2022年12月31日土曜日

Soba_Colle 10 (ソバコレ 10)

ども、お蕎麦大好きコンキチです。
2022年も本日を残すばかり。年越しそばを食した方、これから予定している方も多いのではないかと思います。
ボクは蕎麦好きを自認してますが、混んでるのと並ぶのが嫌いなので、年越し蕎麦は"日清✖︎神田まつや"の鶏南ばんそばを楽しんでいます。


ボクの中ではベストかつ数少ない胃もたれしないカップ麺です。
これ、ホント美味しいんですよ。家で食べながらリアルに年越しできるし。


閑話休題


ハイ、お蕎麦のメモです。
過去のREVIEWはこちら↓



それでは、コロナ禍も社会的に克服したようなので、調子にのって新たに攻めた蕎麦ショップのメモを綴っていきましょう↓


ENTRY 91   そばよし 日本橋店 (室町) (visited Jun. 2022)-
住所:中央区日本橋本町1-1-7 本町山崎ビル 1F 

-かきあげそば (440 JPY)- 
-RATING- ★★★★★
-REVIEW- 
酸味が特徴的な甘汁からは鰹節様の香りが芳しく立ち昇る。軽やかで艶やか、かつ綺麗な味わいでとっても美味しい。 
蕎麦にはしっかりコシが残っていて喉越しがいい。蕎麦らしい香味にはいささか乏しいが、甘味を感じる。 
小海老、人参、玉葱、大葉(?)のかき揚げは普通に美味しい。天ぷららかツユへの油の移りで、味の奥行きアップ↑ 
兎に角、絶品のツユ。

久々の訪問だったんですが、鰹節の卸売問屋(中弥商店)直営なので、相変わらツユの旨さは秀逸でした。


ENTRY 92   駅そば大宮 (大宮駅) (visited Jun. 2022)
住所:さいたま市大宮区錦町630 大宮駅構内京浜ホーム 

-かき揚げそば (440 JPY)- 
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW- 
茹で麺で軟らかいんだけど、茹で麺なりに食感は頑張ってると思う。だけど、食べ飽きする。 
ツユはいい塩梅のお出汁とお醤油の濃度。自然な甘さで美味しい。 
かき揚げからは、清涼感のあるグリーンな香りが。

そばつよのお出汁は、屋久サバからとってるらしいです。
あと、佐野ラーメンがメニューにラインナップされてるのが有名。


ENTRY 93   駅そば 清流そば 立川5・6番線ホーム店 (立川駅) (visited Jun. 2022)-
住所:立川市曙町2-1-1 JR立川駅構内5・6番線ホーム 

-かき揚げそば (400 JPY)- 
-RATING- ★☆☆☆☆
-REVIEW- 
茹で置きの茹で麺。星が入っている。
茹で置きなのでハイスピード提供。 プツッとした歯切れの良さは評価に値する。
たた、食べ飽きする。これは、本質的に麺があまり美味くないからだと思う。 
ツユは僅かに酸味を伴い、お醤油の濃度がいい感じ。 
かき揚げの具材は、人参、葱、海老(少々)。衣がもっさりしていて、あまり美味くない。

運営はNRE(日本レストランエンタプライズ)で、おでんそばが名物らしいです。


ENTRY 94   いろり庵きらく (visited Jul. 2022)-

-かき揚げそば (460 JPY)- 
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW- 
茹で置きかな?少なくとも生麺の茹で立てとは思えない。 
軟らかめだけどフニャフニャではなく、嫌味はない。黒い小さな星が入っている。 
ツユは軽やかな甘さで、ちょい酸味。 
かき揚げの具材は、玉葱、人参、青菜でどってことない仕上がり。 
甘汁は悪くない。


ENTRY 95   松竹庵 (人形町) (visited Aug. 2020, Sep. 2022)-
住所:中央区日本橋1-15-5 柏原ビル1F 

-冷たいそば湯割 (500 JPY, visited Aug. 2020)- 
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW- 
トップに甘味のあるマイルドな味わい。 独特のまろやか感じでお、乙な味。 
お通しの漬物は田舎風味(辛め)。 





