2007年2月17日土曜日

知財を志向してみる (3)

2月13日, 14日と日本知的財産協会主催の知財セミナーに参加してきました(勿論業務です)。

まあ、会場の近くに旨い蕎麦屋があるという情報をキャッチしたので、会社に交通費を出してもらって、噂の蕎麦の味を確かめてやろうじゃないかというのがメインの目的だったのですが、最近流行り(?)の知財に関しても造詣を深めておこうかなという気持ちもあったので参加してみたのです(コンキチの勤務する会社では、社内で人材を教育するという思想が、まあ殆どないので)。

1日目は「発明のまとめ」と題した特許に関する講演を、2日目は「発想法・思考法」と題したワークデザインに関する講演を受講してきました。

で、折角なのでセミナーに参加して思ったことをメモかたがたチョット綴ってみようかと思います。

1) 「発明のまとめ」
講師は帝人の知財センターに勤務する方で、えらい話の旨い人(女性)でした(ただ、ちょっと話がはやいか)。この講演では、特許のカテゴリー(物質特許、製法特許、用途特許、パラメーター特許)と、特許の新規性・進歩性を中心とした解説が行われ、特許(の知識)初心者級のコンキチにはけっこういい勉強になりましたね。
a) 「強い権利行使を可能とするにはどのようにクレームすればよいかというケーススタディー」
b) 「特許出願時における拒絶理由への対応」
c) 「権利行使の可否」
d) 「先行技術との違いをどう出すか」
ということが、事例を交えてポイントを抑えた解説をしていただきなかなか有難かったです。

で、コンキチがこの講演を聴いて一番思ったことは、

やっぱり製造特許(化学)の権利侵害を立証するのって、難しいんだなあ

っていうことです。講師の先生も、CSRとか、コンプライアンス経営とか、ばれたときのリスク(社会的信用の喪失)が侵害の抑止力になるといっていました。

つまり、モラールの無い(または低い)企業が、ばれなきゃO.K.的発想で勝手に、かつ内緒で特許を使われたらどうしようもないということでしょう(やり得)。

アメリカではディスカバリーという情報開示の制度があり、ハードルが高いようです。まあ、国内だけでなく、大きな市場がある(またはこれから期待される)外国の特許法にも精通することも、特許戦略上重要なのだろうと思いましたね。気が向いたら、その辺のところもちょっと勉強してみたいです。

ちなみに推薦図書は、

特許〈化学〉明細書の書き方」 (室伏良信 著)

だそうです。

2) 「発想法・思考法」
ワークデザインというG. Nadlaerによって提唱されたシステム設計技法に関する講演を聴講しました。

ワークデザインの得意領域は、「ビジネスモデルの設計や改良」「新しいビジネスモデルの構想」「製品や部品の提案や改良」「問題解決」だそうです。

で、ワークデザインでは機能(システムの目的, 役割, 使命)を重要視しており、今回の講演ではワークデザインの中核である「機能展開」の解説と、機能展開を利用したビジネスモデルの構築・設計・改良に関する解説がなされました。
 機能展開とは、下位の機能(例えば、荷造り作業を例にとると「必要な荷物を梱包する」)に対して、「その機能によって何をしようとしているのか?」とい問いを繰り返すことによって、上位の機能(客が移動先の環境下で不都合無く家庭生活を営み、労働し、買い物をし、教育を受け、楽しむ活動をたすける)へと展開していくといった作業で、けっこう細かく展開していかなければならないそうです。
これをビジネスに応用した場合、上位の機能から顧客の潜在ニーズを見出し、そのソリューションを提案することでビジネスモデルを構築・設計・改良するのに役立てるとコンキチは理解しました。

ただこの機能展開がちょっとクセものだとコンキチは思いましたね。機能展開の例として、黒板消しの機能展開の例がよく用いられているようで、

(1) 黒板の表面をふく
(2) 黒板に付着したチョ−クの粉を落とす
(3) 黒板の表面に書かれた字を消す
(4) 黒板に次に書くスペ−スをつくる
(5) 黒板に次々と字や絵を書く
(6) 限定されたスペ−スを用いて目で見える情報を次々と伝える

というように機能の展開が為されていき、「限定されたスペ−スを用いて目で見える情報を次々と伝える」を顧客の潜在ニーズと考え、プレゼンソフトみたいイノベーションが創出が期待されるのでしょう。上位概念の機能を志向するという方向は間違っていないと思うのですが、その途中のステップってホントに必要?と思いました。
(学術研究としての価値というか重みを出すために、敢えて必要ない機能をつらつら並べているだけのようにも思えます)

