2018年1月29日月曜日

"N"か"O"か?

三ノ輪にある土手の伊勢屋の元五代目?(谷原 秋光さん)が浅草で手がける天丼屋「下町天丼 秋光」に行ったときのメモです↓

-天丼 - ロ : Tendon - RO (1,900 JPY)-
-RATING- ★★☆☆☆
-REVIEW-
天タネは、穴子一本 / イカのかき揚げ / 海老一本 / 野菜。野菜はししとう。海老がプリンプリンで瑞々しい。穴子はフカフカでいい感じの力強い香味。イカは柔らかく弾力に富む。
衣は薄く、サクッと揚がっている。甘じょっぱいタレは旨く、天婦羅にBest Match!
はっきり言って、天婦羅はとても旨い。
でも、ご飯が全然ダメ。べっちょりしていて、折角の天婦羅の旨さを台無しにしている。米粒も小さい感じ。
天婦羅は★★★★★、天丼として★★☆☆☆
丼もの屋で飯が不味いのは致命的。悔い改めて欲しいと思いました。


閑話休題


こんな文献を読んでみました↓

N- versus O-alkylation: Utilizing NMR methods to establish reliable primary structure determinations for drug discovery
Bioorg. Med. Chem. Lett., 2013, 23, 4663-4668.

ところで、例えばピリドンなんかをアルキル化した場合、N-AlkylationとO-Alkylatiotionのどちらが起こっているのかといったことが問題になるかと思います。


まあ、単純なピリドンくらいであれば、N- versus O-の判定はFT-IRが有効かもしれません(C-O伸縮振動 〜1640 cm-1)。しかしながら、複雑な化合物になってくるとIRピークが重なったりして判定がつかなくなることもしばしばでしょう。

そこで、著者らは、ピリドン類に限らずN-アルキル化とO-アルキル化が問題となるな官能基を有する化合物の位置選択性を判定する方法を提案しています。

それは、

Method 1: HMQCと HMBCで1H-13Cの結合をみる
Method 2: ROESYで1H-1Hの空間的距離をみる
Method 3:13C NMRの化学シフトを比較する (HSQC測定が便利)

の三つのうち、少なくとも二つを組み合わせることで正確に置換位置 ("N-" or "O")を決定することができるというものです。

ボク的に興味深いのは、13C NMRの化学シフト比較で、本報でも8つのN- versus O-の組み合わせに対して多くの紙面を割いて紹介しています↓


括弧内の数値はACD/NMR Predictorsで計算させた数値です。昔から13C NMRの計算値は実測値と良く合ってたけど、ドンピシャですね。で、新しくできた結合の炭素のケミカルシフトは、O-アルキル体がより低磁場に、N-アルキル体はより高磁場に現れ、その差は少なくとも10 ppm以上あります。プレリミナリーな構造決定には13C NMRの化学シフトの値が大きな威力を発揮するんではないでしょうか(HSQCで測定すればサンプル量も節約できるし)。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のNMRメモでした。


2018年1月28日日曜日

もっと、トリフェニルホスフィンオキシドを減らせ!

先日、日本橋のお多幸でランチしてきたときのメモです↓


-とうめし定食 (670 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
名物の"とうめし"、煮物 (おでん?)、大根サラダ、沢庵漬け、蜆の味噌汁、薬味の葱のセットの定食。
とうめしのご飯の上に載っているお豆腐は、ふわっふわで、甘じょっぱいツユで煮込まれていて味が良く沁みている。豆腐に厚みがあるので、中心部までは達しておらず、味のグラデーションが楽しめる。ご飯は薄めの茶飯(醤油で炊いているらしい)で、米粒がしっかり立っていて、かなり硬い。甘じょっぱいツユは硬めのご飯に合うと思うけどボクにはちょっと硬過ぎる。薬味の刻み葱がアクセントとして秀逸で、とうめしのシンプルな良さを損なうことなく、良いアクセントになっている。
煮物は、大根、煮玉子、牛すじ、こんにゃく、葱。何もしっかり味が沁み込んでいて色が黒いが、意外と穏やかな味で、普通に旨い。個人的には、こんにゃくと葱が特に旨いと思った。
沢庵は甘めの濃い味でボク好み。大根サラダはしゃっきりしていて、すっきり爽快。味噌汁は、まぁ普通(具の蜆は嬉しい)。
CP高く、とうめしのお豆腐は文句なしに旨いんだけど、ご飯の硬さだけが硬すぎてボクには合わなかった。
こういうのがこの値段(たった670 JPY)で社食にあったら、毎日食べたいね。


この"とうめし"っていう料理は基本もの凄くシンプルじゃないですか?なんとか自分好みにカスタマイズしつつ再現できないかと思い、やってみました↓

-オトコのとうめし-
-RATING- ★★★★☆
-RECIPE-
(1) 近所のスーパーで売っている地元のお豆腐屋さんの木綿豆腐一丁を4枚に切り分け、鍋に入れる。
(2) 「上野藪そばつゆ」を100 cc加える。
(3) 「人形町今半すき焼わりしたストレートタイプ」を100 cc加える。
(4) 火にかけて、煮立ったら弱火で10分間煮込む。
(5) キッチンペーパーをかけ、stood overnight。
(6) 翌日、一合炊きの羽釜でご飯を炊く(ヒトメボレ使用)。かめびしの薄口醤油小さじ1を加えて炊く(30分給水させた後、火にかける。強火で4-5分で沸騰する。沸騰したら蓋をして最弱の弱火で8分。炊き上がったら20分蒸らす。)
(7) 葱を適量刻んでおく。
(8) お豆腐の鍋を火にかけて、温め直す。
(9) 茶飯を茶碗によそって、お豆腐を載せ、ツユを適量掛け、topに刻み葱を適量載せて出来上がり。
-REVIEW-
ご飯はボク好みのちょい硬め。はっきり言って、味はかなりいい線いってると思います。個人的な感想としては、お豆腐と調味料はいいものを使うのがキモと思いました(上野藪と今半のツユ使ってまずいわけないです)。


