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2010年6月26日土曜日

研究員川柳

先日、会社帰りにまた秋葉原のヨドバシカメラの中にあるCHABUTONに行ってラーメン喰ってきました。オーダーはこちら↓
ちゃぶ屋流とんこつらぁ麺classic 730 JPY
ごはん 150 JPY
-RATING-★★★☆☆
-REVIEW-
普通のちゃぶ屋流とんこつらぁ麺(see http://researcher-station.blogspot.com/2010/03/blog-post.html)よりも醤油のウェイトが増してる感じ。その為か、bodyの増強と引きかえにマイルド感とoily感が損なわれているように思う(少しガッカリ)


閑話休題


有機化学美術館・分館のこの記事にインスパイアされて、こんなサラリーマン(研究員)川柳を創ってみました↓


天然の 河豚の肝食い 死んじゃった


無塩より NaCl 美味かろう


無香料 l-mentol 入ってます


水だって 飲み過ぎちゃったら 中毒死


どうですか?

2010年6月24日木曜日

研究員のエンサイクロペディア (7)

芸能人 【Geinou-Jin】

企業のマーケティング・ツール。彼等(彼女等)の商品価値は刹那的な人気のみによって決まる。プライベートを切り売りすることも仕事の一つ。また、麻薬や覚醒剤の常習者が多い。

2010年6月22日火曜日

Question 4

Question 税金と社会保険料はどこが違うのですか?

Answer 名称が異なるだけです。心理会計の応用でしょう。

Question 3

Question なんで出生率が低下しているのですか?

Answer セックス以外にも楽しいことが増えたからです。現在は、プレステ、Wii、インターネット、etc. etc. etc. もあり、セックスに費やす時間が相対的に少なくなったものと思われます。

研究員のエンサイクロペディア (6)

政治家 【Seijika】

1) 権力に恋々とする権力フェティッシュ。クリティカルマスである愚民をいかに欺くかということに心血を注いでいる人達。

2010年6月21日月曜日

研究員のエンサイクロペディア (5)

古舘伊知郎 【Furutachi Ichiro】

テレビ朝日をキーステーションにANN系列で、平日22時台に放送されている報道ステーションに出演している日の本一のお笑い芸人。彼のウケを狙った的外れのコメントは、明石家さんまでさえ太刀打ちできない。

2010年6月20日日曜日

Question 2

Question なんで政治家ってバカっぽいことしかしないのですか?

Answer 政治家の専門は、バカな大衆を欺いて選挙に勝つことだからです。国民の為になるような政策立案に係るスキルは皆無なため、まともな政策を提言することができず、思いつきで政策を策定しようとしてしまうからです。
小泉内閣が比較的まともな政策を実現できたのは、小泉総理(当時)が比較的勉強家だったことと、経済学の専門家である竹中大臣(当時)に経済政策を任せたからです。

Question 1

死にそうな老人と死にそうな若者がいます。

あなたの持っているリソースでは、老人と若者のいずれかしか救えません。
あなたは老人と若者のどちらを救いますか?

両方救おうとしてリソースを二分した場合、両者の命は2,3日延びるだけで、4日後には確実に死にます。
あと、両方救わないっていう選択肢もありです。
それから、あなた(中年)が生きるためのリソースを分けてあげれば、老人と若者は助かりますが、あなたはお亡くなりになります。

どうでしょう?

っていうか、こういう問題を思考停止せずに決めるのが政治だよね

研究員のエンサイクロペディア (4)

民主党 【Minsyu-Tou】

現在の日本の上手くいっていないところ(格差拡大など)を、全て小泉政権下の構造改革のせいにする職業政治家の集まった日本の政党。
小泉政権の評価は一般的に高いにも関わらず、データを無視し、根拠も示さず、自身の党を正当化するために、むりやり小泉政権を批判しているカルト的な集団。ちなみに、小泉政権下で格差が縮小したというデータがある。

研究員のエンサイクロペディア (3)

文系【Bunkei】

1) 就職活動の面接の自己PRで、「リーダーシップがあります」とか言っておきながら、面接官に、「リーダーシップを発揮したエピソードを教えて下さい」と言われ、しどろもどろになる人。つまり、口からでまかせでとりあえずカッコいいことを言うのだけれど、その裏付けを用意していないという思慮の浅い人達。例えば、鳩山由紀夫など。
(鳩山由紀夫は東大工学部を卒業しており、世間一般には理系と考えられているが、政治家という文系活動が長く、実質的には文系である。これは、東京工業大学卒の菅直人にもあてはまる)

