2008年6月25日水曜日

Fmoc-alpha-Methylvaline (2)

さて、前回のブログでこれまでの報告例を概観しました。ターゲットは単純な構造なのにMerckのプロセス以外は大スケール向きじゃない気持ちでいっぱいです(LDA, -78℃とか、オソンとかキツそうだし、Jones酸化はどうかと思う)。これじゃあ、キロスケールでの調製はけっこうきついかなと思います。

また、Merckのプロセスは、猛毒のHCNが発生するからちょっと抵抗を感じますね。

で、著者等が考案した合成法はこれ↓


ケトンのStrecker反応の後、Fmoc化して光学分割して調製です。コンキチの学生時代の研究室の後輩がStreckerでアミノ酸合成してたので、MerckとかHoffmann-La Rocheのプロセスが自然なような気がします。加水分解前のベンゾイル化するのは、Bz基の隣接基関与によりニトリルの加水分解が容易になることが期待されるからです。あと、アミノニトリルが比較的沸点が低い(a relatively volatile oil)というのも一要因のようです(ニトリルの加水分解ってハードな条件だからね。Merckの報告でだと、MeOHを飛ばすときけっこうなロスが出ると書いてあった)。それから、HPLCでの反応のモニタリングが容易になるからというのもあります(Ph基が入るからね)。

ちなみに加水分解のstepは、まずニトリルが加水分解され、次いでアミドが加水分解されます(HPLC分析から示唆された)。

さて、次に不純物に関する考察です。この反応(ラセミ体のFmoc-α-methylvaline合成)のメジャーな副生成物は、Fmoc-β-alanineです。で、Fmoc-β-alanineとその誘導体は、市販のFmoc-アミノ酸中に共通して見出される不純物なのだそうです↓


このことから、過剰のFmoc-OSuの使用は避けるべき。例えば、Fmoc-OSuのDMF溶液を0.95eq.の使用でFmoc-β-alanineの副性を2 area %未満に抑制可能。再結晶して~0.2 area %まで落とせます。もし固体で投入すると、Fmoc-β-alanineが9%まで副生。

最後に光学分割です。試した分割剤はα-methylbenzylamine (最も良く使われる、一番安い合成分割剤ね)、1-(4-bromophenyl)ethylamine、cinchonine、1-cyclohexylamine(?自然分晶狙ったの)、1-(2-naphthyl)ethylamine、N-benzylmethylbenzylamine(多分、N-benzyl-α-methylbenzylamine)、1,2,3,4-tetrahydro-1-naphthylamine (1-aminotetralinね)、(-)-sparteine、quinidine、brucien。で、(S)-1-aminotetralinが良かったようです(検討結果はTable↓)。


分割効率(> 80)かなり高いです。

で、最終的にはこんな感じに↓

最初に造塩して濾過すると、難容性塩が収率49%、dr 91.8:8.2で得られ、さらにDMF-H2Oから再結晶することで、dr 99.78:0.22の塩が82%(dr 91.8:8.2の塩からね)回収されます。

ラセミ体の半分はムダになるけど堅実なプロセスかなとは思います。

2008年6月24日火曜日

Fmoc-alpha-Methylvaline (1)

こんな文献を読んでみました↓
Synthesis of Enantiopure Fmoc-α-Methylvaline
Organic Process Research & Development, 2008, 12, 298-300.
Hoffmann-La Roche社の報告です。

ターゲットはタイトルにもある通り、Fmoc-α-methylvaline↓

cf. Fmoc (9-fluorenylmethyloxycarbonyl)ってどんな保護基だっけ?と思ってWikipediaでサーチしてみたら(以下、Wikipediaより)、
「Boc基を切断する強酸条件に対して全く安定であるが、Z基を切断する接触還元条件にはゆっくり切断される。弱塩基・ヒドリド還元・酸化条件などにはかなり耐えるが、二級アミンの作用で素早く脱保護できる。三級アミンではほとんど切断されない。」
そうです。

で、Fmoc-α-methylvaline(及びα-methylvaline)は、上市されてるそうなんですが、高額であることにくわえて、必要量を期日までに供給可能な業者が存在しなかったということで合成検討に取りかかったそうです(ちなみにキログラムオーダーで必要になったらしいです)。

まずは、イントロで紹介されている過去に報告された合成例を概観してみましょう。

1) バリンから合成
ref. Helv Chim. Acta, 1985, 68, 144.

