今日はちょっとした化学ネタです。
製造業にカテゴライズされる企業に就社すると、KYT(KikenYochiTraining)という、危険予知訓練を行うことになります。職場単位で定期的(コンキチの勤めている会社では月1)に行われることとなるであろういこの訓練では、
第1R (危険作業の列挙) / どんな危険が、ひそんでいるか
第2R (絞り込み) / これが、危険のポイント
第3R (具体的な対策樹立) / あなたなら、どうする?
第4R (行動目標設定) / 私たちは、こうする
という4つのラウンドを順に行って行きます。
はっきり言って意味のある作業とは思いませんが、こういう活動を(一応)やっておかないと
「当社は安全第一をモットーに.....」
なんていうことが言えなくなってしまいますからやっているのでしょう(本気でこんな活動が役に立つと思っている人がいたら、かなりセンスがない人だと思います) 。
さて、先日上述したKYTを行ったのですが、その時のお題が
「ブチルリチウムとかのようなセプタム・キャップつきに試薬瓶から試薬を秤量する」
というものだったのですが、
第2R (絞り込み) で
ブチルリチウムをルアーロックタイプのシリンジ(注射針)で秤量中に、ロック針がはずれて試薬がこぼれ薬傷する
というのが(多数決で)ピック・アップされました。っていうかロック針ってどうやったら外れるの?という疑問がコンキチの脳裏に浮かび上がりました。だって、外れないのがロック針でしょ!でも、実際にプレイング・マネジャーの先輩社員が最近起こした実話だそうだったので取り上げられることになりました(普通、第1Rは想定なのです)。
で、第3R (具体的な対策樹立) で出た意見は、
1) しっかりとはめる
2) ロック針の接合部分をビニールテープで巻く 以上
オイ!ピンセットの腹を使って、キュイってキツく締めればロック針って外れないんじゃないの?とコンキチは心の中で50回くらい叫んだのですが、誰もそのことについて言及せず、怖くなって発言を控えてしまいました(だって、目上の人間は、目下の人間の正しい意見を封殺する傾向が強いですから)。
最終的に、第4R (行動目標設定)は
ルアーロックタイプのシリンジを使って、試薬を抜き取る際は、ビニールテープを巻いて針を固定する。ヨシ!
になりました。
これって、かなりセンスが無いと思うのですが.....
あんたらホントにこれから、シリンジにテープまくの?
後で、コンキチが唯一先輩風を吹かせることができる後輩に、
コンキチ 「ロック針ってピンセット(の腹)使って締めてる?」
後輩 「いいえ、手でやってますけど」
コンキチ 「手で締めてたら、はすれるかもしれないよね。ピンセット使えば絶対はずれないよ。ほら」
とピンセットを使ってロック針を締めたシリンジを手渡してみると、
後輩 「ホントに(手では)はずれませんねえ」
コンキチ 「(針の締め方って)教えてもらったことないの?」
後輩 「会社に入るまで(シリンジ)を使ったことありませんでしたから」
といった感じでした。おそらく、コンキチの予想ではみんな手締めでシリンジに針をセットしているとみました(そうでなければ、ビニールテープで固定するっていうアホな発想が出てきませんよ)。
-CONCLUSION-
センスのあるヤツは自分で判断して危険を回避していく
どんなに御大層なマニュアルを作ったり、どんなに形だけのトレーニングをしたり、どんなに口を酸っぱくして注意したりしても、
センスの無いヤツは絶対なんかやらかす
そう思います。
どうでしょうか?
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2006年9月17日日曜日
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