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2009年12月31日木曜日

蕎麦を喰わねば年は越せぬ

年の瀬を大詰めの今日この頃、ちょっくら上野まで蕎麦を食いにいってきました↓




アメ横近辺に位置する上野藪そば総本店に行ってきたわけです。営業は11:30からと記憶していたのですが、年越し蕎麦の書き入れどきの真っ只中なためか、11:15くらいに店の前まで辿り着いたのですが、既に開店していて、しかも超混みでした。

前々から行きたい行きたいと思っていて、なんとなく行けずにいたんですが、やっとこさ辿り着いた上野藪の蕎麦の味は、強いコシの細打ちの蕎麦の喉越しは比類なく、強いツユと薬味の山葵とが奏でるハーモニーは、噂に違わぬ美味な味わいでしたね。はっきり言って、リピート率200%マチガイなしと思います。

いやあ~、それにつけても、1年の終わりに極上の蕎麦を堪能できる幸福を甘受できる「ザ・日本」に生まれてよかったなあと心底思うコンキチでした。

それから、1年の最後に大好きな蕎麦を名店で堪能して、さらにその後、お気に入りのイタリアン・レストラン(のショッピング・センターの出張所)でワインを呑みながらパスタを食べて、(食生活的に)充実した1日だったわけなんですが、今日1日の満足でなんか今年1年総べてヨシみたいな感じで、清々しい気持ちです。

来年も美味しいお蕎麦がたくさん食べられますように

2009年12月30日水曜日

フリー

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」を読了しました。

2009年12月30日現在、アマゾンので最も売れている本のようです。

この本の読んでみて、コンキチの感想を一言で言えば、



フリー(無料)とは、マーケティング・ツールだ


ということでしょうか?

<フリー>を活用したマーケティングの歴史は古く、それ自体は目新しいものではありません(この本でも、その歴史が解説されている)。重要なのは、ビット経済において、そのウェイトが、アトム経済とはくらべものにならないほど極めて大きいということに対する認識だと思います。

本書で何遍も述べられている「限界費用がゼロに近いモノは、フリーに近づく」というアイデアには、実際、具現化している事例がかなりある(本書でも例証されている)と思う。で、その中でもコンキチが特に注目したいのは、限界費用=(nearly) Zeroの違法なデジタル・コピーです。


コンキチが院生だったころ、インターネットは比較的黎明期だったと思います。我が国ではブロードバンドなど全く普及しておらず、貧弱な回線だったにもかかわらず、邦楽mp3ファイルがサイバー空間の至る所に並べられていた。法治国家の体裁を成す我が国では、やがて違法mp3ファイルの流通(ダイレクト・ダウンロード)は下火になったが、デジタルデータの違法コピーは、Torrentや中華サイト、韓国サイト、ロシアサイトなどに引き継がれている。ついでに違法コーピーファイルの入手法を指南する雑誌もある(日本で)。さらに細かいところまで数えあげると、多くのWebユーザーはなんらかの形で著作権を侵害している可能性が高い(そういった違法行為が許されるのは、ビットワールドがあまりにも広大で、権利者の対応コストが莫大となり、相当悪質でなければ、親告罪なるが故に黙示の許諾が適用されているに過ぎないのだと思う)。物理的な犯罪にくらべて、著作権にかかるデジタル犯罪に対する人々の罪の意識は極めて低いといわざるを得ないというのがコンキチの実感です。

さらに、非物質的な犯罪においては、損失がはっきりと認識することができず、犯罪や被害のあったことを確認する術もないからだと思います。結果、犯罪の結果として生じる苦痛が具現化しにくく、犯罪としての意識が希薄化しているんだと思います。

コピーが簡単で、犯罪であるという意識の低い違法デジタル・コピーが、<フリー>への道を進もうとするのは、水が高いところから低いところへと流れていくのに近しいほど技術的・心理的障壁がなく、当然の帰着なのかもしれません。


こういった不正コピーを犯罪としての局面から捉えると、著作権者の機会損失のみがフィーチャーされがちですが、本書では不正コピーでさえもマーケティングの一環として捉えるべきであるという画期的が提案されています。つまり、本来の価格では購買意欲の湧かない層にまでリーチすることができ、有効なプロモーションとなりえるというものです。その結果、多くの顧客の需要が喚起され、実は不正コピー品の流通の結果生じるのは機会利益であったなんてこともあるわけです。