2) 「これって絶対◯◯だよね」という発言に対して、その「絶対」の根拠を問いただすと、しどろもどろになって発言の根拠薄弱さ加減を露呈する人。場合によっては「屁理屈ばかり言って」などという捨て台詞を吐く場合もある。屁理屈の方が理屈がある分いいと思います。

研究員のエンサイクロペディア (2)

政策通•経済通【Seisaku-Tsu•Keizai-Tsu】

官僚の"冷やかし"用語であって、官僚から見て、自分たちの都合をよく聞いてくれる人、言いなりになる人。代表的な人物は与謝野馨。

Dihaloareneの選択的カップリング

こんな文献を読んでみました↓

DHTP Ligands for the Highly Ortho-Selective, Palladium-Catalyzed Cross-Coupling of Dihaloarenes with Grignard Reagents: A Conformational Approach for Catalyst Improvement
Angew. Chem. Int. Ed. 2010, 49, 772-775.


Ligand
t [h]
8
9
10
PCy3
8
0%
34%
2%
PPh3
8
8%
28%
2%
DPPF
8
0%
94%
0%
New Ligand
2
92%
0%
2%

←これがNew Ligand (R=H)。このリガンドによってo-選択性がでるのは、二つの水酸基があるっていうのがミソです。-PPh2が-PCy2になると、8/9/10=79%/0%/6%。-PPh2が-PCy2で、水酸基が1個だけだと、8/9/10=17%/22%/20%。


ターフェニル周りがクルクル回るんだけど、-OHが2個あると、常にo-選択的になる。


Substrate
Ligand
RMgBr (eq.)
R=4-MeOC6H4
T [℃]
t [h]
ortho
isomer
di-coupled
2,4-dibromo
R=H
3.0
25
2
91%
0%
2%
2,4-dibromo
R=H
2.2
25
2
79%
0%
5%
2,4-dibromo
R=Me
2.2
35
2
81%
0%
4%
2,5-dibromo
R=H
3.0
25
2
64%
0%
25%
2,5-dibromo
R=Me
3.0
25
2
61%
0%
5%
2,5-dibromo
R=Me
3.0
35
2
83%
0%
8%

LigandのR=Meは、立体反発によるArOMg-がPd側に向くようにすることを期待。


(Ligandは、R=Hのもの)


Entry
Substrate
PhMgBr [eq.]
t [h]
ortho
para or meta
1
X=OH, X'=para-OH
4.0
2
86%
0%
2
X=OH, X'=meta-OH
4.0
2
85%
2%
3
X=OH, X'=para-OMe
3.0
2
96%
2%
4
X=NH2, X'=para-OH
4.0
15
88%
1%

なかなかパワフルなo-選択性です。ちなみに、Entry 1において、配位子にDPPFを使うと、para-80%, ortho- 10%。

ヨウ素とアンモニアを使った反応 (2)

文献を読んだ訳ではないんだけど、セミナーのメモです(なので、メモし間違っている可能性大)。

千葉大の東郷秀雄先生のレクチャーのメモです↓

単体ヨウ素とアンモニアを使った反応に関するプレゼンで、アルコール、アミン、塩化アルキル、アルデヒドをニトリルに誘導するという内容です。


Synlett 2005, 1456.


アルコールとヨウ素よの反応による-HXが律速段階。-2HXにより、アルデヒドが生成し、イミンの形成を経てニトリルへと酸化されます。1級、2級、3級アミンをニトリルのコンバート。


R-CH2NH2 → R-CN


Synlett 2006, 2633.; 特願2008-233460




Tetrahedron 2009, 65, 6257.


最初のSN2が律速。

それから、dodecanolやdodecylamineにハロゲンソースを作用させて対応するニトリルを合成しようとこころみたところ、NBS, NCSではNo Reactionで、DIH, NISで反応が進行したとのこと(DIH > NIS)。このことから、この反応はヨウ素特有の反応であることが示唆されます(Synlett 2007, 407.; Tetrahedron 2007, 63, 8264.)。

あと、NH3 aq.中、DIH (0.6 eq.)を作用させることで、RCHO → RCNへの変換が可能(I2だと1.2 eq.)。ところで、DIHはこんな構造の化合物↓


2 eq.のI2に相当し、昇華性無し(J. Org. Chem. 1965, 30, 1101.)。


同様な手法で芳香環にシアノ基を導入できます↓


特願2010-035162


また、アルデヒドにジアミンやアミノアルコールを作用させ、I2 or DIHで処理すると、イミダゾリンやオキサゾリンが得られます(Synthesis 2009, 2329.)。

