2020年12月8日火曜日

Soba_Colle 6 (ソバコレ 6)

やっぱり蕎麦が好き。コロナ禍でも果敢に蕎麦屋を巡るソバグルマンのコンキチです。はっきり言って、プレ・コロナの時代と較べて空いていて快適です。あっ、でもみなさん押しかけないでくださいね、"密"になるので。

ではメモです↓

ENTRY 51   かんだやぶそば (神田淡路町)

超久しぶりに藪蕎麦の総本山「かんだやぶそば」に行ってきました。お酒やつまみの値段はちょっと高めだけど、広々としたスペースで、ゆったり落ちついてお蕎麦を啜る喜びは何ものにも代え難いです。
住所:千代田区神田淡路町2-10
https://www.yabusoba.net

-エビスビール 大瓶 (935 JPY)-

-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
やっぱ、日本の淡色ラガーって言ったらヱビスだよね。
絶品のねりみそ付きです。





-じゅんさいそば (1,540 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
じゅんさいとしゃきしゃき野菜の冷たいおそば。器の底にツユと蕎麦が敷いてある。お蕎麦の上に大根の千切りと茗荷の千切り、オクラの輪切り、じゅんさいが形良く盛り付けられ、トップには生姜を戴き、酢橘も添えられている。
お店のお姉さんからは、「蕎麦が底に沈んでいるので、よく混ぜてから」食べるように言われました。
まず香り立つのは茗荷のほどよく和らいだ鮮烈な匂い。お姉さんに言われた通り蕎麦を掻き混ぜると残念なフェイス(見た目)になってしまうけど、各素材の食感と香味のミクスチャーが相乗効果で渾然一体となった旨さが醸し出されて、もう最高の味わい。
クロレラでうっすら緑がかった細身の蕎麦はボディが強く、ほどよく角が立っていて絶妙の食感。
ツユは穏やかな鰹節様の香味があって、しっかりとしたコク深さ。
大根はシャキシャキした好ましい食感を付与。
オクラは少し硬めで粘り少なめで、グリーン(green)調の香味はやんわり。
そして、茗荷が秀逸。極細に千切りにされていてとても軟らかい食感。独特の鮮烈系フレーバーはキツ過ぎず、ほどよい清涼感を付与し薬味として素晴らしい。
じゅんさいはとっても瑞々しい。ヌルッとしたゼリー状の部分の舌触りが大好きです。
はっきり言って完璧な旨さです。


ENTRY 52   文殊

安くて旨い!大好きな文殊を攻めてみました。

-春菊そば (400 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
蕎麦は茹で置きだったので軟らかめだったけど、それでも巷の立ちそばやの中ではイケてる部類(はっきり言って、茹でたてと比較して食感が相当落ちてるけど)。
それから、蕎麦とツユのバランスは(いつも通りに)いい感じです。
春菊天は、特有のケミカル・フレーバー (chemical flavor)が心地良い薬味感を醸し出しています。揚げ置きだったけど、薄衣でカラッとしていて好感がもてます。ツユにつけると衣がボアアップし、ツユの油が浸み出して味わい深くなります。膨らんだ衣も吸ったツユで旨さアップ↑です。


ENTRY 53   文殊

-山菜そば (390 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
ちょっとしょっぱめの味付けの山菜が薬味感を醸し出すとともに、良いアクセントになってて素晴らしいと思いました。









ENTRY 54   文殊

-おろしそば (390 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
大根おろしの香味がツユに移ってノスタルジックなしみじみする味わいになります。
粗めい削り出された鰹節と良く合います。








ENTRY 55   更科すず季 (流山)

ボクの大好きな、チバラキエリアNo. 1の呼び声高いすず季さんをまたまた攻めてみました。

住所:流山市西初石3-1-17

-宝剣 超辛口純米 (750 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
雪冷えで提供される。
トップノート(top note)は、ふんわりと華やいだ甘い香り。
口に含むと初め綺麗な甘みがして、次いで果実様酸味、最後に辛口らしい味わいへと変化していく。ボディー(body)もしっかり。
味の流れが見事です。




-蕎麦味噌 (350 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
軽やかな甘みとポップな舌触り。蕎麦の実がはじける際に発するドライめのナッティー(nutty)な香ばしさが最高。
大葉と一緒に食べると、麦味噌にグリーン(green)調の爽やかな香味が付与されシナジー効果で旨さ大幅アップ↑





-生粉ざる (十割そば) (900 JPY+tax)-
-大盛り (400 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
茨城常陸太田と福井大野の蕎麦粉のブレンド。
グラッシー(grassy)&胡桃様の芳醇な香味で、噛み心地良く、ウキウキと心弾む食感。
蕎麦をツユにつけて啜ると、胡桃様の甘味がスパークする。
ツユは鰹節様の香り漂うバランスのとれた辛汁で、その程よい辛さと蕎麦の胡桃様の香味のコントラストが素晴らしいです。
いつも通りの極上の仕上がりでした。
ところで、この日の山葵は相当細かく摺りおろされていていたけど、辛味が殆どないのは何故?


