2012年4月4日水曜日

ターゲットはDQN

僕は君たちに武器を配りたい」を読了しました。

著者は、東大法学部→東大院法学政治学研究科助手→マッキンゼー→独立。京大産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス・研究部門客員准教にしてエンジェル投資家という肩書きのエリートです。

以下、この著作でコンキチの琴線に触れた箇所をメモしていきます↓

a) 「学問のすゝめ」は慶大の宣伝本
諭吉は学問することで人間には差がつくと宣伝し、慶應義塾をアピールした

b) 勉強ブームとは不安解消マーケティングである
英語やITスキルは、単にそれだけでは価値を生み出さない。

c) 技術革新によって賃金は低下する
アメリカのジョブレス・リカバリーと全く同じことを言っているのでしょう。機械化やIT化によって、人海戦術(雇用)の必要性が低下した。既存産業において必要の無くなった要員を新規産業(高付加価値産業)で吸収できなければ、雇用や給与水準は悪化する。

d) 分からない差異は、差異ではない

e) 女子会はリクルートによって仕掛けられた
今の東京で働く普通の若い人(コモデティ人材)で貯金ができているのは、殆どが自宅から通っている人しかいないという。すなわち、自宅から会社に通う若い女性は、そこそこのお金を貯めている。この女性たちに、貯め込んだお金を使ってもらう狙いで、リクルートが女子会を仕掛けたというのだ。
ちなみに、同世代の男性は、食事に行っても自分と彼女、両方の食事代を負担することもしばしばで、これ以上の金を引き出せないと分析してるようです。

f) 金融業界(リテール)や堀江社長が仕切っていたころのライブドアはDQN な大衆から広くお金を集めるビジネスである

g) イノベーション=枯れた技術の水平展開
see http://researcher-station.blogspot.jp/2007/01/blog-post.html
希代の天才が、「何もないところからアイデアを生み出す」というイメージはロマンがあって魅力的であるが、危険なフィクションである。イノベーションや創造性というものは、そのイメージほどミステリアスなものはない。すでに開発されたアイデアを取り入れ、それを新しい状況に適用しているにすぎない。

h) 2004年高額納税番付1位だったタワー投資顧問の運用部長は、同社のオーナーだった(役員賞与の税金対策)。マスゴミには報道しない自由がある。

i) コンビニ経営はハイリスク、ローリターンの最たるもの
おいしいところは本部がゲットしていく(セブンの利益率は高い)

etc.

なかなか示唆に富む内容の本と思いました。(同じマッキンゼー出身でも、どこかの自己啓発の女王様とは大分違います)

ボクはこの本を読み終えて次のように思いました↓

世の中でまことしやかに囁かれていることを何の疑いも無く受け取るのはあまりにも人が良すぎるDQN。その話に裏がないかどうかを疑い、十分検討すべし

と。

以上、DQNビジネス(大量のDQNを搾取するビジネス)に興味が出てきた二流大出のなんちゃって研究員の呟きでした。