2012年3月18日日曜日

Room Temperature Cross Coupling: 脱離基はアミノ基

そういえば、有機化学とラブコメの融合にして、第9回『『このミステリーがすごい!』大賞』の優秀賞を受賞したラブ・ケミストリーから約1年。喜多喜久氏の新作「猫色ケミストリー」(東大を舞台に「人格入れ替わり」をテーマにした有機化学コメディ)がもうじき発売されますね
(絶対、ケミストリー三部作にしようとしてると思う)

ところで、喜多喜久氏の作品はこの2本だけではなくて、「クリスマス・テロ」という短編があります(「このミステリーがすごい! 2012年版」に収録されています)。東大を舞台にしたちょっぴりサイエンティフィックなラブコメで(あいかわらずの少女漫画調)、幼少の頃、少女漫画を読み耽ったコンキチにはなかなか良かったです(ときめきトゥナイト、ハンサムな彼女、パタリロ、こいつら100%伝説などを愛読していました)。


閑話休題


ちょっと古いんですが、こんな文献を読んできました↓

Room Temperature Palladium-Catalyzed Cross Coupling of Aryltrimethylammonium Triflates with Aryl Grignard Reagents
Org. Lett., 2010, 12, 4388-4391.

aryltrimethylammonium triflate (or tetrafluoroborate)とaryl Grignard reagentとの(Kumada-Tamao-Corriu)クロスカップリングのお話です。しかも、室温で!

15 examples, 79-94% yieldです。

エレクトロファイルの官能基許容性は高く、F, Cl, CO2Et, OPiv, CN, SMe, OCF3, NMe2でオッケーです。

ちなみにこの仕事は、Werkert等の1988年の仕事にインスパイアされたものだとか↓
著者等の仕事では、アンモニウム塩はトリフレートの他にテトラフルオロボレートでも有効。また、それらの誘導方法はこちら↓

ちなみに、ジメチルアニリンからone-potでカップリングさせることもできて便利↓(ただ、反応時間はdirect reactionよりも長くなってしまう。ちなみに、下のschemeの反応は、ダイレクト反応だったら1 hで終結)
あと、競合実験でエレクトロファイルの反応性の高さは、

PhI > PhNMeOTf > PhOTf >> PhBr > PhCl

なかなか楽しそうな反応と思いました。

Hartwig Trifluoromethylation: late-stage trifluoromethylationのためのTrifluoromethylator

先日、新しいiPadが発売されましたが、初代iPadにMOLESKINの純正カバーよりもMOLESKINチックなカバーを装着してそのベストマッチング具合に満足してひとりニヤニヤしているコンキチです。



閑話休題


こんな論文を読んでみました↓

A Broadly Applicable Copper Reagent for Trifluoromethylations and Perfluoroalkylations of Aryl Iodides and Bromides
Angew. Chem. Int. Ed., 2010, 50, 3793-3798.


Hartwigの研究グループの報告です。

近年、網井らの研究グループがヨウ化アリールのトリフルオロメチル化の触媒システムを開発しました(Chem. Cummun., 2009, 1909-1911. )。触媒活性種は、[(phen)CuCF3]と提案されているんだけど、その単離はされておらず分光学的データもありませんでした。ちなみに、その触媒システムでは、電子不足ヨウ化アリールでは反応が進行するものの、電子リッチな基質では目的物が生成しないという課題があります(ちなみに、今、Chem. Commun.みれないので詳細は分からない)。ちなみに、網井らの触媒システムはこんな感じらしいです(この研究成果は、Cu触媒を用いたトリフルオロメチル化の数少ない成功例みたいです)↓


著者らは網井らの研究成果にインスパイアされて、提案されている件の触媒活性種[(phen)CuCF3]を合成・単離し、その活性を詳細に検討したというのが本報の内容です。

触媒の合成・単離は上記schemeの通りに行われ、その性質は↓

・orange-red solid
・DMF, DMSOに溶解。THF, CH2Cl2には部分溶解。ベンゼン、Et2Oに不溶。
・DMF中では、[(phen)CuCF3]と[(phen)2Cu][Cu(CF3)2]の平衡混合物として存在(19F NMR、導電率測定から示唆)
・室温、窒素雰囲気下で、1ヶ月以上安定