閑話休題


以前、「トリフェニルホスフィンオキシドを減らせ」と題したお話をメモしましたが(see http://researcher-station.blogspot.jp/2013/08/blog-post_25.html)、その時に読んだ文献を凌駕する勢いの文献が出たので、そのメモです。

「たゆたえども沈まず」さんでも取り上げていましたが、こんな文献を読んでみました↓

Removal of Triphenylphosphine Oxide by Precipitation with Zinc Chloride in Polar Solvent
J. Org. Chem., 2017, 82, 9931-9936.

Wittig反応や光延反応などで副生するトリフェニルホスフィンオキシド (TPPO)をカラムクロマトすることなしに効率的に除去するというお話で、"永遠のテーマ"感満点のお話です。

TPPOの除去法は"永遠のテーマ"感たっぷりなだけあって、これまでにもワークアップ過程でTPPOを除去する試みが報告されています。例えば、

a) Modified Merrifield Resin (Lipshutz et al. Org. Lett., 2001, 3, 1869-1871.)
Merrifield ResinとNaI用いた除去方法。TPPOだけでなくTPPの除去にも有効。Stilleカップリング、根岸カップリング、鈴木カップリング、熊田・玉尾・コリューカップリングで配位子に用いたTPPを除去できる。Staudinger反応後の過剰のTPPとTPPOの除去もできる。官能基許容性に優れ(アミンやアルコールがあっても大丈夫)、単離収率に影響を及ぼさない。

b) オキサリルクロリドでワークアップ (Gilheany et al. Org. Biomol.Chem., 2012, 10, 3531-3537.)

Wittig反応とAppel反応について実施例が示されています。TPPOとオキサリルクロリドがシクロヘキサンに難溶性のクロロトリフェニルホスホニウムクロリドを与えることを利用したワークアップ法です。
あとWittig反応に関してですが、この処理はオレフィンのE:Z ratioに影響を及ぼさないことに加えて、原料のアルデヒドは概してシクロヘキサン層に溶解しないことから、残存したアルデヒドの除去にも効果を発揮します。

c) 高結晶性TPPO錯体の形成 (Margaret et al. J. Am. Chem. Soc., 1988, 110, 639-640.)
酸性プロトンをもつ化合物とTPPOが結晶性の高い錯体を形成すること利用してろ別するという狙いと思います(この論文はTPPOと酸性プロトンを持つ有機化合物が錯体を形成して結晶性の高い大きな結晶になりますよという話で、反応系からのTPPO除去が目的ではないです)。この文献では以下の化合物がTPPOとの錯体を形成すると報告されています。
共結晶の作り方は、トルエンに溶かして室温でゆっくりエバポするというものです(トルエンに溶けない場合は、THF aq.からエバポ)。

d) AcOHを使ったワークアップ (信越化学, US Patent 5,292,973 Mar 8, 1994.)
Wittig反応後に反応液に水を加え、分液して取り出した有機層をヘキサンで溶媒置換した後、そこに酢酸を加えると、生成したオレフィンを含むヘキサン層(上層)と、副生するTPPOを含む粘度の高い酢酸層(下層)に分離する。下層を分離することで、TPPOを95%以上除去可能。

e)  TPPO-DIAD-H2錯体をろ別 (Bristol-Myers Squibb, J. Org. Chem., 1996, 61, 7955-7958.)
上記Schemeの上段の反応に場合、トルエン中で光延反応を行い、加水分解までやった後、塩酸を加えてpHを6-7に調整し、析出しているTPPO-DIAD-H2(1:1)錯体(単結晶X線結晶構造解析で確認している)をろ別することで80-85%のTPPO-DIAD-H2錯体を除去できます。続いて水層を取り出して塩酸で酸性として目的物を結晶化させます。この結晶化過程で少量の酢酸を添加することで不純物を溶液中に留めておくことができます。この手法でカラム無しで目的のカルボン酸を98%以上の純度で得ることができます(TPPOは0.1%未満)。

f) TPPO-MgCl2錯体をろ別 (AbbVie, Org. Process Res. Dev., 2013, 17, 666-671.)
see http://researcher-station.blogspot.jp/2013/08/blog-post_25.html)


で、This Workですが、著者らが開発したのは、こちら↓

(1) TPPOが生成(副生)する反応の終了後、普通にワークアップしてcrudeを取り出す。
(2) crudeをEtOHに溶解し、ZnCl2を作用させてZnCl2(TPPO)2 adductを形成させる(室温でオッケー)。
(3) ろ液を濃縮して、残留物をアセトンに懸濁させ、アセトンに溶けない過剰のZnCl2をろ別
(4) 最後のろ液にはTLC分析でTPPOはコンプリートにnd.で、カラムクロマトする必要なし

