Pages

2007年3月30日金曜日

この書籍、凶暴につき

香料会社で、有機合成を生業としている、なんちゃって研究員のコンキチです。

今、「有機化学実験の事故・危険?事例に学ぶ身の守り方」という本を読んでいます。


まだ、途中までしか読んでいませんが、はっきり言って良書です。内容は、有機化学実験にまつわる事故事例集です。しかも、内容が濃いです。リファレンスは充実しており、化学物質の危険度に関するデータ(許容濃度とか爆発限界とか変異原性とか)もふんだんに記載されています。コンキチは、有機化学に携わるようになってから11年を数えますが、自分が取り扱っている(または今後取り扱う可能性のある)化学物質についての理解が、如何に浅はかだったかということを思い知らされましら。

そして、


真剣に有機合成をやめたい

と思ってしまいました。

こういったおもいはかねてから多少なりともありました。だって、使う試薬とかターゲット分子や中間体は安全とは言い難いし(っていうか危険)、コンキチの場合、ハロゲン系溶媒も結構良く使いますからねえ。でも、もの本を読んで加速しましたね、やめたい度合いが。(まあ、今すぐやめるというわけではないですが)

いくら注意したって、完全なる暴露の回避は不可能だし、何らかの障害を受ける確率が高くなることは間違いないでしょう。

ただ、ヘビースモーカーだからといって、皆が皆が早死にする訳でもないのと同様に、有機化学者が皆早死にする訳ではないこともまた事実ではあるでしょう。

しかしながら、コンキチが爺になった時に、常人並みに食べ物や酒を堪能できるだけの体力と味覚や嗅覚を維持できるのだろうかとういことえお考えた場合には、はなはだ心もとない気持ちになってしまいます(データはありませんが)。人間、喰いものに対する情熱が無くなったら終わり(=人生枯れている)と思ってますから。

まあ、個人的な余談はさておき、この本は(少なくとも国内では)希有な白眉の一冊といって過言ではないと思います。大学とかで、反応や化合物に関する性質や危険性の調査の仕方は習いますが、そうやって得た知識だけで危険に関する情報は十分に得たと考える科学者は皆無でしょう。それと同様に、この本を1冊読んだからといって、危険に関する知識はバッチリだぜということにはなりませんが、系統だってラボでの有機化学実験に関する危険を学べる書籍は和書ではこの本以外は皆無だと思うし、間違いなく危険を察知するというか想定する感度は高まることは間違いないと思います。

コンキチは企業にはいってから、KYT(KikenYochiTraining)という実にくだらない儀式に毎月参加しています。cf.http://researcher-station.blogspot.com/2006/09/blog-post_17.html


そこでは、分かり易い&面倒くさいという理由だけから、毎回毎回代わり映えしない危険にまつわるお題で、しょうもない話し合いが繰り広げられています。まあ、しょうもないお題も全く役に立たないとは思いませんが、ある一定周期で代わり映えしないお題を繰り返し設定するというのは、いささか安直で白痴的であるとコンキチは思います。

はっきり言って、コンキチはこう思います↓

有機化学実験の事故・危険?事例に学ぶ身の守り方」を1冊づつ各研究員に配り、その輪講をすべきである!!!!!

と。

どうでしょうか、化学系企業の研究所長(部長)さん、安全管理者さん、工場長さん?以上、所詮二流大出のなんちゃって研究員の戯言でした。

2007年3月29日木曜日

人事考課の季節

年度末です。コンキチの勤務する会社では、MBO(目標管理)を(一応)採用しています。ということで、年度末は半期に一度の面接(半年前に立てた目標の検証)季節なのです。

でも、

コンキチの目標って本日決まりましたから~!!!!!


そして、

面接も今日です。

はっきり言って目標も評価もお任せで構わないので、コンキチをそっとしておいて欲しいです。

そもそも、MBOをキーツールとして用いる、成果主義(もどきも含めて)という処遇制度は、(従業員の生産性を高める為に)従業員のロイヤルティーを高めることが目的であるはずです。その場合、考課者(管理職である上司)の力量が問われるわけで、彼らは部下に納得性の高いメンテナンスを提供しなければならないのです。当然、部下とのコミニュケーション、部下の育成、部下の評価といったことにかける時間は増大するはずです。
しかし、現実はどうでしょうか?真のデキル上司とは、自身がハイパフォーマーとして働くことではなく、自分がマネジメントする組織(システム)をハイパフォーマーにすることだとコンキチは考えています。一人で出来る仕事には限界があります。

