2011年4月29日金曜日

Earthquake 2011 (7)

今日から10連休ですが、週明け早々HPLCで死ぬほど分取しなければならなくなってこんな気持ちで↓


少し憂鬱なコンキチです。

さて、今月のはじめに、教育長名義で「市場で流通している食材は安全であるので学校給食を実施する」という内容の手紙が届きました(ボクは小学校に通う子供がいます)。

この手紙をみて、ボクは我が目を疑いましたね。そして、教育長は狂ってるとさえ思いました。

現在の国の暫定規制値は↓
•放射性ヨウ素 (131I)/ 2,000 Bq/kg
•放射性セシウム (134Cs+137Cs)/ 500 Bq/kg

だけど、

a) 我が国では、放射性セシウム (134Cs+137Cs)>370 Bq/kgの食品の輸入を差し止めてきた(see http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1108-2.html
b) FDAでは放射性ヨウ素 (131I)>170 Bq/kgの食品の輸入差し止めを提言している(see http://t.asahi.com/1tea)
c) シンガポールの放射性ヨウ素 (131I)の基準値は、100 Bq/kg (see http://t.co/IGD6I1q)
d) モニタリングスポットで観測される放射性物質の拡散状況と各県が公表している農作物の放射性物質による汚染濃度を鑑みると、同地域と思われる場合でも、地形などにより比較的狭い範囲でも、汚染が局在化している可能性がある。

っていう現実を鑑みると、市場に流通している食材が全て安全であるという発言は理解に苦しみます。なので、このことについてどのように考えているのかという質問を、お役所にメールで質問してみました。

で数日後、お役所から回答メールが届きました。

それによると↓
•放射性物質に広がりは、気象条件、地理的な影響などを受けることは承知している。
•市では、放射線量を独自に測定してはいないが、国や県からは、科学的な根拠に基づいて健康には影響のないレベルであると判断が示されている。
•「現在市場に出されているものは安全」→「給食実施」(県教育委員会と放射線医学研究所のお墨付き)

っていうこいとは、こういうことですか↓

•汚染の局在化を認識しているから、全量検査を実施している。
•科学的な根拠に基づいているから、その知見の正しさを立証する臨床データが存在する。
•米国、シンガポール、過去の日本の禁輸措置等は間違い。
131Iを2,000 Bq/kg含有する食材は安全だから、小さい子供がバクバク食べても小児甲状腺がんを発症することはない(農産物に関して言えば、これ以上放射性物質が大気中に漏洩することがなければ、クリティカルな影響はでないかもしてないけど、福島第一原子力発電所の近くに住んできなければ)。
•「暫定」でも「安全」

はっきり言って、信じがたいゼ


再度、しつこくメールで質問してみます。

ルールとして児童が2,000 Bq/kg(131I)の食材を恒常的に摂取することが許容されているわけなんですが、ボクはそれを許容できないっていうだけの話なのです。こんなボクの願いはそんなに大それたことなのでしょうか?

2011年4月24日日曜日

メディシナル vs. プロセス

先日、秋葉原のヨドバシの<CHABUTON>で食べたラーメンメモです。

<CHABUTON>式 創作トムヤムらぁ麺 750 JPY
-RATING- ★★★☆☆
麺は軽くウェーブのかかった平麺で、フォー(pho)の様な味と食感(ボクの好みでない)。スープと具の野菜は素晴らしい。皿に添えてあるレモンを加えると、辛みが緩和されライトな感じになる。

閑話休題

この間、とある一部上場のケミカル•カンパニーの研究部長だった人(パリパリのプロセスケミスト)の講演を聴いてきました。彼はコントロール•マニアで、医農薬の探索やってる人が持ってくる実用に耐え得ない合成ルートや、鈴木カップリングみないな高額な反応を馬鹿にしているプロセス•ケミストにありがち(?)なタイプの人でした(ボクは違うけど)。