NI3の懸念さえ完全に払拭できれば、非常に魅力的な反応と思いました。

メモは以上です。

2010年6月19日土曜日

研究員のエンサイクロペディア (1)

剛腕【gowan】

小沢一郎のように、政治手腕より集金が得意。そんな感じのお金集めが得意なだけの政治家。醜悪な面をしている場合が多い。

「故郷」=「幻想」

(今流行りの?)同窓会の通知が届きました。中学のです。なんか、中学出てから21年になるらしいです。

コンキチの田舎では、中学は町に一つしかないので、町中の同級生全てが同窓生になります。

ところで、通知には世話人には13名の名前が列挙されていました。確か同窓生は総勢145人前後なので、およそ9%の人員が世話人になっているという勘定になります。まあ、世話人になるくらいだから、彼等彼女等は、田舎(周辺)に居住しているのでしょう。まあ、もっと田舎の近所に住んでいる人はいると思うので、少なくとも10%は、生まれたからすっと一つに生活圏で暮らしているっていう感じでしょうか。

高校卒業と同時に田舎を捨てたコンキチには、10%以上もの同級生が未だ田舎に閉じこもって生活しているという現実に、軽くショックを受けてしまいます。っていうか、はっきりいって、ボクは故郷に対してなんの愛着も持ってない。所謂、古き良き時代を懐かしむ郷愁の念なんて皆無だ(まだ、そんな年じゃないか。っていうか、そんなの現実が楽しくない人間の現実逃避だろう)。

故郷なんていうのは、人生の数あるシーンの一つでしかなく、しかも、自分自身で選択できるものでもない。そんなものに特別な感情を抱くのはナンセンスとしか言いようがない(ような気がする)。ボクに言わせれば、故郷なんて「場所」以外の何者でもない。

最近、沖縄の基地移設問題が世間を賑わせていましたが、県内移設反対派は沖縄だけに負担を押し付けるななんて言ってるっぽいけど、コンキチには意味が分かんない。

場所的に沖縄に基地があることが重要なんだからしかたないじゃん。基地が嫌なら、引っ越せばいいじゃない。 「私達の故郷を壊さないで」なんて言ってる人もいるらしいが、バッカじゃないの?「故郷」っていう、一般的には耳ざわりの良い言葉を弄して感情に訴えるのはもう止めて欲しいな。故郷なんて幻想なんだからさ。

そう思います。

散々故郷を否定するようなこと書きましたが、同窓会には出席予定です。あと、中学のときに好きだった女の子が世話人に入ってたんですが、(当然だけど)名字が変わってるのを目の当たりにすると、胸がキュンとするね

2010年6月13日日曜日

Benzyne Click (?) Chemistry

こんな文献を読んでみました↓

Benzyne Click Chemistry: Synthesis of Benzotriazoles from Benzynes and Azides
Org. Lett. 2008, 10, 2409-2412.


Larockのグループのお仕事です。

Z
Yield / %
4,5-Me2
71
4,5-(OMe)2
71
4,5-F2
56
3-OMe
78
他、18例。

気ままに有機化学でも紹介されていますが、この収率じゃ、とりあえず、Click Chemistryではないだろというツックミを入れたい気持ちで一杯になります。
(ちなみに、コンキチはIKCOC-9で、SharplessのClick Chemistryのレクチャーを聴いたことがあります)

ちなみにこの反応、-N3ソースにTMSN3を使うと
←が58%の収率で得られるそうです。

それから、-N3基に直接電子吸引基が結合しているとダメだそうです。
(4-AcNHC6H4SO2N3だと0% yield)

それにしても、こんなマイルドな方法でベンザイを発生させることができるんですねちょっと、ビックリです。

鉄のチカラ

こんな文献を読んでみました↓


鉄触媒を用いたクロスカップリング反応の新展開
Recent Advances in Cross-Coupling Reaction Catalyzed by Iron Salts
有機合成化学協会誌 Vol.68 No.1 (2010), 75-76.

まあ、Reviewです。鉄っていう元素は、地球上にいっぱいあって、安いので、近年注目されているようですねということで、鉄が触媒する反応(カップリング)の造詣を深めようと思って読んでみました。

古くは、こんな反応が報告されています↓


J. Am. Chem. Soc. 1971, 93, 1487.



あと、比較的最近報告された有用な反応達↓

(8 examples, 74-94%)


ref. Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 3955.; J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 3686.; Org. Lett. 2004, 6, 1297.; Chem. Commun. 2005, 4161.

