とある化学の超ガテン系

実験嫌いの実験化学者が綴る企業の研究員の日常 (このブログはMac OS Xに最適化されています)




Thursday, February 2, 2017

Annual Income 2016

冬休みに、ボクの大好きなアメリカテレビドラマの「THE MENTALIST」を鑑賞しました(他に映画2本と安楽椅子探偵ON STAGEも堪能しました)。今回観たのはFinal SeasonであるSeason 7。これで大好きなパトリック•ジェーン(サイモン•ベイカー)とさよならかと思うと残念です。あと、フィッシャー特別捜査官(エミリー•スワロー)がこのシーズンの初っ端から転勤を理由にいきなり降板していて残念でした(シクシク)。

ネタバレだけど、エンディングはジェーンとリズボンのマリッジでフィニッシュで、ホント良かったなーと思いました。


閑話休題


2016年もとっくに終わり、必然的に2016年の年収も確定しました。ということで、ボクが社会に出てから今日に至るまでに得てきた給与収入を晒してみます↓


まあ、まいどのことだけど、中流ド真ん中の社畜です。そして、ボチボチ給料頭打ち確定です(シクシク)

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ところで、TVのワイドシューでやってたんだけど、中学受験のために小学校を欠席する児童(=親が欠席させる児童)が急増しているらしいですね
一応、受験日前(数日間)のインフルエンザ対策っていうのがメイン(or 表向き)の理由らしいですが、なかにはガッツリ学校を休んで塾で勉強している強者(?)もいるようです(特定の塾に通っている児童にみられるそうです)。

正直、そこまでして中学をお受験する必要ってあるのかなって思います。
(ウチの娘も中学受験したけどね。ただウチは中流ど真ん中で裕福な家庭じゃないから、近所の公立の中高一貫校だけど。)

なにで読んだのか覚えてないけど、ミツバチとか働き蟻の二割くらいは働かないっていう話を読んだ気がします(しかも、働かない固体を取り除いた後でも、二割くらい働かなくなる)。で、そういった傾向はいろんな社会や組織にみられると(うろ覚えだけど)。

このような傾向が人間の社会•組織にも適用できるとすると、お受験の費用対効果はガッカリしてしまうほど小さく思えます。学業でドロップしない確率(各ステージにおける成功確率)が80%だとすると、中学受験に成功したからと言って、その後の人生の成功確率を滅茶苦茶ザックリ勘定してみると、

0.8(中学)×0.8(高校)×0.8(大学)×0.8(社会)=0.4096

たったの四割ですよ。ついでに言うと、社会に出てから過ごす時間は中•高•大学(10年+α)よりも圧倒的に多い訳で、一般の多くの人が送るであろう会社人生を送る上で、異動や転職、場合によっては分社化、買収、合併といった劇的な環境の変化により、その都度ドロップの可能性がつきまとうと予想できると思います。なので、実質成功率はもっと低くなるとオレは想像します。まあ、ここで言ってる成功っていうのは"言語的能力と数学的能力"を駆使する分野でってことなので、他の分野、例えばスポーツ、音楽、藝術、芸能といった"言語的能力と数学的能力"を駆使する仕事よりも圧倒的に少数の人しか成功しない分野に挑戦してみるのも良いかもしれません。それに、価値観は人それぞれなので、マックジョブで日銭を稼ぎ、趣味の世界に没頭して生きていく人生も幸せ(=成功)かもしれません。

そういえば最近、モンスターペイシェントが増えてるらしいです(これもワイドショーでやってた)。医師(医療従事者)に対して理不尽な要求をしたり脅迫したり暴力を振るう患者が増えている。特に暴行は一発アウトでガッツリ犯罪だけど、病院は警察沙汰にするのには及び腰で、現場のお医者さん(医療従事者)は泣き寝入りしているらしいです。
一生懸命お勉強して、(私大の場合)高額な授業料を払って、やっと手にした医師の地位なのに、知能の低いモンスターペイシェント(理不尽な要求をしたり脅迫したり暴力を振るのは低能の証左)に絡まれなきゃいけないなんて、どんだけ罰ゲームだよって思います(30年くらい前はお医者様様だったような気がするなぁ)。

っうか、勉強って作業は一生続くものだと思うんだけど、小学生もころからガリガリ勉強するのって疲れちゃうんじゃねーの?ってボクは思います。混み混みのTXで、でっかいランドセル背負って通学してる小学生とかみると、人ごとながら大変だなって思います。だって、小学生って友達と遊びたいじゃん。オレなんて、放課後遊びたいから、授業中に宿題やってた口だし。

兎角、人生の波を上手く乗り切って生きるのは難しいなと思う、二流大(駅弁大)出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。






