2020年1月13日月曜日

Raumen_Colle (ラーメンコレ) (7)

ども、相変わらずラーメン大好きコンキチです。ボクは基本、「スープまで全部飲む派」なので、健康のためにラーメンの摂取は出来るだけ二週間に一回程度に抑えてます(毎食ラーメンなんて自殺行為だぜ)。

過去のメモはこちら↓

entries 1-5 → Raumen_Colle (ラーメンコレ) (1)
entries 6-10 → Raumen_Colle (ラーメンコレ) (2)
entries 11-15 → Raumen_Colle (ラーメンコレ) (3)
entries 16-20 → Raumen_Colle (ラーメンコレ) (4)
entries 21-25 → Raumen_Colle (ラーメンコレ ) (5)
entries 26-30 → Raumen_Colle (ラーメンコレ) (6)

ハイ、それでは、増税前に、新たに開拓したショップをメモっていきます(増税前の情報です)↓

entry 31   十八番 (西浅草)

かっぱ橋道具街近くに立地する、2020年で創業56年目という老舗町中華のお店です。

住所:台東区西浅草2-18-7

-ニラソバ (増税前で700 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
オイリーさを伴った中華スープの濃厚な香りがグー。味も濃厚だけど、中華スープ系なのでくどさは感じない。オイル・リッチと焦げた醤油の香味で重層感アップ↑
麺は細麺のほぼストレート(ほんのりウェーブ)。軟らかくてコシはないけど、プツッとした歯切れの良さがあって、小麦の旨味も感じる。スープを啜るのにベストな麺。
当然、麺とスープの相性はベストマッチ。
具はシンプルにニラと豚肉で、普通に美味しい。そして、ニラリッチなのが嬉しい。それから、豚の脂がいい味出してます。
ちなみに、ニラは一束近く使っているらしいです(まさにニラリッチ)。
(see https://www.gnavi.co.jp/dressing/article/20887/)

-ウーロンハイ (増税前で450 JPY)-
-REVIEW-
お通しのザーサイ付き。
ザーサイはコリコリした食感(普通ですね)。塩味辛めでお酒がすすみます。









entry 32   銀座 篝 Echika池袋店 (池袋)

本店(銀座)は、ミシュランガイドのビブグルマンを2016年度版、2017年度版と二年連続獲得しています。

住所:豊島区西池袋3-28-14 エチカ池袋

-鶏白湯SOBA (増税前で950 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
まずはトップに戴いた三つ葉(なんじゃないかなと思う)のフレッシュで清々しい爽やかな香りに心が浮き立ちます
スープを一口含むと、驚きのデリシャス感!濃厚でコク深い鶏白湯スープは上品でマイルド&クリーミーで、とってもリッチな気分に浸れます。少し粘度を感じるけど、重さは全くなくって、サラッと飲めて、洋風テイストでとってもあっさりしています。まさに、極上のポタージュ。
麺は中細のほぼストレート。軟らかいタッチで適度にモチッとした弾力があり、ほどよくツルッとした食感。そして、穏やかな旨味を感じる。全てにおいてハイレヴェルな中庸を具現化したような麺は、過度な自己主張をすることなく、極上の鶏白湯スープの旨味を最大限に引き出せるように見事に仕上がっている。
具は、三つ葉、南瓜、蕪、ヤングコーン、葱、ミニトマト、筍、鶏チャーシューと綺麗に洋風にまとまっている。
鶏チャーシューは大人し(上品)すぎて、ちょっともの足りない。軟らかいんだけど、少しパサついていて、やや気の抜けた味(胸肉だろうか)。
ミニトマトは加熱されて程よく活性化していて、フレッシュ、ジューシー、スイートでとっても美味しい。
それから、一緒についてくる薬味(国産生生姜、フライド・オニオン)やテーブルに常備されている調味料(原了郭の黒七味、有機玄米酢)を加えて味変を試してみました。
完成度の高いスープに意外にも生生姜がよく合う。スープの綺麗な清涼感が付与されてパワーアップ!
フライド・オニオンもよく合う。少し焦げた香味がスープに奥行きを与えます。
黒七味は「悪くないけど」っていう感じ。
お酢は、控えめに加えたつもりだったけど、かなり香味がきつくて、折角の完成度の高いスープを台無しにしてしまった(もっと少量だったら良かったかも)。
見た目もお洒落、味もお洒落なラーメンで、久々に夢中になて啜ってしまいました。
あと、やっぱりスープに相当なこだわりがあるみたいで、国産丸鶏・鶏ガラの大量使用と、数種類の天然塩に魚介などを合わせた「塩のかえし」がウリのようです。


entry 33   たいめいけん (日本橋)