という方法です。

TPPOがルイス酸と錯体を形成するという性質を利用している点は、fのOPRDの論文と同様ですが、極性溶媒中でTPPO成分をろ別することで分離するというところが画期的です。ポリマー担持試薬以外は低極性溶媒中でTPPO成分をろ去して除くのが一般的なので、これは凄いです(やっぱ低極性溶媒だと溶解度の問題から、適用できる化合物の制約が大きい)。

そして本論文の代表的な実施例はこちら↓

1st Carbazole-forming Reaction


2nd Corey-Fuchs Reaction

3rd Mitsunobu Reaction

かなりイケてるTPPO除去法と思いました。

あと、この論文でちょと驚いたことがもう一つ。実験操作の動画がSIにアップされてます。こういう時代なんですね。

以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。

2018年1月4日木曜日

Kiri_Colle (キリコレ)

ども、チバラキ在住のラーメン大好きコンキチです。
さて、チバラキ周辺地域で最近人口が激増中の流山市におよそ1年ほど前にニューウェーブ系のラーメン屋さんができました。その名は、

The Noodles & Saloon Kiriya


"Saloon"という立ち位置にこだわりを感じます。実際、ラーメンのクオリティーは高く、チャレンジングなラーメンを繰り出してきます。特筆すべきは、過去に食べた同じ名前のラーメンが必ずしも同じテイストではないということ。これは、腕が悪くて味がブレブレというわけではなく、raw materialの種類や配合を変化させることによって新たな味の境地を開拓する姿勢から来るものです。普通のラーメン屋でもマイナーチェンジはあるけれど、KiriYaではその頻度が多いです。そして、こうしたテイストの変更や限定ラーメンの情報は主にtwitterで告知され(twitter based promotion)、顧客との信頼関係を醸成しているとボクは感じています。こうしたラーメンに対する試みは正にチャレンジングであり、ボクは好きです。なので、ざっくり二週間に一度くらいのペースで通っています。近頃、その実力が世間に周知されてきて、以前よりもお客の入りが増えたためか、混んできて(悔しいけど)ちょっと並びます。

ということで、ボクがこれまで食べてきたKiriyaのラーメンをキリコレ (Kiri_Colle)と題してメモ(Review)してみようと思います。以下、Reviewです↓


entry 01
-らぁ麺 ramen 2017/01 (700 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
麺は平打ちの太縮れ麺。っていうか捻れてる。弾力に富み、コシが強いがキックはほどほどで食べやすい。そして、麺自体がかなり旨い。
スープは節系(魚介っていうか魚)の香りが一閃。表面にはうっすらと液体ではない脂(多分、ラード)の膜が張っている豚骨テイスト。マイルドでコク深く、嫌な匂いが全くない。脂の良い味がする。塩味はけっこう控えめだけど、物足りない感じはしない。
具は、メンマ、焼豚、カイワレ、葱、海苔、緑の物体。スープとは対照的に、メンマと焼豚は(塩味が)濃いめの味付け。メンマは柔らかく、濃くて深い味ながら上品さを感じる。焼豚はsolidで、肉々しさがあって好み(肉の旨味を感じる)。食べ進むうちに、海苔の香味がスープに染み出し、味に奥行きを与える。
かなりレベルの高いラーメンと思いました(オレって、基本、太麺はあまり好きじゃないんだけど、この太麺は旨い!)

entry 02
-油そば abrasoba 並盛 200 g 2017/01 (600 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
麺は、多分、『らぁ麺』と同じ平打ちの太縮れ(捻れ)麺で、旨い味。油そばなので、良く掻き混ぜるわけなんですが、そうすると、この麺がoilでcoatされる。で、その麺に付与されたoilyさが良いです。それにつけても、この麺はホント旨いね。優しい小麦の味がします。
醤油ダレ(塩ダレ?白醤油使ってるのか?)は白く、ちょとしょっぱめだけど、太麺に合う。
具は、メンマ、カイワレ、葱、海苔、焼豚。
あと、油そばには辣油、胡椒、醤油ダレ(黒い)のカスターのセットが付いてくるので、それも試してみる。はじめはプレーンで食べて、その後、胡椒、辣油、醤油ダレをそれぞれ少しづつ振り掛けて食べ進めてみる。
辣油は胡麻油の香ばしい香りとピリッとした辛さがしてとっても良いアクセントになる(これが一番好き)。胡椒も美味しい。そして、胡椒と辣油のコンボもGOOD!醤油ダレは美味しいけどしょっぱくなり過ぎ。
完成度高く、具と調味料による味のバリエーションにも富んでかなり旨い。


entry 03
-swallowらぁ麺 2017/02 (800 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
燕三条系背脂ラーメン(だからswallow?)。
上品で優しいお醤油の香りの上に、背脂由来であろうか?コク深い香りと胡椒のspicy noteが少々。
背脂がスープの表面にふんだん。プルプルした食感で仄かに甘く、スープの味に奥行きを付与しているように思う。背脂は確かに脂なんだけど(当たり前だけど)、ギトギトしておらず、割とあっさりした脂。
麺(平打ち太縮れ麺)は豚骨醤油魚介のスープに良く合う。
具は、焼豚、メンマ、岩海苔、刻み玉葱。刻み玉葱の上には粗挽きの黒胡椒。黒胡椒が香り高い。玉葱のシャキシャキ感が心地良く、清涼感を付与。黒胡椒と、岩海苔の濃厚な磯の香りがスープの良いアクセントになっていて良い。
かなりレベル高い。