という感じです。ちなみに、-CF3が-CF2CF2CF3も同様に調製可能です(97% yield)。

←次に擬似触媒条件での反応を検討したところ、
電子リッチな基質に対しても高い活性を示し、官能基の許容性も高く、立体障害にも強いという結果が得られています。このことから、網井らの反応条件下では、[(phen)CuCF3]以外の化学種と反応しているか、[(phen)CuCF3]が十分に生成していないことが示唆されました。

ちなみに、p-RArBrとも加熱(110℃)すれば、反応が進行します(R=CO2Et: 61%; R=CHO: 66%; R=CN: 60%)。

さて、[(phen)CuCF3]の活性が明らかになったところで、著者らは、より実用的なトリフルオロメチル化反応の開発へと検討を進めていきます。

ArIに対して1.2-1.5 eq.の[(phen)CuCF3]を作用させると、種々にArIに対して、マイルドな条件下、優れた収率でトリフルオロメチル化が進行します。はっきり言って、この芳香環の電子状態に関わらない活性と官能基許容性は凄いと思います。しかも、[(phen)CuCF3]を空気中で秤量しても活性は殆どかわりません(反応は不活性ガス雰囲気下で行われる)。

さらに著者等は、[(phen)CuCF3]をin situで発生させてそのまま反応に用いるさらに実用的なプロトコールに開発に取り組みます。その結果、DMF中でCuCl、KOtBu、1,10-フェナントロリンから[(phen)CuOtBu]を発生させた後、TMSCF3 (Ruppert's reagent)を作用させることで[(phen)CuCF3]のin situ preparationを達成しています(これはとっても凄い!)。

あと、[(phen)CuCF2CF2CF3]を用いいたパーフルオロアルキレーションも効率よく反応が進みます(5 examples, 88-99% yield)。

ちなみに[(phen)CuCF3]は、TrifluoromethylatorTMという名前でAldrichから市販されていますが(18,400 JPY/350 mg)、高いです。でも、in situ preparationでいけるので、その手法で(機会があれば)是非試してみたい試薬と思いました。

あと、参考Web Site↓
http://www.catylix.com/hartwig-trifluoromethylation-new-broadly-useful-trifluoromethylation-reagent.html
http://www.bio-catalyst.com/new-trifluoromethylation-technology-from-catylix/

2012年3月4日日曜日

新生銀行の真実

先日、神田鍛冶町の尾張家っていうおでん屋さんに行ってきたんですが、とっても良かったです。ちなみにこのお店、お品書きにはお刺身(築地から仕入れているらしい)を中心としたおでん以外のメニューが値段未表示で記載されていてちょっとドキドキします。で、おでんはメニューに全く載ってなくてどうやって注文するのかといえば、適当にたのんどけばオッケーです。お酒の品揃えはちょっとpoorですが、「底ぬけ」っていうおサケがなかなか美味かったです。おでんとお刺身がとっても美味しい!凄く美味しい!接客も最高!是非再訪したい店と思いました。


閑話休題


最近の金利って低いなあって思ってたら、住宅ローンの金利が凄いことになってますね

若いとき、土地心理教の呪縛から解き放たれる前のコンキチは、とある集合住宅を住宅ローンを組んで購入してしまいました(人生最大の失敗かもしれない)。当初は、住宅金融公庫(当時)とディベロッパーが提携していた第二地銀からお金を借りていて、数年前にSMBC(30年固定2.95%)に借り換えしたんですが、この3月にまた借り換える予定です(20年固定1.849%)。

さて、最近ネットで「住宅ローン(借換)」というクエリーで検索すると、新生銀行が上位でヒットします。実際、フラット35を除けば、手数料(イニシャルコスト)が安く、住信SBIネット銀行に次いで低い金利を提示している新生銀行は魅力的な選択肢の一つです。しかしながら、新生銀行には明確な融資基準があります。それは、



融資金額のMAXは担保評価額まで



これは同行のweb siteにも送られてくる資料にも記載されていなかったと思うけど、事実です。っていうか、昨年末にボクも新生銀行に住宅ローン借換のアプローチをしたんだけど、融資額の引き下げを提案されました。で、融資期間を長くすることで希望額を融資してくれないかと聞いたら、Maxは当該物件の評価額までだって言われたのでばっちりです。