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Sunday, January 15, 2017

My Dear Grignard Reagent (4): initiatorの名はDIBAL-H

年が明けましたね。しかも、半月も過ぎてしまいました。会社通いがダルい今日この頃です。


門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし
by 一休宗純

何かを成すためには人生は決して長いものではないと、最近、改めて富に感じるコンキチです。

昨年末、ボクの大好きな神田まつやのゆずきりを食べたときのメモです↓

-神田まつや ゆずきり (900 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
冬至(12月21日)のあるWeek Dayの期間限定品。淡路町の冬の風物詩ですね
蕎麦はまつやのスタンダード品に較べ細打ちで柔らかく弾力に富んでいて心地良い食感。色は鮮やかな黄色。目で見て楽しい。柚子の柑橘の香りが、強すぎず、弱すぎず、程よい塩梅に効いていてとっても良い香り。蕎麦の穀物様の香りも立っているか?
口の中でも柚子の香味が良い感じ。とっても爽やかで、finishの"S(柑橘系の硫黄臭)"的な苦味が素晴らしい。そして、この蕎麦(ゆずきり)がまつやのツユにとっても良く合う。
薬味には葱と山葵。
並んでも喰うべき一品(不本意ながら並びました)。


閑話休題


けっこう前の文献なんですが、こんな文献を読んでみました↓
(きっかけは、My Dear Grignard Reagent: Grignard Reaction in CPME (Grignard Reactions in Cyclopentyl Methyl Ether Asian J. Org. Chem., 2016, 5, 636-645.)やMy Dear Grignard Reagent (2): 2-MeTHF、推して参ります (Comparative Performance Evaluation and Synthetic Screening of Solvents in a Range of Grignard Reactions Green Chem., 2013, 15, 1880-1888.)のリファレンスだったからです)

Activation of Mg Metal for Safe Formation of Grignard Reagents on Plant Scale
Org. Proc. Res. Dev., 2002, 6, 906-910.

Schering AGの報告です。
そして、また、しつこくGrignard反応関係のメモです。
今回のお題はGrignard試薬調製の一番最初のステップである、

"マグネシウムの活性化"

の話です。しかも、プラントスケールでセーフティーにってやつです。

学生の時分に先輩から聞いたんだけど、フェニルグリニアを調製するときに調子こいてるとビフェニルができるぞって言われました。
実際、オレがM2になったとき、後輩がGrignard反応が上手くいかないっていうんで、生成物のNMRとってみてみたらビフェニってたね(ビフェニルが生成していた)、確か(もう随分前のことなので、記憶が軽く曖昧)。

前にも書いたけど、Grignad試薬の調製段階ではWruts反応が競合する可能性があります。Griganrd試薬を調製時に、なかなか反応が進行しない場合(だいたい、目視と温度変化で判断すると思うけど)、反応を発進さえるための選択肢の一つに"加熱"がありますが、"加熱"はWrutsカップリングを引き起こすリスクを高めます。
なので、Grignard試薬調製においては、マイルドな条件で反応を発進させることが最良と思います(他のあらゆる反応でもそうだけど)。

さらに、工業的にGrigard試薬調製はけっこう難しくて、そのinitiation stepにおける事故の危険性が高いです(例えば、反応がなかなか発進しないからといってRXを加え続け、何かのキッカケで反応が発進したときに、ガッツリRXが入った状態になっていて、一気に反応(発熱反応)が進行して爆発する)。

なので、マイルドなGrignard試薬調製はリスクアセスメント的にも重要です。

マイルドな条件でGrignard試薬を調製する方法には幾つか方法がありますが、この論文に書いてある方法には以下の手法が挙げられています↓

(1) マグネシウムの形状を選択する
マグネシウムにはturnings、powder、chips、Rieke magnesiumがあり、その特性は以下の通りです↓

"turnings" 取扱いが容易。長時間の撹拌はグラスライニングの反応容器(お釜)を摩損させる可能性が。

"powder" より高活性である反面、金属表面が酸化されやすく、自然発火する可能性もある。(第2類危険物に該当すると思う)。

"chips" 高純度で、"turnings"よりも表面積が小さく反応性も劣る。

"Rieke magnesium (MgCl2 + 2 K → Mg + 2 KCl)"  金属微粒子で高活性。発火性が高い。(特に大スケールでの)金属カリウムの取扱いは憂鬱。

ボクは"turnings"しか使ったことがないけど、これが実験室でも工業的にも最も一般的に用いられているマグネシウムのはずです。ハンドリングとか安全性とか酸化皮膜の問題をトータルに考えたら基本"turnings"一択なんだろうと思います。

(2) 酸化皮膜を取っ払う
古典的な方法だと思うんですが、鉱酸で金属表面の酸化皮膜を洗って、金属の活性面を出してやる方法です。ボクはやったことないけど、洗浄に使った酸や水の除去は工業スケールでは極めて困難なんだそうです。