次は(万年)五月病の季節かなと思うなんちゃって研究員のコンキチでした。

2007年3月25日日曜日

犯罪商社.com

犯罪商社.Com」を読了しました。


この本は、違法取引が如何に 巨大なネットワークを介して、かつ世界をまたにかけて、 広く万延しているかということを説くとともに(まあ、極論すれば、著作権を犯したことのない人って、多分日本では殆ど存在していないと思うし)、それに対する国家の抑止策が如何に矮小なものであるかということを記しています。

はっきり言って、コンキチの価値観は大きく揺らぎましたね。

勿論、強制を伴う(人権を蹂躙する)違法な取引というものは、唾棄すべきものだと思いますが、それ以外の「自由意志に基づく経済活動(基本的の他人に直接的な迷惑をかけない)」は、果たして国家間で必ずしも統一基準が存在するわけでもない「法」によって裁かれるのは「是」であるのかとも思いました。つまり、国家による取り締まりの範囲というのは、越権である部分も含んでいるのではないか。矛盾を孕んでいるのではないかということです。

例えば、タバコというものはある種のけっこう危険な合法ドラックと言えると思います。ある種の麻薬よりも常用性が高く、毒性(発ガン性とか)も高いという話も耳にします。巷では、最近になって分煙であったり、公共の場での喫煙が抑制されるようになって来ましたが、まだまだ無法地帯といった感が否めません。まあ、ガンは発症するのに長期スパンが必要なようなので、記憶力の良くない我々白痴な現代は、その危険性の大きさに気付きにくいというのと、既得権のために放置されている(キツくは取り締まわれていない)のでしょうか?

あと、人間が何らかの行動を起こす際の「動機」というものの重要性が非常に重要であると感じられました。人をコントロール(管理)するのに、如何にインセンティブの与奪がクリティカルであるかということを、会社社会の中に埋没してしまった、所謂管理職の人には、この本を読んで深く認識して欲しいと思いました。

2007年3月22日木曜日

アラサーのメランコリー

先日、他部署の後輩(女性)が会社を去っていきました。4月から別の会社で働くそうです。どこの会社でどんな仕事をするのかと聞くのは(いやらしいような気がして)憚られたので 、何をするのかはさっぱり分かりませんが、「別の道で頑張っていく」そうなので、これまでやってきた仕事とは違った仕事にTRYするのだろうと思います。

会社を去る日の彼女の表情は、晴れ晴れと快活でした。そんな彼女の決断力と行動力、それから若さに羨望の念を抱かずにはいられないコンキチであります。

ここで簡単の転職を決めた後輩とコンキチのProfileを書きます↓

後輩
性別/ 女性 (ウチのカミさんってけっこう美人なんだけど、もっと美人)
年齢/ 28歳(推定)
最終学歴/ 修士
その他/ 未婚、扶養家族為し

コンキチ
性別/ 男性
年齢/ もうすぐ32歳
最終学歴/ 修士
その他/ 既婚、扶養家族3人、二千数百万の住宅ローン有り


正直、持てるリスクをひしひしと感じる今日この頃です(身軽さがなくなった)。

「仕事が面白くないから」とか「上司との人間関係に難有り」とか「このままでは自己実現できない」といった理由で、会社を潔くスパッと辞めるには、失うものが大きくなりすぎた感があります。

転職したからといって、新しい職場で行う仕事に満足できる保証はないし、年収だって下がる可能性が高いかもしれません。新しい職場でも嫌なやつも相変わらずいるかもしれないし、転職すればいままでの嫌だったこととか、物足りなかったことが全部解決されると楽観することはコンキチには憚られます。

少々のことには目を瞑って、嫌なことは出来るだけ避け、周囲からのバカっぽい指示とか雑音とかはバシッと無視して、自分の趣味に没頭しつつ、会社にしがみついて生きていくという選択もあながち悪いものではないかもしれないと考えています(かなりネガティブですが)。

あと、コンキチの場合、

「コンキチさんは何(仕事)をやってらっしゃるんですか?」

という問いに、

「香料会社で研究員やってます」

と答えられることに、なんていうんでしょうか、ちょっとした優越感を感じたりしていて、これが会社を辞すことを思いとどまらせる一要因にもなっています。

それから、会社で自己実現できないからといって、人生で自己実現できないとは限らないわけで、特にIT革命以後の今日にあって、個人が社会に対して情報を発信することが極めて容易になり、やりようによっては、会社外ライフの方が充実する可能性が広がっているように思います。

現在、コンキチは残業を殆どせず、会社はキャッシュ・マシーンであると割り切って生きています。仕事はあいかわらずあまり脳みそを使わなくても良い仕事ばかりですが、給料は、まあそこそこでるし、会社所蔵の専門的な書籍や雑誌は読み放題だし、一応社歴は8年を数えるので、会社で誰かに邪魔されることのない自分時間を創出することもある程度できるようになりました。そんなメリットを考えると、前述の後輩のようにスパッと会社を辞めてしまうのももったいないかなとも思うのです。

転職した後輩の身軽さと若さには、ある種の嫉妬のようなものを感じますが、自分は自分で老獪さのようなものを身に着けていきたいと思います。

転職していった後輩には新しい職場で意気揚々と仕事をして新たなキャリアを築いて欲しいと思うと共に、コンキチも自分の人生を最適化し、人生を謳歌するため、日々研鑚を重ねて生きたいと思いました。


「自分道」そんなものを究めたいと思います。

以上、某二流国立大出のなんちゃって研究員の、ちょっぴり感傷的な独白でした。

2007年3月12日月曜日

無党派ブームなのか?