経営学系の書籍を紐解くと、顧客ニーズをより広い概念まで広げて考えるというアプローチはけっこう頻繁に解説されているように思います。

a) シルク・ドュ・ソレイユ: サーカスの一段上の概念であるエンターテイメントショーという視点で演出を設計し、大成功を納めている(「ブルー・オーシャン戦略」)。シルクにとっての競争相手は、サーカスだけでなく、エンタメ事業者全てなのです。独走的なエンターテイメントショーが、「ショーを楽しみたい」という顧客ニーズを満たしたのでしょう。

b) カセラ・ワインズ: イエロー・テイルというワインのヘビーユーザー以外のアルコール愛好家(ビールとかカクテル)も楽しめるワインを設計・販売し、メガヒットを達成した(「ブルー・オーシャン戦略」)。「人々が楽しめるワイン」の上位概念である「人々が楽しめるアルコール飲料」という視点で商品設計し、ワインのヘビーユーザー以外の顧客ニーズを発掘している事例だとい思います。ちなみにコンキチもイエロー・テイル好きです。

c) サウスウエスト航空: 航空会社という位置づけではなく、より上位の概念である輸送業として自社をとらえ、スピードと便数に特化した戦略で低料金を実現して競争優位を築いた。他の航空会社以外に自動車による移動という代替輸送手段もライバルと見立て、両者にない価値を提供している。ラウンジとか機内食とかの輸送以外サービスはそこそこでいいから、スピード(移動時間)を重視したいという顧客ニーズをとらえているのでしょう。それでいて、料金は自動車(スピードは遅い)と競合するくらいの低料金ですから(「ブルー・オーシャン戦略」)。

d) ホーム・デポ: ホーム・センターという視点ではなく、ホーム・インプルーブメントというより上位の視点で、DIYという膨大な潜在ニーズを掘り起こした(「ブルー・オーシャン戦略」)。

e) BBA(Bush Boake Allen): 「顧客のニーズに合致した香料を売る」から「顧客の抱えている問題を解決する」という一段高次の視点から、新しいビジネスモデルを構築した(「製品開発力と事業構想力」R&Dを顧客に転嫁する事業モデル)。
cf. http://researcher-station.blogspot.com/2007/01/blog-post.html

f) 製造業→サービス業への転換: see http://researcher-station.blogspot.com/2007/02/blog-post.html(「ビジネスモデル戦略論」「脱」コモディティ化の成長戦略)

機能展開なんて仰々しいことをやらなくても、上位概念での顧客ニーズを検討すればいいんじゃないの?という気がします。

あとそれから、この機能展開なんですが、さらに展開をつき進めて行くと、

(6) 限定されたスペ−スを用いて目で見える情報を次々と伝える
          ・
          ・
          ・
(n) 人の情報の授受をスムースにするのは、理知的でいきいきとした生活を送らせるためであり、それは、人々を幸せにするため

というような感じで、なんか良くわかりませんが、最終的には「人々を幸せにするため」的なものに収斂するようです(なんかこの辺りは宗教的な感じがします)。

で、「企業の利益にため」という方向には展開してはいけないそうです。講師の先生は、「利益を上げさえすれはなにをやっても良いのか?」言っていました。でも、利益を上げることってそんなに悪いことですかね?

企業が利益を多くあげることにより支払われる高額な税金により、公共インフラを整備し、人々が快適に暮らせるようにする

とか

企業が継続的に利益を挙げることにより、ゴーイング・コンサーンたる企業体は、人々の雇用を拡充し、給与を上げ、人々の経済活動を豊かにする

的な発想も有りだとおもうのですが.....。

それに、「人々を幸せにする」と言ったって、幸せの定義は曖昧であるし、利便性を向上させることによって幸せを達成するということであれば、「利便性さえ向上させれば、何をやっても良いのか?」ということも言えるのではないかと思います。

さらに、株式会社が出来た歴史を鑑みれば、会社は利益を上げることが目標であることに疑いを挟む余地はありませんよね(TOCでも会社のゴールは(反社会的な行いをすることなしに)利益をあげることですよね)。

チョットGoogle(日本)でググッてみたけど、「(学問としての)ワークデザイン」のヒット数はイマイチでした。思考の方向としては間違ってないのでしょうが、ちょっと仰々しいかなという気がしました。

大野耐一氏の逸話に触れていたのですが、それが今回の講演で一番ためになりましたね。

講師の先生がとある工場で段取り時間を短縮するアドバイスをしたそうです。でも、受け入れられなかった。しばらく後、その工場の様子を伺ったところ、かつて行った提案通りの作業が行われ、段取り時間が短縮したという。で、先生は「私の言った通りでしょ」的なことを言ったらしいのですが、件の工場の人は「いいえ違うんです」と宣った。

