2026年6月28日日曜日

Raumen_Colle (ラーメンコレ) (30)

ドモ、ラーメン、そこそこ大好きコンキチです。
自分、ラーメン大好きだと思ってたんですが、そうじゃないなってことに気付きました。
だって、世の中には長時間行列するほどの情熱を持ってラーメンに対峙している人達がいるじゃないですか。そういう人達には勝てないなと思って、心が折れました。
やはり、ラーメンとは至高の美食であって、それを極めんと欲すラヲタには到底敵いません。
ということで、そこそこラーメン大好きなボクは、行列しなくても食べれるラーメンを攻めてみました。

entry 146   日高屋 (visited May 2026)

-スタミナ系辛味噌野菜タンメン (野菜たっぷりタンメン (620 JPY)、にんにく (20 JPY)、秘伝の辛味噌 (30 JPY))-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW- 
ボクが愛読している「ラーメン大好き小泉さん」が月刊少年チャンピオンに移ってからの19杯目で紹介されているのを再現しました。
レシピは、野菜たっぷりタンメン細麺変更麺カタメでオーダーし、おろしニンニクと辛味噌を別途注文して全て投入。
改造前の素のタンメンは、アッサリ塩味で普通に美味しいですね。なんか郷愁を誘う懐かしテイスト。細麺はカタメでオーダーしてるんですが普通軟らかいです。でもナヨナヨってわけじゃないし、シャワシャワ感は楽しめるので、ええでしょう。昔嗅いだ麺の匂いもします。
それから、野菜いっぱい入ってて嬉しいです。
とまあ、ノーマルモードはアッサリした普通に美味しいタンメンなんですが、おろしニンニクと辛味噌で味変すると、ワイルド感が一気に爆上がりです。ニンニクの強烈なパンチと辛味噌の辛さという痛覚への訴求が最高ですね。
ベースがアッサリ塩味だからこそ、これらの味変を違和感なく全てを吸収している。あと、胡麻油感が付与された気がしました。
なにはともあれ、小泉さんのおかげでイイ夢見れました。ありがとう鳴見なる先生!


-ホッピーセット (460 JPY)-
-おかわり (中) (250 JPY)-






entry 147   矢場味仙 東京 (渋谷, visited May 2026)
住所 : 東京都渋谷区道玄坂1-17-7 いちのビル 1F・2F

-キリンラガービール (中瓶) (770 JPY)-

-台湾ラーメン (アメリカン) (930 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
ノーマルの台湾ラーメンが3辛だったので、日和って1辛のアメリカンにしました。
歯切れのいいツルシコ麺は、ポップな小麦感テイスト。
スープはスッキリあっさり醤油の澄んだ味だけど塩っぱい。
ニンニクがしっかり効いていて、台湾ミンチは塩っぱくてピリ辛。
ちょっと塩気がキツいラーメンと思いました。

-マーボトーフ (1,000 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
ニンニクがしっかり効いていて、ライト系のシャープな辛さ。
山椒なしで油も軽め。
辛さは2辛で汗ばむ程度の辛さで心地いい。
ライト系麻婆としては、かなりの美味しさと思いました。

-アサリ炒め (1,050 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
辛さは1辛。
ニンニク、アサリ、唐辛子の融合がいいですね。
ニンニクの効かせ方がお上手。
あと、醤油か何かの焦げた感と、僅かに濁った油感。


entry 148   タンメン トナリ 丸の内店 (visited May 2026)
住所 : 千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA B1F

-タンメン (840 JPY)-
-RATING- ★★★
-REVIEW-
スープから立ち昇るエキス感のある匂いと胡椒の香りがいいですね。
スープは円やかでコクがあってアッサリしてて、ちょっぴりクリーミーで健康的な美味しさを感じます。
平打ちの麺はどん兵衛の麺にも似た食感で、どん兵衛を圧倒的に上回る気持ちよさ。小麦感ある味わいでホント美味しい。
具は、もやし、キャベツ🥬、人参🥕、青菜、ニラ、コーン🌽、豚肉、蒲鉾でしょうか。お野菜たっぷりで嬉しいです。
一つ注文をつけるとしたら。アッサリめの美味さの豚肉のサイズがもうちょっと大っきかったらダンチでよかったと思いました。豚肉と麺とスープのコラボを、口腔内でもっと長い時間感じていたかった。
それから、スープのコクが秀逸ですね。 リンガーハットがまだ鍋振って調理してた頃、味ピーっていう調味料を使ってたんですが、これをいい感じ炒めるとちょっとクセ強のなんとも言えないコク深さが醸し出されるんですよね(ボクはそのレベルに達しませんでした)。で、その味に少し似てると思いました。


entry 149   鼎泰豐 流山おおたかの森店 (visited Jun. 2026)