鉄触媒を使ったカップリングでは、β-脱離が殆ど起こらないそうです。ホスフィン配位子を用いなくてもO.K.で、高い官能基許容性があるそうです。
(従来は、β:-脱離を抑制するため、配位子、添加剤の設計•選択、反応条件の最適化が必要だったそうです)

あと、こんなのも↓

Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 607.


sp炭素もこんな感じ↓

Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 4862.


ただ、鉄触媒(FeCl3)には、微量に銅が含まれている場合があって、実は真の触媒は銅でしたなんていう、微妙な気持ちでいっぱいになる論文も報告されています。ちなみに、このトピックスは、大分前に、国内No. 1有機化学ブログである、有機化学美術館•分館で「鉄の仮面の下に」という記事で取り上げられています。



cat.

Yield/%
FeCl3 (>98% purity)
79%
FeCl3 (>99% purity)
trace
FeCl3 (>99% purity) + Cu2O (5ppm)
98%
no FeCl3 + Cu2O (5ppm)
97%
ref. Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 5586.; Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 5691.



Metal salt

Yield/%
>98% FeCl3 (Merck)
87
>99.99% FeCl3 (Aldrich))
9
>99.99% FeCl3 + 5ppm Cu2O
78
No Fe + 5ppm Cu2O
77

C&EN. JULY 13, 2009, VOLUME 87, NUMBER 28, P6.


なので、鉄触媒を使った最近の論文では、純度の高いものと低いものの両方を使い、結果の相違無いことを示して、真の触媒は銅ではなく、鉄なんだよといってるのをみますね。

それにつけても、5ppmでもいけるなんて、超高活性ですねこういう事象には、努々気をつけたいものです。

ヨウ素とアンモニアを使った反応

こんな文献を読んでみました↓

Novel and Direct Transformation of Methyl Ketones or Carbinols to Primary Amides by Employing Aqueous Ammonia
Org. Lett. 2009, 11, 3810-3813.


R= aryl, heteroaryl, vinyl, ethynyl (16 examples, 57-94% yield; 4-pyridyl→No amide products were obtained)

Lieben iodoform反応とHaller-Bauer反応のタンデム反応です。


電子吸引性置換基があるとGood Yieldです。

簡便な条件で一気にアミドが造れて便利な反応のような気もしますが、反応条件は、3 eq.のI2と10 eq.の25% NH3を作用させ、sealed tubeで60℃, 1-2 hで、ちょっととっつきにくい感じ。しかも、NI3の生成が気になります(ラージスケールではやりたくないですね)。

ところで、最初のステップがヨードホルム反応なので、アルコールからもアルデヒドへの酸化を経てアミドを合成できます。ちなみに、アルコールからのタンデム•コンディションは、I2 (4 eq.), 25% NH3 aq. (10 eq.)で、5 examples, 74-94% yieldです。

Step EconomyでGreenなアミノ化

こんな文献を読んでみました↓

Practical Amination of Nitropyridones by Silylation
Org. Process Res. Dev. 2008, 12, 1261-1264.

ファイザーの研究グループに報告です。

過去にこういうお仕事があったそうです↓

(4 examples, 89-92%)


で、それにインスパイアされて開発したのがこれ↓


(5 examples, 65-92%)


通常、この手のトランスフォーメーションって、ピリドンを塩素化してアミンとカップリングっていうのがコンベンショナルだと思うのですが、POCl3とか使うのは、できれば回避したい気持ちで一杯になります。それをone-potで出来るのはなかなかエクセレントと思います。

しなしながら、-NO2で環が活性化されていことに加えて、4-pyridoneであることが必要という制約があります。でも、こういうこういう骨格をみつけたら、是非試してみたいと思います。

100% C-atom economy Kumada Coupling

こんな文献を読んでみました↓

Biaryl Construction through Kumada Coupling with Diaryl Sulfates as One-by-One Electrophiles under Mild Conditions
Org. Lett., 2010, 12, 396-399.