あの伊丹十三監督の映画「タンポポ」にも登場し、女子高生ラーメン漫画の雄「ラーメン大好き小泉さん」や、孤独のグルメの原作者の久住昌之さんの別漫画「食の軍師」にも登場した日本橋の老舗洋食店「たいめいけん」のラーメンです。

「ラーメン大好き小泉さん」に習って道路に面したラーメンコーナーでラーメンを頂こうかと思ったんだけど、真冬真っ只中の寒さに負けて店内でいただきました(優しい店員さにも、「中で食べれますよ」と言われて、背中を押されました)。

住所:中央区日本橋1-12-10
https://www.taimeiken.co.jp

-ラーメン (増税前で750 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
スープが旨い!奥行きのあるあっさり醤油のスープは、お出汁リッチで滋味深くマイルド。澄んだ味わいで高度に洗練された昔懐かしいラーメンスープに仕上がっていて、キリッとした締まった醤油テイストを少々感いる。
中細でほぼストレートの麺は殆どというか全くコシが無く、パンチも皆無。それでも、まずくはなくって、味自体は意外といいかも。つまり、スープを啜る(楽しむ)のに適している系の麺だと思う。
実際、スープ特化系のラーメンに仕上がっていて、麺がスープを持ってくる感じ"大"です。
具は、チャーシュー、メンマ、キヌサヤ、葱、海苔。
特筆すべきはペラッペラのチャーシュー。筋肉質で弾力と伸縮性に富み、フレーバーもリッチで肉の味を楽しめるタイプ(ペラッペラだけど)。
たまに無性に食べたくなる、肩の力の抜けたラーメン。


entry 34   松戸中華そば 富田食堂 (松戸)

あの松戸シティーの宝「中華そば とみ田」が展開するラーメン店で、本店の近くにあります。ちなみにオレは本店には行ったことないです(店の前を通ったことはあるけど)。


住所:松戸市松戸1239-1 関根ビル1F
https://www.tomita-cocoro.jp/tomita_shokudo.html

-中華そば (醤油) (増税前で820 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
オイリーで甘い香りのスープ。お出汁の旨味リッチで、柔らかいタッチの優しい味。
麺は細麺ストレート。軟らかく嫌味の無いスープを引き立てる系の麺で普通に美味しい。
ボク的にはスープメインのラーメンと感じたです。件のスープは昔懐かしい系のノスタルジーを纏いながら、素朴っていうわけではなく味に膨らみを感じる。
具は、葱、メンマ、チャーシュー。メンマは優しい甘さで絶妙な噛み心地。そして、チャーシューが素晴らしい。肉と脂が絶妙なバランス。軟らかく、噛み心地も存分に楽しめる仕様で、臭みが全く無くって旨さだけが伝わってくる。
一言で言うと、かなり洗練された、進化した昔ながらの醤油ラーメン。
素材情報
スープ:鹿児島県産 黒さつま鶏 黒王、宮崎県産 黒岩土鶏、熊本県産 天草大王、岡山県産 山水地鶏、奈良県産 大和肉鶏を使用。
小麦粉:北海道産『春よ恋』特等粉、中華蕎麦とみ田専用粉『跳粘』使用・
醤油(中華そば醤油のかえし:茨城県産 国産丸大豆二年熟成木桶生醤油、和歌山県 天然醸造三年熟成木桶生醤油使用
チャーシュー(デフォルト):アンデス高原豚大判バラロール煮豚


entry 35   ラーメン屋 トイ・ボックス (三ノ輪)

2014年にオープン。アド街でも紹介された人気店。店内にはロックンビリーS1の嶋崎慎一さんとご主人(山上 貴典さん)のツーショット写真が飾ってあります(嶋崎さんのお弟子さん筋らしいです)。そして、ミシュラン ビブグルマンに2015年-2020年の6年連続で掲載されたらしいです。
会津地鶏や名古屋コーチンなど5種類の鶏と水だけで6時間炊いたスープがウリ(こだわり)のようです。そして、スープと合わせるのは7種類の醤油。チャーシューはガリシア栗豚だとか(餌に栗を多く与え甘くあっさりとした味が特徴)。
住所:荒川区東日暮里1-1-3
https://toybox20131215.web.fc2.com/index.htm