-冷製トマト乾伴麺(スープ付) (1,650 JPY)-
-RATING- ★★★
-REVIEW-
締まった細麺はキックが強く固めの舌触り。小麦を想起させる旨味が感じられてとても旨い。
甘酸っぱいタレは酸味がいい感じに立っていて、上品な甘みにうっすら油感。
細麺がこのタレをふんだんに纏うわけなんですが、麺のボディの強さとタレの濃度のバランスが至高。
こういう冷し中華系には、青臭みがない軟らかいトマトが鉄板に合いますね。
タレの酸味とトマトの酸味のハーモニーが最高で、胡瓜🥒の青も色味がいい!
セットのスープは、豊潤なワカメの香味にちょい塩味の効いた味が最高ですね。 

-豆腐干しと昆布のあえもの (580 JPY)-
-RATING- ★★★
-REVIEW-
これ、もうホント美味しいんですよね。
豆腐干しの乾き具合と濃縮された濃ゆい味が最高で、脇を固める昆布、春雨、もやしもホント美味しい。
鼎泰豐に行くと毎回注文しちゃうんですよね。
最早、鼎泰豐のスペシャリテ。


entry 150   味仙 新橋駅前店 (visited Jun. 2026)
住所:港区新橋3-22-2 RISE新橋

-あさりラーメン (1,000 JPY)-
-RATING- ★★★
-REVIEW-
胡麻油の香り濃厚ですね。スープは胡麻油の濁ったニュアンスに強めピリ辛、ニンニク、綺麗めの醤油味に柔らかい甘味。
麺はツルシコでプツっという歯切れの良さで、小麦のポップな甘み。
スープと麺の相性は鉄板で、そこにたっぷり入った浅蜊が超嬉しいー。
浅蜊の旨味とふっくらした身質が堪りませんね! 


結論。
行列しなくても、美味しいラーメンは食べれる!
ボクはラヲタじゃなくても美味しいラーメンが食べれることを証明しようと思う。

過去のラーメンメモはこちら↓

2026年6月14日日曜日

もっと、トリフェニルホスフィンオキシドを減らせ! Third Season

先日、修善寺方面の修善寺温泉ではない湯宿で、極上の源泉掛け流しを堪能してきました。

ところで、修善寺といえば、やっぱり源頼家が幽閉されたあの修禅寺で、修善寺方面まで赴いておいて行かない手はないわけで、勿論行ってまいりました。
今回の旅で初めて知ったんですが、フルネームは福地山修禅萬安禅寺というそうですね(院はないの?)。

想像してたよりこじんまりとしてたんですが、温泉街にちょこんと佇む姿に、そこはかとない風情を感じました。

手水舎ならぬ手温泉舎なのは流石温泉街にあるだけのことはあるなと感心しました。

修禅寺に着いた頃はお昼時で、あまご(雨子、サツキマス、サケ目サケ科サケ属))が食べられるっていうお店で腹ごしらえしたので、初あまごの感想をメモします↓

あまご茶屋 修善寺温泉店メモ (visited Apr. 2026)
住所 : 静岡県伊豆市修善寺765-1


-紅姫あまごのづけ丼 (2,090 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
鱒的な強い香りがして、トロンと軟らかい身。
強い香りとは裏腹に、驚くほど淡麗な味わい。
トップに戴くのは、あまごの卵(黄金いくら)で、張りが強くチョット独特のクセのあるフィッシー•フレーバーがボクの好み。
薬味の山葵は、純朴で綺麗なアーシーな味わいが心に沁みます。

-あまごの塩焼き (880 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
鮎と岩魚を足して鮎寄りに2/3といった感じ(個人の感想)のキメ細かい身質、匂い、味わい。 
塩振りがいい塩梅で堪りません。


初めてのあまご、なかなか気に入りました。


閑話休題



ADCのケミストさんのX (エックス)のポストで紹介されていた論文を読んでみました↓

Poly(2-pyridyl)phosphines: Separation-Friendly Reagents for the Mitsunobu and Appel Reactions
Org. Lett., 2026, 28, 6528-6533.