entry 04
-devil 2017/03 (850 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
麺は上述した平打ち太縮れ麺。スープの色は黒緑。表面に膜が張っている。はっきりいって見た目のインパクトが凄い。
濃厚な海苔の香りと濃密な魚介の香り(ただの節だけの匂いではない)は、bodyの強烈さを想起させる匂い。 
スープには、はっきりと粘度を感じる。魚介tasteは濃蜜だけど、塩辛かったりするわけではないので、ハードな見た目とは裏腹にけっこう食べやすい。自慢の麺との相性も良い。あと、tailに少し苦味を感じる(これがまた良し)。
具の一番目立つ葉っぱはサニーレタス様(赤からし水菜らしい)。玉葱のシャキシャキした食感と味が濃厚魚介スープの箸休めにbest match!口の中がrefreshされる。で、焼豚の下には水菜(赤からし水菜?)の茎と柚子皮が仕込まれている。水菜の茎はけっこう辛いんだけど、これが良い。あと、焼豚をつまみあげたところで、顔を出した柚子皮から発する柚子の香りがフワっと漂うんだけど、この仕掛けが心憎い。玉葱の上に振り掛けられている赤い粉は殆ど辛くない(んだけど、何これ?)。
それから、スープの底に黒い粒が残るんだけど、これはイカスミだとか。
お店の紹介文によると、「conc.の烏賊風味。少しビターな仕上がり」だそうです。
いと旨し!

entry 05
-squid conc. 2017/06 (850 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
濃厚烏賊煮干ラーメンでdevilのイカ墨抜きバージョンらしいです。
拡散性は高くないが、烏賊の濃密なbodyを感じさせる香り。実際スープはfull bodyだ。
麺は細めのストレート。あまり自己主張する味ではないが、弾力に富むしなやかな食感で、穏やかなbodyの太さで上品な隠者を想わせる味が心憎い。
スープは濃厚な魚介で、烏賊のフレーバーが凄い。重ための舌触りでフィニッシュには苦味まで感じるほど濃蜜で、かなり塩辛い(ボク的にはギリギリ許容範囲の塩辛さ)。
そして、麺とスープがBest Match!。とっても旨い。強いbodyでシックな味わいの麺に、塩気の強い濃厚スープがとても良く合う。
具は、海苔、玉葱、(多分)パクチー、チャーシュー。海苔は磯の香味をup↑させ、玉葱は塩気が強い濃厚スープに対するアクセントとして最適。(多分)パクチーの当たり負けしない強い香味もバランスがとれて合っている。
そして、最も秀逸なのがチャーシュー。しっとりした食感とfresh感とあっさりしたtasteでシックな旨味を醸し出していて、スープとも合う(多分、脂ぎっていないのが魚介とマッチするのかも)。
魚喰いの日本人仕様のラーメン。はっきり言って、ハマったかも。

entry 06
-潮らぁ麺 2017/07 (750 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
貝柱や昆布をふんだんに使用した特製塩ダレらぁ麺。麺は国産小麦「ゆめちから」を使用。
シンプルなフェイスとは裏腹に濃蜜なtaste。超濃厚な複数の魚介の味がする。旨味たっぷりのスープが舌に絡みついてくる。
麺は細めのストレート。歯触り、噛み心地といった食感が良い。味は控えめながら異味は無く、仄かな甘みを感じる。そして、濃密スープの味をしっかり引き立てる芯の太さも感じる。
具は、カイワレ、白髪ネギ、海苔、大葉を刻んだようなもの、メンマ、チャーシュー。
メンマは一端が少し硬めで、もう一端が柔らかく、両者のコントラストが面白い。
あと、相変わらずチャーシューは絶品。柔らかく弾力に富み、しっかりとした淡白な味わい。しっとりとした食感でレア感もあり本当に旨い。
ボクの中の既存の"塩ラーメン"の概念を覆す、ちょっとしょっぱいけど、もの凄く旨いラーメンに仕上がっています。

entry 07
-肉3種盛りあわせ (ローストビーフ・ローストポーク・手羽先) (550 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
ローストビーフは、僅かに胡椒の香りがして、普通に旨い。
ローストポークは、ソリッドでしっかりした食感。淡白で生ハムに似たニュアンス。この3種類の中で一番好き。
手羽先は、皮がプルンプルンで、中の身は柔らかく少し甘めの味付けで普通に旨い。
玉葱の甘いソースは思ったより薄味でキツ過ぎなくて良い。薬味のカイワレと葱が嬉しい。
一皿で3種類のバリエーションが楽しめて、お得。お酒のおつまみに最高と思います。