-天丼 (1,500 JPY, visited Aug. 2020)- 
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW- 
ちょい黒天丼めなフェイス。天たねは、海老2尾に茄子✖︎1。 
海老は、ちょいプリっとしていて身の締まった食感。衣はフワシャク。 
茄子は超薄衣で素揚げに近い感じ。油を必要十分に纏っていてとっても美味しい。 
真っ黒いタレは香ばしく甘じょっぱい香りがふんだんで、とっても食欲がそそられる。その色とは裏腹にあっさりした味。ご飯には丁度良い濃さだけど、肉厚の海老には物足りない。 
セットのおつゆはおすまし。

-キリン瓶ビール (650 JPY, visited Sep. 2022)- 
クラシックラガー。 

-かつ煮 (850 JPY, visited Sep. 2022)- 
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW- 
濃ゆいツユは甘味強く焦げフレーバー感じる。 
淡白でソリッドめのカツは、ちょい脂もある。
衣も普通に美味しいし、悪くない。 

-もり (700 JPY, visited Sep. 2022)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
蕎麦は角が立っていて、穀物の甘い香りがしっかりしているんだけど、咀嚼したときの感じる香味はそれほどでも(意外)。そして、僅かにパウダリー(powdery)。 
ツユは鰹節様の香味が特徴的で強いボディ。 蕎麦と一緒に啜ると、ツユの甘味が際立つ(この感覚は初めて)。 
山葵は甘味あり辛さが鼻に抜ける。

因みに、レシートはもらえません。


ENTRY 96   長浦蕎麦 (浅草) (visited Nov. 2022)-
住所:台東区浅草1-13-1

-サッポロ黒ラベル中ビン (750 JPY)- 

-天ぷら盛り合わせ (1,600 JPY)- 
-RATING- 
-REVIEW-
サクサクの薄衣で、香ばしい油の香り。 
どの天タネも何も付けずにそのまま食べて十分旨い。
海老は淡白でありつつ滋味深く食感(弾力)が最高に程よく、甲殻類の濃ゆい味が堪らない。 
茄子は油と相性抜群だし、蓮根とピーマンも本当に美味しい。
天つゆは上品な仕上がり。 

-妙興寺そば (1,500 JPY)-
-RATING- 
-REVIEW-
まず香ってくるのはトップに盛り付けられ海苔のいい匂い。 
そして、もちもちした弾力に富む細身の蕎麦からは濃厚なナッツの香味。咀嚼するほどに滲み出す甘味。オイリーな胡麻の香味がすると思ったら黒胡麻も仕込んである。さらに細切りの大根が蕎麦に絡められていて、そのシャキシャキした食感がアクセントとして極めて秀逸。蕎麦と大根のアンサンブルが最高に素晴らしい。 
ツユはあからさまに濁っていて、味噌様のフルボディな香味。味噌、酸、甘、辛の全てが濃密で、胡麻様の味わいも。 
ボディーの強い蕎麦✖︎ボディーの強いツユ✖︎大根のシャキシャキ感は異次元の体験で唯一無二にして空前絶後のヤヴァイ旨さ。

こちらも、レシートはもらえないです。


ENTRY 97   尾張屋 本店 (浅草) (visited Nov. 2022)-
住所:台東区浅草1-7-1 

-そばビール(小びん) お通し付 (900 JPY)- 
-RATING- 
-REVIEW-
世界初のそばの実で作ったビール(日本では発泡酒)。 
ノースダコタ産のそばの実を55%使い、オレゴン産2条種モルトやクリスタルモルトとホップで醸した逸品(原材料 そば・麦芽・ホップ 原産国 アメリカ)。 
アルトタイプのテイストで、スイート(sweet)、フルーティー(fruity)、ロースト(roast)。フィニッシュはビター(bitter)で、その余韻がとても深い。 
深いコクとキレが共存した素晴らしく旨いビールに仕上がっていると思いました。それから、ビールは泡が元気です。
それから、お通しのおつまみは蕎麦香味がする(と思う)お煎餅的スナックで、こちらもとっても美味しかったです。 