一方、ボクが話したことある創薬やってる研究者で、プロセスを一段下にみてるふしがあって、もう合成できるのは分かってんだから出来て当たり前(ただし、経済性は無視)、創造性なんて全くないじゃんみたいな物言いをする人がいます。

「創薬」と「プロセス」って軽く犬猿の仲だよね

でも、犬猿チックなことを言ってる人は三流ですよ。だって、そもそも両者は目的が違うんだから。

創薬はプロダクト•イノベーション志向、物質特許志向で、とりあえずいち早く新薬候補となる化合物をゲットしなければなりません。よって、その合成法は、一つの中間体から多数の候補化合物を生み出すために、モジュール化志向の合成法がとられます(その究極の形の一つはコンビケムでしょう)。だから、プロセス•ケミストの批判は、はっきり言って的外れと思います。

一方、プロセス化学はプロセス•イノベーション志向、製法特許志向で、経済性を重視し、短段階、環境調和型の合成法を追求します。確かに新しい薬を創造することはしませんが、その無駄をそぎ落とし洗練された合成ルートは、あの保護基レス合成の申し子、神の子バラン (Phil S. Baran)が賞賛(Redox Economy in Organic Synthesis
Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 2854-2867.)するほどエレガントであったりします。

プロダクト•イノベーションとプロセス•イノベーション、イノベーションの両輪がうまく噛み合ってこそ良い企業研究ができるんだろうとボクは思います。

お互い仲良くね

二流大出のなんちゃって研究員のつぶやきできた。

2011年4月23日土曜日

研究員のエンサイクロペディア (10)

菅直人【Kan Naoto】

1) 我が国初のプロ市民宰相

2) リーダーとして決してやってはならないことばかりする、究極の反面教師の1人

2011年4月20日水曜日

Earthquake 2011 (6)

先日アキバでニューウェーブ系ラーメン食べたんですが、(少なくともコンキチは)けっこう旨かったのでメモします↓

<CHABUTON>スピルリナの野菜系らぁ麺 780 JPY
-RATING- ★★★★★
スピルリナ(緑色の藻)を練りこんだ極細ストレート麺は、歯切れのよい食感で、見た目も鮮やかなGreenでGood!野菜onlyでつくったというスープは胡椒が良く効いた滋味深い味わい。具も彩りに富む。麺にスープがとっても良く絡みます。とっても上品な味わいで旨かったです。

閑話休題

先日、東京水道局の水道水の品質チェックが甘いんではないかということをブログに書きましたが、先週末(4月15日)から、細かいデータに加えて検出限界も併記されるようになりましたねよい傾向です。

1週間半くらい前に、

「水道水の放射能測定結果において、20 Bq/kg以下を 不検出と発表されていますが、検出限界は何Bq/kgですか?
 ちなみに、コンキチの住んでいる自治体では5-10 Bq/kgが検出限界だそうです。また、新宿区百人町のデータはもっと細かいと思います。WHOの平時のガイドラインは10 Bq/kgと理解していますが、20 Bq/kgを不検出とするのは、首都東京を預かる行政機関の責務を果たしているとお考えですか?」

っていう感じで東京水道局にメール出してみたら、

「ヨウ素とセシウムの放射能について、20Bq/kg以下の数値についても正確に把握しようとした場合、測定に長時間を要するため、情報提供が現状よりも遅れてしまいます。そのため、東京都水道局では、水道水の摂取を控えるべきか否かの判断に必要な分析感度を保持しつつ、出来る限り迅速に、お客さまへ水道水の安全性についてお知らせすることに努めております。 
 なお、東京都健康安全研究センターでは、新宿区百人町の蛇口からの水道水の放射能を測定しており、詳細な数値を公表していますが、測定時間がかかるため、前日のデータとなっております。 」

っていう回答が返ってきました。まあ、それなら理解できるわなと思いつつも、ただ一文「不検出≦20 Bq/kg」ってのはあまりにも消費者を侮ってるんじゃねーのと思いつつ、「質問に答えてくれてアリガト&これからもしっかり仕事してね」メールを返信したものです。