2) 光学分割による分離(カラム)を使ったアプローチ
ref. Helv. Chim. Acta, 1995, 78, 563.

3) キラル相間移動触媒を使った不斉合成

ref. J. Org. Chem., 2000, 65, 7041.

4) キラル補助剤を使った不斉合成
ref. Tetrahedron, 1995, 51, 5921.

5) キラル補助剤を使った不斉合成 その2

ref. J. Am. Chem. Soc., 2003, 125, 12106.

6) 「5」と同じauthor

ref. J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 13312.


7) Enzymatic Resolution

ref. J. Org. Chem., 1975, 40, 953.


8) Enzymatic Resolution その2

ref. J. Org. Chem., 1988, 53, 1826.; Tetrahedron Asymmetry, 1993, 4, 1113.


9) Dynamic Resolutionを使った方法
ref. J. Org. Chem., 2007, 72, 7469.

Merckの研究グループ。本報の著者に"an elegant preparation"と評されている。実験項をみると3-methyl-2-butanone 4 kgスケール。全収率45%。他の合成法のリファレンスがけっこう記載されてます。scheme中の「KF」は「Karl Fisher titration」のことで、含水率が高いと、青酸が発生するというドキドキな反応です。

以上、がイントロに書いてあった過去の例。ということで、次ブログで本報を概観します。


つづく.....

2008年6月21日土曜日

これってイノベーション?

物価高の影響で、最近晩酌にもっぱら一ノ蔵本醸造無鑑査辛口のロックばかり呑んでいるコンキチです。以前(若い頃)は、日本酒のロックなんて全く考えられなかったんですが(軟弱者のすることだと思っていた)、梅雨のうっとうしい季節には(特に)良いです。

ところで、晩酌と言えば酒の肴がつきものです。で、こんなの買ってみました↓

ちょっと前に「ボトル・ガム」なんてのが流行りましたが、こいつはさしずめ「ボトル・スルメ」っていう感じですかね?

さて、ここからコンキチの妄想モードに入ります↓

まず、ターゲットは↓


独身のキャリア・ウーマン


もしくは、


会社での憂さをビールとかで晩酌しながら晴らす独身女性


とみました。

なぜそう思ったかというと↓

1) スルメが全てほぼ同形の短冊型に揃っている。
→見た目の綺麗さを演出するとともに、掴みやすい。

2) ソフトな触感
→意外とソフトな噛み心地&触感で、食べ易く、美味しい(白いフニャフニャしたソフトいかではない)。

3) 開閉自在のボトルタイプ
→全部食べきれなくても。保存が用意で湿気りにくい。一度に少ししか食べれなくても無問題。

ですかね。

既存のスルメ製品にはみられない繊細さを感じます。上記ニッチなセグメントに集中した製品に間違いない!(ウソです)

でもまあ、商品設計にちょっとしたイノベーションを感じますね。自分こういうの好きです。

希代の天才が、「何もないところからアイデアを生み出す」というイメージはロマンがあって魅力的であるが、危険なフィクションである。イノベーションや創造性というものは、そのイメージほどミステリアスなものはない。すでに開発されたアイデアを取り入れ、それを新しい状況に適用しているにすぎない。(「製品開発力と事業構想力」より引用)
see http://ameblo.jp/researcher/entry-10021727060.html


あと、勿論、男性諸氏にもおススメです。

2008年6月15日日曜日

負け組などいない (日本に)

先日秋葉原で起きた事件で思い出したのだが、何年か前から、巷では「勝ち組」だの「負け組」だのという言葉が氾濫するようになったと思う。

メディアもそれを煽っているように思う。で、あたかも日本国民が「勝ち組」と「負け組」に二極化しているような錯覚を世間にばらまいているように思えてならない。世界的にみたら、日本に生まれたというだけで圧倒的な「勝ち組」だというのに。

