2011年4月24日日曜日

メディシナル vs. プロセス

先日、秋葉原のヨドバシの<CHABUTON>で食べたラーメンメモです。

<CHABUTON>式 創作トムヤムらぁ麺 750 JPY
-RATING- ★★★☆☆
麺は軽くウェーブのかかった平麺で、フォー(pho)の様な味と食感(ボクの好みでない)。スープと具の野菜は素晴らしい。皿に添えてあるレモンを加えると、辛みが緩和されライトな感じになる。

閑話休題

この間、とある一部上場のケミカル•カンパニーの研究部長だった人(パリパリのプロセスケミスト)の講演を聴いてきました。彼はコントロール•マニアで、医農薬の探索やってる人が持ってくる実用に耐え得ない合成ルートや、鈴木カップリングみないな高額な反応を馬鹿にしているプロセス•ケミストにありがち(?)なタイプの人でした(ボクは違うけど)。

一方、ボクが話したことある創薬やってる研究者で、プロセスを一段下にみてるふしがあって、もう合成できるのは分かってんだから出来て当たり前(ただし、経済性は無視)、創造性なんて全くないじゃんみたいな物言いをする人がいます。

「創薬」と「プロセス」って軽く犬猿の仲だよね

でも、犬猿チックなことを言ってる人は三流ですよ。だって、そもそも両者は目的が違うんだから。

創薬はプロダクト•イノベーション志向、物質特許志向で、とりあえずいち早く新薬候補となる化合物をゲットしなければなりません。よって、その合成法は、一つの中間体から多数の候補化合物を生み出すために、モジュール化志向の合成法がとられます(その究極の形の一つはコンビケムでしょう)。だから、プロセス•ケミストの批判は、はっきり言って的外れと思います。

一方、プロセス化学はプロセス•イノベーション志向、製法特許志向で、経済性を重視し、短段階、環境調和型の合成法を追求します。確かに新しい薬を創造することはしませんが、その無駄をそぎ落とし洗練された合成ルートは、あの保護基レス合成の申し子、神の子バラン (Phil S. Baran)が賞賛(Redox Economy in Organic Synthesis
Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 2854-2867.)するほどエレガントであったりします。

プロダクト•イノベーションとプロセス•イノベーション、イノベーションの両輪がうまく噛み合ってこそ良い企業研究ができるんだろうとボクは思います。

お互い仲良くね

二流大出のなんちゃって研究員のつぶやきできた。

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