2026年6月3日水曜日

もっと、TCFH (Tetramethylchloroformamidinium Hexafluorophosphate)

ドモ、源泉掛け流し至上主義、温泉大好きコンキチです。
先日、修善寺を旅して温泉を楽しんできました。
所謂、修善寺温泉ではなくて(修善寺温泉にも行きましたが)、修善寺駅から6-7 kmといったところでしょうか、周りに何もない系の湯宿です。
ホント周囲に何もなくてお世辞にもアクセスがいいとは言えませんが、伊豆エリア随一との呼び声の有るような無いような極上の湯(勿論、源泉掛け流し)を堪能し、至高のベジタブル料理に舌鼓を打ちました。

神代の湯 (visited May 2026)
住所:伊豆市梅木367-15

お湯は泉質の異なった二本の源泉の混合泉のようで、源泉掛け流しの大浴場と浴槽の中に北投石が入っている貸切風呂があります。
大浴場はとても柔らかい泉質で、浸かるほどに柔らかさが増す幻惑感。湯温が38-39℃程度なので、1時間/回程度ガッツリ浸かってきました(泉温は50.7˚C)。
貸切風呂は大浴場と比較して少しサッパリしてるかなという第一印象。で、浸かるほどに滑らかさが増してくるような不思議な感覚(個人の感想です)。
何はともあれ、いいお湯でした。名湯と言っていいんじゃないでしょうか。

続いて、お料理です。
夕食・朝食付きで二泊したんですが、何も趣向が凝らされた満足に足る食事を楽しめました。

夕食 (初日)
野菜リッチの夕飯です。 
全体的に薄味めで、野菜の味が濃い。

お豆腐なのかムースなのかよく分かんないけど、滑らかな舌触りで、枝豆の香味が濃厚でパワフル! マジ、美味しい。

薄味で油を薄っすら纏った濃い味のお野菜たちが美味しいの。

ヒジキに酸味とか、いいじゃないですか。

お野菜は正義!

優しい旨み深いお出汁染み染みのヤワ染みな自然な甘味の蕪と菜花のコンボとか、松田優作の殉職シーンですよ。

ご飯の香り立ちが濃ゆくて、粒立ちもいい(ちょっと硬いかなぁ).。 味噌汁も普通に美味しいし。
薄味の胡瓜と濃い味の大根とか、漬かり具合のコントラストと言ったら。

鰤照りが普通に美味すぎる件。

香味野菜ふんだんな洋風ポタージュですか? クリーミーでハーバルでスパイシーで、ちょっと美味過ぎますね。

デザートは、わらび餅。

甘くてしっかりしたボディの自家製梅酒 on the rocksが沁みます。


朝食 (二日目)
こういう朝飯がいいのよ、こういうのが。

鯵の干物に間違いはないですね。

切り干し大根とか、大人になってから分かる美味さですね。

薄っすらカレー風味(?)、ピリリとチョイ辛、胡椒のスパイシー、そしてトマトの甘味と酸味と旨味がクルー!

椎茸と昆布の煮物なんていいじゃないか。 椎茸の香味が濃い!

朝粥っていいよね。 入ってるのはキビでしょうか。香味が深まります。


夕食(二日目)
二日目の夕飯も、お野菜ふんだんに魚の煮付け一品。 野菜がホント美味いし、こういうのが沁みるのよ、こういうのが。

(多分)わらびが超美味い! 
木の芽は和製ミントですね。とっても爽やか。
筍はあっさりしたオツユふんだんに保持。

レンコンと茸と人参のアンサンブルを、やんわりしたお酢テイストで。

お野菜うめー!

軟らかい胡麻油テイストで、フレッシュな野菜の味が映えます。

こんなにエクセレントにほろ苦い春菊は初めて食べたんじゃないでしょうか。
ちょっと、感動。

蒟蒻が美味過ぎる。
甘い味付けがホント柔らかい。

丁寧な味で白身が映えますね。

デザートは豆乳餅。

こがねの香り(コーヒービール)。 
異臭とも思えるくぐもった嫌な匂いとセメダイン香。 
そんなボクの苦手な匂いとは裏腹に、味は悪くない。っていうか美味しい。
爽やか系で、嫌味のない軽やかな甘さで、控えめだけどコーヒーテイストもしっかりあって、キレもある。
なかなかに不思議なビール🍺と思いました。


朝食 (三日目)
最終日も朝食に癒されました。

この朝の干物は金目鯛。 流石、伊豆や!