日本において、自分は「負け組」だと嘯いている人々は、貧しい国で少数の権力者によって牛耳じられ搾取されて生きている人々に対してどういう気持ちで「負け組」だといっているのか気が知れませんね。

我が国では、世界的にみれば圧倒的にフェアなシステムが構築されていると思う(相対的にね)。教育だって万人が受けることができ、普通にやってれば喰うに困ることはない。スターダムにのし上がるチャンスも充分あると思う。普通にやってれば、餓死することもない。路上に放置プレイされてそのままお陀仏することもない。

豊かな日本では、かつてはブルジョアしか享受することができなかったような財やサーヴィスが、多くの経済階級で利用可能となった。ブログ書いてストレス発散することだって出来る。


我が国では、どんなに貧乏でも大学くらいは卒業できると思う(奨学金とか授業料免除制度とか使う)。善意な人の好意もあるかもしれない(ちなみにコンキチの家はそこそこ貧乏で、大学の担当教官にお金を貸してあげようかと言われたこともあった。丁重にお断りしたが)。ちなみに、学生寮にはいれば、食費を除いて、水光熱費込みで月額8千円くらいで住居を確保することだってできる(当時ね)。

つまり何がいいたいかというと、世界でも有数の豊かさを誇るこの日本において、そんなに一生懸命頑張らなくても、二流ぐらいの大学出て、倒産リスクの低い企業に就職するくらいは、けっこう簡単にできる。それなのに怠惰すぎる生活を送って、自分は「負け組」だなんていっちょまえに嘯いてる奴らは、貧しい国で貪欲に教育を貪る子供達の映像をみて、なんとも思わないのか?ということです。

負け組など、この豊かな日本には誰一人としていないのに

2008年6月14日土曜日

チルド・コーヒー飲み比べ

ザ・マジックアワーを観てきました。はっきり言って面白かったデス(個人的には「THE 有頂天ホテル」の方が面白かったですが)。そして、ふかっちゃん超カワイイです。あと、寺島進が一番面白かった。

さて本題です。
先日、チルド・コーヒーの飲み比べをブログにアップしました。
see http://researcher-station.blogspot.jp/2008/06/aroma-2-vs.html

調子に乗って、その続きをやります。

ますスターバックスのチルド↓
entry 1 スタバQandi キャラメル
-RATING-★★★★☆
<キャラメル>というだけあって、とってもキャラメリック!かなり効いてます。ミルク感も強い。ロースト感もけっこう良く出ています。
さずが、スタバ(&サントリー)!他社とは一味違う味わいに仕上げてきますね。





entry 2 スタバPARIS カフェオレ
-RATING-★★★★☆
コーヒーの気品ある香りと深いミルクの香りがグッド!あと、コーヒー部分の舌触りとパウダリー感がグッド!でよく仕上がっていると思う。コクがあって個人的に好きなタイプです。ただ、ミルクは牛乳っぽくてイマイチでうね。淡白でクリーミー感にかけます。砂糖不使用のやや大人テイスト。
PARIS Data
無脂乳固形分 4.8%
乳脂肪分 2.5%
原材料名/ 生乳(50%未満), 乳製品, コーヒー, 乳糖, カゼインNa, 香料, pH調整剤, 乳化剤
栄養成分 1本(200ml)あたり
エネルギー 98 kcal, たんぱく質 4.4 g
脂質 5.2 g, 炭水化物 8.2 g
ナトリウム 49 mg, ショ糖 0 g


entry 3 スタバ AZTLAN MOCHA
-RATING-★★★★★
ココアの濃厚な香りとミルクの香りがよい。そして、ココアテイストがGOOD!(ココアパウダー入ってるし)終始嫌みなところがなく飲み易い。「コーヒー→ココア→ミルク」という連続した味の流れがよい。ミルク感は薄っぺらいわけではないが、強烈に主張しているわけではない。コク充分で完成度が高いと思った。
MOCHA Data
無脂乳固形分 5.0%
乳脂肪分 3.5%
原材料名/ 生乳(50%未満), 乳製品, 砂糖, コーヒー, ココアパウダー, カゼインNa, pH調整剤, 乳化剤, 香料