それにつけても、そういう内規があるんなら最初から言えよなって感じですね(そしたら、エントリーする人が減っちゃうかな)。準備する書類も結構あって大変だったんだよな。ボクの場合、免許証のコピー、団信の申込書兼告知書、返済予定表コピー(1年分)、通帳3ヶ月分のコピー、住民税決定通知書コピー、所得税納税証明書(その1、その2)コピー、不動産登記簿謄本コピーを提出したんだけど、税務署行ったり(これはe-Taxでもできた)、法務局行ったりして大変でしたよ。とりあえず、ボクの新生銀行に対するCSは大幅ダウン↓です。同行には、顧客接点に関して再考を促したいと思う二流大出のなんちゃって研究員でした。

Aromatic Cation Activation (5): Catalytic Cyclopropenium Cation Activation

先日、けっこう旨い蕎麦屋に行ってきました↓

戸隠にあるうずら家っていうお店です。とりあえず、飲み食いしたモノをメモしていきます。

-どぶろく (450 JPY)-
-RATING- ★★★★★
fresh, sweet, fruity, milky note. 微発泡性で、full body。どぶろくならではの醍醐味を堪能できます。アルコール度数は16%程度。

-豊香 (550 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
長野県は(株) 豊島屋が醸す日本酒。ぬる燗でいただいたんだけど、熟れた果実味溢れるきれいな芳香の芳醇旨口系。優しい甘みが五臓六腑に染み渡りました。

-山の幸の盛合わせ (800 JPY)-
-RATING- ★★★★★
山の幸の7種(位?)盛り。とても美味しい。特にカブの漬け物が秀逸。

-きのこいろいろ天ぷら盛り合わせ (900 JPY)-
-RATING- ★★★★★
excellentに美味しい。涙が出るほどに旨い。筆舌に尽くし難い旨さ。自分のボキャブラリーの無さを改めて痛感させられるほどの旨さでした。




-山菜とお野菜の天ぷら盛り合わせ (900 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
サクサクでとっても美味しい

-旨辛あらばしり (400 JPY)-
-RATING- ★★★☆☆
大根とかつおぶしのセット。ボクの感触では、大根は辛味大根ではないです。

-ざるそば (840 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
ソバは適度に細く、食感、香味ともにgood。滑らかで噛みごたえも良く美味しい。
ツユはカツオの上品な香味あるも、body
は控え目と言わざるを得ない。ソバに負けているとまでは言わないが、若干の物足りなさを感じる。




-かけそば (800 JPY)-
-RATING- ★★★★☆
ツユは良し。上品で、ほどよい甘みの飲んで美味しいツユ。ソバもそこそこコシを保っている。かけそばでこのクオリティは及第。

コンキチ的には、このお店、蕎麦よりも天ぷらがおすすめな店と判断しました。っていうか、戸隠蕎麦は蕎麦は旨いんだけど、東京の蕎麦が大好きなコンキチの好み的には、ツユの鮮烈(濃さ)さに欠けるのが一般的な特徴なのかなと思いました(好みの問題なのでしょう)。
それから、この店のホスピタリティは注目に値しますね。接客技術が実に素晴らしい。ちなみにコンキチは石臼でそばがき用に蕎麦の実を引かせてもらちゃいました(この店では、蕎麦よそばがき用でそば粉の挽き方が違うそうです)。再訪の価値、大いにありです。


閑話休題


さて、今年に入ってからこんな文献を読んでみました↓

Development of a Catalytic Platform for Nucleophilic Substitution: Cyclopropenone-Catalyzed Chlorodehydration of Alcohols
Angew. Chem. Int. Ed., 2011, 50, 12222-12226.

以前、著者等はCyclopropenium Cation Activationを利用したアルコールのクロロ化の量論反応について報告しましたが(J. Am. Chem. Soc., 2009, 131, 13930-13921.)、今回の報告はその触媒反応バージョンです。

で、反応(触媒サイクル)はこんな感じ↓
(ブルーの化学種は1H NMRでdetectされている)

R=PMBで最も活性が高いです。19 examples, 62-99 % yield。標準的な反応条件は、cat. 10 mol%, (COCl)2 1 eq., CH2Cl2, rt.。(COCl)2は1 hr かけてスローアディションします。

反応は圧倒的な立体特異性(SN2)で反応が進行します。基質に光学活性α-メチルベンジルアルコールを用いると、eeを損なうことなく立体反転した塩化物が得られます(99% yield)。また、cholestanolの塩素化では、目的物が>98:2のdrで得られます(62% yield)。

さらに、methyl 3-hydroxy-3-phenyl-2-methyolpropionateを基質に用いた反応例は興味深いです↓

個人的に反応はなかなか興味深いです。precatalystをいかに効率的かつ経済的に調製できるかが問題ですかね?