感想終了


あと、ここで挙げた話題の他にも、機知に富んだアイデアがこの本の中で展開されており、オススメの一冊に仕上がっていると思います。さすが、アマゾンで一番売れている本と思います。

2009年12月26日土曜日

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (7)

JR東日本の多角化戦略のメモの続きです。

お題は、「広告事業」↓

現在、広告ビジネスの隆盛は、アトム(Atom)経済からビット(Bit)経済へと移行している。ただ、例外があります。それは電車広告。そして、特筆すべきは特定の首都圏における優良セグメントに対するリーチ力でしょう。なんといっても東京経済圏は我が国における最強最大の市場でしょう。で、山手線や京浜東北線といった首都圏の交通の動脈を担う路線は、巨大市場へのアクセスを牛耳るっているわけだ。その顧客は、我が国の大経済圏で働くビジネスパーソンであり、学校が最も集中するエリアへと通学する学生であったりする。おそらく、彼ら彼女らは金離れの良い優良顧客なんでしょう。だって、給料の高い首都圏で働くビジネスパーソンと、学費と生活費が嵩む私立校に通学する子女は金離れが良さそうな気がする。

ある大手広告代理店によると、「首都圏十数駅をカバーさえすれば、女子高生50%以上にリーチできる」そうだ。

また、キリンビール幹部は、「生活線上にある交通広告のなかでも、ドア横広告は商品機能をよく読み込んでもらえる。ここだけは"都市型マス媒体"」と評価しているそうだ。

さらに、車内額面と駅パネルなどに1ヶ月掲出するコンポ商品(2,000万円以上)に、「申し込んでも取れない」(大手代理店営業)と超売り手市場だそうです。

ちなみに、関東電鉄媒体売上高総額1,127憶円(2008年度)のうち、JR東のシャアは49.4%(っていうことは、ざっと556憶円)。広告だけで556億の売上をたたき出すJRって凄くないですか?

ところで、電車広告のお値段はこんな感じ↓


1) トレインチャンネル/ 390万円
提出路線: 山手・中央・京浜東北線, 期間: 1週間 (10-3月期), その他条件: スポットCM

2) つり革 (アドストラップ)/ 130万円
提出路線: 山手線, 期間: 4週間, その他条件: 編成

3) まど上/ 185万円
提出路線: 3線群, 期間: 4-5日間, その他条件: シングル

4) ドア上/ 550万円
提出路線: 首都圏全線, 期間: 1ヶ月 (10-3月期/A型)

5) 中吊り/ 440万円
提出路線: 首都圏全線, 期間: 平日2日, その他条件: シングル

6) ステッカー/ 770万円
提出路線: 首都圏全線, 期間: 1ヶ月 (A期), その他条件: 戸袋

7) ドア横/ 2,800万円
提出路線: 首都圏新型車両, 期間: 7日 (A期), その他条件: 新型車両の4面+201系の通路1面

8) 車体広告/ 1,500万円
提出路線: 山手線, 期間: 4週間, その他条件: 11両、2編成

9) ADトレイン/ 1,510万円
提出路線: 山手線, 期間: 半期 (A期), その他条件: 11両


以前のブログ(see http://researcher-station.blogspot.jp/2009/09/blog-post_4412.html)にも書いたけれど、莫大かつ良質なトラフィックを集客するJR東って凄いよね。リアルワールドでこれほどのトラフィックを集めることのできる企業はまれだ。っていうか、ビットワールドであってもそんな企業は稀でしょう。しかも、時間帯、エリアなどによるセグメンテーションやターゲッティングも容易だろうから企業の方でも使い勝手がいいかもしれない。不特定多数に働きかける新聞、雑誌、ポータルサイトよりも効果的なプロモーションが可能なわけですよ。