プロセスケミストはみんな大好き、トリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)の簡便除去法のお話です。

ボクもTPPOの簡便除去ネタは大好きで、その都度いい感じのネタをメモしてきました↓

TPPO除去メソッドの中では、ZnCl2、MgCl2、CaBr2といったルイス酸との錯体を濾別する方法が非常にプラクティカルと思うんですが、その効果を高めるために溶媒置換したりルイス酸の粒子を細かく磨り潰したりするなどの一手間がかかります。
また、そのルイス酸性ゆえに、酸にセンシティブな官能基やルイス塩基性のヘテロ原子との錯体形成が競合するといった制限がるといいます。

ということで、本報が提示するソリューションは修飾ホスフィンを用いた方法です。

著者らのセレクトした修飾ホスフィンは、2,2'-(Phenylphosphanediyl)dipyridine (CAS# 68469-71-6)とTris(2-pyridyl)phosphine (CAS# 26437-48-9)で市販試薬です。水のワークアップであったり析出ホスフィンオキシドの濾別によってホスフィンオキシドを簡便迅速に除去することができます。

ワークアップ・プロトコルはこちら↓

・2,2'-(Phenylphosphanediyl)dipyridine (PPh(2-Py)2):10% CuSO4 aq.洗浄

・Tris(2-pyridyl)phosphine (P(2-Py)3):反応液を濾過して濾別。もしくは、MTBEで希釈して濾過(実は、10% CuSO4 aq.洗浄も出来る使えるヤツ)。

どちらの方法で処理しても、1H NMRおよび31P NMR分析からクルード中にホスフィンオキシドは検出されなかったそうです。

因みに、P(2-Py)3の各種溶媒に対する溶解度は次の通りです。

THF:0,9 mg/ml
2-MeTHF:0.2 mg/ml
PhMe:0.3 mg/ml
EtOAc:0.4 mg/ml
iPrOAc:0.2 mg/ml
MTBE:0.0 mg/ml
H2O:28 mg/ml

さて、オスフィンオキシドが効果的に除去できることが分かったところで、次に気になるのはピリジルホスフィン使って反応がちゃんと進行するのかですね。
ハイ、安心してください。ちゃんと反応しますから。

まず著者らは光延反応を検討しています。

ベンチマークのトリフェニルホスフィンと比較して多少反応収率は見劣りしますが、まあえでしょう。

基質一般性はこちら↓

メントールはその立体化学に毀損はなく、トリフェニルホスフィンを使った既報で69%だそうなので、いい感じですね。
その他の基質は、多分、ZnCl2、MgCl2、CaBr2処理に対する優位性を示すことを意識して、酸に弱いBoc保護基質やルイス塩基性の官能基を持つ基質、カラム精製ではTPPOとの分離できない基質をセレクトしています(ZnCl2、MgCl2、CaBr2程度でBocとか外れるの?)。

P(2-Py)3は全ての基質に対してなかなかのパフォーマンスを示していますね。
それに対してPPh(2-Py)2は、いくつかの制限が見受けられます。
金属に対して高い親和性を有するnicotinateは銅イオンとの配位が競合し、単離収率が39%と振いません(水層に落ちている)。
また、アデニン誘導体への適用は難しいようです(生成するホスフィンオキシドが目的物の単離を妨げるようです)。

最後に、著者らはこの新たな手法の適用をアッペル反応にも検討して好成果を得ています。

アッペル反応はジクロロメタン溶媒中で行っているので、その溶解性の高さからP(2-Py)3から生成するホスフィンオキシドの濾別による除去はワークしませんが、CuSO4水溶液洗浄で簡単に除去できます(上のテーブルの結果はCuSO4水溶液ウォッシュの結果ですね)。

2,2'-(Phenylphosphanediyl)dipyridine (CAS# 68469-71-6)とTris(2-pyridyl)phosphine (CAS# 26437-48-9)、なかなか使えるいいヤツなんじゃないでしょうか。
この二つの試薬はアルドで売ってるんですが、それぞれ210,000円/5 g、69,800円/gと高いです。


バルクグレードでいくらするのか分かりませんが、もっと安くなる日が早く来ることを願う、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のTPPO除去メソッドメモでした。


2026年6月3日水曜日

もっと、TCFH (Tetramethylchloroformamidinium Hexafluorophosphate)