宮崎県知事選を皮切りに、無党派ブームなんていう言葉がマスコミを席巻している今日この頃です。東京都知事選が真近ですからね(ちなみにコンキチは千葉県民ですが)。

で、「無党派ブーム」なのでしょうか?本当に?

っていうか、国政選挙は、議院内閣制をしいている我が国「日本」において、構造的に政党政治にならざるを得ないというか、それしか選択肢が無いと思います。

翻って、地方選挙は国民投票(っていうか該地方自治体構成員の直接投票)だし、首長の権限も強いらしいから、政党という組織の強みは、国政に較べて相対的に小さいものにとどまるのは自明の理ではないかと思います(議会を上手く仕切っていく必要はありますがね)。

つまり、国政と地方行政を一概に論じるのは、あまり意味がないことなんだろうということです。

あと、国政選挙において、無党派を気取るのははっきり言って無責任だと思いますね。というのは、

a) 国政は政党政治である
b) 国政は国の根幹を為すものである
c) 従って、支持政党を持たない無党派は、国家の行く末に対するビジョンを持たない無責任な人々である

と思うからです。


まあ、既存政党が必ずしも自分の考えと100%マッチするという訳ではありませんが、コンキチは最低限守って欲しい政策(国防、外交)を(できるだけ)堅守する政党を支持するようにしています(現実とはグレーなのです)。

間違っても、烏合の衆や批判することのみにエクスタシーを感じている政党には票を投じないように気をつけたいと思うコンキチでした。

2007年3月11日日曜日

Google Patent Search

なんちゃって研究員のコンキチです。

Google Patent Search (BETA)というサービスを発見しました。「Search the full text of US Patents」ということらしいです。

またGoogleが素敵サービスを考えついたらすいですね(New!という表示が付いていたので比較的最近導入されたのでしょう)。

上記サービスについてちょっと興味を刺激され、どこかのサイトが紹介していないかと思って軽くググってみたら、

グーグル、特許検索サイト「Google Patent Search」を公開

という記事を発見しました(2006年12月15日付けです)。

ここ数年は、アウトソーシング引受部隊として働いているため、殆ど脳ミソを使っておらず、仕事で各種文献を読む機会も激減していますが(趣味で多少文献Watchしていますが.....)、一応研究員のはしくれとして、このようなサービスに気付かずにいたことに対して羞恥の念が湧いてきます(反省)。

米国特許明細書を積極的に読む必要性はなんとなく感じていたので、これを機に、上記サービスを使い倒して(願望)、使用感を後日レポートしてみたいと思います。

2007年3月2日金曜日

インセンティブ・マネジメント

以前スクラップしていた雑誌の記事を整理(処分)しようとしていたら、こんな記事を発見しました↓

膿を出し、人を活かして「前倒し」を断行せよ!
(PRESIDENT 2004.8.2, 60-61)

日本電産の永守社長の記した記事です。この記事の中で氏は、人はどうして怠けるのかといえば、頑張っても怠けても結果が一緒だからですよとのたまっています。

具体的な事例として、

a) 社用車を購入するときに価格交渉(値切る)をしなかった。
理由→値切っても誰も喜ばないし、値切らないと業者がお中元やお歳暮を沢山くれる

b) コストダウン実績はボーナスにかかわるようにした

c) ガラリと変わった。

ということが挙げられていました。さらに、リターンはお金だけではなく、昇進、褒め言葉もあり、これが大事だと説きます。

至極当たり前のことのように聞こえるのですが、これがなかなか実社会(っていうかコンキチの勤務する会社)ではおぼつかないんですよね、何故か。

上司は自分が偉くなったと勘違いして、部下に何かをさせようとするときに、上述したインセンティブなどお構いなしに、権威ある声で指示を出せばいいと思っている節があるように見受けられます。

正のインセンティブ(あめ)と負のインセンティブ(ムチ)を上手く使い分けて部下をコントロールする(生産性を上げる)機微が上司の要諦だと思うのですがノ..驕っているんですかね?

以上、二流大卒のなんちゃって研究員の雑記でした。