entry 08
-冷やし中華 (しょうゆ) 2017/07 (750 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
麺は"平打ちの太縮れ麺"で、全然"冷やし中華"らしくない。これで大丈夫か?と思ったけど、けっこうキツめのタレに当たり負けしてなくてなかなかいい感じ。
それから、具が美味しい。はっきり言って、こだわりを感じる。普通の冷やし中華の具と言えば、トマト、もやし、わかめ、ハム、錦糸卵、胡瓜といったところだと思うんだけど、Kiriyaのそれは、胡瓜、プチトマト、カイワレ、葱、メンマ、岩海苔に絶品チャーシューです。プチトマトは甘くjuicyでとってもfreshで100% fruit taste。岩海苔はdryの状態で食べてよし、タレに浸して食べて良し。
タレはけっこうドギツイんだけど、その中にマイルドさもあるような気がします。

entry 09
-流山noodles 「sweet basil noodles」2017/07 (850 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
レインボーファミリー農園の「白なす」と、小倉ベーカリー(Kiriyaの近所のパン屋さん)の「ジェノベーゼラスク」を使用したフレッシュバジル麺。
自慢の太麺にバジルソース、その上にラスク、白なす、チャーシュー、玉葱が載ったスープオフ。よく混ぜていただく。パスタなのかラーメンなのか分からない魅惑のニューウェーブ100%ラーメン。モチモチの太麺にとってもoilyなバジルソースがよく合う。玉葱は甘くシャキシャキで瑞々しく、ソースの油の重さを軽減する。そして、白なすと油の最小も思った通り相性バッチリ。ラスクはサクサクした食感がアクセントとなり、加えてsweet、salty、fatty感を付与する。oily+fattyで味に深みが出る。全体的にちょっとoilyが過ぎる気もするが、間違いなく旨い。

entry 10
-Niboshiらぁ麺 2017/07 (800 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
濃厚豚骨煮干らあ麺。平子煮干&青口。
強力な魚の風味と豚骨の澄んだbodyの強さにスープは、まさに"濃厚豚骨清湯煮干"。"澄"と"濃"の融合したスープで、軽く苦味を感じる。
麺はしなやかで弾力に富む細麺で、食感がとっても良くてとても旨い。麺に絡んだスープの香り立ちが良い。
具は、風味豊かな海苔、安定の旨さのチャーシュー、甘くfreshで瑞々しい玉葱、甘く薫る柚子皮で、全てがパーフェクトに旨い。

entry 11
-red_swallowらぁ麺 2017/09 (850 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
胡椒のspicyな香りが一閃。見れば、topに胡椒がふんだんに振りかけられている。スープは、品の良い豚骨醤油がベースなんじゃないかと思うけど、その風味の大半が唐辛子の辛さでマスクされているように感じる。表層には、シックで良質なoilyさと比較的辛さが抑えられた唐辛子の風味がしっかり残る辣油がたっぷり。この上品な辛オイリーさは好みだけど、この辛さがラーメン全体のバランスを崩しているように感じる。辛さと背脂との相性はそう悪くはないと思ったけど、スープとの相性は相当悪いのでは(辛さがせっかくのスープと麺の繊細な旨さを掻き消しているように思う)?
具は、メンマと安定の旨さの二種類のチャーシュー、挽肉(ニンニクで炒めているらしい)、フレッシュな玉葱。
各パーツが旨いだけに、個人的に"辛さ"だけが残念。

entry 12
-醤油らぁ麺 (700 JPY) & 和え玉 (200 JPY) のコンボ 2017/10-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
醤油らぁ麺」は多分entry 01の「らぁ麺」と基本同じ仕様だと思う。
魚の節系の香り匂い立つ。mildな清湯豚骨醤油は、マイルドながらbodyの強さを感じさせ、口の中で魚介の節系の香味がはじける。太麺、スープ、具、全てが安定の旨さ。
和え玉は中細ストレートで、太麺よりも穀物を想起させる味わいが強く、powdery感を感じる。自己主張し過ぎない程度の豊なキックのコシとしなやかな食感。
何も付けずに食べると、ちょっと冷麦っぽいtaste。これを醤油ダレ、油、魚粉とよく混ぜて食べると、スペクタクルな味に変貌を遂げる(個人的に、麺にoilを纏わせるのがキモなんじゃないかと思う。oilが触媒的の作用している気がする)。魚粉は風味づけにとってもよい。それから、醤油ダレはシャープな味。具の刻みチャーシューがこれまた旨い。チャーシューは細かくカットされているので、麺(和え玉)と一緒に食べやすい。
そのまま食べて良し。醤油らぁ麺 の替え玉として良し。かなりキテます。
あと、醤油らぁ麺の麺はデフォルト(何も言わないと)は太麺なので、和え玉とコンボすると、「太麺→細麺」のコントラストを味わえて楽しいです。

entry 13
-Kiri_Soba 潮 2017/10 (800 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
Kiriya史上。3作目となる「Kiri_Soba」。丸鶏、鶏ガラ、豚骨、本鰹枯節、鯖節、野菜など十数種の素材をじっくり煮込んだアッサリらぁ麺。
コンソメライクな柔らかい良い香りがふんわり。スープはコンソメ様の"洋"テイストを匂わせながら"和"テイストもしっかり。アッサリながらも重層感のある膨らみのある優しい味。色も綺麗で、味も綺麗な和的コンソメスープに仕上がっていると思いました。
麺は小麦の穀物由来の味がしっかり出ている中細ストレート。しなやかな食感と心地良い歯切れの良さで◎。
麺とスープの相性は抜群。麺がしっかりとスープを運んできてくれる。
具は、チャーシュー(いつもの2種)、葱、メンマ、カイワレとシンプルながらクオリティーは高い。
あと、焦がし玉葱の小片(だと思う)が良い味出してる。
洗練に極みのラーメンと思いました。