やっぱりスタバは完成度が高いですね。コーヒー飲料(コーヒーもね)っていうのは健康志向の商品ではない。なので、香料とか入ってたっていんだよね。あんまり気にしない。決め手は、ブランド力と味でしょ。


最後にタリーズが最近CM流してる「香料不使用」を謳ったチルド↓

entry 4 タリーズPREMIUM LATTE
-RATING-★★★★☆
コーヒーのいい匂いが立っていて○。ミルク感も芳醇でCreamy感がよく出ており、牛乳っぽさが殆どなくてよい。よく出来ていると思う。少し粘度の高いのが気になる(マイナスポイント)。
PREMIUM LATTE Data
無脂乳固形分 5.2%
乳脂肪分 2.3%
原材料名/ 生乳(50%以上多分60%), コーヒー, 砂糖, 寒天


けっこう良い出来と思います。しかも香料抜きで。その当たりは評価に値しますね。ただ、触感が重く(ちょっと重すぎ)マイナスポイントです。寒天いれてるせいかな?口当たりを重くして舌に絡み付く感覚を演出しようとしたのでしょうか?(クリーミー感が増すような気がする)。


こんなところが、二流大出の窓際研究員の独断と偏見による独りよがりな感想でした。

2008年6月13日金曜日

Darkness?

今日はちょっと不謹慎なことを書きます。なので、不謹慎ネタ嫌いな方は読まないで下さい。ついでに、妄想も入ってます。

さて、先日、秋葉原で大量殺傷事件がありました。世のマスゴミはこの事件を評して「心の闇」などと宣います。今回の事件に限らず、一般人(あいまいな定義ですみませんが)が、所謂常識(常識ほどあいまいなものはないと思いますが...)に照らして、ちょっと理解困難なことを表すのに重宝する言葉です。

コンキチのように心がひねくれてしまった人間に言わせれば、「心の闇」って何ですか?と問いたいくらいです。

はっきり言って、こういう事件って世の中が豊かになり過ぎたから起こると思う。懸命に働かなくても、とりあえず喰うには困らなくなった豊かなこの国においては、根源的な欲求に対してより高次な欲求である自己実現欲求のウェイトが高くなったからだと。
(ネット・カフェ難民なんて、自己実現を重視しすぎて無理して都会にいるからでてくる現象と思います。憶測だけど。)

残念ながら自己実現は、物質的に豊かになっただけでは達成できない。それで、いろいろ考えて(豊かな社会ではいろいろ考える余裕がある)、不愉快になっちゃう。上をみればきりがなく、下をみてもきりがないんだけど、多分、意識が上に集中しすぎるんだろうね。で、葛藤が起こって爆発しちゃって、フィーバーするんではないかと思います。

平たく言えば、余裕があるのでいろいろ考えすぎて、むしゃくしゃしちゃって、フィーバーしただけなんじゃないの?「心の闇」なんていうフレーズ使ってとけば思考停止した視聴者の共感得られると安易に考えてるよいうな気がしてなりませんね。彼等(マスゴミね)は「心の闇」という言葉をどう定義しているのか興味あります。

大衆は物事をやたらと難しく考える傾向があるのかどうか分かりませんが、むしゃくしゃしてフィーバーでいんじゃないの?それ以外に何があるのか自分には分からない。

かなり不謹慎なことを書いたと思います。事件自体は否定されるべきだし、被害者の方には哀悼の念を抱かずにおれないことは述べておきます。ただ、安直に「心の闇」とか言っとけばいいやと思ってるマスゴミ、時代のバックグラウンドが全然違うのにとりあえず「昔はこんなことなかった」とか言って懐古趣味に走るマスゴミの思考停止加減にムッとしただけなのです。