何が違うのかと言うと、あの大野耐一が「俺が責任を取るからやってみろ」と宣うことで、改善策が実際に行動に移されたということなのだそうです。

講師の先生も、「アイデアなら出せるけど、責任はとれませんから」的なことを言っていました。

改革には豪気なトップの存在が必要

なのでしょう。

部分最適でも全体最適でもなく、自分最適を目指す二流大卒のなんちゃって研究員の徒然なる日記でした。

2007年2月10日土曜日

知財を志向してみる (2)

知財・特許業務マニュアル〈下巻〉」を読破しました。



法律とかそういった決まりごと関連の書籍は、正直退屈ですね。でも、興味深い内容もあったので、少々メモしてみたいと思います。

1) パテントマップ
特許戦略の本なので、特許情報をビジュアル化したものである「パテントマップ」に関してけっこうな頁が割かれています。

で、特にコンキチが興味を覚えたのが、この本の著者(有機化学系)の1人が現役時代にちょっとした遊びで作ったものらしい、メタロセン触媒によるオレフィン重合のパテントマップです。
x軸にモノマーの種類
y軸に触媒の中心金属
z軸に特許件数
を3次元プロットしたパテントマップなのですが、マッピングしてみた結果以下のことが分かったそうです。
 
a) エチレン、プロピレン、スチレンをモノマーに使ったものが多い。
b) エチレンの重合で使われる金属は、TiとZrが多い。
c) プロピレンの重合で使われる金属は、TiとZrが多い。
d) スチレンの重合で使われる金属は、Tiが多い。Zrはゼロ

で、ここで見えてくるのが

「スチレンの重合にはなんでZr cat.が使われてない訳?」

ということです。

本書では、この話題に関する詳細な追跡の記述もなく、またコンキチも専門外なので、実際上述したような「気づき」から具体的にどういった展開が可能かはよく分かりませんが、技術の視覚化によって、第三者がまだ気付いていない何かを見出すツールとしてはかなり有益かと思いました。

企業戦略、企業規模、ビジネスモデルによって上記リサーチは、ROIが必ずしも良いとは言い難い場合もけっこうあるかと思いますが、考え方としては見習いたいですね。

2) 特許出願戦略
コンキチは所謂化学工業というセクターに属する仕事に携わっています。で、そこで製造される製品というのは、パソコンとかTVとか車といった、はっきりとした、それ固有の形状を有さないものなのです。ジュースとか酒とか砂糖とか塩といった、言われてみないとそれとは認識しがたい物質が製品よして製造されてくるのです。しかも、B to Bビジネスしか営んでおらず、エンドユーザーが手にする製品の中に微量しか入っていない場合もあったりします。

で、そんなセクターに属する会社が、新規製造技術を開発してそれを守ろうとした場合、どういった方法がベストかということを考えさせられましたね。特許化を目指すべきなのか? それともノウハウとして保護し、隠密に先使用権は確保しておくという戦略の方が良いのか?ということです。

しかもプロセス・イノベーション的な発明の場合、果たして競合他社の特許侵害を見抜くことがどれほどできるのかはなはだ疑問があります。

企業のモラールにかけるだけでは、いささか白痴的ではないかということです。

今までコンキチは、上述したようなことをあまり考えたことがなかく、はっきり言って素人ですが、少しづつ勉強して行きたい気持ちは芽生えました。

3) 「筋の良い」テーマ
本書では、「筋の良い」テーマを生み出すためにはということにも言及していて、

イマイチくんな(研究)テーマが多いのは、

考える時間、そしてその前に、構造化(解析された情報が整理されている状態)された情報を準備することの重要性を組織としてあまりにも軽視してきた。考えごとをするのも、そのための材料を準備して下ごしらえをするのも、仕事ではない、対価を払うべき価値のある生産活動ではないとみなされてきた。だからこれまでわれわれは、筋の良いコンセプト(研究テーマ)を生み出すための投資、つまりは調査研究への投資をわずかしか行ってこなかった。

と断じています。

正直、この本はとても良いとは言い難いと思いますが、上記主張はコンキチと全く同意見ですね。TOCにもちょっと通じるところがると思うし。

本来知識集約型であるべき研究開発活動を労働集約型活動と見なしてきたことにそもそもの間違いがあるんだろうと思います。こういうパラダイムの転換を達成できた企業のみが、研究開発型の企業として生き残って行くのだろうなと感じています。


以上、コンキチの心にとまったことを幾つかメモしてみました。まあ、コンキチは二流大卒のしがないなんちゃって研究員なので軽く流し読みして下さい。

2007年2月6日火曜日

BASF : The Chemical Company

BASFからCD-Rが送られてきました。

昨年9月にコンキチはBASF主催の「BASF BORON CONFERENCE」という、有機ホウ素化学のレクチャーに参加したのですが、そのときの講演に使ったプレゼン資料を全てPDF化し、それをCD-Rに焼いてわざわざ送ってくれたのです。