entry 14
-Niboshi_Soba (800 JPY) + 味付きうずらの卵 (100 JPY)トッピング 2017/11-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
アッサリ豚骨ベースの半濁り煮干しらぁ麺。
大量の煮干を使用している為、スープ自体に塩味、苦味があるという一品。煮干は、伊吹いりこ×九十九里青口を使用。白醤油柚子入りで少しだけ上品な仕様だそうです。
迸る濃蜜な煮干しの香りは、眼前に煮干しの画が浮かぶほどの勢いで、その強烈な匂いの中から清純な柚子の香りが立ち昇る(この演出は心憎い)。この煮干しの魚くささ(好ましい魚くささ)と柚子の香りの相性が抜群で、日本人には堪らないコラボレーション。スープのtasteは、あっさりしつつも芯の通った豚骨の香味の上にエグいほど濃厚な煮干しの香味が被さる。矛盾した表現だけど、そのエグ味は澄み切っていてとてもコク深く、とんでもなく旨味richなスープに仕上がっている。
中細ストレートの麺はしなやかで歯切れ良く、スープをしっかりと口の中に運んでくれる。
具もいつも通りの平常運転で鉄板の旨さ。濃蜜スープにすっきりした味わいの玉葱が映える。蠱惑的な旨さのラーメン。
トッピングした味付きうずらの卵は、味はいいんだけど、塩辛すぎ (白飯には最高の飯の友だと思う)。特に、Niboshi_Sobaは塩味多く感じるので相性が悪い。うずらに卵特有にキメ細かい食感は◯。

entry 15
-中華_Soba (700 JY) 2017/11-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
豚骨を主体に鯖節、イワシ煮干、香味野菜などをじっくり煮込んだ中華そば。後味に和風出汁の余韻の残る東京トラディショナルな雰囲気の味わいだとか。
やんわり立ち昇る節系の香り。とてもあっさりしたお醤油のスープ。あっさりで淡いながらもコク深い。そのコクは、"あっさり"に適したコクで、あっさり感を損なっていないのが良い。
Kiriya自慢の細麺(中細)はツルシコで、プツッという歯切れの良さがとても心地良く、そのtasteは、あまり自己主張し過ぎない穏やかな穀物の味わいで良い。
どこかノスタルジックな、そして新風を感じさせる秀作。とっても優しいあじだよ。

entry 16
-ガリマヨ (ニンニクマユネーズ味) (300 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
Kiriyaの近所にある小倉ベーカリーさんのおつまみラスク。
思った通りの絶品taste。ニンニクとバターの香ばしい香り。
口の中の放り込むと、ニンニクの香味が広がって、食欲を掻き立てられる。塩味は強めで、おつまみとしてgood!SALT, SUGAR, FATの黄金律を具現化した一品。
確か、Kiriyaの特注品だったと思います。

entry 17
-Kiri_Soba 流山本みりん醤油 2017/12 (800 JPY)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
北海道小麦「夢ちから」、「天然かんすい」、「海塩」を使用した自家製麺。宮崎県産日向丸鶏、鶏ガラ、豚骨、本鰹枯節、鹿児島産鯖節、北海道天然真昆布、干し海老、香味野菜など十数種を丁寧に下処理し、じっくり煮出した淡麗系あっさりスープ (「岡崎おうはん×日向鶏」ブレンド)。みりんはかごや商店の「流山本みりん (国産もち米100%使用、古式造り)」、醤油は「窪田味噌醤油:国産丸大豆生醤油」を使用。
ほんのり焦げたニュアンスの上品な醤油の香り。口に含むと上品な醤油の香味がグッと広がると同時に、oilyさも広がりをみせるとってもmildなスープ。
細麺はシコシコで、シックな旨みを感じる。
麺とスープはBest Match!いつまでも啜っていたき気持ちにさせられる。
具の二種のチャーシューのレア感のある方には胡椒が振ってあって、この香り高い胡椒がスープと良く合うし、良いアクセントになっている。topの野菜も薬味としていい感じ。
クオリティーに対する飽くなき探究心を感じさせる一杯。

entry 18
-鴨Kiri_Soba (潮) (900 JPY) 2017/12-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
大晦日と元日限定品。
まず、柚子の良い香りが一閃。あっさりした清湯スープは、清純でいてとても滋味深い。しかしながら、スープからは僅かに豚様の野趣的獣臭が香る。これがこのラーメンをよりラーメンたらしめていると思う。
細麺は相変わらずの穏やかな旨さで絶品。スープとの相性も勿論バッチリ。
具は、鴨、白髪葱、刻み葱、メンマ、大葉。全てがこのラーメンにmatchした具材。鴨はレア感richでソフトジビエなoilyさと、心地よい噛み応えのある食感が最高で、とっても旨いよ。
真剣、幸福に空腹が満たされました。


こうして振り返ってみると、けっこう喰ってるねぇ。これまでの人生で1年間でこんなにラーメン喰ったのは多分はじめてですよ。しかも、一つの店にここまで通ったのもはじめて。はっきり言って、ラーメンって不健康食じゃないですか。塩分はキツイし、味も濃いですよね。意識的にあんまりラーメン喰い過ぎないようにしてるのに、自分でもちょっと驚きです。まぁ、それだけKiriYaさんのラーメンが魅力的かつ蠱惑的ということなんでしょう。多分、今年もそこそこ通うと思います。






