先日、渋谷より苦手な新宿に行ってきました。
新宿と言えば、紀伊国屋書店(本店)。
学生時代、新宿紀伊国屋に専門書を漁りに出かけたものですが、その折は紀伊国屋書店新宿店地下1Fの洋食(だけじゃない)ショップの珈穂音で昼飯を食べたものです。
社会に出てからも何度か食べに行ったです。
現在は諸事情により紀伊国屋地下から居を移して営業しているんですが、今回、移転後初"珈穂音"したのでメモします。
住所:新宿区新宿3-22-12 新宿サンパーク本館5階(三平)
-RATING- ★★★★★
-REVIEW-
鯖がとっても香ばしい!
軟らかくしなやかな張りと弾力。味付けのお塩は控えめで、綺麗な旨味リッチな味わいが引き立つ。綺麗な脂がたっぷりのってるし。さらに、皮はパリッとしていてとても旨い。
あと、レモンと良く合うんだよね。で、搾って直ぐ食べるのが正解(旨過ぎる)。
お醤油と大根で味変を楽しむのもヨシ。
これでたったの千円ポッキリでコスパ超絶高し。
閑話休題
時代はニューモダリティ。ホスホロアミダイト法で副生する(微量)不純物のメモの続きです。
これまでのメモはこちら↓
それでは今回は下の「8」、「9」、「10」についてメモっていきます。
1. chloral adducts (trichloroacetaldehyde modified oligonucleotides, トリクロロアルデヒド反応物)
2. DMTr adducts (4,4'-dimethoxytrytyl-C-phosphonate, C-ホスホネート体)
3. acrylonitrile adducts (シアノエチル付加体)
4. isobutyryl adducts
5. short deletion sequences (shortmer, ヌクレオチド欠損体)
6. phosphodiester analogs (PS→PO変化体)
7. 3'-terminal phosphorothioate monoesters
8. phosphorothioate oligonucleotides as impurities in oligonucleotide dithioates
9. lomgmers (ダブルカップリング)
10. depurinated oligonucleotides and formation of apurinic site (脱プリン体)
11. deaminated oligonucleotides (deamination, 脱アミノ化)
12. methylamine adducts (メチルアミン付加体)
13. solid support由来の不純物
8. phosphorothioate oligonucleotides as impurities in oligonucleotide dithioates
ジチオホスフェート(PS2オリゴ)がターゲットの場合、ヌクレオシド間を連結するリン酸基がS化不足のPSオリゴ(ホスホロチオアート)が不純物となるという話です。PS2オリゴとPSオリゴの分離にはSAX(Strong Anion Exchange)-LCが有効なようです。
9. lomgmers (ダブルカップリング)
schematic image
n+1, n+2といったロングマーは1回のカップリング工程でダブルカップリングなどが起こって副生します。ちょっと酸性なので、少量ジメトキシトリチル基が外れるんですね。で、外れたところがアミダイトともう一回反応してしまいロングマーが生成するのです。ホスホロアミダイトと固相担体の接触時間が増えるほど、用いる活性化剤の酸性度が増すほどロングマーの副生が増加します。また、T < dC < dA < dGの順でロングマーが出来やすいそうです(Tetrahedron Lett., 1997, 38, 3875-3878.)
一般論として、カップリング効率が100%にならないので、(n-1)-mer > (n+1)-merとなるようです。
あと、ロングマーにはfull-lengthオリゴの塩基から枝分かれしたものや(Biooraganic and Medicinal Chmistry Letters, 2006, 16, 607-614.)、3'-位の水酸基で分岐したものもあるそうですね。
full-length oligonucleotides containing branched impurities
10. depurinated oligonucleotides and formation of apurinic site (脱プリン体)
DNAオリゴヌクレオチドのプリン塩基は酸性条件下で加水分解を受けやすく、ブリン塩基が脱離した脱プリン体が副生することがあります。アデニンが脱離すると117Da小さい質量の化合物が、グアニンが脱離すると133Da小さい質量の化合物が副生します(脱ピリミジン化は脱プリンよりも起こりにくい)。
あと、二本鎖よりも一本鎖の方が脱プリンしやすく、内部よりも末端で起こりやすいようです。
それから質量分析の注意点なんですが、例えばデオキシアデノシンが組み込まれたオリゴ核酸を分析した場合、135.13Da小さいスペクトルが観測される場合がありますが、これはイオン化の際のフラグメンテーション由来ということのようなので覚えておきましょう。
それから、脱プリンした後に続くapurinic siteで起こる反応には次のようなものがあります。
(1) Modified cytosine oligonucleotide (シトシン変換体)
J. Org. Chem., 2005, 70, 7841-7845.
熱ストレスによってfull-lengthオリゴより"+80 Da"大きい不純物が生成します。推定反応機構は上のスキームの通りで、脱プリン化からさらに分解することで生じる4-oxo-2-pentanalがシトシンと反応することで副生すると考えられます。
(2) Cross-linked oligonucleotide
Bioorganic and Medicinal Chmistry Letters, 2006, 16, 607-614.
以上、核酸医薬はN-of-1の医療に対応できる社会的意義の高い数少ない創薬モダリティなんだなと殊勝な気持ちを醸し出しつつ、合成にしがみついていきたい二流大出のテクニシャン(研究補助員)のオリゴ核酸スーパー初心者級メモ「その4」でした。
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