凄い会社です。さすが世界最大級のグローバル・ケミカル・カンパニーだけのことはあります。

こういう啓蒙活動って、企業体が大きくなればなるほど求められるのでしょうね(広告も兼ねてなのでしょうが)。

化学業界の中にCSRを感じた一瞬でした。

BASFにはこれからもThe Chemical Companyの名に恥じない企業体であって欲しいと思います

2007年2月2日金曜日

「脱」コモディティ化の成長戦略

ビジネスモデル戦略論」という本を読んでいます。



まだ読み始めたばかりなのですが、第1章に興味深い論文が掲載されていたので、ちょっとメモってみたいと思います。

タイトルは、このブログの表題通りで、




「脱」コモディティ化の成長戦略


です。

コモディティ化した製品やサービス(超成熟産業)であっても、

BOU(unit of business: 事業評価単位、弁護士であれば請求対象時間、消費材メーカ−であれば石鹸の個数、航空会社であれば輸送乗客数といった買い手と売り手が取引を交わす際の基準)



KPI(key performance indicator: 重要経営指標、法律事務所であれば請求の対象時間に占める実際請求時間の割合、従業員1人あたりの時間単価、単位売上高当たりの管理コストとか)

といったプロフィットドライバーを再定義することで、競争優位を確保したり、長期的成長が可能であると論じています。

事例としては、生コンクリート、再保険、液化ガス、シール材、借り換え住宅ローン、ロジスティクス、ソフトウェアといった十分に成熟しきった事業が挙げられています。

で、

この論文を読んで、コンキチが特に感銘を受けたのは、成長するためには、たとえ製造業でさえも、サービス業化が求められているということです。

a) 顧客抱えている問題(顧客ニーズ)を把握すし、顧客ニーズを満たす=顧客の抱えている問題を解決するサービス(ソリューション)を提供することで、他社との強烈な差別化を図ることができる。

b) 自社で造っているからという安直な理由で、自社製品を売りつけているだけでは「コモディティ」を脱することはできない。成長のためソリューションビジネスへの転換を図るのであれば、ある意味、製造業からサービス業への業態の転換とも言えるパラダイムの転換を経験することになる。

c) このようなパラダイムシフトは容易に実行することは難しく(反対とか絶対起こりそう)、参入障壁となる。

d) よって競争優位を築くことができる。

とコンキチは理解しました。つまり、成熟産業の成長戦略には、


ソリューションビジネスへの転換


が必要ということなのでしょう。

成熟産業であると思われる香料業界に身を置くコンキチとしては(但し、香料事業とは関係ないセクションで働いている)、以前のブログで書いた、BBA(IFFに吸収合併された)という香料会社の事例a)が想い起こされました(但しその事業がその後どう展開されているのかは知りません)。

a 香料の膨大なデータベースをインターネット上で顧客が利用することにより、ある程度の製品設計を顧客自身にやってもらう。サンンプルは顧客企業内に設置したFA機器(自動調合機)によって数分で作成される。微調整も迅速にできる。

ちょっとIFFのWeb Siteを除いてみたのですが、


Consumer Fragrance Thesaurus


が件のサービスなのかもしれません(コンキチは英語が苦手なので、よく分かりませんが)。

気が向いたらAnnual Reportでも読んで、件のビジネスの展開を調べてみようかと思います(多分やらないと思う。何故なら、英語はよくわからないから)。

以上、二流大出のなんちゃって研究員の雑感でした。

2007年1月31日水曜日

「ユニフォーメーション」か「フェア」か?

ESSENTIAL EYELAを読んでみました。

東京理科器械の読み物で、2005年秋から創刊(?)されているようで、最新版はVol.3です。

で、Vol. 3の特集記事で、分子科学研究所魚住教授のインタビュー記事を読んだのですが…..

研究内容は、ナノ触媒を用いた精密AQUEOUS REACTIONだそうです。まあ、読み物なので詳しい話は書かれていませんが、インタビューで感銘を受けた事柄が少々ありました。

それは、「平等」に関することです。

魚住先生の発言を引用
私は日本でよくいう「公平」とか「平等」という言葉はあまり好きではない。公平という言葉は日本語として非常に曖昧で、「ユニフォーメーション」と「フェア」という二つの意味がある。ユニフォーメーションというのは昼寝している人も、一生懸命働いている人も、同じ年に入社して同じキャリアなら同じ給料ですね。フェアというのはよりよくやっている人には好待遇があり、やっていない人には悪い待遇が当然。どっちをもって公平・平等と呼ぶかは非常に難しいですが、研究の世界ではやはり、あらゆる意味でフェアであるべきと思っています。だから私は、ユニフォーメーションが嫌いです。