(3) Dry-Stir法
不活性雰囲気下で"turnings"を撹拌する方法。"turnings"上の酸化皮膜が減少し、金属の活性面が現れるそうです。GL釜が摩損する可能性があるのでSchering AGではlarge-scale activationではやらないそうです。
ボクはアルゴン気流中、赤外ランプを当てながら1時間くらいmechnical stirring (小スケールのときはmagnetic stirring)するのが好きでした。

(4) 装置の乾燥
これはラージスケール(=工業スケールのお釜)の話なんだけど、装置の乾燥は重要で、複雑な配管を有する場合は特に要注意です。さらにこの論文によると、装置の表面は、完全の乾燥したように見えても水の薄い膜でコーティングされていることがしばしばあるそうで、Grignard Prepararionの発進を確実なものにする為には、含水率が0.02% (200 ppm)未満になるまで複数回溶媒でリンスしてた後、不活性ガスでブローして乾燥し、微陽圧に保つんだそうです。

(5) Grignard試薬を加える
前回作ったGrignard試薬を少量加えてGrignard Preparationを行う方法。本報で"excellent method"と表現されています。実機でのGrignard試薬調製で安全にオペレートするにはにはコレです。実機でのGrignard Preparationはけっこう難しいんですが、この手法はもの凄くイケてるとレクチャーされたことがあります。ラボスケールだけど、ボクも5 Lスケールで何回かやったことあるんだけど、とってもスムースに反応が発進しましたね
実際に実機で適用されているだけのことはあります。
この方法の唯一の問題点は、当たり前だけど、一番最初にGrignard試薬を調製するときはこの方法が使えないということです。因に、Grignard試薬の調製は、小スケールであれば比較的容易かつ安全にオペレートできるので、最初は小スケールで調製して、それを"種"に段階的にスケールアップしていけば、いい感じにGrignard試薬を調製できると思います。

(6) Vidride (Red-Al)
言わずと知れた強力な金属ヒドリド還元剤です。Vidrideは定量的に水分、アルコール類、過酸化物を取り除き、金属表面を活性化します。(この論文では、boiling ether中で金属マグネシウムの対して(5-12 mol%)のVitrideを加えるとか、乾燥エーテルにVidrideを加えて蒸留して反応に使うっていう活性化法が解説されていますが、普通にハライド加える前に添加してやればいんじゃねーの?って思います。実際、この論文でもそういう方法で実験してるし)。
因みん、この手法は、大スケールでのSimmons-Smith反応におけるZnの活性化にも使われてりうそうです。

(因みにボクのラボでのお気に入りの活性化法はDry-Stir法+ヨウ素添加のコンボです。)

著者等はこれらの活性化法の中でVidride法に興味を持ちます。そして、DIBAL-Hも同様の目的で使用できることに気がつきます。DIBAL-HのVidrideに対する優位性には次のようなものがあります↓

a) DIBAL-H (20%程度のトルエン溶液やヘキサン溶液)の方がVidride (65%トルエン溶液)より取扱いが容易(65% Vitride溶液はかなり粘性が高いです)。
b) Vitrideだと放出されたメトキシメタノールがGrignard試薬と反応してしまう。

ということで、著者等のVitrideを用いたマグネシウムの活性化実験が始まります。


上記2種類のアリールブロミドに対して、1 mol%のDIBAL-Hをinitiatorに使用してGrignard試薬の調製を検討しています。その結果分かったことはこちら↓

A) 活性化(反応の発進)に要する時間はTHFの量に依存(固液反応なんだから、活性化剤の濃度が高い方が良いのは当然。他の活性化剤でも同様に観察される事象。)
B) Mgに対して5 volsのTHFがBest!(因みに、これより濃い条件では試してない。5-30 volsの範囲で検討)
C) 得られるGrignard試薬の収率はそれぞれ(左から)、87%、92%、95%。
D) 室温で60分経っても反応が進行しない場合、もう1 mol%のDIBAL-Hを加えると数分で反応が起こる(濃度が薄い場合)
E) DIBAL-H (initiator)の有無による反応の発進具合の違いはこちら↓
F) magnesium "turnings"は、活性化においてベンダーによる違いは確認されない。
G) 1年以上経過した"turningsの活性化には、2 mol%のDIBAL-Hを使って24 hr以上を要する。
H) 10 mol%までDIBAL-Hを加えても、Grignard反応における不純物のプロファイルに変わりなし。

他の活性化剤との比較実験はnothingだけど、信頼性はありそうですね、DIBAL-H。

こうしてDIBAL-Hのinitiatorとしての実力が証明されたので、著者等はこれをパイロットスケールでのGrignard反応へと応用して行きます。こんな風に↓



(上記2つの反応で、Mgの活性化に5 volsではなくて20 volsのTHFを使っているのは、多分、最低撹拌の都合上からだと思います。)