アツく染め上げろ!

カミさんに貰ったチョコレートをチビチビやっているコンキチです↓


これサケ呑みで甘党の人間(コンキチ)にはなかなか良いです


閑話休題


さて、有機合成に携わっている人が1番お世話になっているものの一つに、TLCがあると思います。TLCの発色剤にはいろいろあって、そのレシピは、研究室ですぐに使える 有機合成の定番レシピ東大金井研などが詳しく、他にもいろいろなレシピ群が多くのサイトで公開されています。

ボクが個人的に愛用している(使ったことのある)発色剤は、アニス、ハネシアン (CAM)、PMA、ニンヒドリン、ヨウ素-シリカで、そのうち加熱が必要なのが、アニス、ハネシアン (CAM)、PMA、ニンヒドリンの四つ。加熱系発色剤の場合、ディップ or スプレーした後加熱する訳ですが、この時、ヒートガンを使っていると気付きにくいんだけど、ホットプレートでヒーティングしていて明確に気がついたことがありました。

そんなの常識だよとみなさん周知していることかもしれませんが↓

ハネシアン (CAM)は、アニス、PMA、ニンヒドリンよりも控えめな温度で加熱しないと、焼けすぎて、(特に)低濃度のスポットを見落としてしまう。
逆にハネシアンに適した温度では、アニス、PMA、ニンヒドリンの焼けが悪い。

ということに気がつきました。要は、発色剤には最適発色温度があるっていうことで、何でも馬鹿に一つ覚えで加熱しとけばいいというものではないということです。まあ、当たり前って言えば当たり前なんでしょうが、恥ずかしながらコンキチは2年くらい前に初めて気がつきました。せっかなのでメモしておきます。


2012年2月12日日曜日

遷移金属フリーなアルコールとアミンの素敵な関係

先週行ったスキー(ファンスキー)の筋肉痛(上半身)がやっと回復してきた三十路後半、ボチボチアラフォーのコンキチです。それにつけてもスキーは良いね、雪の積もった斜面は地球の重力を存分に堪能させてくれる壮大な装置で、スキーはそんな重力装置を心行くまで味わうことができる贅沢なスポーツですから。


←ちなみにボクは、スキーに行く前は、この映画を観て気分を高揚させてからスキーに臨んでいます(原田知世が超かわいいです)。


閑話休題


去年読んだ論文のメモです↓

Mild Nonepimerizing N-Alkylation of Amines by Alcohols without Transition Metals
Org. Lett., 2011, 13, 3543-3537.


oxidation / imine-iminium fromation / reductionのone-potシーケンスです。general procedureは、触媒量にTEMPO (0.2 eq.) を共酸化剤のBAIB ([bis(acetoxy)-iodo]benzene) (1.15-1.90 eq.)でクルクル回して、アルコールを酸化した後、アミン(2 eq.)とNaBH(OAc)3 or NaBH4 (2 eq.)でreductive aminationを行います。22 examples。キラルな基質を使った場合、ラセミ化やエピマー化は起こりません。また、1,4-ペンタンジオールを基質に用いた場合、1級アルコール部分を選択的にアミノ化できます。


ちなみに、同様なトランスフォーメーションを遷移金属を使って行う場合、収率は良いらしいですが、高温が必要だったり、長時間が必要なようです。

マイルドなワンポットシーケンスにボク的にはソソラレルものがあります。

2012年2月1日水曜日

リンガール東京の誤謬

昨年夏、鰻刺しを喰いにいったときのメモです。

←店は埼玉県は松伏にある川昌っていうお店です。
-川昌 memo-
注文したのは、うな刺、うなぎのスモーク、甲州シュールリー、会津娘 一火。うなぎのスモークは新しい味の発見だっが、再度食べたいという欲求にかられるほどではなかった。うな刺は鮮烈で旨いんだけれども、ここの店のものは上品さに欠ける。それから、和食とのマリアージュが好評の甲州ワインが、意外にもうなぎと全く合わず少なからずショックを受けた。会津娘 一火はすっきり甘め系のそこそこ旨いお酒。接客はお世辞ににも上等とは言い難く(っていくか落第)、従業員の再教育が必要と思いました。