ENTRY 56   藪伊豆総本店 (日本橋)

日本橋駅から徒歩5分(オレは三越前から歩いたけど)。閑静でハイソなビジメス街、ザ・日本橋の老舗蕎麦屋で、静かに一人、蕎麦を啜ったときのメモです。マジで、客は終始(小一時間)オレ一人だったです。

住所:中央区日本橋3-15-7

-エビスビール [中瓶] (680 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
お通しにそば味噌付き。
そば味噌の色は明るい色で、オイラの田舎で使ってた味噌と酷似した家庭的な味で、甘さが強化されている。そして、そばの実は白胡麻に似た香味。
今まで味わった蕎麦味噌とは一線を画す肩の力が抜けた旨さでした。





-せいろそば (550 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
蕎麦からは濃蜜なグラッシー(grassy)な香りと、穏やかな胡桃様の香り。細身の蕎麦で、浅草の尾張屋(see https://researcher-station.blogspot.com/2014/05/friedel-crafts-alkylation.htmlhttps://researcher-station.blogspot.com/2010/07/blog-post_18.html)を彷彿させるポップでしなやかな食感。薮系でこの食感は初めてで驚いた。味わいもグラッシー(grassy)リッチで香味が深い。
ツユは鰹節様の香りリッチで、薮らしい辛汁に仕上がっている。
このドライな辛さのツユと蕎麦の相性は抜群。とっても旨いし、衝撃的で斬新な味わいで、ボクのなかでは薮蕎麦のニューウェーブという印象(老舗なんだけど)。
薬味の山葵はフレッシュ(fresh)系。
蕎麦湯はちょっとトロッとしている。

-そばの実のごはん (280 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
弾力に富んで、ちょっと硬めに炊き上げられたご飯はツヤツヤで、一緒に炊き込まれたそばの実(むきそば)の香ばしさがやんわりと立ち昇ってきます。
はっきり言ってボクの好みの味。これで280円なんだから注文するしかない。


ENTRY 57   しながわ翁 (北品川)

以前から行ってみたいと常々思っていたお蕎麦屋さんす。念願叶ってとうとう訪問することができました。品川駅(港区高輪)と北品川駅(品川区北品川) の中間に位置し、意外とひっそりとした佇まいのお店です。
今まで知らなかったけど、翁達磨グループっていうのがあって、その系列の店なんですね。
(以前行った箱根の暁庵も翁達磨グループでした。see https://researcher-station.blogspot.com/2020/03/sobcolle-4-4.html)


-キリン一番搾り (中ビン) (570 JPY)-
-REVIEW-
お通しのお豆が香ばしいです。











-焼きみそ (400 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
マイルドな味わで、やんわりと甘い。鰹節用の香味に加えて、柚子様の柑橘の香りがしっかり立っている(少しだけ鼻につく)。みそにはしっかりと焼き目が付いていて香ばしく、その焦げ目の味もマイルド。そばの実のカリッとした食感が心地よく、白胡麻も食感の華を添える。
あと、冷めてくると柚子の香りが強調されます。

-もりそば ざる [標準的なもりそば] (860 JPY)-
-大盛 (290 JPY増)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
グラッシー(grassy)な香りが濃い!深い!中細のお蕎麦は、そこはかとなく角が立って、軟らかみもあって、その弾力が心地よい。
ツユは鰹節様の香り立つシックな辛汁。
蕎麦をツユにつけて啜ると、蕎麦の甘みが顔を出し口腔いっぱいに広がって、咀嚼する度に笑顔がこぼれる旨さ。
薬味には、葱、(多分)辛味大根、山葵。山葵はフレッシュ(fresh)感リッチでありながらも、老舗的ひなびたテイストもしっかりで、お蕎麦の味を引き立てます。
あと、注意事項なんだけど、大盛にしてもツユの量は変わらないみたいなんで、ボクは終盤ツユが足りなくなりました。緊急措置として、残ったお蕎麦を空になった蕎麦猪口に移し、トップに辛味大根を載せて、その上からお醤油をたらして即席なんちゃっておろし蕎麦にして食べたんだけど、これが大正解(美味)でした。

