-都寿司 memo-
住所:中央区日本橋蛎殻町1-6-5
-にもの丼 (1,200 JPY+tax)-
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
穴子、帆立、蛸、海老の煮物の丼。加えて、干瓢と生姜、漬物がご飯の上に載っている。魚介の味付けは"ツメ"。ご飯は酢飯。
ツメは甘さ控えめで、シックで硬めな味に仕上がっている。
ご飯(酢飯)は微甘でマイルドな味付け。弾むような食感で美味しい。
煮穴子はかなり旨い!フワッとふっくらしていて香味豊か。煮穴子を心の底から旨いと思ったのは初めて。風味絶佳の領域(白焼き、天ぷら派なので)。
煮帆立は地味深く、咀嚼するたびにその滋味が口腔内に広がっていく。
蛸も美味い。表面はキメ細かく、吸い付くようなねっとりした食感。その風味豊かな淡白な味にツメがとてもよく合います(これは素晴らしい)。
干瓢はマイルドな味に仕上がって、好みの味。漬物はキリッとしょっぱい。生姜の薄切りは甘辛のバランスとれたマイルド系で秀逸。
兎に角旨い!そして、ツメが絶品。この丼のファンになりました。
-限定入荷 冷酒一合 180 cc (900 JPY+tax)-
-RATING- ★★★☆☆
-REVIEW-
何本か陳列してあってそこから選ぶように言われたんだけど、考えあぐねてお店の人に尋ねた結果、「純米吟醸 本まぐろ」をセレクト。「にもの丼ならこれです」と力強く勧めてもらいました。
トップに華やいだ吟醸香がほどほどに(少し鼻につくか)。乾いた辛口で食中酒向きか?勧めてくれた店員さん曰く「味を邪魔しないでしょ」。確かに、綺麗な辛さだし、食中酒として悪くないと思いました。あと、名前がインパクト大。
閑話休題
前に、N-ニトロサッカリンの芳香族求電子置換反応に基づくニトロ化のメモを書きました。
see http://researcher-station.blogspot.com/2020/03/n.html
今回のメモは同じオーサーの論文で、また、N-ニトロサッカリンのニトロ化のメモです。
読んだ文献はこちら↓
N-Nitorheterocycles: Bench-Stable Organic Reagents for Catalytic Ipso-Nitration of Aryl- and Heteroarylboronic Acids
Org. Lett., 2020, 22, 2714-2719.
お題はアリールボロン酸のipso-ニトロ化です。
やっぱニトロ化って言ったら、真っ先に思いつくのは、授業で絶対習う芳香族求電子置換反応ですが、過酷な反応条件に起因する副反応や異性体の副成、官能基許容性の低さといった問題点は最早枕詞です。
そして、このような問題を回避する合成法として、ipso-ニトロ化は魅力的な方法です。
イントロにipso-ニトロ化のパイオニア的仕事が年表としてまとめてあったので、まずそれを紹介しましよう↓
Prakash, Olah 2000
NH4NO3/TFAA, CH3CN, -35˚C, up to 6 hr, 8 examples, 23-78%
ref. Synlett, 2000, 1485.
Parkash, Olah 2004
MNO2/TMSCl (M=NH4, Ag), CH2Cl2, rt. up to 72 hr, 9 examples, 20-98%
ref. OL, 2004, 6, 2205.
Wu, Beller 2011
tBuONO (10 eq.), air, dioxane, rt., 16 hr, 10 examples, 45-87%
ref. Chem. Commun., 2011, 47, 12462.
Fu 2011
NaNO2/Cu2O/NH3・H2O, H2O, rt., 36-48 hr, 12 examples, 44-70%
ref. Chem.-Eur. J., 2011, 17, 5652.
Maiti 2012
Bi(NO3)3・5H2O/K2S2O8
toluene, 80˚C uo to 14 hr, 26 examples, 35-96%
ref. OL, 2012, 14, 1736.
Fu 2013
Fe(NO3)3・9H2O, 80℃, toluene, 18 hr
ref. RSC Adv., 2013, 3, 25602.
Goswami 2015
NaNO2/NBS/PIFA, CH3CN, rt., 3 hr, 18 examples, 82-93%
ref. Org. Biomol. Chem., 2015, 13, 4828.
Shen 2017
68% HNO3 aq./TFA, air, 80˚C, 18 hr, 14 examples, 41-91%
ref. Synth. Commun., 2017, 47, 10.
Zolfigol 2018
[DSim]NO3, neat, rt., up to 3 min., 13 examples, 75-92%
ref. JOC., 2018, 83, 3645.
これらの先行研究では、使用される試薬は不安定であり、過酷な条件、酸化的条件、長い反応時間、低い官能基許容性、酸性廃棄物や金属廃棄物が大量に排出されるといった問題があります。さらに、ニトロヘテロアレーンの合成例は僅かだといいます。
ところで、最近(2019)著者らのグループは、bench-stableかつ容易にアクセス可能なニトロ基転移試薬を用いたニトロ化反応を報告しています↓
Chem. -Eur. J., 2019, 25, 12929-12939.
Nature Commun., 2019, 10, 3410.
(ほぼ)中性のマイルドな反応条件と基質一般性の高さから、著者らはこれらの試薬のipso-ニトロ化への応用を試みます。ということで、ボロン酸のipso-ニトロ化の反応開発に取り組んだ著者らが見出した新規ipso-nitrationがこちら↓
N-ニトロコハク酸イミドは光触媒反応仕様(Nitryl radical)、N-ニトロサッカリンはメタルフリー仕様(Nitronium)に仕上がっています。
都合40基質について検討していて、ボチボチいい感じの基質一般性なのではないでしょうか。やっぱり、穏和な反応条件はみんな大好きだと思うし、ipso-置換反応は選択性に安心感があります。そして本報をもって、N-ニトロサッカリンは芳香族求電子置換反応(see http://researcher-station.blogspot.com/2020/03/n.html)だけでなく、ipso-置換反応でもイケイケであることが例証されました。いいヤツです。
(N-ニトロコハク酸イミドだって、フォトキャタリティックにアルケンのニトロ化とipso-ニトロ化の両刀使いなんだからネッ)
N-ニトロコハク酸イミドを用いた光触媒反応は溶媒効果が大きく、アセトニトリルがピカイチです(SIに書いてあった)。他方、N-ニトロサッカリンを使った"非"光触媒反応では、反応溶媒にHFIPを使用することが成功のキモになっています。また、芳香族求電子置換反応のときと同様に、アセトニトリル溶媒中、ルイス酸(Mg(ClO4)2とかZn(NTf2)2)の添加も有効です。
N-ニトロサッカリンを使ったメタルフリーバージョンでは2 gスケールでの実施例もあり、そこそこ確度の高い反応に仕上がっているのではないでしょうか。
ハイ、それでは推定反応機構です↓
Plausible catalytic cycle for the ipso-nitration
Proposed electrophilic mechanism in HFIP
ボク的にはoptimal以外の条件も気になるところなので、参考のため最適条件の検討結果をメモってフィニッシュしたいと思います。
Reaction Design and Optimized Studies
Supporting Informationにはより詳細な検討結果(溶媒、光触媒、ルイス酸、etc.)が記載されているので、興味を持たれた方はそちらをご覧になればためになるでしょう。
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