はっきり言って、ボク的には川昌よりも静岡県は片瀬白田駅近くにある「うな瀬」っていうお店の方が美味しいと思いました。

-うな瀬 memo-
ちなみに、うな瀬では(当時)「うなさし」(1,250円)と「うなぎ寿司」(1,500円, 8貫)を食べたんですが最高でしたね。軽く昆布〆めしてある気がした「うなさし」を一枚すくってポン酢につけて口の中に運んでいくと、淡白でフグを想起させるコリコリした噛みごたえのある感触がとってもいい感じ。カレイの縁側に似た濃厚な脂の触感と味の広がりが、真剣泣かせます。川昌のものよりも上品です。
「うなぎ寿司」は、ご飯と鰻の量のバランスがベストマッチで食べられるというのが良いと思います。でも、酢飯との相性はあまり良くないのかなという印象(酢飯の酸味が控え目な気がした)。


閑話休題


日経ビジネスDigital PLUSの1月23日版の「外食 低価格路線だけでは頭打ち 新規顧客獲得の競争が熾烈に」という記事に、リンガーハットはヘルシー志向の女性客を意識した新業態店「リンガール東京」を出店した。というのがありました。

まあ、昨年の12月17日をもってリンガーハットはリンガール東京からとっくに昔に撤退しており(半年もたなかった)、元のリンガーに戻ってるんですけどね

ところで、リンガール東京についてこんなブログ記事があって、メニューは女性を意識したとみられるヘルシー路線でしかもローボリュームっぽいです。

ここでコンキチは、愛読書であるラーメン発見伝とラーメン才遊記を思い出しました。

ラーメン発見伝 によると、若い女性をメインターゲットにしたラーメン開発のコンペにおいて、ヘルシー志向のラーメンが(低カロリー、脂控えめ、塩分控えめ)、豚骨ラーメンに惨敗しました。つまり、若い女性が好きな食べ物は「コッテリ・しょっぱい・辛い・ボリュームたっぷり」で、若い男性と一緒。基本的に若い人間は男女関係なく脂と刺激とボリュームを求めていて、女性が良く言う「アッサリ好き、少食、ダイエットに気を使っている」というのは実態ではなく"願望"だといいます(フィクションだけどね)。

また、ラーメン才遊記によると、高級住宅街のハイソな奥様をターゲットにして、上品な味付けで少なめなボリュームのオシャレなラーメンを開発したそうですが、客(ターゲットのハイソな奥様)の入りは芳しくなかったそうです。理由は、高級住宅街でダイエットとかに励んでそうなハイソな奥様は、普段けっしてドカ食いなどはしないが、それゆえに時にはガッツリ食べて満足したいから上述したラーメンは物足りなかったというもの。最終的には、上品かつボリューム感溢れコッテリした商品を投入することで解決しました(フィクションだけどね)。

これらの寓話はいずれもフィクションだけど、なかなか示唆に富んだ話ではないだろうか(石神秀幸が強力している)。東証一部上場企業の飲食店、しかもちゃんぽんとはいえラーメンに酷似した商品をメインで取り扱う企業が、まんがみたいな失敗をしてしまうという現実にボクは失笑を禁じ得ません(実際の閉店理由は定かではないけれど、ちゃんぽんのヘルシー路線は実は、女性にニーズには合致していないというのが原因とボクは断定しています)。

それにつけても、リンガーハットって相変わらすその経営ポリシーがよく分かんない会社だとなあ。昔バイトしてたときは、(はっきりいって不味い)ラーメンにまでメニューを多角化(多悪化)して、ほどなく撤退したし、その後も、低価格路線を志向したり、低品質のまま値上げしたりしたり、主力のチャンポン麺の質を下げてみたりとチグハグなことばっかりしてる気がします。ちなみに最近では、野菜たっぷりちゃんぽんの導入で業績が改善傾向にあるようだけど、麺類の基本は"麺"の旨さでしょう。具でごまかす戦略はいかがなものかと思います(でもこれで売り上げが伸びてるらしいですね)。

あと、日経ビジネスDigitalもとっくの昔に閉店した店なのに、「出店した」とかいう記事を書くのはいかがなものかと思いました。

ちなみに、ボクのリンガーのイチオシメニューは長崎皿うどんです。

2012年1月9日月曜日

"I"のチカラ

←去年行ったなかなか秀逸な蕎麦屋です(店の名前は関やど)。

で、食べたもののメモです↓

-大(おお)せいろう 800 JPY memo-
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
瑞々しく、良い食感。蕎麦の甘みがツユで誘起される。ツユは中庸で良い塩梅で旨い。そば粉は北海道沼田産。