まあ、コンキチのメールが発端になったわけではないと思いますが、ここしばらく放射性物質の数値が落ち着いてきたこともあり、詳細な情報が周知されるようになったのは、品質保証上の観点から好ましいことと思います(個人的には、クリティカルな制約がなければ、速報値と詳細な分析結果を時間差で掲載すべきと思いますが)。

都水道局のWeb Siteでは、やっと

「水道水の放射能測定値の公表については、これまで速報性を重視してきましたが、放射能濃度が低い状態が続いていること及びお客さまからより詳細なデータを知りたいとの要望が多数寄せられたことを受け、4月15日からは速報性を損なわない範囲で測定時間を延長(従来の約1.5倍)して、より低い濃度まで測定することとしました。
 これに伴い、これまで一律に「不検出≦20Bq/kg」と表記してきた方式を、「検出限界値」を用いた新たな方式に変更しました。」

みたいなこと言ってるけど、最初からこんな風にアナウンスしとけば、週刊現代に「スクープ・都の水質検査には放射性物質『不検出』のからくりがあった」なんて書かれるこたないんだよと一人毒づく二流大出のなんちゃって研究員でした。

ああ、あとブログタイトル変えてみました。


2011年4月10日日曜日

Earthquake 2011 (5)

先日、久方ぶりに大好きな蕎麦を食べにいきました。

←手打そば京金っていうお店です。

で、注文したもは、せいろ (840 JPY)とそばの半量の追加 (420 JPY)に加えて、飛露喜 特別純米生原酒 (945 JPY)です。
メモです↓

•せいろ
-RATING- ★★★★☆
蕎麦は、平たく少し不揃い。とても滑らかで瑞々しく独特な食感。特筆すべきは、薬味をつけない方が旨く、ツユなしでもなかなかいけるということ。ただ、コンキチの好みではないのが残念。
ツユは鰹の風味が強く、やや甘め。そして、そこそこ深いコクがある。

•飛露喜
-RATING- ★★★★☆
吟香がする。しっかりとした米の味がする。全体的にシックな味わい。フィニッシュにいい湯加減の酸がある。

はっきり言って、及第点をあげれるお店です。あと、お品書きには旨そうなつまみが充実してて、今度行ったときにはトライしてみようと思ってます。

閑話休題

さて、最近では飲料水(水道水)の放射能汚染の問題をうけて、各自治体水道局は浄水場で放射線量の測定結果を公表しているようです。そこで、気になったのが東京都水道局の公表値です(see http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/tp_first.pdf)。何が気になるって↓


不検出≦20 Bq/kg

っていう記述です。

放射能汚染された飲料水(水道水)の我が国における摂取制限の指標値(所謂暫定規制値)は、131Iで300 Bq/kg。放射性Cs (134Cs + 137Cs)で200 Bq/kgです。(但し、乳児は100 Bq/kg。)なので、不検出≦20 Bq/kgで問題ないのかもしれませんが、国際機関様であるWHOの飲料水水質ガイドライン(平時)は10 Bq/kgです。だったら、せめて10 Bq/kg程度までは数値を発表するのがスジと思うのですが、どうですか?世界に冠たるメトロポリス東京の名がなきませんか?

ちなみにコンキチの住む某ベッドタウンに配水いている浄水場では、外部機関に分析を委託しているそうで、検出限界は5-10 Bq/kg。それより低い数値を不検出として公表しています。

まあ、東京都健康安全研究センター(東京都新宿区百人町)が採ってるデータは詳細(0.15 Bq/kgとかまで検出してる)で、その数値を持って補完できるのかもしれませんが、東京都水道局の姿勢は、「100 Bq/kg下回ってればいいだろ」的で、いささか消費者をバカにしているのではないかと思わずにはいられません。20 Bq/kgの水を恒常的にのんでも健康被害はないのかもしれないけど、こういった姿勢を目にすると行政に対する不信感が募っていきますね。

以上、東京都の姿勢に奢りを感じざるを得ない二流大出のなんちゃって研究員の憤りでした。