熊田カップリングの話です。ところで、熊田-玉尾-Corriuカップリングは有機金属試薬の中で最もアクセスが容易なGrignard試薬を用いる反応なので、コンキチは個人的に注目しています。

で、本論文はGrignard試薬とのカップリング•パートナーにDiaryl sulfateを用いることで、100% C-atom economyを実現するとともに、廃棄物もMgBr2とMgSO4しかでないという環境調和型の反応に仕上がっています。


Ar-O-SO2-O-Ar + 2 Ar'MgBr → 2 Ar-Ar'
conditions: NiCl2(PCy3)2/PCy3, Et2O, rt. (or THF, 70℃), 23 examples


ちなみにこの反応、中間体としてAr-O-SO2-O-MgBrの生成がESI-MSから確認されています。

ちなみに、Diaryl sulfateは、対応するフェノールとN,N'-sulfuryldiimidazoleにCs2CO3を作用させ、THF, refluxで調製可能です(11 examples, 65-97.5% yield)。

ところで、Diaryl sulfateの性質が気になることろですが、Dialkyl sulfateとは違って、非常に安定で(基本的に)毒性も無く、室温で長期保存可能な物質だそうです。

あと、鈴木-宮浦カップリングと合わせて、こんなことができます↓

最近、めっきりGrignard試薬を調製しなくなりましたが、機会があれば試してみたい反応かなと思います。

2010年6月6日日曜日

転職の掟 (3)

先日、iPod shuffleを購入したんですが、凄いですね
凄くコンパクトなのに、2Gもあって、5千円ちょっとで買えちゃう。コンキチは満員電車での通勤途上のみならず、ジョギングのお供にも活用しています。久々のクリティカルなオススメ商品と思いました。


閑話休題


率直なところ、コンキチが転職を志したのは、当時在籍していた会社環境にむかついたからです。要は楽しくなかったんだね
(どうむかついたかの詳細が知りたい方は、過去の記事を参照下さい)。

コンキチは、人生とは謳歌する(面白可笑しく生きる)ものと考えているので、会社はつまらないなどという現実は到底容認できるものではありませんでした。多くの人は好むと好まざると、生きる為に労働市場への参入を余儀なくさせられます。そして、大抵の人々の労働市場で過ごす時間は膨大で、そういった多くの時間を後ろ向きに過ごすことは生産的とは言えず、その膨大な時間を無為に過ごすのは耐えられませんでした。

で、転職活動に踏み切ることを決断します。まずやったのは、サイバー空間で情報収集。コンキチの守備範囲(有機合成関係)の会社で、(中途採用の)求人募集を探しました。が、異様に少ない。後にインテリジェンス(DODA)の担当者から聞いたんだけど、合成系の求人って基本的に少ないそうです。
(まあ、考えてみれば当然で、研究者(員)ってヤクザな営業系社員に比べて圧倒的に素朴な人が多くて、基本、ある程度満足のいく研究環境が与えられれば粛々と働くような気がします。)

あまりに少ないので、転職支援会社とダイレクト•アプローチの両者を組み合わせて転活してみました。以下、その過程で気付いたことを書きます↓

1) 企業のHPでは求人してないって書いてあっても、転職支援会社を介して登録者以外には非公開にして求人かけてる企業もけっこうあります。

2) キャリア•マートっていう会社が好印象だった。希望の職種を募集しない同業他社への面接をとりつけてくれたし、全然求人情報を見かけない同業他社でも希望とあらばアプローチしますよ的な話もしてくれた。担当者とは直接合うことは一度も無く電話とメールでやりとりしたんだけど、サポート体制には非常に満足しました(転活成功はならなかったけど)

3) 同業ではなかったんだけど、当時コンキチが担当していた受託事業の内容がモロかぶりの会社にダイレクト•アプローチした時、面接で役員から、「競合企業への転職」だと思うが、その辺はどうかと訊かれた。(代償措置とかなかったし、)同業他社に転職した(半ばジョブホッパーチックな)先輩も特に問題になるようなことはなかったと答えたけど、退職-転職時のゴタゴタを相当懸念しているようだなという印象を受けた。まあ、真の理由は分かんないけど、お断りされました(コンキチも、実際面接に行って、ちょっと幻滅してたけど)。

4) 理系人(当時、WDBっていう上場企業の子会社。WDBに吸収合併された)を使ったんだけど、ダメダメな会社だった。理系求人に強みみたいなことえおウリにしてたんだけど、紹介された会社はどれもトンチンカンなものばかり。一回担当者と面談したとき、コンキチのことを根掘り葉掘り訊いてきたくせに、ホントトンチンカンな会社ばっかり紹介されたな。はっきり言って、企業研究に費やした時間を返して欲しい。転職エージェントとしての能力は全くない会社っていう印象です(WDBは、分析系派遣会社っていうのがコンキチの印象)。