2008年6月12日木曜日

ダウン・サイジング

先日から、アップルストアとソフトバンクのウェブサイトをチェックして、iPhoneの購入方法に目を光らせているコンキチです。

最近巷では、原油高に端を発した物価高で、いろんなものがジワジワ高くなってきてまいます。はっきり言って、愉快じゃありませんね。

コンキチも自主的に趣味(晩酌ね)にかける金額を縮小しています。例えば、

1) 日本酒は最近もっぱら一ノ蔵の無鑑査シリーズしか飲んでない。
2) ワインはもっぱらイエローテイル。
3) ウィスキーは3,000円以下。
4) 洋モノのプレミアムビール(ベルギーとかのね)を買わなくなった。

かろうじて焼酎の購買動向が変わっていないくらいです(適正価格なら安いからね)。贅沢と言えば、スタバで買った豆でエスプレッソ(直火式ね)を入れることくらいですかね。

学生時代、金はなかったのに、シグナトリー・ヴィンテージのシングルモルトスコッチ呑んでた時代が懐かしいです。

ボーナス出たら、金のETFでも買い増そうかと思う二流大出の三流研究員なのでいした。

それにつけても、景気がイマイチ君の中で、インフレが加速しても、深刻度が軽微な豊な日本に生まれたこの身を幸せに思いますね。貧しい国(エンゲル係数が高い)は超大変そうですけど、日本人はちょと贅沢品の購入を抑えればなんとかなりますからね。国内で暴動なんて夢にまた夢でしょ。

2008年6月10日火曜日

7.11

御神託が下りました!

iPhoneが7月11日に、日本上陸するようです!

しかも、$199。思ったよりかなり安い!

すげー!(iPhone)積立てなんかやってる場合じゃないです。夏のボーナスで買うしか無い!!!

っていっても、注文が殺到して実際に購入できるのはしばらくたってからかな...

自分10年以上ドコモユーザーですが、もしドコモからiPhoneが提供されなかったら迷わすソフトバンクに乗り換えますね。っていうか携帯電話って自分にとってはコモディティです。はっきり言って、現在ドコモ使ってるのはほとんど惰性ですね。

でも、iPhoneは違う。iPhoneは携帯電話ではなくiPhoneなのです!

自分、ユビキタス(ubiquitous)(コンピューティングね)に最も近いデバイスって携帯電話だと思ってます。皆もってるし、画面サイズもあれくらいはあった方がいいと思うので。でも、携帯はユビキタスになりきてないし、なりきれないとも思う。で、そこに画期的なインターフェースを具備するiPhoneの登場ですよ。しかも、3Gになって。

アップルは世界を制圧すると思うね。パソコンよりも、よりリーチの広い携帯の世界を制圧すると思う。

ただ、アップルにも弱点があると思います。それは、(現在においては)洗練され過ぎていること。それだけが玉に(ととも小さい)きずです。

それにつけても、ソフトバンクのプレス・リリースでは年内発売とか言ってたので、年末(冬のボーナス商戦)かなと思ってたけど、夏だったとは。軽くウレしいサプライズです。

あと、自分、ジョブズCEOを崇拝しているアップル信者ですが、もし個人向けブラックベリーが販売されたら乗り換えないかもしれないんだけどなあ。

2008年6月8日日曜日

目くじらたてるほどのことか?

最近、「居酒屋タクシー」なるものがお茶の間を賑わせているようです。

霞が関の中央省庁のお役人さんが深夜にタクシーを使って帰宅する際、顧客囲い込みの一環として、タクシー運転手からうけるサービスが問題になっているようです。

サービスの内容とは、缶ビール、おつまみ、金券、現金などを提供。法的に問題はないのかという懸念をおいておけば、現金の供与以外はさほど問題なさいような気がするのだが.....(さすがに現金はちょと問題あるかなと感覚的に思うけど、ビールとかクオカードとかささやかなサービスにそんなに目くじらたてなくてもいいと思うんのですが)

各メディアでは、「公務員に常識はないのか」なんてことを声高に叫んで、ここぞとばかりに役所を叩いてますが、そういうあんたら(マスゴミね)にモラルはあるの?と逆に聞きたい。感覚として、世間はそんなストイックな人ばかりで構成されてはいないと思うけど。民間企業だって接待とかあるでしょ。リベートだってあるでしょ。コンキチのかつての上司なんか、巨人戦のチケット貰って喜んで観戦にいってたけど。