-醤油ラーメン (増税前で800 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
優しいお醤油の香り立つスープはとっても綺麗な味で、澄み切っている。そのスープの表面には結構な量の油が浮かべられていて、澄んだ味とoilyさのコントラストが面白い(ボクは結構好き)。
麺は細麺で平打ちがかったストレート。軟らかく、自己主張は少ないが美味しい味だけど、素麺・冷麦ライク。
具は、チャーシュー、メンマ、葱。チャーシューは硬めの肉々しい感じrichで、(局所的)に生姜の香味。
メンマの食感が絶妙で、口の中で解ける感覚が最高に心地いい。薄味ながら上品で綺麗な味は、繊細なスープを意識してのことなのか?
スープの出来は最高。但し、洗練され過ぎているきらいがあることに加えて、麺に"拉麺感"が乏しく物足りない。無理して洗練され過ぎたラーメン食べるより、老舗の蕎麦食べればいんじゃね?っていう物足りなさを覚えます。


それにつけても、ラーメンってホントにいいものですね、塩分と脂肪分リッチで。塩と脂肪は実質合法ドラッグなので、なによりです。

つづく.....


2020年1月6日月曜日

もっと、交換反応 (8) : 核酸医薬のためのトランスグリコシル化反応

増税前の暑い時季に日比谷公園でお昼を食べたときのメモです。

-日比谷松本楼 memo-

住所:千代田区日比谷公園1-2
http://www.matsumotoro.co.jp

-Afterdark (アフターダーク) (増税前で700 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
SPRING VALLEY BREWERY
TYPE: BLACK LAGER
ALC. 6.0%
深くローストされたことに伴うであろう香ばしく甘い香りと、麹様の香り、コーヒー様の香りがする。
味わいは、深いロースト感、強い甘み、アーシー(earthy)とスーパーフルボディー。凄く濃厚だけど、爽やかさを覚える不思議な味。
ヤヴァイくらい美味しいです。

-オムレツライス 2色のソース (増税前で1,500 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
4種類のソースから2種類のソースを選んで食べるオムライス。
ソースの種類は、
 ハヤシソース
 海老と帆立のトマトソース
 きのこのクリームソース
 カレーソース
の四種。
そしてボクがセレクトしたのは「ハヤシソース」と「海老と帆立のトマトソース」の二種。
オムライスの玉子は、フワフワ、トロトロで透明感のある綺麗な香味で純度の高さを感じさせる。
内部のチキンライスは優しい味付けで、穏やかな旨さ。口の中でハラハラと解けていく食感が心地いい。
トマトソースは魚介エキスふんだんで、滋味深くマイルドに濃厚。僅かに粒子感のある激旨ソースに仕上がっている。プリッとした海老と、柔らかく仕上がった帆立も美味しい。
ハヤシソースも、トマトソースに負けず劣らず極上の出来栄え。ディープなコクで濃厚だけど、重さを全く感じることなく、そのままグビグビ飲んでも良いレベル。具材のお肉は適度な弾力とがあって、歯を入れると繊維が心地よく解れていく。そして、やんわり香るビーフの獣フレーバーが食欲をそそる。マッシュルームもハヤシソースと合い過ぎるくらい鉄板の相性。
どちらのソースもオムライスにベストマッチで、それぞれのソースと玉子、チキンライスの相乗効果で旨さ爆発です。一皿で二味楽しめるのも嬉しいです。


閑話休題


これまでにメモした交換反応系の話です↓

(1) ZnTAC24 : Environmentally Friendly and Unique Transesterification
(2) もっと、交換反応 : NaOMe最強伝説
(3) もっと、交換反応 (2) : アセタールをつけたり、とったり
(4) またまた交換反応:今度はオニウム塩が主役

今回読んだ文献はこちら↓

Synthetic Method for 2′-Amino-LNA Bearing Any of the Four Nucleobases via a Transglycosylation Reaction
Org. Lett., 2018, 20, 1928-1931.