さらに、Wurtzカップリングが起こりやすい5-chloropentylmagnesium bromideの調製においてもDIBAL-Hはその力を発揮します。


Wurtzカップリングを抑制するために、Grignard Preparationを15℃以下で行う必要がありますが、活性化剤に1,2-dibromoethaneを用いた場合では30-35℃でないと反応が発進せず、反応の発進を確認した後に10℃に冷却して残りのハライド(5-chloropentylbromide)を滴下していくという方法をとっていました(Schering AGでは)。
一方、活性化剤にDIBAL-Hを用いると、0℃以下での活性化が可能で、続く反応(Griganrd formation)も10℃以下で実施することができるのです。

ボクのお気に入りの活性化法はDry-Stir法+ヨウ素添加のコンボだけど、低温でMg activationできるのはかなり魅力的と思います。もう10年くらGriganrd試薬の調製はやってないけど、機会があったら試してみたい方法と思いました。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のしつこいGriganrdメモでした。


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Sunday, November 27, 2016

My Dear Grignard Reagent (3): そのGrignard試薬、長期熟成品?

どもSaratogaをGETしたオッタキーのコンキチです。


後れ馳せだけど、今シーズンの初秋刀魚食べてきました。

-生さんま塩焼 2016 (480 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
身がほっくほくのふわっふわ。freshでかなり旨かった。それから、塩味が良い塩梅で良かったです。

秋刀魚を食べた店は、ボクの大好きな浅草にある水口食堂。チバラキ在住のボク的には、TXの駅近なので重宝しています。

因に、去年食べた秋刀魚↓

-生さんま塩焼 2015 (480 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
少しさかなくささ感じたけど、まあ普通に旨い。(秋口には)すだちが付いてくるのが良い。この時は時季が合ったのですだち付き(嬉しい)。

このお店、秋刀魚の塩焼きは、半分に切断させれて出されるんだよね。

それから、水口食堂のその他の食べ物達↓

-千代菊 にごり酒 しろうま (一合) (580 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
甘さはベタついたものではなく、けっこうスッキリした味。それでいて、にごり酒のbodyの太さは健在。適度な辛さがキレを加える。これは旨い。

-肉豆腐 (580 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
冬季限定の超スピードメニュー。
大きなお豆腐(焼き豆腐)と良く味の染み込んだ長葱と糸コンニャクにモツ系のお肉。
ツユは甘口のあっさり系で癖のない味。万人受けしそうな味。
あと、スプーンが付いてくるのが嬉しい(忘れられるとくアリ)。
ツユをすくって豆腐と供に食べるのが良い。モツ系の肉も良く煮込まれていて良い味出してる。
胃に優しい、穏やかな味わいのにく肉豆腐。


-まぐろぶつ切 (700 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
赤身からけっこう脂ののってるところまで入っている。赤身はしっとり、ねっとりした重厚な味でけっこう好きな味。一口に赤身と言っても、それぞれのぶつのブロックで味や食感が異なっていて面白い。けっこうお得かも。薬味は粉ワサビと大根おろし。鮪と大根おろしが良く合う。


-昔ながらのナポリタン (700 JPY)-
see http://researcher-station.blogspot.jp/2015/08/2.html


-いり豚 (580 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
水口オリジナルの名物メニュー。玉葱と豚の料理。味付けは優しいカレー味と、ウースターソース様のボタニカルとフルーツが凝縮されたような味。豚肉は程よくこなれた味で、柔らかい食感と相まって旨い。味と食感のバランスが良い。玉葱はとってもjuicyでfresh。シンプルメニューだけど、はっきり言って、とても旨い。"名物"と言われるだけのことはあると思いました。


-ホタルイカ (480 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
やや小振りかものホタルイカは張りが有る食感で身がプリップリ。何もつけず、素のまま口に運ぶと、僅かに魚くささを感じる程度で、醤油を付ければもう分からない。なので、薬味無しでも美味しくいただけるんだけど、薬味と一緒に食べるともっと旨い。
醤油の上に葱を敷き、その上にホタルイカを載せ、その頂きに生姜を盛って食べるとfresh感がup↑。生姜と葱のそれぞれに強い味(エグさ)が互いに中和しあってfresh感のみを付与している気がします。とってもfreshだよ!