さらに、フェアな環境を構築するためには、評価する側と評価される側の信頼関係が必要であると続きます。

言い得て妙なりと思いました。どこぞのわけの分からない人間の占いや、スピリチュアルな話なんかよりも言葉の重みが違うと思いました。やっぱり、何かを成し遂げた人間の発言には、紙面を経由してであっても、真実の重みがあると感じましたね。

フェアという考え方は、研究の世界以外のあらゆる世界において有効だと思います。

よく、「結果平等」「機会平等」の議論を耳にすることがありますが、両者とも幻想に過ぎないとコンキチは考えています。結果平等は言うに及ばず、平等な機会の供与というのも現実には全く有り得ない話ですから(例えば、我々日本人と東南アジアとかアフリカに人々との機会は果たして平等か?とか、英語圏で生活する人は、世界唯一の共用語である英語を学ぶ必要がないとか。金持ちの家に生まれた子供と貧乏人の子供の境遇とか)。

で、「フェア」という考え方は、完璧では決して有り得ないだろうけれど、セカンド・ベストくらいにはなるのではないかと思います。

「フェア」の精神。そんなものを大事にしていきたいとコンキチは思います。


あと、魚住先生の研究テーマは水中での反応ということで、GSCに通じるテーマです。企業に勤務する研究員は、反応以後の、分離・精製プロセスにおいても、AQUEOUS REACTIONのグリーン性を毀損しないようなプロセスを設計していかなければならないのだろうと強く感じました。

そういえば、何年か前にSharplessが提唱したClick Chemistryを思い出しました。水中で、マイルドかつ選択的に反応が進行し、生成物は固体で、濾過することで定量的に目的物を取得できるといったNO WASTEを謳ったコンセプトだったと思います。確か、アジドとアルキンの [3+2]付加環化反応による 1,2,3-トリアゾールの合成で達成できる反応だったような気がします。

それにつけても、注目されている気鋭の研究者は、脂ぎってるなあと感じる二流大出のなんちゃって研究員のコンキチでした。

二流大出のなんちゃって研究員の徒然なる独白でした。

2007年1月25日木曜日

一期一会: 知の蓄積を阻むもの

昔、エジソン(Thomas Alva Edison)がこういったらしいです↓

I have not failed. I've just found 10,000 ways that won't work.
(私は失敗したことがない。たんに、うまくいかないだろう1万の方法を見つけただけだ。)


と。

コンキチはこの言葉に強く共感します。(研究活動いおいて)強いて失敗を挙げれば、

「10 g仕込もうと思っていたところを、間違って16 g仕込んでしまった(しかも、16 gの実験は以前やったことがある。または、結果が自明である)」

みたいなことだと思います。

翻って、我々研究員(コンキチはなんちゃって研究員ですが.....)が勤務する企業(とか研究所とか大学)ではどうでしょうか?

ネガティブな発見失敗と称してはいないでしょうか?

そして、報告書とか月報とか週報とか書くときに、ネガティブな発見(=新規知見)を記載しているでしょうか?

もし、ネガティブな新たな知価を隠蔽する風土があなたの勤務する会社に根付いていたら、あなたの勤務する会社の「知」は上手く集積されていないのではないかと、コンキチは疑わざるを得ません(二流大出のなんちゃって研究員の戯言なので、あまり気にしないで下さい)。

例えば、報告書とか月報といった形式でレポートを書く場合、ベスト・プラクティスのみを綴っているようでは、後になってそのベスト・プラクティスをさらに越えようと考えたとき、本来ならば既に見出され、周知されていたはずの「封印されたネガティブな発見」へとループバックしてしまうかもしれません。

コンキチは声を大にして言いたいです。

全ての事象はケース・スタディーである!

と。

人生の一瞬一瞬が、刹那一つが新たな知見の発見であるとコンキチは強く思います。
従って、研究員は一つの試行を一期一会の精神で取り組むべきと強く思います。

以上、最近脳味噌を使う仕事を全然していない二流大出のなんちゃって研究員の独白でした。

2007年1月23日火曜日

顧客サービスのプロフェッショナル

昨年暮に、「顧客サービスのプロフェッショナル」という本を読みました。


で、コンキチがちょっと面白いなあと興味を持った部分について軽くジャブ程度にREVIEWしてみたいと思います。

1) リーン生産方式
リーン(lean)とは「(企業経営などにおいて)むだのない、スリム化された」という意味で、リーン生産方式(ぜい肉のない生産方式)とは、トヨタ自動車が開発した生産方式を説明するために用いた考え方らしいです。つまるところ、JIT(Just In Time)とそれに伴うサプライチェーンの最適化とKAIZENなのだとコンキチは理解しています。