あと、コンキチの同級生(民間企業に就職)は、吊革パブ(風俗店らしい)なる処で接待したとかいってたよ(彼はそのことがカミさんにバレてエラい怒られたらしい)。

そっちの方が常識を疑うけどね。

あと、公共の電波を使って、偏向報道したり、キャスターが無責任で自分勝手な感想述べたりする方がよっぽど大罪だと思うのだけれど。


「税金が投入されてるんだから」とか「公僕なんだから」なんて声も聞こえてくるようですが、彼等は公僕である前に一人間であるいし、深夜まで激務をこなしてるんじゃないの?使えない役人も多々いるのだろうけど、一生懸命仕事してる人だって沢山いると思うけど。


そもそも国って、考えようによっては国民(有権者)が株主の株式会社みたいなもんじゃないのかな?我々はもの言う株主としての責任であったりやるべきことをやった上で、居酒屋タクシー騒動を批判すべきではないかとも思うのです。


少なくとも、「オイラは難しいことはさっぱり分かんない」「オイラ1人が投票したからって何も変わらない」とか言って思考停止してる人には、今回の騒動を批判して欲しくないなと思う二流大出のなんちゃって研究員なのでした。

2008年6月7日土曜日

セクショナリズムとアイデンティティ

今日はちょっとセクショナリズム(縦割り組織)について考えてみます。

以下、コンキチの勝手な妄想↓

他社さんはどうか存じませんが、コンキチの勤務する会社ではセクショナリズムが台頭しています。会社のエラい人達は、セクションを統合したりして、相互連携が深まった(所謂風通しが良くなった)的なことを宣っていますが、コンキチにとっては単に名刺が新しくなっただけでした。まあ、依然として組織の壁が頑強にそびえ立っているというわけです。

ところで、コンキチはセクショナリズムは情報や知識の囲い込みによって生じると考えています。そういいったモノを囲い込むことによって、組織の中での独自のポジションを築き、アイデンティティを確立する。

何らかの事象に対して一家言持つことが、その組織なり個人なりのレゾンデートルを高めるという考え方からセクショナリズムが台頭してくるんだろうと思います。

ところが、セクショナリズムは社内において、その当該セクションの力を最大化すること(部分最適)につながる。そして、部分最適の集合は全体最適につながるとは限らない。むしろ、TOCの本とか読むと、部分最適は全体最適を阻害することにつながることが繰り返し述べられている。

ちなみに究極のセクショナリズムは、個人による情報の囲い込みであると思います。例えば、情報を独り占めしてしまう上司とか、なんでも自分でやってしまう上司とかは。末端の仕事は(それなりに)できるのかもしれませんが、本来求められているマネジメント業務(システムを作ることね)は全然できていない。企業がgoing concernたるものであるならば、システムをないがしろにして、業務効率を属人化してしまうようなことをほったらかしにしていることは由々しきことだと思うのですがね.....

刮目して欲しいものです。

まあ、二流大出の窓際研究員のいつもの戯言ですがね

2008年6月4日水曜日

VAN

報道ステーションをみて、古舘伊知郎と加藤千洋のコメントに心の中えツッコミを入れることが趣味のコンキチです。

昨日、報道ステーションをみていたら、VANの特集をやってました。団塊世代がVANの熱狂した的な話をしていましたが、コンキチ(現在3X歳)の高校でもけっこう流行ってましたねVAN。コンキチが通っていた高校は制服がない男子校で、先輩、同輩、後輩とかがVANのトレーナーとかVANのスタジャンとかをけっこう着ていましたね。コンキチもVANのスイングトップを持ってました(ホントはスタジャンが欲しかったんだけど高くて買えなかった)。

街に一軒VANショップがあったんですが、基本的にVANは高かったので(特に高校生にはね)、よくウィンドウショッピングしたものでした。なので団塊世代じゃないコンキチにもVANに対する幾許かの思い入れっていうのは、そこはかとなくあったりするのです。

過ぎ去りしなつかしの高校時代は、VANとリーバイスに憧れた時代でありました。

ところで、この番組みて初めて知ったのですが、何十年も前に斬新なマーケティングをやってたんだね。映画に商品を提供したり、1ブランドで店だしてトータルコーディネイトを提案したりと。今となっては見る影もありませんが.....