2018年1月3日水曜日

はじめてのTosylation・冬


森下の"みの家"に行ったときのメモです。
(大江戸線で森下駅に着くと、朝でもみの家のCMが流れるんだよね)
食べたのはやっぱり桜なべです↓

-桜なべ (1,900 JPY)-
-生玉子 (500 JPY)-
-御飯 (350 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
御飯は木製のおひつに入れられて出される。このおひつ、味があってよろしいです(しゃもじはプラスチック製で残念)。御飯の量は、小振りの茶碗で2-3杯といったところ。
桜なべの具材は、桜肉、脂、葱、白滝、お麩。味付けは八丁味噌ベース(八丁味噌と江戸味噌を合わせた「自家製味噌だれ」と醤油ベースの割下)で、練り味噌級に濃厚で甘みが大分強い甘辛taste。味噌を溶いて、桜肉以外の具材を全て加え、煮立ってきたらスペースを作り、一枚一枚、桜肉に熱を通していただく。
肉に赤さが残る程度で引き上げて食べる桜肉は、何とも言えない絶妙な食感と旨味を醸し出す。とろけるようでいて、張りのある食感。熱により活性化されたtasteと生に近いdynamicな味のシナジーが素敵。

-肉さし (1,900 JPY)-
-RATING- ★★
-REVIEW-
かなり旨い。ツヤツヤした綺麗な赤身。身の温度は室温(冷たくなくて良い)。もっちり、しっとり、滑らかな舌触り。淡白であっさりしつつも、力強い味わい。噛むほどに旨味が沁み出る。
薬味に生姜が添えられているが、生姜の香味はかなりキツイので、薬味(生姜)は使わない方がいいと思う。ちょい甘のお醤油をちょっと付けていただくのが良いと思う。

-あぶらさし (1,600 JPY)-
-RATING- ★★
-REVIEW-
キュキュッとした食感。噛むほどに沁み出るヘルシーな感覚の脂。咀嚼する楽しさが堪らない一品。

-お新香 (300 JPY)-
-RATING- ★★
-REVIEW-
秀逸。特にらっきょうが最高に旨い。蕪はかなり浅めの漬かり加減だけど、歯触り・歯応えが最高で、上品な味わいが良いです。是非、注文した方がいいです。

あと、みの家ってちょっと素敵な中庭があるんだよね↓

癒されます。


閑話休題


ども、有機合成歴20年超のコンキチです。20年以上合成やっているにも関わらず、今までトシル化はやったことがなかったんですが、先日とうとうトシル化を初体験しました(メシル化は随分前に一度だけやったことがあります)。

(やったことなかったけど)トシル化のマイ・スタンダードといえば、やっぱり関西学院大の田辺先生が開発した方法かと思います(二つある)↓

Tetrahedron, 1999, 55, 2183-2192.


Synthesis, 1999, 1633-1636.

上記二つの方法は、アルコールのトシル化にありがちな副反応である"クロロ化"をエクセレントに抑制する優れた合成法です。

ちなみに、ボクの初めてのトシル化は、使おうと思ったときにたまたまあったMe2N(CH2)3NMe2を使ってやってみたんですが(Et3N - Me2N(CH2)3NMe2 (cat.), rt.)、塩化物の副生は確認されませんでした。

田辺先生の方法の有効性比較はこちら↓



はっきり言って、相当いいヤツ(反応)です。

ところで、初めてトシル化やってみて気付いたというか知ったんだけど、TsClってけっこう頑丈なんですね。田辺先生の論文にも書いてあったけど、水でworkupしても過剰のTsClがcrudeに残ってきます。仮に目的のトシレートとTsClのRf値が近接している場合、カラム精製が困難なものとなってしまいます。しかし、そんな場合の解決方法も田辺先生の論文には記載されていて、反応液にN,N-ジメチルエチレンジアミンを加えてTsClを分解(スルホンアミド)にしてやれば残存するTsClを効果的の取り除くことができます。

あと、十数年前の論文にツッコミ入れるのは気が引けるけど.....
田辺先生の論文の実験項では、反応終了後、必要ならN,N-ジメチルエチレンジアミン処理を施し、水を加えて酢酸エチル抽出した後、有機層を水洗、brine洗浄してからカラム精製しています。
で、ちょっと思ったのが、「これって、aqueous workupする必要ある?」ってことです。因みにオレは、反応液をエバポしてそのままカラムかけたです。

以上、(しばらくトシル化する予定は全くないけど)こんどはMe3N•HClを使ってトシル化してみたいなと思う、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のメモでした。


2018年1月1日月曜日

Annual Income 2017

仙台駅構内に入っている「寿司処 こうや」で食べたもののメモです↓


-お通し  (Maybe 250 JPY + tax)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
刻み揚げの和え物とオクラはとっても上品な味付け。ツブ貝のキモの部位で酒が進む。