5) 面接いって、他部署の悪口を平気で言う面接官(求人募集部署長)がいて閉口した。しかも、役員や人事部長の前で(当然お断りしました)

6) 大手は安定感がありすね。やっぱり(非公開)求人案件が比較的豊富。サポート体制は中~中の上。ただ、担当者が比較的若く、しかも沢山の案件抱えて忙しいせいか、たまに意味不明のことを言われてちょっと困惑した。

7) 当然だけど、転職支援会社はドライなサポートしかしてくれないので、転職活動に係る諸々のことは自分で考えましょう。


ここまで、「人生はゲームだ」とか称して、好き勝手なことをまとまりなく色々書いてきたけど、コンキチは転職して価値観がある意味崩壊しましたね。リアルに。コンキチの給料は転職して激増しました(年収換算で150万以上増えた)。コンキチっていう人間の価値は転職の前後で(そう大きく)変わるはずはないにも関わらず、値付けは大きく変わるんですよ。しかも、一瞬で。この現実にリアルに直面すると、心の底から思いますよ、こんなことを↓

一つ、人の評価なんて玉湯なもの
一つ、視座が変われば、評価も変わる
一つ、業界にはヒエラルキーがあり、その上位に位置する会社では、能力に関わらず給料が高い
一つ、転職できたという現実は、市場で価値有りという判断が下されたことである。そして、逆もまたしかり。
一つ、人は情報の非対称性から逃れられない
一つ、自分の価値は自分で決める


コンキチにとって人生とは謳歌することです。で、これは自身の人生を最適化していく作業なんだろうと思います。実験科学の見地からすると、最適化には試行錯誤がつきものです。しかし、ただ闇雲にっ試行錯誤しても良い結果は得られません(まあ、まぐれで良い結果になることもあるかもしれないけど、所詮まぐれです)。やっぱり必要最低限のルールっていうものを知ってる必要があるんですよね。


っていうか、人生ってRPGなんだよね(リセットのきかない)。「経験値を稼いで、レベルアップして、ある種の必須イベントをこなして、ラスボスを倒す」て「お勉強して、賢くなって、社会のルールに則って、ウハウハする」ということと同義なんですよね、自分には(まあ、現在の自分が賢いとは思わないけど、10年前の自分よりは格段に賢くなったと思いますね)。

ところで、僕たちは、9年間の義務教育期間を経た後、大抵は高校に行って、最低でもトータル12年間くらいお勉強をします。ついでに、大学全入時代に突入したと叫ばれる昨今では、プラス4年トータル16年もお勉強に時間を費やします(ちなみにコンキチは18年お勉強しました)。これだけ膨大な時間をお勉強に費やしてきても教えてくれない社会のルールというのが多々存在します。

例えば、金融とか行動経済学とか税制といった生きていくために極めて重要と思われる知識を獲得する(ルールを理解する)ことはかなり困難と思います。

宝くじという敗者のゲームに参加する人が後を絶たないことや、宝くじと保険が同じ仕組みであるにも関わらず、喜々として過剰な保険契約を結ぶ人が大勢いるという現実、トラフィックのフィーしか興味ない証券会社の投資セミナーに言って喜んでるセミナー参加者の数、それから、多くのサラリーマンが確定申告しないこと等を鑑みれば、その難しさが分かるでしょう(現在、確定申告は究極に簡単になっている)。

そして、労働市場におけるルールも学校では教えてもらえないルールの一つです(学校の教師なんて退屈で閉鎖的な環境しか知らないから、そんなもの教えられない)。しかも、そのルールは時代とともに(多分)ゆるやかに変化している(気がする)。

例えば、大学全乳時代に入り、学歴のインフレが生じてること(バカだ大学でより顕著だ)。賃金には下方硬直性が働き、高度経済成長を終えた我が国の賃金上昇率が低下していること。女性の社会進出も失業率を押し上げているかもしれない。また、我が国の労働市場では、既得権を維持する傾向が顕著で、それが新卒の採用を抑制していること。所属する産業によって、給料が全然違うこと(例えば、人事とか総務機能は基本的にどこの会社も同じと思うけど、所属する業界の基本的賃金に引きずられるため報酬は全く違います。これ、同一労働不同一賃金。セイラー教授の本によると、この傾向はアメリカでもあるそうです)。企業風土や、賃金制度は会社毎に大きく異なる場合が少なくない。etc. etc. etc.

要は、社会のルールっていうか、社会を覆っているシステムを理解しておくことが重要ってことです。対策の精度が変わってくるからね。そう、「傾向と対策」ってヤツね