最近くどいくらいにメモしてきたエステルとかアミドの交換反応とは毛色が違い、今回のお題はトランスグリコシル化反応です。

エーザイの報告で、大阪大学の小比賀先生との共同研究の一環で行った核酸医薬(人工核酸)関連の合成研究だと思います(ちなみにボクは、核酸医薬はさっぱり分かりません)。

小比賀先生のグループではアンチセンス核酸をターゲットとした人工核酸の研究を行っていて、核酸の糖部の2'位の酸素原子と4'位の窒素原子をメチレン鎖で架橋することで、コンホーメーションを完全にN型に固定した2',4'-bridged nucleic acid (2',4'-BNA)もしくはlocked nucleic acid (LNA)と呼ばれる架橋型人工核酸(2',4'-BNA/LNA)の設計・開発を行っています。

核酸の糖部フラノース環は、一般に二重鎖RNAではN型と呼ばれるコンホーメーションに偏っているそうで、最初からN型に固定された架橋型人工核酸を使えば、二重鎖形成時のエントロピー損失を抑制(コンホーメーションのゆらぎを固定)することで、二重鎖の安定化が期待できるそうです。実際、小比賀先生らの開発した2',4'-BNA/LNAは、対応する天然のオリゴヌクレオチドに比べて10万倍安定な二重鎖を形成するようです。

ところで、核酸ってどうやって合成すんの?ってことなんですが、ボクは核酸スーパー素人級なので、はっきり言ってよく分かりませんが、ホスホロアミダイト法でつくっているようです↓

Tetrahedron Lett., 1997, 38, 8735-8738.; Tetrahedron Lett., 1998, 39, 5401-5404.
see
(1) DNA Oligonucleotide Synthesis
(2) 核酸医薬合成基礎講座 「第3回 オリゴヌクレオチド合成におけるカップリング反応」

まぁ、こんな感じで人工核酸が合成できるとして、小比賀先生らは核酸の糖部のモディファイを行っているわけですが、そのバリエーションはこんな感じです↓


そして、今回の交換反応の主役はGuNA(グーナー)です。

GuNAは架橋部分にグアニジノ基を有しています。何故グアニジノ基?というと、その静電的相互作用によりより安定な二重鎖形成を狙っているのだそうです。
そして当初、GuNAは次に示すSchemeで合成されました↓

Synthesis of GuNA monomer and phosohoramidite
Chem. Commun., 2014, 50, 575-577.

一般的にアデニンやグアニンなどのプリン塩基を有する人工核酸の合成は難易度が高いそうで、A, G, C, Tそれぞれの誘導体合成は個別の合成経路で行われることが多いみたいですが、エーザイの研究員の人たちの叡智の結晶の結果、GuNAに関しては2'-Amino-LNA-Tを共通中間体として、そのトランスグリコシル化反応により4塩基誘導体(A, G, C, T)を効率的に合成できましたよというのが本報の内容です。次、その結果です↓

まずは、トランスグリコシル化反応の起点となる2'-Amino-LNA-Tの合成です。

Synthesis of 2'-Amino LNA-T

そして、2'-Amino-LNA-TからGuNA誘導体(この場合は、GuNA[NMe])への合成はこんな感じに合成されます↓

Org. Biomol. Chem.201816, 6531-6536.

そして、本題のトランスグリコシル化反応です。保護基を変えた二種類のグリコシルドナーを用いて検討しています↓

Transglycosylation Reaction from 2'-Amino LNA-T to A, G and mC

なかなかエクセレントと思います。

ただ、ここで残念なお知らせがあります。このトランスグリコシル化反応ですが、架橋部位の窒素原子がアシル化されると反応が全く進行しなくなります。


この論文には書いてないけど、架橋部位のヘテロ原子が酸素の2',4'-BNA/LNAでもトランスグリコシル化反応は起こらないそうです。つまるところこの反応は、制約と誓約によって手に入れた(ハンタ読みすぎ)、GuNA前駆体限定の反応のようです。

ちょっとガッカリ感がデカイですが、それでも、よくこの交換反応探したよね、収率もいい感じだし(拍手です)。

もし、もっとオールマイティなトランスグリコシル化反応を開発した人がいたら教えて下さいと思う、国内二流大出のテクニシャン(研究補助員)の交換反応メモでした。


2020年1月4日土曜日

孤独のグルメ聖地巡礼 in 渋谷 (道玄坂):皿うどんが好きだから

ども、皿うどん大好き少年中年にして、渋谷はちょっと苦手なコンキチです。ここ最近、観劇(シアターコクーン)のために渋谷にいく機会が増えました。そんなわけで、道玄坂にある長崎飯店 渋谷店にいったときの孤独のグルメ聖地巡礼メモです。