とまあ、これまで徒然なるままに駄文を弄してJR東の多角化事業をメモしてきました。で、改めて思ったのが、JR東のビジネスは「集客業」だということです。で、鉄道という巨大なインフラは、「集客」を効果的に行うための一ツールに過ぎないのだろうと。で、JR東は集めた客を囲い込むように多角化している。つまり、JR東の多角化事業は、「集客業」の補完事業なわけです。だから、本業と全然関係ない領域に多悪化して業績を悪化させておいて、コングロマリット・プレミアムなんて嘯くどこかの企業とは違うんですよね。少なくとも、コンキチはそう思います。ということで、JR東シリーズもこれで打ち止め。

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (6)

JR東日本の多角化戦略のメモの続きです。

今回のテーマは、「ホテル事業」↓

JR東の展開するホテルは、駅に近接しており、純粋に駅から近いという立地の良さがウリというシンプルかつ強力なセールスポイントを有しています。そして、「立地の良さ」は、はっきり言って模倣不可能で、これは圧倒的な競争優位の源泉足りうると思います。なので、JR東の展開するホテル群は宿泊特化型が多いのでしょう。だって、キー駅の直ぐそばという、圧倒的な魅力があるのだから。
ちなみに、ホテルの粗利は、レストランや宴会部門を有するシティー型ホテルよりも宿泊特化型の方が高いそうです。

あと、ホテルの稼働率の採算ラインは70%なんだそうですが、JR東の展開するホテルの多くは、80-90%と極めて高い稼働率を誇っているそうです。

次回は、最後、「広告ビジネス」のメモで締めたいと思います。

2009年12月23日水曜日

情報の非対称性をこえて

仕事(有機合成化学)Jが停滞気味のコンキチです。

とあるニュース番組をみていたら、生鮮食品の生産者の表示偽装の話をやってました。で、消費者曰く、

「表示を信じてるのに、何を頼りに買ったらいいか分からない。」


で、コンキチの感想↓

食ってみて美味いかマズイかってのを判断基準にするのも一理あるんじゃない?
あと、値段


ちなみにコンキチは、「二度と行かない店リスト」なるものを作成しています。コンキチが勘弁ならないほどの劣悪な商品やサービスを販売している店をリスト化していて、実際そのリストにランクインした店には行きません。


一般的に、(商)取引には情報の非対称性が常につきまとう。それをヘッジするのは、情報の公開であったり、信頼だったり、保証だったりする。


よく情報の非対称性に関した逆選択の事例で中古車販売業の話があるけれど、ガリバーは広告宣伝費に多額の資金をつぎ込んでブランド力を高めたり、保証をつけることで、逆選択に係る悪影響を回避しています。

でも、それは普遍的なものでもないだろうし、絶対的なものではないでしょう。結局は、消費者自身が賢くなる必要を否定することはできないと思います。

情報の非対称性を越えるためには、与えられた情報のみに頼るのではなく、自らの知性を高め、自らの脳ミソで考えるという習慣が重要と思いますね。

2009年12月19日土曜日

生命保険のカラクリ


生命保険のカラクリを読了しました。

ゴミ投資家のための人生設計入門」あるいは、「世界にひとつしかない「黄金の人生設計」」で学習済みのコンキチには、新たに得られた情報はあまり多いものではありませんでしたが、ライフネット生命の副社長という業界内部の人間が執筆しているということに大きな価値があると思います。

間違いなく、良書と思います。

ちなみの、下図は2006年度の生保各社の業績だそうです↓

大手生保は、抱えていた莫大な利差損を、どのようにカバーしていたかが分かりますね(要は、ボッタクってたってこと)

ヘッテルとフエーテル


ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話」を読了しました。

系統としては、コンキチの大好きな作家である、橘玲の「亜玖夢博士の経済入門」系の本で(see http://researcher-station.blogspot.jp/2008/01/blog-post.html)、良質な金融詐欺対策本です。

コンキチは、橘氏の著作で学習済みなので、新たに知り得た事実はあまり無かったですが、その残酷物語のテーマの選択とストーリー展開は秀逸で、面白いです。

お題はこんな感じです↓

1) 予言の生存バイアス
2) 自己啓発オタク(カツマー)
3) 融資一体型変額保険
4) 年金
5) ポンジー(円天)
6) ホワイトバンド
7) NTT株
8) 貧困ビジネスとしての借り換え斡旋