-冷奴 (250 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
250円は平日サービス価格(休日は350円)。
少し硬めの奴。嫌な味が全くなくて良い。やや硬めなところも適度に食感が楽しめて良い。ふんだんに載せられた薬味が嬉しい。


-カキフライ (750 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
5P。衣からは油の良い匂いがし、さっくり揚がっている(衣ははちょっと厚く、その為か硬い)。一口齧ると、切断面から顔を覗かせた牡蠣から滋味豊かな良い香りが漂ってくる。衣がやや厚いので牡蠣のjuicy感の伝わり加減がひまひとつ。そのかわり、全て食べきるまでアツアツ感が持続する。
何も付けずそのまま食べて十分旨い。タルタルソースはツブツブ感が無くて、ちょっとoilyな感じ。その流動的な形態のためか衣へのノリが悪い。
カラシはソリッドな感触と味であまり好みでない。
塩(食卓塩)を振り掛けて食べると、味が引き締まって良い。但し、バランス良く薄く衣に纏わせるのが重要で、掛け過ぎに注意が必要。
因に、定食にすると1,100円。


-マダイ塩焼 (630 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
小振りの鯛の塩焼。表面の皮はサクサク。身は適度にしっとり。淡白な身に少しキツメに塩味が効いていて旨い。




-琥珀ヱビス (樽生) (580 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
安定の旨さ。


-黒ビール ヱビスザブラック(小瓶) (450 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
これも文句無しに旨い。


-新潟 新発田 金升 小徳利 (燗) (450 JPY)-

-ビンビール 大瓶 (キリン ラガー) (580 JPY)-

-生すだちサワー (530 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
すだち1個分を搾っていただく。すだちの搾り汁でサワー全体にけっこう色が付き、香味も十分。すだちの鮮烈で清々しい酸味が存分に味わえてとても旨い。

水口食堂は、浅草の有閑マダム達が真っ昼間からフライをあてに大徳利を煽っている大衆的な店で、気取らない雰囲気ながら、料理の味は意外と気取っていて旨いです(少なくともボクは大好き)。


閑話休題


前回のブログでメモした文献


"Comparative Performance Evaluation and Synthetic Screening of Solvents in a Range of Grignard Reactions 
Green Chem., 2013, 15, 1880-1888."

の中で、市販のベンベンジルマグネシウムクロリドの純度に関してけっこう由々しきことが言及されていたのでメモしてみます。

で、"由々しきこと"っていうのは、

ラベル表示の純度と実測値(滴定値)が全然違いますから

ということ。

中にはラベル表示値の6割未満の純度しかない試薬もあって、マジ驚愕です(ドン引きするレベル)。で、詳細はこちら↓


市販Grignard試薬は買ってから1ヶ月以内に分析しています。また、HPLC純度はGrignard試薬を無水メタノールで処理してから分析しています。

不純物としてはWrutsカップリングによって生成する1,2-ジフェニルエタンの他に、ベンジルアルコールと5-フェニルペンタン-1-オールが検出されています。
ベンジルアルコールはGrignad試薬と酸素との反応の後、加水分解されて生成するといいます(なので、Grignard試薬(溶液)中ではBnOMgClとして存在するのでしょうか)。
そして、5-フェニルペンタン-1-オールはTHFとGrignard試薬とのラジカル反応由来と言います(従って、Et2Oと2-MeTHF溶液では検出されません)。

ところで、著者らは自分達でベンジルマグネシウムクロリドの1M THF溶液を調製して、3ヶ月経過した後に分析しています。その結果、5-フェニルペンタン-1-オールはトレース量(<0.1%)しか検出されなかったと言います。この実験結果を根拠に著者等は、市販のベンベンジルマグネシウムクロリドは調製してからかなりの時間が経過している(長期熟成品)か、保存状態が劣悪だったのであろうと結論付けています(ボク的には初期濃度が違うのがけっこう気になるけど)。

ベンジルマグネシウムクロリドって言ったら大昔からある試薬なので、メーカーの品質保証体制も十分に確立されてると思っていたのに、この体たらくとは残念です。国内だとTCIや和光純薬で売っているので、使う機会があったら問い合わせてみたいと思います。
)因みに、この論文の著者等の所属機関は、マサチューセッツ大学、イーライリリー、ファイザー、ノバルティス(アメリカとスイス)です。)

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のしつこく続くGrignardメモでした。


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Sunday, November 13, 2016

My Dear Grignard Reagent (2): 2-MeTHF、推して参ります

一気に秋が深まりましたね。


人形町で所謂立ちソバを食べたときのメモです↓



-きうち もりそば (290 JPY) MEMO- 
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW- 
蕎麦は中くらいの太さ(普通)。NUT様の香りがする。かなり硬めで角の立った触感で、喉越しは良いが、歯への当たりが強すぎる。ほんの僅かだけど、粉っぽい感じがする。茹であがった蕎麦は、かごであげている。瑞々しい見た目で、水っぽさはない。NUT様の香りがする割には、咀嚼した際に口腔内に広がるflavorは貧弱に感じる。
ツユは少し赤みを帯びている。かつお節様の香りが一閃。少し甘めで穏やかな味だが、bodyが弱いわけではない。それでも、強すぎるコシで決して細くない蕎麦に対して 当たり負けするのではないかと思ったが、そんなことはなく、意外にもバランスがとれている。ツユは全量蕎麦猪口に入れられて提供され、最後まで水っぽくならないのには感心する。
蕎麦にツユがよく絡んでいると思う。 薬味はワサビと葱。ワサビは粒々感があって鮮烈な辛みと甘みに加えて、さらにoilyな味と舌触り、違和感のあるエグ味を感じる。明らかに、ひなびた感のある蕎麦と良く合う山葵とは違う。あと、ちょっと度の過ぎた鮮烈な香味が蕎麦の味を全てかき消してしまう。 立ち蕎麦としては群を抜いており、コストパフォーマンスも高いと思う。