住所:渋谷区道玄坂2-10-2 新大宗ビル3号館

このお店は店名そのままに長崎ちゃんぽんと長崎皿うどんが有名なお店で、孤独のグルメSeason 6の第7話「東京都渋谷区道玄坂の皿うどんと春巻き」で五郎さんが訪れた店です。

五郎さん(松重さん)が食べた【五郎'sセレクション】は、
【皿うどん(軟(やわ)麺)】(あぁ極上の麺と餡 仲を取り持つ海の幸)と
【春巻】(パリッパリッ その歯ざわりの心地よさ)
【特上ちゃんぽん(麺少なめ)】(特上の名はダテじゃない ごちゃごちゃ言わずに食うてみんね)

で、

ふらっとQUSUMIのコーナーで原作者の久住さんが食べたのは、
【一番搾り】
【皿うどん(硬麺)】
【辛子クラゲとキューリ】
【イカの唐揚】

でした。

そして、ボクが複数回の訪問でセレクトしたのは、定番のちゃんぽんと皿うどんです(アルコールも込みで)。以下、メモです。

-紹興酒「5年」1合ビン (増税前で980 JPY)-
-REVIEW-
銘柄は「紹興酒 塔牌 花彫 (陳5年)で、温っためてもらいました。はっきり言って、プライシングはかなり強気です。

-皿うどん (硬麺) (増税前で930 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
「お店で揚げました感」たっぷりの細麺揚げそばは、香ばしいさに加えて、フレッシュさを感じる。餡は甘めで、マイルド・テイスト。具は、キャベツ、もやし、豚肉、イカ、木耳、アサリ(けっこうふんだん)、牡蠣(一片)。このときのキャベツは出来が悪かったのか、ゴワゴワした食感で残念でした。ふんだんに入っているアサリの効果なのか、かなりの海鮮テイスト。それから、小片が一個だけしか入ってないけど、牡蠣が滋味深くて良かったです。
それでも、デフォルトの状態だと少し物足りない感じ。なので、ここからテーブルに常備されている調味料を使ってカスタマイズしていきます。カラシは少し酸味があってウェット感たっぷりで、このカラシが甘めの餡とよく合う。皿うどんに定番のお酢は鉄板の相性の良さ。
ここで、ふと壁に目を向けたら、久住さんの色紙が飾ってあって、「皿うどんに金蝶ソースたらしてサイコー!」のお言葉。早速それに習って試してみると、本当にサイコー!でした。金蝶ソースは独特のスパイシーさと、ちょっとクセのある辛めのソースで、皿うどんの餡との至高のマリアージュが楽しめます(独特のクセがなんとも堪りません)。
この皿うどんは、育てて食べるものだね。それから、甘めの餡は軟麺の方が合うと思いました。


-皿うどん (軟麺) (増税前のランチプライスで880 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
まずはフィッシーな香りが一閃。麺は適度に軟らかく、焦げ目が付いていて、焦げの部分がちょっと硬くなっていて、それが良いアクセント。そして、焦げたフレーバーがとっても香ばしいぞ!甘めの味付けの餡掛けが軟麺にとっても良く合う(ベストマッチ!)。
具は、キャベツ、もやし、豚肉、イカゲソ、アサリ、木耳、カマボコ。イカゲソは張りのある弾力に富んだ食感で風味も強い。たっぷりのキャベツも普通に美味しい。
テーブルには、カラシ、酢、金蝶ソース(ウスターソース)が用意されていて、カラシと金蝶ソースとの相性は最良!
酢は合わない。皿うどん(硬麺)とお酢の相性は良かったので、軟麺と酢の相性が悪いんだと思う。
甘めの味付けが軟麺に合いすぎて滅茶苦茶美味しいです。

-ビール 中瓶 (増税前670 JPY)-
-REVIEW-
一番搾りです。だいぶ高めのプライシングなのね。

-ちゃんぽん (増税前で930 JPY)-
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW-
魚介の香りが濃厚(これは素敵)。そして、スープがかなり甘い。真剣にけっこう甘い。
麺は芯まで茹で上がっていて、コシが全くなくてフニャフニャ。この麺のせいで全てが台無し。
具は、キャベツ、もやし、イカゲソ、アサリ、木耳、カマボコ。
二十数年くらい前のリンガーハットのちゃんぽんの方が断然うまかったと思いました。


麺は本場長崎から直送しているそうで、ママさん(村中 敏子さん)曰く「本場(のちゃんぽん)もダメ」="自分のとこのちゃんぽんが一番"という凄い自信でした(残念ながら、ボクの口には合わなかったけど)。
それから、長崎飯店は高田馬場と虎ノ門にもあって、高田馬場駅前店が一番古いらしいです(麹町店は既に閉店 see https://www.bizcompass.jp/original/re-life-016-26.html)。

とりあえず、長崎飯店に行ったら、

皿うどん (軟麺)、一択

と思う、渋谷はちょっと苦手な皿うどん大好き少年中年の、孤独のグルメ聖地巡礼メモでした。


2020年1月3日金曜日

もっと、交換反応 (7):LiHMDSだって交換反応できるんだからっ!