ドモ、源泉掛け流し至上主義、温泉大好きコンキチです。
先日、修善寺を旅して温泉を楽しんできました。
所謂、修善寺温泉ではなくて(修善寺温泉にも行きましたが)、修善寺駅から6-7 kmといったところでしょうか、周りに何もない系の湯宿です。
ホント周囲に何もなくてお世辞にもアクセスがいいとは言えませんが、伊豆エリア随一との呼び声の有るような無いような極上の湯(勿論、源泉掛け流し)を堪能し、至高のベジタブル料理に舌鼓を打ちました。

神代の湯 (visited May 2026)
住所:伊豆市梅木367-15

お湯は泉質の異なった二本の源泉の混合泉のようで、源泉掛け流しの大浴場と浴槽の中に北投石が入っている貸切風呂があります。
大浴場はとても柔らかい泉質で、浸かるほどに柔らかさが増す幻惑感。湯温が38-39℃程度なので、1時間/回程度ガッツリ浸かってきました(泉温は50.7˚C)。
貸切風呂は大浴場と比較して少しサッパリしてるかなという第一印象。で、浸かるほどに滑らかさが増してくるような不思議な感覚(個人の感想です)。
何はともあれ、いいお湯でした。名湯と言っていいんじゃないでしょうか。

続いて、お料理です。
夕食・朝食付きで二泊したんですが、何も趣向が凝らされた満足に足る食事を楽しめました。

夕食 (初日)
野菜リッチの夕飯です。 
全体的に薄味めで、野菜の味が濃い。

お豆腐なのかムースなのかよく分かんないけど、滑らかな舌触りで、枝豆の香味が濃厚でパワフル! マジ、美味しい。

薄味で油を薄っすら纏った濃い味のお野菜たちが美味しいの。

ヒジキに酸味とか、いいじゃないですか。

お野菜は正義!

優しい旨み深いお出汁染み染みのヤワ染みな自然な甘味の蕪と菜花のコンボとか、松田優作の殉職シーンですよ。

ご飯の香り立ちが濃ゆくて、粒立ちもいい(ちょっと硬いかなぁ).。 味噌汁も普通に美味しいし。
薄味の胡瓜と濃い味の大根とか、漬かり具合のコントラストと言ったら。

鰤照りが普通に美味すぎる件。

香味野菜ふんだんな洋風ポタージュですか? クリーミーでハーバルでスパイシーで、ちょっと美味過ぎますね。

デザートは、わらび餅。

甘くてしっかりしたボディの自家製梅酒 on the rocksが沁みます。


朝食 (二日目)
こういう朝飯がいいのよ、こういうのが。

鯵の干物に間違いはないですね。

切り干し大根とか、大人になってから分かる美味さですね。

薄っすらカレー風味(?)、ピリリとチョイ辛、胡椒のスパイシー、そしてトマトの甘味と酸味と旨味がクルー!

椎茸と昆布の煮物なんていいじゃないか。 椎茸の香味が濃い!

朝粥っていいよね。 入ってるのはキビでしょうか。香味が深まります。


夕食(二日目)
二日目の夕飯も、お野菜ふんだんに魚の煮付け一品。 野菜がホント美味いし、こういうのが沁みるのよ、こういうのが。

(多分)わらびが超美味い! 
木の芽は和製ミントですね。とっても爽やか。
筍はあっさりしたオツユふんだんに保持。

レンコンと茸と人参のアンサンブルを、やんわりしたお酢テイストで。

お野菜うめー!

軟らかい胡麻油テイストで、フレッシュな野菜の味が映えます。

こんなにエクセレントにほろ苦い春菊は初めて食べたんじゃないでしょうか。
ちょっと、感動。

蒟蒻が美味過ぎる。
甘い味付けがホント柔らかい。

丁寧な味で白身が映えますね。

デザートは豆乳餅。

こがねの香り(コーヒービール)。 
異臭とも思えるくぐもった嫌な匂いとセメダイン香。 
そんなボクの苦手な匂いとは裏腹に、味は悪くない。っていうか美味しい。
爽やか系で、嫌味のない軽やかな甘さで、控えめだけどコーヒーテイストもしっかりあって、キレもある。
なかなかに不思議なビール🍺と思いました。


朝食 (三日目)
最終日も朝食に癒されました。

この朝の干物は金目鯛。 流石、伊豆や!