-赤貝刺  (2,700 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
閖上産赤貝。ふわっとした磯の香り。身に歯を入れると心地よい弾力を感じる。そして、さらに磯の香りがふんわりと口の中に広がる。噛み進めると粘りが出てきて、上品な磯の香味が沁み出してくる。ひもの部分は十分な弾力とコリコリ感が素晴らしい。
何も付けずにそのまま食べて旨いが、醤油をほんのちょっとだけ付けて食べるととっても良い塩梅。山葵を付けて食べても悪くないが、山葵なしの方がいい。

-五六八 (1,290 JPY + tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
本鮪中トロ、三陸ぶり、光物、三陸貝、三陸いくらの5貫セット。
本鮪中トロは、とっても滑らかで軟らかい身。優しく上品な甘い脂が過不足なく滲み出てくる。切り身とシャリの大きさのバランスも良く、いい感じ(でもオレは赤身の方が好きだな)。シャリは少し柔らかめだけど、お米の一粒一粒の形がしっかりしていていい感じ(お米はササニシキ)。
三陸ぶりは、しっとりとしたキメの細かい食感で、上品な脂の旨味。やっぱ、天然モノは身も脂も上品で、養殖モノとは全然別物だね。
三陸貝(つぶ貝だと思う)は、とっても上品な貝の滋味。歯を入れたときに感じる弾力が心地よい。噛みしめることで沁み出る貝の滋味が上品で旨い。
光物(しまあじなんじゃないかと思う)は、鰯と鯵のいいとこ取りといった感じの味?しっとりとした身で、上品な魚の野趣感と食感のダイナミズムが◎。
三陸いくらは、一粒一粒に張りがあって、プチッと弾ける弾力がvery good!甘くてとっても美味しい。いくら自身の塩気だけだとちょっとだけ塩味が足りない感じだったので、それを補うためにお醤油をほんのほんの少しだけつけて食べるのがいいと思う。
生姜は汁気のない辛めの味で美味しい。
セットのネーミングは五六八姫にちなんでつけたのかな?
山葵は本山葵。ここの醤油は甘めだけど味が深いです。

-一ノ蔵 一合 (熱燗) (550 JPY + tax)-

このお店で食べた閖上産の赤貝の旨さに感激して、閖上の赤貝を腹一杯食べてみたいと思って、この冬休みに赤貝をお取り寄せして、一人赤貝祭りをやってみました(幸か不幸か、ボク以外の家族は赤貝に興味なしでした)。

これがお取り寄せ閖上産赤貝 (3,990 JPY + 送料 980 JPY)↓


赤い身が見えてるじゃないですか。手に取ると口を閉じて、全然開かなくなるんだよね。しっかり生きてます。

で、この活きてる赤貝を頑張って捌いてみました↓


-オトコの閖上産赤貝刺-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
磯の香り、弾力、粘り、味の濃さ、まさに上述した閖上産赤貝です。かめびしの薄口醤油で合わせてみました。来シーズンもお取り寄せ確定です。


閑話休題


ども、13.5連休の冬休みを満喫中のコンキチです。年が明けたということで、2017年の年収も当然確定してます。こんな感じです↓



会社勤めの社畜なので、毎度代わり映えしない中流真っ只中な額面です。そういえばボクが小学生だった時分、「将来は部長さんになって、月収50万くらい稼げたら嬉しいな」なんて夢想していました。で、四十路となった現在はというと、平社員だけど月収五十数万で、まあボチボチです。まぁ、月収五十数万って言っても12万ちょっとは天引きされるし、うちのカミさんはパート勤めなので(バリバリ働いてもらって一向に構わないんですが)、世帯年収は1000万に届かず、暮らし向きは至って小市民的な慎ましいもので、まさに平々凡々です。最近では、仕事に対するやりがいを限りなくコンプリートに失っていて、残念だけどボクにとって会社とはATM的なキャッシュマシーンに過ぎません。はっきり言って、ボクの仕事はマックジョブに堕しています(このあたりも先進国一会社が嫌だと言われる日本のサラリーマンらしいと思います)。

ところで、最近上梓された橘玲の「専業主婦は2億円損をする」(幸福の「資本」論―――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」を女性向けにカスタマイズ)を読了しました。この本では、

ひとり年収800万が幸福度マックスとなり(それ以上稼いでも、限界効用の逓減が観測される)、子どものいる夫婦の場合は年収1500万円が幸福度マックスになる

と述べられています(アメリカの場合はひとり年収7万5千ドル)。

この論に従うと、オレってホントに小市民だなって改めて認識させられます。あと550万くらい給料がアップすれば幸福になれるけど、かなり難しいね(笑)。ほんと、カミさんにはもっとバリキャリ働いて欲しいぜ、四大卒業してんだから!と思うけど言えません(シクシク)。そう、二馬力でガリガリ働けば幸福年収のハードルが圧倒的に低くなるんだから。

そういえば、最近の先進国では「同類婚」が増えているそうです(因みに、オレとカミさんは同じ大学だったので「同類婚」と思います)。スペシャリストのパワーカップルがDINKS期間を終えて出産後も共働きを続ければ、世帯年収1500万円のハードルはそれほど高くはありません(二流駅弁大出でも年収900万近くいくんだから)。

まとめると、

パワーカップル=幸福のスキーム

と言えると思います。

以上、好きなときに閖上産の赤貝を食べれる程度には幸福な、二流駅弁大出の(心は)テクニシャン(研究補助員)のコンキチの年頭メモでした。