-月の柱 にごり酒 大極上中汲 750 JPY memo-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
湯呑みで提供される。温度域は花冷えか。微発泡性。かなり上品な味。酸味が効いていて甘さはくどくない。bodyも強い。はっきり言って旨い。

ここのお店、席に通された後なんですが、塩味の効いた桜の花びらのとっても上品な香りのお茶を持ってきて貰えます。また、これがエクセレント!店内も趣きがあり、是非再訪したいお蕎麦屋さんでした。


閑話休題


今回は超原子価ヨウ素の話を書きます。しかも、ちょっと古い文献なんですが、名古屋大の石原一彰先生のグループが開発したIBSのおはなしです。

IBSに関しては、若き有機合成化学者の奮闘記さんの記事でも紹介されていて、日産化学も展示会とかでアピールしているので、広く周知されていることと思いますが、先日、IBSを使う機会があってなかなか好感触で嬉しかったのでメモしてみます。

IBS (2-Iodoxybenzesulfonic Acid)は、IBXの"S"アナローグで、IBXの高活性化研究より生まれた触媒で、その活性はもちろんIBXよりも高いです。で、触媒量の2-Iodobenznesulfonic Acid(もしくは、そのNa or  K塩)をOxone (2 KHSO5・KHSO4・K2SO4)で酸化することでIBSを系内で触媒的に発生させクルクル回すことで、潜在的に爆発性が懸念されるペルヨージナンの存在量を極微量(0.1 mol%〜1 mol%)に抑えることで安全性を担保しています(実機対応可能)。

反応溶媒は、CH3CN > CH3NO2 (使いたくない) >  EtOAc (ちょっと反応が遅い。けど、よりエコ・フレンドリー)が使えます。反応温度は70℃(加熱しないといけないのが欠点)。反応後のOxone残は濾過で簡単の除去できてとっても楽チン。aqueous workupで触媒由来成分も除去できます。

で、石原先生の論文では、IBXとIBSの反応の比較を行っているんですが、溶媒による影響が大きくて面白いです↓

CH3CN/H2O (2:1) → 12h, 24% conv. (IBS-catalyzed)    / 10 h, 88% conv. (IBX-catalyzed)
EtOAc/H2O (4:1)   → 12 h, <5% conv. (IBS catalyszed) / 12 h, 45% conv. (IBX-catalyzed)
CH3NO2                → 2 h, >99% conv. (IBS catalyzed)   / 6.3 h, >99% conv. (IBX catalyzed)
CH3CN                  → 1.6 h, >99% conv. (IBS catalyzed) / 24 h, <5% conv. (IBX catalyzed)
EtOAc                    → 10 h, >99% conv. (IBS catalyzed) / 24 h, <5% conv. (IBX catalyzed)

それから、粉砕Oxone (powdered Oxone)を使うと、単純に表面積がup↑するので反応(再酸化)が促進します(OxoneはCH3CN, CH3NO2 , EtOAcに溶けない。supporting informationでは、magnetic stirringで粉砕していた)。そして、1級アルコールの酸化で、Oxoneの使用量を制御することで、アルデヒド(powdered Oxone 0.6 eq.)とカルボン酸(powdered Oxone 1.2 eq.)を選択的に合成することができます。さらに、IBSはシクロヘキサノールの選択的酸化が適用可能です。

あと、DFT計算から、stoichiometricな反応では、IBSによる酸化反応の律速段階はIBX同様hypervalent twisting stepで、IBSの方がIBXよりtwisting barrierが小さく(I-OSO2結合 > I-OCO結合)、反応速度が速いという結果になるそうです。しかしながら、触媒サイクル全体でみると、律速段階はOxoneによるI (III)→I (V)の再酸化と考えるのがリーズナブルであろうということのようです(powdered Oxoneの使用で反応が促進される)。

references
J. Am. Chem. Soc., 2009, 131, 251-262.
Aldrichimica Acta, 2010, 43 (3), 83-91.
WO 2009/028676
日産化学のパンフレット