で、本報はリーン生産方式をサービス業(保険業)に応用するという事例が紹介されていました。保険の申請から保険証券発行までの一連のプロセスには、複数の工程と複数の人員(ワーキング・グループ)が関与しており、それら工程間、人員(ワーキング・グループ)間を書類(仕掛かり品)が往来するわけです。そういった一連の業務プロセスの合理化を行ったという話で、具体的な導入オペレーションは、

a) モデル・セルで実験
b) フローの連続処理(バッチの小ロット化)
c) 関連性の高い業務の隣接配置
d) 作業手順の標準化(ルーティーン業務では必須要件と思います)
e) ループバックを排除した業務フローの設計(業務フローの最適化)
f) タクトタイムの導入→人員構成の最適化
g) 負荷のバランスをとる→人材資源の有効利用
h) 難易度別に作業を分解
i) 業績を掲示(評価の透明性の確保と問題点の見える化)

という感じで、コンキチの所感としては、ほぼトヨタ生産方式(というかトヨタという企業の思想)に倣ったステップを踏んでいるなあと思い生ました。
コンキチはトヨタで働いたことは全くありませんが、トヨタの強さというのは、カンバン方式に象徴される単なる生産方式ではなく、効率的な生産方式を生み出す、つまりたゆまぬ改善活動を促す企業風土なのだと思っています。
話が横道に逸れた感がありますが、企業の根底にそういった思想がなければ、いかに優れた合理化策を実行しようとしたところで、従業員の真の協力は得られないんじゃないかなと思います。そのためには、日々、公明正大、透明公正を志向した経営が必要と思います。

2) リーン消費
効率の高い消費活動(合理的な消費)。顧客の消費活動(サービスの利用)に焦点を当てたコンセプトで、リーン生産方式(企業側の活動)を補完するものという位置づけです。顧客とプロバイダーの双方でトータルコストと無駄に浪費される時間を最小化し、互いにWin-Winの関係を構築するというものです。で、リーン消費の六原則なるものが示されています↓

i) すべての商品やサービスを十全に機能させ、しかも相互補完的に機能させることを保証することで、顧客が直面する問題を完全に解決できる。
ii) 顧客の時間を無駄にしない。
iii) 顧客が必要としているものを適切に提供する。
iv) 必要なものを必要な場所へ正しく提供する。
v) 必要なものを必要な場所へ必要な時間に正しく提供する。
vi) 顧客の時間の手間暇を軽減する解決策を蓄積していく。

これら原則を遵守することで、(顧客が煩わしさを感じている)従来のサービスと比較して、よりリーンな消費プロセスを顧客に提供することが可能となり、煩わしさが解消され、顧客のロイヤルティーが高まるというのです。

そして非リーンな活動を炙りだし、よりリーンな消費プロセスの設計に役立つツールが紹介されています。

それは、


リーン消費マップ


です。

消費プロセスに係る顧客とプロバイダーの活動を、時系列を合わせてそれぞれビジュアライズ(可視化)したフローチャートで、価値創造時間と浪費時間を定量することで、顧客とプロバイダー双方の価値創造時間と浪費時間を炙りだすことのできるツールです。浪費時間を最小化(サービズ完了までのリードタイムを最小化)する消費プロセス設計にかなり有効だと思いますね。
まあ、言葉で言ってしまえば至極当たり前のことのように聞こえますが、ビジュアライズ(可視化)って凄く重要だと思います。ビジュアライズ(可視化)の威力っていうのは、直感的に訴えてくるものがあるので、かなりのインパクトがあると思います。無駄な機会コストの存在を強く印象づけられるのではないかと思います。

3) リレーションシップ・マーケティングの誤解
リレーションシップ・マーケティングに注力している企業は、顧客情報を収集し、顧客ニーズを満たすために、考えられる限りのサービスを提供しようと懸命に努力しているにも関わらず、CSは低く、逆に顧客の不快指数がうなぎ上りだという導入部からはじまるこの論文では、企業の提供するサービスと顧客ニーズのミスマッチを延々と指摘しています。で、顧客との良好なリレーションシップを築くためには(CSを向上させるためには)、顧客行動を理解しなければならず、哲学、コミュニケーション、カウンセリング、心理学、宗教の勉強が不可欠であると説いています。

ここで、コンキチが尊敬する鈴木敏文会長が自然に思い出されました。「顧客のために」ではなく「顧客の立場で」考えることの違いと重要性をを説き(「顧客のため」というのは売り手のエゴの押しつけに過ぎない)、「もの不足の売り手市場の時代には経済学で考えればよかったが、今は心理学でとらえなければならない」「今の時代は顧客の心理を読まなくてはいけない」と宣う氏の思想をHarvard Business Review(っていうか、この論文のauthor)が代弁しているような感覚を覚えました。