ちなみに、
小盛 (一一〇グラム)
並盛 (一四〇グラム)
大盛 (二一〇グラム)
です。

-燗酒 (真澄 本醸造) (650 JPY)-
-REVIEW-
お酒をたのむ度にお通しが出てきて嬉しいです。
燗酒のお通しは、昆布と椎茸の和え物。






-玉子焼き (約2/3量) (680 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
これは真剣旨いネ。
ふんわりとしたとっても優しい食感。お出汁は薄味だけど、極めて上品で澄みきっている。なので、玉子のピュアな味がダイレクトに伝わってくる。本当に綺麗な味。
たっぷりと添えられた大根おろしを載せて食べて良し。醤油を垂らした大根おろしを載せて食べてさらに良し。


ENTRY 58   神田まつや (神田須田町)

ウィズ・コロナの時代になってから、はじめて行ったまつやです。席数を減らして席の間隔を空けてますね。

住所:千代田区神田須田町1-13

-御酒 (700 JPY+tax)-
-REVIEW-
絶品のそば味噌付き。熱燗にしてもらいました。今回初めて知ったんだけど、ぬる燗で燗をつけてもらうこともできます。

-かつお酒盗 (450 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
とってもフレッシュ(fresh)。仄かに薫るフィッシー・フレーバー(fishy flavor)が食用をそそって良いです。そして、かなり塩辛くてお酒が進む進む。鰹はかなり細かく刻まれていて、舌触りが滑らかです。







-焼鳥 (850 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
今回は"タレ"でオーダーしてみました。
焼鳥からは胸すく上品な究極な焦げフレーバーが放たれています。身質は非常に心地よい軟らかさで、咀嚼するのが超キモチイイ。
タレは柔らかい甘さの中に、控えめながら芯の通ったお醤油の香味を感じる。お蕎麦のツユライクな旨味のしっかりしたタレに仕上がっていて、凄く美味しい。
皿の脇に添えてあるカラシを上乗せすると、なんとも形容し難いトロピカルな旨さになって、美味しさの次元がワンランクアップする。
そして、葱が凄く旨い。とっても軟らかいんだけど、しっかり食感が残っていて(しなしなになってない)、紳士(ジェントルマン)のような絶品お葱です。
はっきり言って、神田まつやの焼鳥は至高の焼き鳥です。

-サッポロラガー 大瓶 (750 JPY+tax)-


-なめこそば (温) (1,200 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
まず香ってくるのは三つ葉の鮮烈なグラッシー・ノート(grassy note)と柚子の香り。
ツユの色は結構黒いけど、素材を味わうのに丁度いい塩梅の塩分濃度です。特に、なめこの味が素晴らしく映えるツユに仕上がっています。
ホント、なめこが豊かな香味で美味しいです。大振りで軟らかく、ダイナミズムに溢れた食感。歯を入れたときに繊維が裂ける感触。食べていて超絶気持ちいいです。
それでも、やっぱり真打はお蕎麦。軟らかいんだけど、歯ざわりは全然ダレてない。胡桃を想わせる香味がしっかりあって、主役を張るに相応しい見事な蕎麦です。
この蕎麦、まさにスペクタクル級の旨さです。やっぱり、温蕎麦が旨いのが老舗と思いました。

ENTRY 59   蕎麦 おおつか (柏)

千葉の渋谷こと柏Cityのお蕎麦屋さんのメモです。数年前にお隣の流山市で開業しましたが、ほどなくして移転してチバラキの盟主「柏市」にやってきました。

住所:柏市豊四季354-34

-サッポロラガー (中瓶) (650 JPY)-

-お通し (350 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
秋刀魚の南蛮漬け。
軽く鰹節様の香り漂ういい匂いのお出汁。そのお味は穏やかで滋味深いです。
この上質なお出汁に浸った秋刀魚はほどよく軟らかくて、極上の旨さ。
細切りの南蛮(玉葱)にもしっかりと出汁が染みていて、それでいてピッとした食感も残っていて美味しいです。立派に主役の秋刀魚を盛り立てています。
このお通しは文句なしに旨いです。