ボクはおから苦手なんですが、これは別格。
しっとり滑らかな舌触りで、味付けが丁寧で柔らかい。

滋味津々。
ホント野菜が美味しい。
小松菜の膨よかな食感と、ふっくら仕上がったしめじのリッチな味が堪りません。

お味噌、お豆腐、お揚げ、お野菜(多分、小松菜と韮)が渾然一体となった鉄板の美味さを形成している。
つまり、美味しい。


神代の湯。エクセレントなお湯とヘルシーで満足感たっぷりの美味しい食事が素晴らしいですね。
流石、ヒロミさん、中田英寿さん、別所哲也さん、東貴博さん、江角マキコさん、工藤夕貴さん、綾瀬はるかさん、滝川クリステルさん、柴崎コウさんらが訪れた湯屋だけのことはあるなと思いました(権威による服従)。
ボク的に館内着がくたびれていたこと以外にほぼほぼ不満はなかったんですが、バス・トイレ付いてないと嫌だとか、野菜が本当に嫌いな人、ラグジュアリーな部屋がいいっていう人には向いていない宿だと思いました。
っていうか、温泉宿の最大の価値は泉質ですよ、泉質。
つまり、源泉掛け流し至上主義。


閑話休題


こんな論文を読んでみました↓
Beyond Amide Bond Formation: TCFH as a Reagent for Esterification
Org. Lett., 2024, 26, 2745-2750. 

先に、TCFHとNMIの組み合わせが系中で高活性なイミダゾリウム塩を形成し、アミド化において脱水縮合界の絶対王者(とボクは思ってないけど)HATUを上回るパフォーマンスを示したことをメモしました。

そして、本報のお題はというと、TCFHのエステル化とチオエステル化への拡張です。
勿論、バファリンでお馴染みのブリストル マイヤーズ スクイブ(ティッカーはBMY)からの報告です。

まずエステル化の検討です。
カルボン酸には、ある程度の立体障害とラセミ化リスクのある(S)-2-フェニルプロピオン酸と、オキサゾロン経由でエピマー化し得るCbz保護したN-メチルアラニンをセレクトし、アルコールにはメントールを合わせてアミド化で見出した最適条件(TCFH (1.2 eq.), NMI (3.1 eq.), MeCN, rt.)をそのまま適用したんですが、ラセミ化が結構進行し、嵩高い基質で反応が遅いというイマイチ(というか残念)な結果に終わりました。
そこで著者らは、改めて反応条件の検討を行います↓


そも結果、基質特異性があって、塩基の選択がクリティカルで、溶媒効果も観察され、TFCH-Py系が良さそうだということが分かりました。
あと、in situ IRとNMRスタディーから、著者らはTFCH-Py系における反応機構を明らかにしています↓

酸無水物経由で反応が進行していきます。

気になる基質一般性の検討です↓

N-保護アミノ酸についても検討しており、アルコールには、4-シアニフェノール(電子不足フェノール)、2,4,5-トリメチルフェノール(立体障害フェノール)、1-フェニルエタノール、メントール、イソボルネオール、2-フェニル-2-プロパノール(嵩高い系脂肪族アルコール)といった難易度高の基質が選抜されています。
また、反応条件はアミド化で構築したTFCH-NMI系と、新たに見出したTFCH-Py系の両方の条件を試しています。
結果なんですが、TFCH-Py系の方が収率が良くてラセミ化・エピマー化を効果的に抑制している例が多いと思うんですが逆の場合もあって、条件の選択は基質によりけりといった感じなんでしょうか。
やはりというか、立体障害の大きいtert-アルコールとの反応は収率が低くeeも著しく低下しますね。あと、リナロールは転位を伴ったバイプロもできるそうです。
エピマー化し易い基質であるCbz保護されたグリシル-L-フェニルアラニンの反応では、エピマー化レベルがなかなか厳しいことになっています。
まあ、完璧ではないけれど、TCFHがO-アシル化にも使えそうなことが示されたんじゃないでしょうか。

続いてチオエステル化です。
チオエステル化はちょっと注意が必要です。というのも、TFCHはカルボン酸よりもチオールと優先的に反応してしまうため、カルボン酸のTCFH-NMIによるpreactivationが必要となり、地オールは最後に加えなければなりません。
で、著者らの検討した結果はこちら↓

中程度から高収率といったとことでしょうか。

どうですか、みなさん。TCFH、使ってみたくなりませんか?
ボクは使ってみたくなりました。何故なら、まだ使ったことないから。
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のTCFH活用メモでした。
因みに、ボクはバファリンのんだことないです。本当です。