ちょっとノスタルジックな気分の二流大出の窓際研究員なのでした。

2008年6月2日月曜日

老いゆく街

昨日、プレミアAをみていたら、高島平団地(板橋区)の話をやっていました。学生時代にバイクで何度か道に迷って彷徨ったことのあるなつかしい街です。

高島平団地は昭和47年に完成した大型マンションだったのだそうで、36年後の今日、その団地の居住者が高齢化してしかも一人暮らしが増えているのだそうです。そして、若い世代はこの団地を去り、街全体の活気が失せているのだそうです(ずっと前に読んだ堺屋太一の平成三十年にも同じようなことが書いてあったなあ)。

オールドタウンと化した建物で、配偶者が逝き、家族(子供達)が去り1人寂しく生活する老人の哀愁漂う映像をみるのは、姥捨て山みたいであまり気分の良いものではありませんな。今回のケースでは、かつてニュータウンにつきものと(多分)思われる、街全体の足並み揃えた高齢化による、街の不活性化という問題もからんでいますが、個々人に係る高齢化の問題については、彼等(現在の老人)だけの問題ではなく、未来の我々にも降りかかってくる問題です(多分)。それももっと悲惨に(年金なんて支給されなくなるかもしれないし、税金は増えるでしょ)。現在のうちから数十年後のライフ・プランについて熟慮すべきかなと思う次第なのです。行動経済学的期間選択(割引率は時間の経過とともに低下する)に逆らって。


「他山の石」そんな言葉が心をよぎる二流大出の窓際研究員の戯言でした。

2008年6月1日日曜日

AROMA 2 香料 vs. 脱香料

個人的に、香料の使用・不使用が明暗が分かれたと思う商品について書きます。商品カテゴリはチルド・コーヒーです。

もう随分前の話になりますが、スターバックスがサントリーとコラボレーションしてチルド・コーヒー(シアトル・ラテ)を発売した時のことです。当然、同業他者からもチルド・コーヒーはリリースされていましたが、メチャクチャ売れたのはスタバのチルドだけだったように記憶しています(コンキチの主観に基づきます)。

でこの時(2005年の秋)、コンキチは自主的にスタバ、タリーズ、ドトールのチルド・コーヒーを飲み比べてみたのですが、そのメモを以下に記します(いち消費者としての感想です)↓

entry 1 スタバ Seattle Latte
-RATING-★★★★★
とってもクリーミー。ロースト感も充実の香味です。甘味も(コンキチ的には)ちょうどいい幹感じで、家庭でスタバを楽しめますよ!!!
Seattle Latte Data
無脂乳固形分 5.2%
乳脂肪分 3.6%
原材料名/ 生乳(50%未満), 乳製品(クリーム等), 砂糖, コーヒー, 香料, カゼインNa, pH調整剤, 乳化剤
栄養成分 1本(200ml)あたり
エネルギー 150 kcal, たんぱく質 5.0 g
脂質 8.0 g, 炭水化物 16.6 g
ナトリウム 60 mg

entry 2 タリーズ Full City Roast latte
-RATING-★★★☆☆
旨いんですが、ミルクのクリーミーな感じがやや淡白か?甘さはやや控えめの感。ロースト感はまあまあ。フィニッシュに酸味残るよう。
Full City Roast latte DATA
無脂乳固形分 5.4%
乳脂肪分 2.3%
原材料名/ 牛乳、コーヒー、砂糖
栄養成分 1本(200ml)当たり
エネルギー 128 kcal, たんぱく質 5.0 g
脂質 5.4 g, 炭水化物 14.5 g
ナトリウム 58 mg, カルシウム 150 mg