それにつけても、Harvard Business Review(HBR)は本当に面白です。会社の図書室の書棚の並んでいる誰も読まない埃のかぶった本とか雑誌の代わりにHBRを置いた方がよっぽど会社の業績が上がるんじゃないかと真剣に思う二流大出のなんちゃって研究員のコンキチです。

2007年1月16日火曜日

Web 2.0 in Academia

最近、酒関連の文献を趣味で読み漁って(というほどは読んでいませんが.....)いるコンキチです。

コンキチが今好んで読んでいる雑誌が、ACSが発行している、


Journal of Agricultural and Food Chemistry


です。

で、目下のところ、

Supervised Pattern Recognition Procedures for Discrimination of Whiskeys from Gas Chromatography/Mass Spectrometry Congener Analysis
J Agric. Food Chem., 2006, 54, 1982-1989.

というタイトルのウィスキーに関連する論文を(ゆっくりと)読んでいるのですが、そのイントロ中にwhiskeyという述語に関する解説があって、そのリファレンスがなんと


Wikipedia


なのです!

ちなみにこんな風に記述されていました↓

(11) http://en.wikipedia.org/wiki/Scotch_Whisky, last visited Nov. 2005.
(12) http://en.wikipedia.org/wiki/Bourbon_whiskey, last visited Nov. 2005.

む~う、Web上のオープンソースが化学界の権威にも認知されているのですね。なんか、ダイナミズムを感じます。

こんなリファレンスははじめてみたので、正直驚きました。

機会があったら、コンキチも真似してみたいと思います。
(でも、会社の上司達にそんな柔軟性があるかは疑問)

2007年1月7日日曜日

製品開発力と事業構想力

気が付けば、2007年になってしまいました。最近、何か一つのことを為すには、人生は短いと富に感じる、なんちゃって研究員のコンキチです。

さて、昨年の暮れに読んだ、「製品開発力と事業構想力」の中で面白い記事があったので、思うところをブログに書いてみようかと思います。
(最近、こういった経営学系の書籍が面白いと感じるようになり、ちょっとヤバいかもしれません。)

さて、本書はタイトルにある通り、イノベーションのお話で、全8章からなります。

コンテンツは↓

1) 新商品戦略:バリューチェーンの選択
→イノベーション・アプローチを
a) インテグレーター型:各ステップを自前で管理
b) オーケストレーター型:コラボレーション
c) ライセンサー型:ライセンスの売却・供与
と分類し、事業モデルとの相性について言及しています。研究開発が幅をきかせている企業の場合、自前主義(=nealy インテグレーター型)に偏りがちな気がしますが、スピードが要求される市場では、オーケストレーター型やライセンサー型のアプローチが重要になってくることを、事例を交えて詳述しています。読んでいて、P&GのC&Dやイノベーション・エコシステムとオーバーラップする印象を受けました。
で、さらにコンキチが思ったのは、「ライセンスの購入・許諾」という戦略ってもっと真剣に考えてもいいんじゃないかなあ?ということです。例えば、ダイソーRhodia社からの技術供与で、最も理想的な不斉合成技術の一つであると言われるHKR(Hydrolytic Kinetic Resokution)を企業化しています↓
http://www.daiso-co.com/rd/rd02.html
まあ、色々な条件面での折り合いというのがあるのだろうとは思いますが、ライセンスの売買ってもっと活発にあってもいいなと思ったなんちゃって研究員でした。

2) イノベーションの潜在価値を評価する法
→読んでいて、以前読んだ「ブルー・オーシャン戦略」に似ているなあと思っていたら、著者が同じでした(紹介されている事例も重複していますね)。この論文でも、「ブルー・オーシャン戦略」同様に、製品やサービスを構成するファクターに対する選択と集中、削減と増設をメリハリを効かせ他社との真の差別化を図り、かつ顧客とWin-Winの関係を築くことを重要視しています。
また、「代替産業に対する視点」や、「顧客セグメントのターゲッティッング」を再考することの重要性も説いていますね。競合するのは同業他社だけでなく、同質のヴァリューを提供する会社もそうであるということを認識し、既存顧客以外の層に焦点を当てることで新市場を見出すチャンスが広がるのです(多分)。
本書では、新技術や新サーヴィスの有意性を検証するのに、「消費サイクルにおける体験段階」と「ユーティリティ・レバー」からなるマトリックスを使っていますが、ブルー・オーシャン戦略で紹介されている「価値曲線(というマーケティングの力価をプロットした図)」の方が分かり易いかなと思いました。