増税前の寒い時季に(2017年だったりします)、鮟鱇とか牡蠣とかを食べに行ったときのメモです↓

-市場食堂 さかなや memo-
足立区千住4-11-6

-お通し (500 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
海老の素揚げ、(多分)つぶ貝、(多分)ふぐ皮の煮凝りの三品で、かなり豪華なお通し。
どれも上品な仕上がりでとっても美味しい。
海老の素上げは、塩加減がいい塩梅で。サクッと揚がっていて、海老自身の旨味が濃厚。
(多分)つぶ貝は、一個まるごとでしっとりとした味付け。食感も良し。
煮凝りは冷えているので、少し常温で放置してから食べると、口の中で秀逸かつ絶妙な感触で溶けてゆく。あと、薬味のからしは必要ないかな。
このお通しとお酒(日本酒)だけで、おなかいっぱい(大満足)になれるね。

-「ひれ酒」(とらふぐ) (900 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
普通に美味しい。








-揚げ銀杏 (600 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
ツヤツヤに揚がった銀杏は、塩味控えめで、纏った油はうっすら。ボク的にはもう少し塩味が効いていてもいいと思うけど、銀杏のフレッシュさと滋味が存分に味わえます。





-余市産あんこう唐揚げ (800 JPY + tax)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
(いせ源やひもの屋のように)整えられた唐揚げではなくって、鮟鱇の色々な部位のざっくりした切り身を揚げたワイルド系唐揚げ。全体的に骨が多くて、はっきり言って、滅茶苦茶食べ難い。"整えられた"部位(弾力があって、身が繊維状にほぐれる部位)はとっても旨いけど(一番旨いと思う)、他の部位は、正直、ゲテモノちっくな感じ。例えば、茸の傘のような形状の部位は、タコのような弾力に富んでいてなかなか噛みきれず、淡白。あと、プリュンプリュンなエキゾチックな部位もある。鮟鱇のいろんな部位を知るという意味では、とっても勉強になる一品だけど、トータルな満足感は少なめ。

-富乃ハイボール  (700 JPY + tax)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
富乃宝山のハイボール(炭酸水割り)。
上品なマスカット様の香りがふんわりと香る(これは秀逸)。"芋"らしいコクとメローな甘みがあって、フィニッシュに苦味がアンニュイな気分にさせてくれる。
富乃宝山の炭酸水との相性はそこそこ。

-真カキ産地食べ比べ (800 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
左が有明産(佐賀)、右が厚岸産(北海道)。
有明産:だいぶ丸みを帯びた形状。口に含むと皮のような張りのある食感で、歯を立てると皮が破れる感触がある。味がもの凄く濃厚で、ミルキー&クリーミー感がシュゴイ!
厚岸産:とっても瑞々しくて、ニュルンとした柔らかい食感。有明産と較べてスレンダーな味わいで、フレッシュが半端ない。
有明、厚岸のどちらも大粒で、とっても美味しい!!!それで、両者の味が全然違うのが面白い、これは是非とも味わうべき一品。はっきり言って、ボクの中で牡蠣の概念が変わりました。

-たきたて!天然真鯛飯 (700 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
優しいお出汁の香味が最高にグッド!(重複表現)。鯛の濃密ないい匂いが猛烈に食欲をそそる。鯛の身の淡白な滋味深さと、しっとりしつつハフハフにほぐれる食感が最高に美味しくて、最高に心地いい。
「たきたて!」を謳ってるけど、注文から提供までの時間を考えると炊きたてじゃないと思う(一緒に注文した牡蠣よりだいぶ早く提供されたし)。
あと、ご飯は、悪くわないけど、立ってて固めの方が好みかな。