オペレーションがシンプルで、酸化反応としてはかなり安全性が高そう。そして、なかなかエコ・フレンドリーさ。はっきり言って、沢山の人に広めたい反応と思いました。

あと、pre-IBSの仲間たちは純正化学や東京化成から入手可能。そして、IBSよりもさらに高活性なMIBSのpre-cat.もアルドから入手可能です↓

2012年1月4日水曜日

Annual Income 2011

←最近呑んだ精米歩合75%というなかなか強者の日本酒です。

-七田 純米七割五分磨き無ろ過 平成21年度醸造 memo-
-COMENT-
地元産の良質の酒米と蛍が飛び交う名水で仕込んだ一品。21世紀に登場した全くろ過をしていない一回火入れ・生詰の純米酒。
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
酸味を想起させるしっとりとした香り。酸から始まり、猛烈さ怒濤の迫力で終わる味わいは、力強く芯のしっかりしたもの。濃厚bodyで味の起伏が変化に富み、その味を形容しがたいが旨い。強力辛口系。
-DATA-
分類(Grade)/ 純米酒(Junmai)
原料米(Rice variety used)/ 山田錦
精米歩合(Rice polishing ratio)/ 75%
アルコール分(Percentage of Alcohol)/ 17%
-COMPANY-
天山酒造(株)
http://www.tenzan.co.jp/
-Buy Now (amazon.co.jp)-
【逆転の発想が生んだ素晴らしい出来映え!】 佐賀県 天山酒造 七田【しちだ】 純米 七割五分 無濾過 1800ml 火入れ


閑話休題


さて、今年の冬のボーナス、国家公務員は4.1%もUP↑したのに、3.7%しかアップしなかった民間企業の研究員コンキチです。

年も明けたので、コンキチが社会に出てからGETした給与収入を久しぶりにREVIEWしてみようと思います↓

どうですか、大学入学前の高校生や予備校生の皆さん、理系の学部に進んで、研究員を目指してみませんか?理系離れがさかんに叫ばれている昨今、以前に比べて合格が容易かもしれませんよ。しかも、地味だけど、生活には困らない安定した給料がみこめる(かも)。

人生は諸行無常。グローバリゼーションが叫ばれるようになって久しい現代社会において、一寸先は闇かもしれません。それでも、駅弁大の理系院(修士)出て研究員になれば、これくらいの給料はゲットできるというサンプルが存在することを知って欲しいなと思います。

あと(多分)、文系の平均給与よりは高い収入を獲得することが出来るかもしれませんよ(興味ある文献も読み放題だし)。ついでに、理系の文系就職は可能だけど、その逆はまずあり得ない。

2012年1月2日月曜日

教師の矜持

2012年新春(冬)。


←広瀬香美の「hirose kohmi THE BEST Love Winters」をiPodに仕込んで気分を高揚させているコンキチです。

さて、先日軽くジャブ程度にウェブ・ブラウジングしていた折、6×8は正解でも8×6はバッテン?あるいは算数のガラパゴス性というブログを発見しました。この記事は、筆者の小学2年生の娘の算数のテストの話なんですが、

「8人にペンをあげます。1人に6本ずつあげるには、ぜんぶで何本いるでしょうか。」という出題に対して、「8×6 = 48」だとバッテンで、「6×8 = 48」だと正解なのだそうです。

っていうか、小学校教諭って狂ってんのか?

なんでも、かけ算をには「掛けられる数」と「掛ける数」があって、「掛けられる数」×「掛ける数」の順番に記述することが重要のようです。

初耳なんですけど、オレは

ところで、お正月休みに小2の義理の姪っ子が我が家に遊びにきているんですが、この姪っ子にも上述の問題を出してみたところ、上と全く同様のことを言っていました。

あと、その記事をさらに読み進めていくと、「単位が違うと、式の順番が違う」らしいです。

ハァ?

8(人)×6(本/人) = 6(本/人)×8(人) = 48(本)だろがボケがあぁぁぁぁぁ

っていうか、この解答

6+6+6+6+6+6+6+6 = 48

って書いたら、この問題はかけ算の問題だからバッテンとかいうのか?

それにつけても、現代日本の初等教育のエキセントリックさ加減が垣間見えて恐くなりましたよ。っていうか、小学校低学年に嘘も方便の意味を体感させる意図があるのか?それとも、算数は数学の部分集合ではないっていう理解でいいのか?

所詮、教育学なんてこんなものです。小学校の先生に教育者としての矜持なんかこれっぽっちも見えない。二流大出のなんちゃって研究員はそう思います。