ども、オタッキーのコンキチです。
そして、もう閉店しちゃったけど、寒い時季に行った島根県料理のお店で食べたさばしゃぶのメモです↓
島根料理主水 神田淡路町店 memo
-さばしゃぶ (3,160 JPY excluding tax) (二人前だったかな?)--RATING- ★★★★★
-REVIEW-
醤油ベースのお出汁は真っ黒で、どんだけしょっぱいんだよという感じにお色だけど、凄く薄味。このお出汁に玉葱などの野菜を加え煮立たせる。少しぶくぶくいうくらいのほうが野菜由来の甘みが出るという(お店の人談)。その後、さばの切り身(島根沖の天然もの)をしゃぶしゃぶさせていただく。さばはとってもfreshで全くくさみはなく、澄んだ味とよい香りがする。
しゃぶしゃぶして切り身の表面が熱で変色し、外側が温かく内がレアの状態で食べるのが一番旨いです。熱で活性化した外側のダイナミックな味と、内側のレアで上品でしっとりしたお刺身のニュアンスとの融合が素晴らしいい。そして、(真っ黒だけど)薄味のお出汁が素材の味を引き立てる。これぞ、薄化粧の極み。
軽く煮立たせががら食べ進めるので、時折割り用の出汁で薄めてやる。
結構酔っぱらちゃったので殆ど覚えてないけど、とっても満喫しました。接客良かったし。現在は日本橋に移転して「島根の味 日本海の幸 主水 日本橋室町店」として営業しているようです。再訪したいお店です。
閑話休題
先日、有機合成歴二十有余年にして、はじめて根岸カップリングをやりました。反応はエクセレントに進行し、ボク的には"平均への回帰"を無視し"見たものが全て効果"をモロに受けてかなり好印象を持ちました(ノーベル賞反応だし)。
ところで、先日ちょっと苦手な渋谷で開催された有機合成化学講習会に参加したのですが、二日目のランチョンセミナーでロックウッドリチウムジャパン(https://www.albemarle.jp)の製品紹介が行われ、根岸カップリング関連でいい感じに気になったプレゼンがあったのでメモしてみます(Albemarleが2015年にrockwood lithiumを買収しました)。
さて、ファイザーでこんな鈴木カップリングをやったそうです↓
D. Daniels (Pfizer), 36th Org. Proc. Research & Dev. Conf. and Exhibition, Prague, 17-19, 10, 2016.
なんでも種々のボロン酸誘導体が押し並べて不安定で、実用に耐え得るボロン酸誘導体はジエタノールアミンの付加体しかなかったそうです。
これに対して、ピバル酸亜鉛から調製した有機ピバル酸亜鉛試薬は容易に単離可能で優れた安定性を示し根岸カップリングに適用できます。
Albemarle / P. Knochel
詳細は分かりませんが、紙に書いたスキーム上で有機ピバル酸亜鉛試薬かなりスマートに見えます。有機ピバル酸亜鉛試薬はオープンエアでも普通にそこそこ手早く取り扱えば問題なさそうです。
プロセス・ディベロップメント的にはファイザーの合成法で正解なのかもしれませんが、探索段階でジエタノールアミンの付加体を試すかと言われたら、ボクは試しません。ボロン酸とピナコールボロネートを試してダメだったら諦めると思います(やってもトリフルオロボレートとMIDAエステルくらい)。なので、有機ピバル酸亜鉛試薬は鈴木カップリングの強力なオルタナティブになり得ると思います。
最後に、有機ピバル酸亜鉛試薬の合成マップまとめです↓
(元の文献読んでないので)良く分かんないけど、ハライドからの有機ピバル酸亜鉛試薬の合成は基本Grignard試薬経由みたいです。なので、
(1) 官能基許容性には劣るんだろうけど、カップリングパートナーによっては熊田-玉尾-Corriuカップリングでよくね?(熊田-玉尾-Corriuカップリングはやったことないけどね)
(2) 直接ZnをインサーションしてRZnXでもいんじゃね?(これもやったことないけどね。はじめての根岸カップリングはRZnXが売ってたので、それを使ったです)
という疑問も湧いてきますが、基質特異性とかあったりするのでしょう。それに、戦術のレパートリーは多い方が良いと思います。
あと余談だけど、根岸カップリングのスタンダードPd cat.ってPEPPSI-IPrでオッケー?
以上、二流大出のテクニシャン(研究補助員)の亜鉛試薬メモでした。
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