-そばみそ (600 JPY)- 
-RATING- 
-REVIEW-
もの凄く練り込んでいるためかどうか分かんないけど、とってもコシが強い(固い)。 
ポップめな深い甘味が特徴的で、スナックライクにとっても美味しい。 
蕎麦の実と白胡麻が練り込んであって、とてもいいですね。特に蕎麦の実を齧ったときに弾ける香味が香ばしくて香ばしくて最高です。 

-ゆずきり (1,300 JPY)- 
-RATING- 
-REVIEW-
色合いは少しくすんでいるけど、ちゃんと柚子の香味。ちょい穏やかで鼻につき過ぎなくていいかも。柑橘の甘みと苦味がいい感じに効いていて堪らない。 
蕎麦は軟らかくて気持ちいい咀嚼感。 
ツユは鰹節様の香りリッチ。甘味と辛味のバランスの良いしっかりした仕上がり。 
蕎麦をツユにつけて啜ると、柚子の香味と甘味がエンハンスされて口の中いっぱいに広がる。フィニッシュに苦味とその余韻が素晴らしいですね。
薬味の山葵は辛味が鼻に抜ける感じで、フィニッシュに苦味。


ENTRY 98   いわもとQ 浅草店 (visited Nov. 2022)-
住所:台東区雷門2-18-16 松島屋宗村ビル1F 

-かき揚げそば (510 JPY)- 
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
甘・辛・酸のバランスの整った甘汁は、軽やかかつ落ち着いた味わいで旨い。 
蕎麦はちょい軟めも、立ち食い蕎麦屋としては十分及第で普通に美味しい。 
かき揚げの具材は、人参、玉葱、葱だろうか。 揚げ置きで冷たくなっているけど、油はいい匂いで、軽やかに綺麗にサクッと揚がっていて美味しいです。 
プライシングはちょい高めか?

このお店(チェーン店)って、料理に興味のないお蕎麦ド素人の経営コンサルが始めたお店なんですね。
でも、チェーン店としはありえないくらい良い蕎麦粉を使ってるらしいです(実際、立ち食い
蕎麦屋としてはレベル高いと思います)。


ENTRY 99   蕎上人 (駒形) (vsited Dec. 2022)-
住所:台東区駒形2丁目7番3号 

-お酒 一合 (1,100 JPY)-
-RATING- 
-REVIEW-
燗(熱燗)をつけてもらう。
控えめな米の香り。柔らかい米の味わいが深い。 そして、やや果実味のある優しい甘味と酸味が五臓六腑に沁みる。 

-お通し-
-RATING- 
-REVIEW-
紅梅クラゲ。 
クラゲのシュアなコリコリした食感に梅の酸味がベストマッチです。 


-五色そば (1,980 JPY)-
-RATING
-REVIEW-
田舎、せいろ、茶きり、ゆずきり、しらゆきの五色。 
ツユは鰹節様の香味リッチ。甘辛のバランス良くコク深い。 
せいろは野趣的な穀物の香り強く、味も濃厚な穀物様で甘味もある。しなやかで程よい弾力。 
ゆずきりはシャープな柚子の香りが程よ立っていて、柚子がキツすぎない味わい。甘味が口の中に広がる。蕎麦が口の中で踊るような食感が堪らない。 
田舎はゴリゴリの歯触りで、咀嚼すると溶けるような感触。穏やかながら力強いボディを感じさせる甘味が特徴的。 
茶きりは深煎りの薫りが穏やかに漂って、締まった味わいで甘味が綺麗。 
真っ白なしらゆきは、ツユと山葵の味が際立つ。 
薬味の葱は軟らかくスライスされていてフワフワ。 山葵はシャープな辛さで、チョイ鄙びた感じ。 


超久しぶりの蕎上人。一茶庵系らしい変わり蕎麦が良いです。
美味しいんだけど、レシートは発行されず、クレジットカード利用は4,000円以上からです。


ENTRY 100   神田まつや (神田須田町) (visted Nov. 2022, Dec. 2022)-
住所:千代田区神田須田町1-13住所:千代田区神田須田町1-13