-いちご酎 (800 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
「鳳凰美田」と「とちおとめ」を使った焼酎カクテル。on the rocksで頂く。色合いは綺麗なピンクに乳濁している。芳醇な苺のフレーバーと、締まった上品な甘さが完全に焼酎に溶け込んで調和している。そして以外にも、ご飯(鯛飯)にも牡蠣にも合う。
最高にリッチな気分になれます。


閑話休題


これまで交換反応系の話を幾つかメモしてきました↓(最近の枕詞)

(1) ZnTAC24 : Environmentally Friendly and Unique Transesterification
(2) もっと、交換反応 : NaOMe最強伝説
(3) もっと、交換反応 (2) : アセタールをつけたり、とったり
(4) またまた交換反応:今度はオニウム塩が主役
そして今回もまた、しつこく、しつこく交換反応のメモを書きます。
読んだ文献はこちら↓

Highly selective transition-metal-free transamination of amides and amidation of esters at room temperature
Nat. Commun., 2018, 9, 4165.

(また)Szostak等の報告で、オープンアクセスです。

今回のお題は、

アミド→アミド (transamination)
エステル→アミド (amidation of esters)

です。

ということで、まずは先行研究例です↓


古典的な合成法は条件がキツかったり、二級アミドには適用が難しかったり、求核性の小さいアリールアミンとの交換反応は難しかったりするといいます。

また、近年進歩の著しい遷移金属を使った方法は、遷移金属を使ってる時点でいろいろと改善の余地があり(枕詞)、条件が厳しかったり、基質一般性に乏しいという問題があるようです。

遷移金属フリー(枕詞)で、もっとマイルドに、もっと一般性の高い反応をということで、著者らが見出した反応条件がこちら↓

This work

ここ最近メモしてきたアミドの活性化法と同様に、アミド周りを嵩高くしています。
マイルドかつ簡便な反応条件で、基質一般性も高そうです。さらに、ボクが工業ユース最強溶媒と認定しているトルエンを使用しているのにも好感が持てます(安くて安定)。

まず、アミド→アミド (transamination)からみていきましょう↓

Transamination of amides
24 examples, 62-98% yield

ench-top set-upでオッケーです。遷移金属を使ったクロスカップリングでは、Boc基のが切断されてしまうという副反応が問題となるそうですが、本報では観察されません。

著者らは塩基の検討をしていて、KOtBu, NaHMDS, n-BuLi, KHMDSを試していますが、LiHMDSがベストでした(ある種のケースではNaHMDSが良好な場合もある)。また、この反応は基質濃度にセンシティブなのだそうです。

求核剤の電子状態に関わらず円滑に反応が進行し、立体障害の大きいアニリンでも高収率です。

さらに、クロスカップリングでは合成が難しい基質(エステル、ハライド、ヘテロサイクル、強力に電子不足なアレーンなど)でもイケイケなところがウリです。


Transamination of N,N-Boc2 amides
18 examples, 74-98% yield

N,N-Boc2アミドもN-Boc,N-Phアミドと同様の広い基質一般性を示します。これで、一級アミドと二級アミドからのアミド交換達成です。それにつけても、Bocってしゅごいです。

Transamination of various amides

アミドの窒素周りの置換基を変えた検討結果ですが、けっこう色んな置換基でイケていて素敵です。

お次は、エステル→アミド (amidation of esters)の反応です。

Amidation of esters
24 examples, 72-98% yield

やはりこちらも基質一般性が広く、総じて高収率です。

そして、光学活性なプロリンから誘導された基質を使った例では、光学純度の低下は観察されません。

One-pot amide N-activation/amidation

ワンポットでもイケイケ。


以下、競争反応した場合の選択性です↓

Intermolecular competition : anilines



Intermolecular competition : amides and esters



Intermolecular competition : amides vs. esters


Intermolecular competition : amines


これらの競争反応の結果(選択性)から、アミンの脱プロトン化から反応がはじまることが示唆されます。


それにつけても、アミド交換なんてやり尽くされた感のあるトランスフォーメーションだけど、まだまだ探索の余地があったことに驚きです。しかも、古典的かつマイルドな反応条件で。
(ひょっとしたら、企業では当たり前の常識で、その情報を公開してないだけなのかもだけど)


ところで、金属アミドだと「リチウムヘキサメチルジシラジド」で、フリーのアミンだと「ヘキサメチルジシラザン」なわけだけど、どっちも「ジシラザン」って言う人が多いよねと思う、国内二流大出のテクニシャン(研究補助員)の交換反応メモでした。