この本は薄くてすぐ読み終わるので、気分転換にもどうぞ。


2009年12月12日土曜日

JR東:コングロマリット・プレミアムの真実 (5)

JR東日本の多角化戦略のメモの続きです。

今回のテーマは、「カード事業」↓

JR東が展開するカード事業は、電子マネー(Suica)とクレジットカードの二本立て。

a) 電子マネー
電子マネーは、今年1月には発行枚数が1億枚を超えたそうです(コンキチは、Suica, Edy, nanacoと一回も使ったことのないWAONを持ってます)。ちなみに、クレジットカードの発行枚数は、2006年度の数値で2億9300万枚。

で、主要電子マネーの発行枚数と決済件数はこちら(出所は月刊消費者信用「2009年版クレジット産業白書」だそうです)↓


発行枚数こそEdyに譲るものの、決済件数は群を抜いています。公共交通機関「ザ・電車」の便利な切符であるSuicaは、その存在自体がプロモーションであり、潤沢な決済機会を提供している。

電子マネー専業のビットワレットは、決済回数/発行枚数比が低く、万年赤字を垂れ流しているのに対して、本業を別に持つ電子マネー運営母体のカードの回転率は高い(ちなみに、コンキチはEdyのヘビーユーザーです)。
(nanacoやWAONはポイントカードの延長線上にあり、コンビニやスーパーといった決済機会の豊富な業態の電子マネーであり、それゆえ決済回数/発行枚数比が高いのだと思う)

電子マネーは、その利便性ゆえに、本業の業務効率をアシスト(集客効果)する機能が高いとうことなんでしょう。また、JRの場合は、Suica導入により駅改札機の故障が極端に減った(という番組を以前みた)ことにより、本業のオペレーション効率も大きく改善しているようです。さらに、首都圏キー駅周辺のエキナカコンビニ(NEWDAYS)とかではレジが混雑していますが、電子マネーによるスマート決済はレジでのオペレーション効率を大幅に向上させます。


b) クレジットカード

主要カード会社の取扱高と会員数は(月刊消費者信用「2009年版クレジット産業白書」)↓

CompanyJPY (×100,000,000)Δ (%)member (×10,000)Δ (%)
Mitsubishi
UFJ Nicos G
88,0891.53,7702.7
VISA JPN85,4427.23,17914.9
JCB83,5112.46,0972.0
CREDIT SAISON60,0372.42,7576.0
UC Group31,133▲0.41,6223.7
AEON CREDIT25,2216.21,6977.3
JAL CARD18,9470.122511.4
TOYOTA FINANCE17,3529.27097.6
OMC16,4672.91,075-
Orico16,467▲1.51,098▲2.5
Life CARD9,82110.01,5252.9
VIEW CARD9,14613.131913.3
JACCS9,004▲3.49322.8
CF6,997▲0.1831▲0.8

マーケットシェアこそまだまだなものの、その成長率は+13%とイチです。コンキチは既にBIC Suicaカードを所持していますが、VIEW Suicaカード(有料)をつくろうかと画策しているところです。
だって、各種交通機関で使える電子マネーとクレジットカードと定期とポイントカードと定期券がオールインワンで揃ったカードって魅力的じゃないですか。究極の利便性ですよ。

JR東の電子マネーやカード事業は、元来、本業(鉄道業)の利便性向上に資するために展開されてきたと思いますが、ぼちぼち「クレジットカード事業を単体で採算の取れる事業に育てていく」(椎橋執行役員)らしいです(新会社名は株式会社ビューカード)。やっぱり、こうしたさらなる成長戦略の話がでてくるのは、Suicaによるところが大きいのでしょうね。だって、Suicaは最も信用力のある電子マネーであり、かつ魅力もピカイチ。Edyよりも生活に密着している(首都圏のほぼ全てに公共交通機関で使える)。それに、Edyより明らかに営業努力をしていないと思うんだけど、それでも決済件数No.1だ。これは拡大余地があることを示唆しているのかもしれない。それから、クレジットカード事業では業界トップ企業との提携カードの発行により躍進しているようです。その原動力となっているのは、当然Suicaのお墨付きでしょう。

はっきり言って、首都圏に通勤するものにとって、Suicaは垂涎の的だ。その利便性は比類なく、他者(社)の追随を許さず、究極のスマート決済機会を提供している。


スゴすぎるね、Suicaって。Suicaをドライビング・フォースとしたJR東の躍進はまだ始まったばかりかもしれません。



つづく.....