-ざるそば (960 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
新そばいただきました。北海道石狩沼田産キタワセ種のそばの実を石臼挽き自家製粉したという細打ちの蕎麦(極細平打ち)は、緑がかっていて、甘い穀物を想わせる強烈なグラッシー・ノート(grassy note)が放出されている。味わいも野趣的なグラッシー(grassy)さふんだんで、胡桃様の甘味も感じる。ちょっと驚いたのが、十割蕎麦で表面がツルツルなこと。これは珍しいのでは?あと、少しキックが過ぎるか。
ツユは濃厚な辛汁を想起させる匂いがして、酸味を感じるほどのシックな辛汁に仕上がっています。
蕎麦をツユにつけて食べると、思ったほど辛さを感じない。これは、蕎麦の表面がツルツルしているゆえに、ツユをあまり纏わないためだろうか?それから、胡桃様の甘さも少し強調されます。
薬味の山葵はフレッシュ(fresh)で甘く、ほんの僅かだけど大好きな"ひなびた感"を感じる(これ、蕎麦に合うので重要)。
蕎麦湯はドロっとめで香味ふんだんでした。


ENTRY 60   並木藪蕎麦 (雷門)

かつての藪御三家の一角を担い(池の端が廃業したので)、あの左翼思想にかぶれてしまったグルメ漫画「美味しんぼ」にも登場し、世界一辛い汁の蕎麦屋として知られる"並木の藪"に数年ぶりに行ってきました(新装開店してから二回目)。
それにつけても、住所が雷門だなんてカックイイよね!

住所:台東区雷門2-11-9

-ビール (750 JPY)-
-REVIEW-
キリンラガーの中瓶です。アサヒビールのお膝元だと思うんだけど、キリンラガーです。










-わさび芋 (800 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
目の前に提供されると即座に知覚するのが、山葵の鮮烈で清々しい香り。この山葵はフレッシュ(fresh)な甘みと僅かなひなびた感があって好きなタイプ。
お芋はプリュンとしていて、総体としては肉厚な食感でありながらキメ細かい舌触り。何もつけずにそのまま食べて美味しい。
小さな器に入っているお醤油は滅茶苦茶キリッとしたディープな辛口だけど、僅かに甘みも感じる。この超辛口のお醤油をお芋にチョロっと控えめに掛けて食べるのがいい。そこへ山葵を加えると、ファンタスティックなデザート感のある旨さにメタモルフォーゼして最高です。

-ざるそば (800 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
お蕎麦は、柔らかいニュアンスの芳醇なグラッシー(grassy)な香りに溢れている。テイストも香りから想起されるイメージ通りの味。加えて甘味も強い。それから、お蕎麦の質感が秀逸。表面は滑らかでいて、歯を入れると少しザラついた歯触りが堪らない。そして、しなやかで気張らない程よい弾力。
世界一辛いツユは鰹節様の香りがふわりとして、濃蜜な甘味と辛味のハイパーフルボディー。お蕎麦にちょっと付けるだけで十分な濃度。
旨味リッチな蕎麦とツユのコンボは最高のマリアージュで、蕎麦を手繰る箸が止まらない。
ここで特筆すべきは、手間暇かけて造ったであろう世界一の辛汁が蕎麦徳利にたっぷりと入っていることです。蕎麦つゆをギリギリしか出さない蕎麦屋がけっこうありますが、それに比べてのこ大盤振る舞いは江戸の粋です。
あと、ここの蕎麦も山葵をつけて食べると、シナジー効果で味の奥行きが広まります。

ちなみに、蕎麦湯はあっさり系。これみよがしにドロドロしてないのも粋と思います。
ところで、並木のざるそばは十数年振りに食べたんだけど、以前は汁の甘味がもっと少なかった(というか殆どなかった)気がしたんですが、どうでしょうか?

-紙製マスク入れ (サービス)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
浅草並木藪蕎麦と朱色で印字された紙製マスクケースです。盆の載ったその様はお洒落で心憎いです。
コロナ禍故のサービスと思いますが、いいものを頂きました。








いやぁー、お蕎麦って本当にいいもんですね。庶民にも手が届く高級品ですから。蕎麦屋で酒のんでも密になんないし。明るいうちから酒呑むの普通だし。あっ、でも皆んなは蕎麦屋にあんまり来ないでね。密になると困るので。

以上、国内二流大出のテクニシャン(研究補助員)のお蕎麦大好きお蕎麦屋さんメモでした。
(明日もお蕎麦屋さんです)


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