閑話休題


しつこく、Grignard反応のはなしです。
先日のブログではCPME中でのGrignard反応の挙動についてメモしましたが(http://researcher-station.blogspot.jp/)、今回はGrignard反応の溶媒効果についてのメモです。

読んだ文献はこちら↓

Comparative Performance Evaluation and Synthetic Screening of Solvents in a Range of Grignard Reactions
Green Chem., 2013, 15, 1880-1888.

幾つかのGrignard反応について溶媒効果を明らかにし、2-MeTHFが一番という結論を導きだしています。特に、Grignard試薬調製時のWrutzカップリングの抑制に有効みたいです。

本報で検討してる溶媒は、Et2O, THF, 2-MeTHF, CPME, DEM, Toluene, Diglymeの6種類。各々の溶媒の物性まとめです↓


この中で著者らがSafetyでGreenerだと注目しているのが(当然)2-MeTHFとCPMEです。なので、ここでちょっとGrignard反応における2-MeTHFとCPMEの特性をおさらいしてみましょう↓

2-MeTHF:
a) 5M程度までの高濃度Grignard溶液を調製できる(Green Chem., 2010, 12, 381.)。
b) THFよりも酸と塩基に対して安定。
c) 過酸化物を形成ににくい。
d) 水と混ざらない。
e) 乾燥しやすい。
f) 遺伝毒性と変異原性は陰性 (Merck, OPRD, 2011, 15, 939.)。

CPME:
a) 過酸化物を形成しにくい。
b) 水との共沸混合物を形成するので乾燥しやすい。
c) 遺伝毒性と変異原性は陰性 (Merck, OPRD201115, 939.)。

こんな感じです。

で、溶媒効果はどうなのよ?ってことですが、
まず、ベンジルグリニアとMEKの反応における溶媒効果の結果です↓


因に、臭化ベンジルはWurtsカップリングが起こりやすい基質です。で、X=Br, Clの両方で2-MeTHFが素晴らしい選択性を示しています(Et2Oは同等以上だけど、溶媒としての好ましさが圧倒的に違う)。
ついでにこの結果から、Girignard反応の正否は極性パラメーター(単体)では説明できないことが示唆されます。
あと、個人的にちょっと驚いたんだけど、トルエン単一溶媒でGrignard Preparationが出来るんですね。

それから、3-Bromoanisoleを用いたとき(Aryl Grignard reaction)の溶媒効果の結果↓
(因に、3-Chloroanisoleでは反応が進行しません)


ここでも、2-MeTHFの優位性が光っています(Et2Oは除く)。

参考までに、THF中、Turbo Grignardを使ってハロゲン-金属交換を行って反応を行うとこんな感じで、まあ、普通にTHF中でGrignard反応やるのと同様の結果になります。

(著者等は、Turbo Griganrdを用いる手法は、Griganrd試薬調製時のMgの活性化が不要で、反応も室温で進行し(もっと低温でも進行するよね、確か)、(それ故)Wrutz反応による副生成物の生成がトレース量に抑えられるという利点を挙げています。ついでに、2-MeTHF溶液も市販されています(Alfa Aesarで売ってるのは確認した))。