2009年12月7日月曜日

企業の研究員の年収

(一応)企業の研究員のコンキチです。

ところで、先週末はボーナス支給日でしたね。「ボーナス」。それはなんて甘美な響きなんでしょう。心なしか、懐が暖かくなるような気がしますが、現実は、住宅ローンやらなんやら出費がかさんで、そんなに甘いものではありません(Kindleも買っちゃたし)。

まあ、ボーナスも無事支給されて今年の年収もほぼ確定した今日この頃、企業の研究員の給料に興味はありませんか?

ちなみに、コンキチが社会に出てから、今日に到るまでの年収の推移はこんな感じです↓(2009年分は推定)

どうですか?

まあ、(あまり贅沢しなければ)生活にあまり困らないくらいの給料ではないかと思います。

最近、不景気の影響からか、年収激減的な特集記事が巷で散見されているように思うのですが、鵜呑みにできる内容ではないと思うな。まあ、記事的には悲観でいっぱいな内容の方が世間の耳目を惹きやすいから、そういった記事が多いとも思いますが、そんな企業や職種ばかりではありません。

ところで、日本の一般的なサラリーマンの給料っていうのは、

基本給+定額支給される手当(住宅手当とか家族手当とか)+時間外労働手当+ボーナス

です。

で、
基本給+定額支給される手当(住宅手当とか家族手当とか)は固定していて、
時間外労働手当+ボーナスが変動部分

固定部分には下方硬直性が働いていて、まあ、将来的にも下がる懸念は低いと思われます。一方、変動部分は会社の裁量部分が大きく、特にボーナス支給の法的根拠は薄い(っていうか、殆ないと思う)。なので、年収に占めるボーナスのウェイトが大きい場合は、年収が激減する可能性は高いかもしれませんね(当然、激増する可能性もある)。あと、残業代をいっぱいGETしていた人も、仕事が無くなり、残業機会が減れば残業代も減ります(当然、景気が良くなって忙しくなれば増える)。

自分がおしいい思いをしてウハウハしていた時代を棚にあげて、不景気で厳しいから助けてくれなんていうのは、なんていうか、官庁が調子こいて無駄なハコモノに投じた巨額の資金が赤字製造施設になっていたのが分かって大騒ぎしたり、かつて世界を席巻した「ザ・セイホ」の凋落(といっても彼らは未だに高給取りだ)を偲ぶようなものでしょう。

年収激減時代とは、自分の基底状態を見誤り、励起状態をスタンダードと勘違いした人達の、ちょっとマヌケな悲劇かもしれないということももあるのかなという気がしますね。

かなり話が脱線しましたが、研究員という職種は、(特に研究開発型の)企業内において、その業務量の景気依存性が低と思います(少なくともコンキチはそう思う)。理由は、好景気だからと言って、良いアイデアがポンポン出てくるわけではないし、不景気だからといって研究を生産調整することは、自社の競争力をいたずらに低下させてしまうと思うからです。さらに、研究職は他の職種と比較して、裁量労働や経営補佐職といった、残業量に応じた手当が支給されない職位の人も多いかとも思います。

それから、研究員は熟練労働者に分類され、特に実験科学者(ガテン系研究員)は知識集約的かつ労働集約的な労働者と言えるかと思います。なので、解雇されにくいかも。

以上のようなことを鑑みると、研究員というお仕事は、それなりに魅力があるかもしれません。給料が景気に左右されにく、そこそこある。そして、馘首にもなりにくい。多分。
ついでに、就職は先生(研究室の教授)が紹介してくれる場合もけっこうある。


どうですか、大学入試を控えた受験生の皆さん。理系の学部に進んで、研究員を目指してみませんか?理系離れがさかんに叫ばれている昨今、以前に比べて合格が容易かもしれませんよ。しかも、地味だけど、生活には困らない安定した給料がみこめる(かも)。

分かってると思いますが、このブログは二流大しか卒業できなかったなんちゃって研究員の戯言なので、あまり本気にしないでください。