2009年7月15日水曜日

構造的欠陥: 企業年金問題再び

先日WBSを見ていたら、また企業年金に苦しめられている企業ネタをやっていました。

何年か前、株式市場の低迷関連して、企業年金の損失によって企業収益が圧迫されているということで、代行返上とか確定拠出年金とかが流行ったのは比較的記憶に新しいことと思います。で、今回はその再来です。

公的年金や企業年金、個人年金の別に関係なく、年金制度って(確定拠出年金を除いて)構造的に終わってるんですよね。

理由↓
a) 年金の設定利回りはリスクフリーレートより大きい。すなわち、リスク資産での運用が迫られる。当然、資産価値が棄損する場合もある。っていうか、実際棄損してる。
b) 資産運用において利益を出す鉄則は二つ。その1「安く買って、高く売る」。その2「高く売って、安く買い戻す」。例えば、株式で運用している場合、株価が低迷しているときは株式を買い増さなければ行けない(安く買う)。その場合、投資可能額を積み増し、キャッシュアウトフローは極力抑制しなくてはいけないのだが、年金は年金受給者のために一定のキャッシュアウトフローが確実にでる。しかも、医療技術の進展に伴う高齢化は、アウトフロー/インフローを増大させ、年金資産に大きなダメージを与えるのは必死。
c) 手数料分は確実にマイナス

まあ、企業年金における確定拠出年金は、使い勝手は悪いけど(個別銘柄には投資できず、選択できる商品が少なすぎる。さらに拠出額に縛りがある)、ある程度の評価に値するとは思っています(税制が魅力。それから企業業績から分離されているのがいい)。


まだ確定給付を続けてる企業って(特に100%確定給付の企業って)、特別損失とか計上しちゃったりするのかな?で、ボーナスとか減っちゃうのかな?


確定給付型企業年金って、リスクの所在は会社にあります。ただ、会社がリスクテイクした結果、損失が出て、その損失分を補填するために企業業績が圧迫されるとします。すると、ボーナスとか減らされちゃったりとかして、リスクを会社に押し付けたつもりでそのリスクが堂々巡りで従業員(自分)に降り掛かってくるかもしれない(笑える)。


同様の理由で公的年金も終わってます。

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