先日、修善寺方面の修善寺温泉ではない湯宿で、極上の源泉掛け流しを堪能してきました。
ところで、修善寺といえば、やっぱり源頼家が幽閉されたあの修禅寺で、修善寺方面まで赴いておいて行かない手はないわけで、勿論行ってまいりました。
今回の旅で初めて知ったんですが、フルネームは福地山修禅萬安禅寺というそうですね(院はないの?)。
手水舎ならぬ手温泉舎なのは流石温泉街にあるだけのことはあるなと感心しました。
修禅寺に着いた頃はお昼時で、あまご(雨子、サツキマス、サケ目サケ科サケ属))が食べられるっていうお店で腹ごしらえしたので、初あまごの感想をメモします↓
あまご茶屋 修善寺温泉店メモ (visited Apr. 2026)
住所 : 静岡県伊豆市修善寺765-1
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
鱒的な強い香りがして、トロンと軟らかい身。
強い香りとは裏腹に、驚くほど淡麗な味わい。
トップに戴くのは、あまごの卵(黄金いくら)で、張りが強くチョット独特のクセのあるフィッシー•フレーバーがボクの好み。
薬味の山葵は、純朴で綺麗なアーシーな味わいが心に沁みます。
-RATING- ★★★★☆
-REVIEW-
鮎と岩魚を足して鮎寄りに2/3といった感じ(個人の感想)のキメ細かい身質、匂い、味わい。
塩振りがいい塩梅で堪りません。
初めてあまご、なかなか気に入りました。
閑話休題
ADCのケミストさんのX (エックス)のポストで紹介されていた論文を読んでみました↓
Poly(2-pyridyl)phosphines: Separation-Friendly Reagents for the Mitsunobu and Appel Reactions
Org. Lett., 2026, 28, 6528-6533.
プロセスケミストはみんな大好き、トリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)の簡便除去法のお話です。
ボクもTPPOの簡便除去ネタは大好きで、その都度いい感じのネタをメモしてきました↓
TPPO除去メソッドの中では、ZnCl2、MgCl2、CaBr2といったルイス酸との錯体を濾別する方法が非常にプラクティカルと思うんですが、その効果を高めるために溶媒置換したりルイス酸の粒子を細かく磨り潰したりするなどの一手間がかかります。
また、そのルイス酸性ゆえに、酸にセンシティブな官能基やルイス塩基性のヘテロ原子との錯体形成が競合するといった制限がるといいます。
ということで、本報が提示するソリューションは修飾ホスフィンを用いた方法です。
著者らのセレクトした修飾ホスフィンは、2,2'-(Phenylphosphanediyl)dipyridine (CAS# 68469-71-6)とTris(2-pyridyl)phosphine (CAS# 26437-48-9)で市販試薬です。水のワークアップであったり析出ホスフィンオキシドの濾別によってホスフィンオキシドを簡便迅速に除去することができます。
ワークアップ・プロトコルはこちら↓
・2,2'-(Phenylphosphanediyl)dipyridine (PPh(2-Py)2):10% CuSO4 aq.洗浄
・Tris(2-pyridyl)phosphine (P(2-Py)3):反応液を濾過して濾別。もしくは、MTBEで希釈して濾過(実は、10% CuSO4 aq.洗浄も出来る使えるヤツ)。
どちらの方法で処理しても、1H NMRおよび31P NMR分析からクルード中にホスフィンオキシドは検出されなかったそうです。
因みに、P(2-Py)3の各種溶媒に対する溶解度は次の通りです。
THF:0,9 mg/ml
2-MeTHF:0.2 mg/ml
PhMe:0.3 mg/ml
EtOAc:0.4 mg/ml
iPrOAc:0.2 mg/ml
MTBE:0.0 mg/ml
H2O:28 mg/ml
さて、オスフィンオキシドが効果的に除去できることが分かったところで、次に気になるのはピリジルホスフィン使って反応がちゃんと進行するのかですね。
ハイ、安心してください。ちゃんと反応しますから。
まず著者らは光延反応を検討しています。
ベンチマークのトリフェニルホスフィンと比較して多少反応収率は見劣りしますが、まあえでしょう。
基質一般性はこちら↓
その他の基質は、多分、ZnCl2、MgCl2、CaBr2処理に対する優位性を示すことを意識して、酸に弱いBoc保護基質やルイス塩基性の官能基を持つ基質、カラム精製ではTPPOとの分離できない基質をセレクトしています(ZnCl2、MgCl2、CaBr2程度でBocとか外れるの?)。
P(2-Py)3は全ての基質に対してなかなかのパフォーマンスを示していますね。
それに対してPPh(2-Py)2は、いくつかの制限が見受けられます。
金属に対して高い親和性を有するnicotinateは銅イオンとの配位が競合し、単離収率が39%と振いません(水層に落ちている)。
また、アデニン誘導体への適用は難しいようです(生成するホスフィンオキシドが目的物の単離を妨げるようです)。
最後に、著者らはこの新たな手法の適用をアッペル反応にも検討して好成果を得ています。
アッペル反応はジクロロメタン溶媒中で行っているので、その溶解性の高さからP(2-Py)3から生成するホスフィンオキシドの濾別による除去はワークしませんが、CuSO4水溶液洗浄で簡単に除去できます(上のテーブルの結果はCuSO4水溶液ウォッシュの結果ですね)。
2,2'-(Phenylphosphanediyl)dipyridine (CAS# 68469-71-6)とTris(2-pyridyl)phosphine (CAS# 26437-48-9)、なかなか使えるいいヤツなんじゃないでしょうか。
この二つの試薬はアルドで売ってるんですが、それぞれ210,000円/5 g、69,800円/gと高いです。
バルクグレードでいくらするのか分かりませんが、もっと安くなる日が早く来ることを願う、二流大出のテクニシャン(研究補助員)のTPPO除去メソッドメモでした。
















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