あと、3-Bromoanisole (Aryl Grignard reaction)の医薬品(Tramadol)合成への応用です↓


2-MeTHF、かなりいい感じですね

さらに、3-メチルチオフェン (Heteroaromatic Gregnard reaction)を用いた場合↓


2-MeTHFがチャンピオンデータです。

以上、試した基質は少ないけれど2-MeTHFって『いいね!』っていう気持ちで一杯になります。

今後、Grignard反応における溶媒としての2-MeTHFの動向に注目していこうと思った二流大学出のテクニシャン(研究補助員)でした。


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Sunday, October 2, 2016

My Dear Grignard Reagent: Grignard Reaction in CPME

やっと秋めいてきましたね(天気悪いけど)。


小川町にある笹巻けぬきすしで買ったお寿司のメモです。


-笹巻けぬきすし総本店 7ケ折詰 (1,695 JPY) memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
小肌、海老、おぼろ、たまご焼、かんぴょう巻×2、白魚の7ケ入り。
全体的にお酢がかなり効いている。特にネタに酢が効いている。そして、この酢が清々しい香味で旨い。
小肌は特に酢が効いている。江戸前の握りのような繊細さと柔らかさは無くて、少し張りを感じさせる身だけど普通に旨い。
海老も酢が大分効いている。で、それがとても良い。一本芯の通った味になっていて、海老の旨さとってもup↑している。海老はあまり好きなネタじゃないんだけど、この海老は絶品。初めて心の底から旨いと思った海老でした。
おぼろはわざとらしい感のある甘さはほどほど。
たまご焼は砂糖の甘さを感じさせない硬派な味。焦げた香ばしい香味と玉子本来の香味とシナジーがとても良い。薄い皮の張った感じの食感が噛み切った際にとても心地良い酢飯との相性もとても良い。
かんびょう巻はかんぴょうの味がとても良い。濃厚で滋味深い複雑な味。海苔は張りが残っていて、海苔を噛み切った際の『プツィッ』という食感と、かんぴょうのもの凄い柔らかい食感とのコントラストがとても良い。信じられないくらい旨いかんぴょう巻で、こんなに旨いのは初めて食べた。
白魚は茹でた白魚なんだけど、茹でたのは初めて食べました。で、シラスと較べて大振りな身は醍醐味があり、味の濃さが伝わってきて良い。
総じてお酢がけっこう効いているんだけど、刺々しい感じは一切無く、むしろ清々しさに溢れている。
また買いに行きたいな。

ところで、『笹巻けぬきすし』の読み方に戸惑う人も結構いるっていう噂を小耳にはさみましたが、読みは『ささまきけぬきすし』です。参考までに。


閑話休題


けっこう前にだけど、こんなtweet↓

があったので、遅ればせながら、ボクも読んでみました↓

Grignard Reactions in Cyclopentyl Methyl Ether
Asian J. Org. Chem., 2016, 5, 636-645.

Industry-Friendlyな溶媒として注目されているCPME中でGrignard試薬の調製からGrignard反応までやったらどうなの?っていう論文です。

ところで、周知の通りGrignard試薬の調製と続くGrignard反応はエーテル系の溶媒でオペレートされます。実験室でかつて最も汎用されるたのはEt2Oだと思いますが、特殊引火物だけあって極度に高い引火性と麻酔性が問題点として指摘されます。

なので工業的にはTHFを用いるのが一般的です。しかしながら、THFにも問題が無い訳ではなくて、放っておくと徐々に爆発性の過酸化物を形成する(オレはトロントロンになったTHFを二度ほど見たことがあります)ことに加えて、水からの回収が難しいのが問題点として挙げられています(まあ、過酸化物対策としてはBHTを添加するのが定法で、普通にBHT入りTHFは普及してるし、オレは反応中にBHTの悪影響を感じたことはまだ無いです)。

で、THFの代替溶媒として近年注目されているのが2-MeTHF。バイオマス由来の溶媒で、過酸化物も形成されにくく、水とも混和しません。そして、多くの企業が医薬品原料の製造に2-MeTHFを使うようになってきているといいます(Org. Process Res. Dev., 2007, 11, 156-159.; ChemSusChem., 2012, 65, 301-302.)。
そしてもう一つグリーンな溶媒として注目されているのが日本ゼオンが開発したCPMEで、有機合成の現場での使用が増えてきているといいます。

著者等はCPME中での反応開発を行っています↓

Tetrahedron, 2013, 69, 2251-2259.
(他にも、hydrosilylation, hydrothiolation, radical reductionなど実施している)

で、著者等のCPMEを使った反応研究の次のターゲットがGrignard PreparationとGrignard Reactionという次第です。

Grignard反応は最も古典的な反応の一つで、有機合成化学者で一度もやったことのない人を探すのは難しいというくらいポピュラーな反応で、多くの研究がなされています。CPME中での反応も報告されていますが、それらの殆どは特定の基質をターゲットにしたもので、CPMEがGrignard反応一般の溶媒として適しているかどうかは明らかになっていません。そこで、CPME中でのGrignard試薬の調製からGrignard反応までを包括的に研究してみようというのが本報です。

さてThis Workですが、まずは3-bromoanisoleを用いて、CPMEと他のエーテル溶媒中での反応の比較と反応条件の最適化を行った結果がこちら↓


3種類の溶媒(CPME, THF, 2-MeTHF)の中では一番イマイチだけど、CPME単一溶媒でGrignard試薬の調製から続くGrignard反応を行うことができます。それから、CPMEに対するGrignard試薬の溶解度はTHFや2-MeTHFと較べて低いです。


ところで、Mgの活性化にDIBAL-Hを使っていますが、著者等は活性化剤のスクリーニングもしていて、DIBAL-Hがベストという判断を下しています。因に、著者等が試した活性化剤は7種類で、その序列は次の通りです↓