ボクはおから苦手なんですが、これは別格。
しっとり滑らかな舌触りで、味付けが丁寧で柔らかい。

滋味津々。
ホント野菜が美味しい。
小松菜の膨よかな食感と、ふっくら仕上がったしめじのリッチな味が堪りません。

お味噌、お豆腐、お揚げ、お野菜(多分、小松菜と韮)が渾然一体となった鉄板の美味さを形成している。
つまり、美味しい。


神代の湯。エクセレントなお湯とヘルシーで満足感たっぷりの美味しい食事が素晴らしいですね。
流石、ヒロミさん、中田英寿さん、別所哲也さん、東貴博さん、江角マキコさん、工藤夕貴さん、綾瀬はるかさん、滝川クリステルさん、柴崎コウさんらが訪れた湯屋だけのことはあるなと思いました(権威による服従)。
ボク的に館内着がくたびれていたこと以外にほぼほぼ不満はなかったんですが、バス・トイレ付いてないと嫌だとか、野菜が本当に嫌いな人、ラグジュアリーな部屋がいいっていう人には向いていない宿だと思いました。
っていうか、温泉宿の最大の価値は泉質ですよ、泉質。
つまり、源泉掛け流し至上主義。


閑話休題


こんな論文を読んでみました↓
Beyond Amide Bond Formation: TCFH as a Reagent for Esterification
Org. Lett., 2024, 26, 2745-2750. 

先に、TCFHとNMIの組み合わせが系中で高活性なイミダゾリウム塩を形成し、アミド化において脱水縮合界の絶対王者(とボクは思ってないけど)HATUを上回るパフォーマンスを示したことをメモしました。

そして、本報のお題はというと、TCFHのエステル化とチオエステル化への拡張です。
勿論、バファリンでお馴染みのブリストル マイヤーズ スクイブ(ティッカーはBMY)からの報告です。

まずエステル化の検討です。
カルボン酸には、ある程度の立体障害とラセミ化リスクのある(S)-2-フェニルプロピオン酸と、オキサゾロン経由でエピマー化し得るCbz保護したN-メチルアラニンをセレクトし、アルコールにはメントールを合わせてアミド化で見出した最適条件(TCFH (1.2 eq.), NMI (3.1 eq.), MeCN, rt.)をそのまま適用したんですが、ラセミ化が結構進行し、嵩高い基質で反応が遅いというイマイチ(というか残念)な結果に終わりました。
そこで著者らは、改めて反応条件の検討を行います↓


そも結果、基質特異性があって、塩基の選択がクリティカルで、溶媒効果も観察され、TFCH-Py系が良さそうだということが分かりました。
あと、in situ IRとNMRスタディーから、著者らはTFCH-Py系における反応機構を明らかにしています↓

酸無水物経由で反応が進行していきます。

気になる基質一般性の検討です↓

N-保護アミノ酸についても検討しており、アルコールには、4-シアニフェノール(電子不足フェノール)、2,4,5-トリメチルフェノール(立体障害フェノール)、1-フェニルエタノール、メントール、イソボルネオール、2-フェニル-2-プロパノール(嵩高い系脂肪族アルコール)といった難易度高の基質が選抜されています。
また、反応条件はアミド化で構築したTFCH-NMI系と、新たに見出したTFCH-Py系の両方の条件を試しています。
結果なんですが、TFCH-Py系の方が収率が良くてラセミ化・エピマー化を効果的に抑制している例が多いと思うんですが逆の場合もあって、条件の選択は基質によりけりといった感じなんでしょうか。
やはりというか、立体障害の大きいtert-アルコールとの反応は収率が低くeeも著しく低下しますね。あと、リナロールは転位を伴ったバイプロもできるそうです。
エピマー化し易い基質であるCbz保護されたグリシル-L-フェニルアラニンの反応では、エピマー化レベルがなかなか厳しいことになっています。
まあ、完璧ではないけれど、TCFHがO-アシル化にも使えそうなことが示されたんじゃないでしょうか。

続いてチオエステル化です。
チオエステル化はちょっと注意が必要です。というのも、TFCHはカルボン酸よりもチオールと優先的に反応してしまうため、カルボン酸のTCFH-NMIによるpreactivationが必要となり、地オールは最後に加えなければなりません。
で、著者らの検討した結果はこちら↓

中程度から高収率といったとことでしょうか。

どうですか、みなさん。TCFH、使ってみたくなりませんか?
ボクは使ってみたくなりました。何故なら、まだ使ったことないから。
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のTCFH活用メモでした。
因みに、ボクはバファリンのんだことないです。本当です。