 
-御酒 (880 JPY)- 
燗をつけてもらって、そばみそを舐めながらお酒を啜る幸せ。
最高ですね。
生きてて良かったと心の底から思えます。







-焼鳥 (タレ) (990 JPY)-
-RATING- 
-REVIEW-
鶏の身はプルプルなんだけどダレた軟らかさではなく絶妙な食感。 
レモンとの相性は抜群。
優しい甘さのタレがとても美味しく、鶏の味を引き立てます。 

-なめこそば(温) (1,430 JPY)-
-RATING- 
-REVIEW-
お蕎麦はモチッとしなやか。 トップに戴いた柚子皮と青菜(三つ葉?)の香りは鮮烈で薬味として良い働きをしています。 
なめこがたっぷり。しかも、大振りで膨よかな食感。茸の高密度な香味が口腔いっぱいに広がる。 
なめこの下には海苔が仕込んであって、味の重層感がアップします。 
とても旨いね。 あと、柚子皮をそば湯に浮かべて飲むと、香りが移っていい感じです。

-焼鳥 (塩) (990 JPY)-
-RATING- 
-REVIEW-
鶏肉の味が良くわかって、旨味も引き立っている。特にレモン塩は抜群の相性。
からしプラスしても旨い。 
葱もふっくらしていて美味しいし、至高の焼鳥ですね。 

-冬至そば ゆずきり (1,760 JPY)-
-RATING-  
-REVIEW- 
柚子は控えめに効いていて、その嫌味の無い爽やかな清涼感が心地いい。 蕎麦は弾力に富むモチッとした食感。柚子が(例年より)控えめなせいか(そう感じた)、蕎麦の香味にも意識が行く(これは好み)。 山葵は鼻に抜ける辛味と爽やかな清涼感があって、柚子とのダブルな清涼感は本当に清々しい。 
ひとつだけ残念なのは、ちょっと水切りがあまいところか。 

-かつお酒盗 (550 JPY)- 
-RATING- 
-REVIEW- 
しいの食品の酒盗と酷似した味わい。 
トップにいただいた(多分)木の芽は、独特の和的スパイシーな香味を放っていて、とても良いです。


神田まつやの冬の風物詩である"ゆずきり"を喰わぬことには一年は終われません(しかも大盛り)。
今年も無事味わうことが出来て最高な一年でした(終わり良ければ全て良し)。
因みに、会計時に領収書が必要かどうか聞かれます。


それにつけても、お蕎麦って本当にいいもんですね。
来年もお腹いっぱいお蕎麦を食べたいです。

2022年12月29日木曜日

二本鎖DNAとNative Chemical Ligation (東京工業大学)

ども、抽出系のお酒大好きコンキチです。
ボクの言う"抽出系のお酒"とは、ふぐひれ酒とかの食材に熱燗を注いで、当該食材の香味をお酒に移したヤツで、他に岩魚の骨酒とかしらす酒(たたみいわし)とかがあります。
で、ひょんなこよから"かじか"の骨酒なるものがあることを知り、どうしても呑みたくなって、行ってきました。
メモです↓

-かりん (visited May 2022)-
住所:柏市豊四季198-38 

-骨酒(かじか) 二合 (1,250 JPY)- 
-追加 一合 (350 JPY)- 
-RATING- ★★★★★
-REVIEW- 
これは旨い! 焼いた魚の香味がしっかり酒に移っている。
ちっちゃくて可愛いかじかが一匹入っているだけなのに、ポテンシャル凄いね。
しかも、味わいが上品。コク深く上品。
仕上がりが美しい旨さ(流石につぎ酒では抽出量は大幅減)。 

-タイの塩辛 (400 JPY)- 
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW- 
塩辛なんで当たり前だけど、塩味が効いていて酒が進む。 
鯛わたの塩辛なのかな? 上品めな臭みがしっかり出ていて、白いご飯が欲しくなります。 





-串焼き レバ (180 JPY)- 
-RATING- ★★★★★
-REVIEW- 
これも凄いね。臭みは殆どなくて、味わいもピュアー感リッチ。
切り出した部位と火の当たりによって食感や味わいが変化するんだろうけど、ソフトな食感が楽しめる部分とか、レアっぽい感じを楽しめるところとか、メッチャクリーミーなところろかあって、凄く美味しい。
で、滋味深くピュアな味。ちょっと旨過ぎ。 
ちょい粗めの塩で味付けされていて、これがまた旨さを引き立てる。 

