控えめに表現したけど、はっきり言って相当うまいね。たったの千四百円ちっとで美味い水出しコーヒーを自宅で淹れれるんだから相当コスパが高いと思います。

しばらくは、仕事もプライベートもIWAKI (AGCテクノグラス株式会社)でいこうと思う、二流大出のテクニシャン (研究補助員)のIWAKI推しの備忘録でした。

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もっと、交換反応 (2) : アセタールをつけたり、とったり

艦これ(夏イベ)はじめました。



ども、オタッキーのコンキチです。

さて、万世橋のmAAchの中に入っている駿河屋賀兵衛 (マーチエキュート神田万世橋店)という塩辛ショップ(居酒屋)に行ったときのメモです。


-喜久盛 シャムロック 生原酒 (800 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
純米酒。シックで辛くて重たそうなtop note。ゆっくりと滑っていくような感覚の舌触り。甘く、辛く、full bodyな酒質で、finishには米由来と思われるコクを感じる。
芳醇旨辛甘口のサケ。

-天然赤ほや塩辛 (700 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
香りも味も最高にfresh。塩辛なんだけど、かなりのfresh感でとても旨い。
葱、若布、山葵と一緒にどうぞ。

-百十郎 +12 (500 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
精米歩合 70%。
cake-like note, vanilla noteのとっても華やかな香り。クセの無い辛口。finishにbitter。

-伊豆鹿タタキポン酢 (980 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
穏やかなroast note。すっきりとクセの無い味だけどbodyの強さを感じる。歯ごたえも楽しい。fresh感じに欠けるのが少々残念。


ボクが訪問した時は、舞の海をかっこ良くした人が調理していました。あと、通販(http://surugayakahei.com)もやっていてアキバのちゃばらに小売店も入っています。


閑話休題


けっこう前の文献だけど、こんな論文を読んでみました↓

Highly Efficient Chemoselective Deprotection of O,O-Acetals and O,O-Ketals Catalyzed by Molecular Iodine in Acetone
J. Org. Chem., 2004, 69, 8932-8934.

清華大学の研究グループの報告で、アセタールの脱保護のお話です。

アセタールの脱保護と言うと、もの凄く古典的な反応の一つで、酸加水分解が最も教科書的な方法だと思います。当然、酸性条件を好まない基質はあるわけで、弱酸性条件や非酸性の試薬を用いた脱保護法が開発されています。本報のイントロでは、CeCl3•7H2O (JOC, 1997, 62, 4183.)、FeCl3 (JOC, 1997, 62, 6684.)、TMSN(SO2F)2 (JOC, 1998, 63, 2365.)、Magtrieve (TL, 1999, 40, 6025.)、CAN (ACIEE, 1999, 38, 3207.; TL, 1999, 40, 1799.; Tetrahedron, 2003, 59, 8989.)、Bi(NO3)3•5H2O (JOC, 2000, 65, 8399.)、Ce(OTf)3 (JOC, 2002, 67, 9093.)、Bi(OTf)3 (JOC, 2002, 67, 1027.)などが紹介されていますが、マイルドで中性条件で選択性の高い脱保護法の開発が望まれています。

ということでThis Workでは、アセトン溶媒中で触媒量のヨウ素を使ったアセタール交換反応により、中性•マイルドな条件下、短時間で高選択的•高収率でアセタールを脱保護できることを報告しています(凄いでネ♥️)



17 examples, 90-98%

マイルドなのに高活性•高選択性。久々に惚れ惚れする反応です。furyl基、tert-ブチルエーテル、ケトキシムといったacid-sensitiveな官能基があっても無問題。さらに、上図の一番最後の基質のジアセタールは温度制御により選択的に脱保護することが可能です。

とことろでこの反応、一つ注意しなければならないことがあります。それは、溶媒=アセトンの含水率に注意しろってことです。無水のアセトンか市販のACSグレードのアセトン(≤0.5% H2O)で反応を行う分には問題ないのですが、等量の水の存在で反応速度が滅茶苦茶遅くなり、含水率が1.0%のアセトンを使うと収率が激減してしまいます(オレの計算が間違ってなければ、含水率1.0%のアセトンを使うとアセタールに対して1.75 eq.程度の水が入っていることになる)。著者らはこの現象について、本報の反応が加水分解ではなく、アセタール交換で進行しているという仮説に合致すると考えています。

ちなみの、著者らの考えている反応機構はこちら↓

ここまで脱アセタールのお話でした。ところで、上述した脱アセタール反応はアセタール交換反応によるものなので、逆反応のアセタール保護はどうなの?ってい考えが速攻で頭を過ると思います。で、はい、あります↓


A New Molecular Iodine-Catalyzed Acetalization of Carbonyl Compounds
Synlett, 2002, 319-321.




こちらはテキサス大学の研究グループの報告で、"facile, convenient, high yield, simple, mild, rapid"を謳ったactualizationです(いい反応だと思うけど、謳い過ぎじゃね?)

アルデヒドとケトンで反応速度に大きな差があるため選択性を出すことができます。ケトン間でも立体的な環境の違いによって選択性が出せます。環境の異なるカルボニル基が共存する系においては、一方のカルボニル基を選択的にアセタール保護した後に、one-potでもう一方のカルボニル基を還元し、acidic workupすることで最初にアセタール保護したカルボニル基を再生(脱アセタール)することで、あたかも一方のカルボニル基を選択的に還元したかのような反応も実行可能のようです。



さらに、アセタール保護を利用したone-pot反応の応用として、還元的二量化やα,β-不飽和エステルのC-C二重結合の選択的還元も可能です(competitive reactionでしか試してないけど)。



"I2 (ヨウ素)"、かなり使えるヤツですね♥️


アセタールをつくってヨシ、はずしてヨシ。さらに、ケトアルデヒドの選択的ケトンの還元は目から鱗というかちょっぴりエレクトしてしまいます(同様の発想の反応を"たゆたえども沈まず"さんが既に紹介しています see http://orgchemical.seesaa.net/article/233637968.html)。


機会があったら是非試してみたい反応と思いました。
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の交換反応メモでした。

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