DIBAL-H  Red-Al > I2 > BrCH2CH2Br > LiAlH4 = BH3•SMe2 > NaBH4 (no acceleration)

(個人的には、dry stirringとI2の組合わせがボクのお気に入りです。色が消えて分かりやすいから)


さて、CPME中でのGrignard PreparationとGrignard Reactionの基質一般性についてです(アルデヒドはPhCHOで固定)↓

まずは、ブロミド

iso-PrBr, AllylBr, BnBrは他の基質よりも速やかに反応が進行するものの、60˚CではWurtsカップリングによる二量化も進行します。で、室温もしくは氷冷下でブロミドを注意深く滴下することで二量化を最小限に抑えることができます。
あと、iso-PrBrを基質に用いた場合、活性化にDIBAL-Hを用いた方がヨウ素を用いる場合よりも10%収率が向上します。
あと、1-bromo-2-chlorobenzene, 1-bromo-2-fluorobenzeneのGrignard反応が不発なことが意外です。何か出来ているっていうんだけど、complex mixturesになって同定できなかったと言います。因に、対応するGrignard試薬は市販されておらず、著者らは極めて不安定で即座に分解してしまうのではないか考えています。
それから、(E)-C6H5CH=CHBrはWurtsカップリングが起こりやすく、40˚C未満では反応が進行せず、Wurtsを抑えることができないです。propargyl bromideは室温で加えると発熱を伴って反応が発進してGrignard試薬を調製できなかったと言います(温度制御をちゃんとやったのかっていうツッコミを入れたい)。

次にクロリドです↓

クロロベンゼンだとCPME単一溶媒では収率が低く、THFとの混合溶媒を用いることで収率アップです。ベンジルクロリドはWurts対策のために水冷下でのGrignard formationが必要。AllylClはGrignard試薬を形成せず、Barbier反応によってGrignard付加体を取得しています。

因に、n-buthylmagnesium bromideとn-butylmagnesium chlorideのCPME溶液は0℃で少なくとも三ヶ月は安定です(その間沈殿も着色も観察されない)。
また、反応後のCPMEを抽出-蒸留して回収したものにCPMEの分解物は検出されず(GC >98%)、繰り返しリサイクルしても収率に影響を及ぼすことはないです(1-bromo-3-chloribenzeneの場合)。

そして、医薬品合成への応用もアピールしています↓

tamoxifenの合成の最終工程ですが、窒素原子を含むGrignard試薬の調製は難しく、CPME単一溶媒ではGrignard試薬を調製することができず、THFとの混合溶媒を用いています。それでも未反応の臭化物がけっこう残存して、これがtamoxifenと分離するのが大変という冴えない結果です。最終的には、少過剰にn-BuLiでチリオ化することでこの問題を解決するんですが、リチオ化もCPME単一溶媒では不完全で、THFの添加が必要となります。

最後にボクの個人的な感想を述べさせてもらうと、CPMEでそこそこGrignard試薬が調製できるのは合成化学上の新たな武器になるかなと思いますが、その用途はTHF(や2-MeTHF)で結果がイマイチでCPMEで改善される場合に限定されるのかなと感じます。でも、(バルクの値段は分からないけど)試薬グレードでは、THFとCPMEが同じ値段っていうのには、安くなったなぁと驚きました(TCI, 500 ml, 3,600 JPY)。

基質一般性の検討のところで著者等は、
"It appears that CPME has a negative effect on Grignard formation from aromatic chlorides"
と述べていますが、tamoxifen合成からも、CPME中でのハロゲン化物のメタル化は遅いのはほぼ確実と思います。そして、この問題のためにTHFとの混合溶媒を使うと、CPMEのリサイクル性の高さも魅力半減です。

あと、実際の実験に関してですが、Grignard Preparationの件で、『室温』とか『氷冷下』とか説明してるけど、そういうところに大学研究のアマチュアっぽさを感じますね。このスケールで温度計つっこまないのはオレの感覚では絶対あり得ない。ついでに言わせてもらうと、Griganard PreparationのInitiation段階は1℃前後の温度上昇をモニターするのが肝。温度を0.1-0.2℃刻みでモニターしないなんてあり得ないですよ(もし、ちゃんとやってたらごめんなさい)。さらに、反応が速いに越したことはないけど、『60˚C, 3 hr』っていう反応条件へのこだわりが今ひとつ理解できないです(ボクが浅学なだけかもだけど)。ボクの理解ではGrignard試薬形成は自己触媒反応で、熱を掛けるとWurtsカップリングが起こりやすくなるには周知の事実なので、もっとマイルドな条件でovernightくらいしとけばいいんじゃないの?って思うんですが、どうなんでしょう?

それでも、CPME中でのGrignard反応の特性を明らかにした仕事は良い仕事と思いました。以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の生意気なメモでした。


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