-串焼き ねぎま (180 JPY)- 
-RATING- ★★★★★
-REVIEW- 
こちらも塩味。
 変にプリプリしてなくて、しなやかな食感。で、味が濃い。
葱からはとってもいい甘い香味。 
まさに至福のひと串で、こちらも粗めの塩が肉の味わいを高めてる。塩と肉の相互作用。
塩の味をしっかり捉えることで、肉の旨味が増す。 

ちょっとこのお店、通いたいかもです。


閑話休題


「低分子合成しかできないからクビね」と言われないように、最近のトレンドをキャッチアップすべくオリゴ核酸合成の文献を読んでるわけですが、その流れでオリゴ核酸とペプチドの化学ライゲーションに関する論文を読んでみました↓

Oligodeoxynucleotides Modified with 2′‐O‐(Cysteinylaminobutyl)carbamoylethylribothymidine Residues for Native Chemical Ligation with Peptide at Internal Positions
Bioconjugate Chem., 2022, 33, 272-278.

東工大からの報告で、オリゴ核酸とペプチドのコンジュゲートのお話です。

オリゴ核酸-ペプチドコンジュゲートは、核酸医薬、バイオマテリアル、バイオテクノロジーなどの分野で用いられています。で、幾つかの合成法があると思うんですが、その一つにNative Chemical Ligation(NCL)法があります(see http://researcher-station.blogspot.com/2022/02/blog-post.html)。
NCLはペプチド間のフラグメンとカップリングにおいて最も歴史が古く、最も信頼性の高い手法で、これをオリゴ核酸とシステインペプチドの連結にも応用してたわけです。

因みに、これまでにNCL法を利用したオリゴ核酸とペプチドのコンジュゲート合成には次のような例が報告されています↓
J. Org. Chem., 2000, 65, 4900-4908.


J. Am. Chem. Soc., 2011, 133, 19068-19071.


Peptide Science, 2009, 94, 397-404.


Chem. Commun., 2020, 56, 5508-5511.

上記NCL法によるコンジュゲーションは全て一本鎖のオリゴ核酸で行われていますが、著者らは二本鎖のオリゴ核酸に二本のペプチド鎖を導入しています。しかも、末端修飾ではなく内部に複数です。この辺り(二本鎖への導入と、内部に複数導入)に新規性がありあるんだろうと思います。
それでは、具体的な手法をメモしていきましょう。

著者らはコンジュゲーションサイトとして5-メチルデオキシチミジンにリンカーを介してシステインを導入した核酸アミダイトを設計・合成しました↓

このカスタムアミダイトをホスホロアミダイト法によってオリゴ核酸のシーケンスの中腹に導入して、チオエステルユニットを末端に導入したペプチドとのNCLを敢行するのわけです。

まずは、一本鎖DNAに一本のペプチド鎖の導入です↓

結果はエクセレントに大成功です。

(この結果に気を良くしたであろう)著者らは次に一本鎖DNAの二箇所にペプチドの導入を試みます↓

二本のペプチド鎖の導入には成功したものの、著者らの目論見に反して分子内の二つのスルフヒドリル基が環状ジスルフィド結合を形成した化合物が主生成物となってしまいました(Too Bad)。
著者らは、鎖状構造のものが欲しかったんですね。

この結果は一本鎖DNAのフレキシブルな構造により反応点が接近したことにより生じたと思われます。そこで、リジッドな二本鎖構造で分子内ジスルフィド結合の形成を阻害することで、鎖状体の選択性が向上すると考え、相補鎖を導入して二本鎖を形成させてNCLを行うことで選択性が大きく改善しました↓

オリゴ核酸の末端修飾はよく見かけると思うんですが、内部修飾はレアで、しかも複数修飾するうテクは価値が高いんじゃないかなぁと思いました。

以上、オリゴ核酸とペプチドを勉強して流行りのニューモダリティをキャチアップして、おまんまの食い上げにならないようにしたいと思う二流大出のテクニシャン(研究補助員)の「"オリゴ核酸-ペプチド"コンジュゲート」メモでした。