entry 3 ドトール Cafe au Lait
-RATING-★☆☆☆☆
コーヒー牛乳の域を出していない感があるか?
こんな感じです。
スタバやタリーズに較べて、なんか味が垢抜けてない感じがするんですよねえ。
セブンイレブンのロゴが付いているので、セブンと共同開発かなと思うのですが、(コンキチ的には)チョット期待はずれでした。
Cafe au Lait DATA
無脂乳固形分 4.2%
乳脂肪分 1.8%
原材料名/ 生乳(50%以上)、 コーヒー, 砂糖
栄養成分 1本(200ml)当たり
エネルギー 109 kcal, たんぱく質 3.7 g
脂質 3.7 g, 炭水化物 15.2 g
ナトリウム 50 mg, カルシウム 100 mg

entry 4 ドトール 炭火カフェ・オレ
-RATING-★★☆☆☆
チョットやぼったいコゲた匂い(roast臭)。ねっとりとした粘度を感じさせる蝕感。ロースト感ある程度ある。甘さが安っぽいか?フィニッシュに薬品臭。
ちょっと、イマイチなんですよねえ(スタバ、タリーズに較べて)。ドトール好きなヒトすみません。個人的嗜好ですから。
炭火カフェ・オレ 備長炭使用DATA
無脂乳固形分 4.3%
乳脂肪分 1.8%
原材料名/ 生乳(50%以上)、 コーヒー, 砂糖
栄養成分 1本(200ml)当たり
エネルギー 114 kcal, たんぱく質 3.8 g
脂質 3.9 g, 炭水化物 16.0 g
ナトリウム 44 mg

上記4本中香料が入っているのはスタバだけ。他の商品は香料不使用。でも、(コンキチ的に)味が一番良かったのはスタバのチルド。そして、バカ売れしたのもスタバのチルド(数量を実際に調べたわけじゃないけど)。

次にその後発売された2本のチルドもみてみましょうか↓

entry 5 スタバ Espresso Milano
-RATING-★★★★☆
ミルクの香味も良いです。bitter感も良く出ておりfinishの舌触りというか感触が、ココアライクで好きですね。全体的に完成度の高いチルドといえると思います。
Espresso Milano DATA
無脂乳固形分/ 2.7%
乳脂肪分/ 1.5%
原材料名/ 生乳(50%未満)、コーヒー、砂糖、乳製品(クリーム等)、香料、カゼインNa、pH調整材、乳化剤






entry 6 Honey latte
-RATING-★★★★☆
クリーミー感が良く出ていてGOODです。なかなかの完成度。薬品臭さも殆どなく、ほどよいロースト感と甘味がいい感じのハーモニーです。ただ、信玄もちのきな粉+蜜様の独特の粗野な香味が鼻につきます(このへんはマイナス)。
Honey latte DATA
無脂乳固形分/ 5.0%
乳脂肪分/ 2.3%
原材料名/ 生乳(50%以上)、コーヒー、砂糖、ハチミツ、クリーム、香料
200ml当たり栄養成分
エネルギー/ 140 kcal
たんぱく質/ 4.6 g
脂質/ 5.2 g
炭水化物/ 18.7 g
ナトリウム/ 52 mg
カルシウム/ 150 mg

タリーズのチルドは、香料を加えたことによって(かどうかは分かりませんが)、かなり味が改善されたようにう思います。まあ、なんだかんだ言って結局のところ、チルドコーヒーは本物ではないということなんだろうと思います。

超簡略化すると
A) スターバックス→本物っぽい偽物
B) 他社の香料不使用(生乳,コーヒー, 砂糖)→偽物っぽい本物ライクな商品
こんな感じでしょうか?

コンキチはA) スターバックスに1票を投じます


大前氏は、ビールは味じゃなくてマーケティングでシェアが決定される的なことをおっしゃってます。こういうコモディティー商品の売れ行きは、販売チャネルとかブランド力(知名度)とかに多分に左右されると思いますが、あえてコンキチは「味」も主要要素の一つだと言いたいですね。

あと、久々にチルドコーヒーの新製品も試してみようかな。

以上、二流大出の弱小研究員の独断と偏見に基づくメモでした。