3) イノベーション・ファクトリー: 知を創発する組織への転換
→ナレッジ・ブローカーの重要性を説いています。
(1) 優れたアイデアを捕まえる
(2) アイデアを死蔵しないで活用する。
(3) 古いアイデアの新しい使い方を考えだす。
(4) 有望なコンセプトをテストする。
というサイクルが重要なのだそうです。
特に印象深かったのは、
希代の天才が、「何もないところからアイデアを生み出す」というイメージはロマンがあって魅力的であるが、危険なフィクションである。イノベーションや創造性というものは、そのイメージほどミステリアスなものはない。すでに開発されたアイデアを取り入れ、それを新しい状況に適用しているにすぎない。
という一節で、言い得て妙なりと思いました。
特に、セクショナリズムが台頭している組織では、「知の共有」が妨げられるでしょうし、研究員が見出した何らかの知価を適切に蓄積・管理されていなければ知価の死蔵に歯止めはかからないでしょう。はっきり言ってコンキチの勤務する会社では、研究成果の共有っていうのがうまくいっておらず、昔やったことを、それに気付かずに同じことをやってしまうという現象がけっこう見受けられますね(まあ、分析技術の進歩とかもあるので、またそこから新たな知見が得られるかもしれませんが、過去のデータに気付いてないのはお粗末です)。あと、戦略的ジョブ・ローテーションっていうのはナレッジ・ブローカーを増やす意味で有効なのかなと思いました(あくまで戦略的というのが重要だと思いますね)。そうすれば、適切なジョブ・ミックスを持つ人材を造り出すことができるのではないかと思います。ただ、ナレッジ・ブローカーが動きやすいシステムをつくらなければならないでしょうが。

4) オープン・マーケット・イノベーション
→イノベーションやアイデアの貿易の効用を説いています。NIH(not-invented-here)症候群に対するアンチテーゼですね。C&Dや「新商品戦略:バリューチェーンの選択」とオーバーラップするところがあると思います。オープン・マーケット・イノベーションの適否を
(1) イノベーションの頻度(多ければ適す)
(2) イノベーションの経済効果(大きいと適さない)
(3) 蓄積的イノベーションの必要性(大きければ適する)
(4) 社内、業界内でのイノベーションの応用性(広ければ適する)
(5) 市場の不安定性(大きければ適する)
と解説しています。
ライセンス戦略というか、コラボレーションに係る技術情報の流出がどれほどあるかということを計量することってやった方がいいなと思いました。

5) 埋もれた技術の市場化戦略
→「イノベーションは企業秘密」という観念の否定。イノベーション・エージェント(イノベーションのヘッドハンター)の登場を謳っています。で、イノベーションの仲介者たるエージェントは、その機密保持能力こそが商売の源泉であるから企業秘密は担保されるのです。
こういう戦略は、やっぱり、競争や技術の陳腐化が早い業界で有効そうですよね。コンキチが身を置く化学業界って、どうなんでしょう?メチャメチャ技術革新が早いっていう訳ではないと思いますね(なんとなく)。新製品の開発っていっても、基本的に既存の(合成)技術の組み合わせになるわけだし。噂に聞いたことがあるCorey研のようなデータベースを作った方がいいんじゃないかと思いますね。

6) R&Dを顧客に転嫁する事業モデル
→この論文では、IFF(というデカイ世界的な香料会社)に合併されたBBAという会社の事例が紹介されていて、非常に興味を覚えました(一応コンキチは香料会社に勤務しているので)。で、この事例では、
a) 製品設計段階において満足いく製品(香料) を開発するにあたって、顧客企業とのやりとり(意思疎通=サンプルの微調整)が超煩雑になり、製品の開発速度が遅く、かつ製品開発リスクを全て担保しなければならない。
b) 上記課題を解決するために、製品開発(香料の開発)の一部を顧客に担ってもらう=Customers as Innovators
c) 香料の膨大なデータベースをインターネット上で顧客が利用することにより、ある程度の製品設計を顧客自身にやってもらう。サンンプルは顧客企業内に設置したFA機器(自動調合機)によって数分で作成される。微調整も迅速にできる。
d) フィードバックが、かなりの程度、顧客企業内で循環できるようになる。
e) 製品開発のスピードアップ、コスト削減、顧客を囲い込める(?)

この論文を読んで、純粋に感嘆しましたね。こういった発想の転換的アプローチって個人的にとても好感がもてます。でも、いろんな意味で勇気がいりそうな気がします。

7) 破壊的イノベーションを事業化させる法
→破壊的イノベーションをに取り組む際の企業の姿勢を説いています。

8) 成功の悪魔
→イノベーションのライフサイクル・モデルを提示し、ライフサイクルにおける各ステージ毎に、企業のとるべき戦略が提示されています。で、イノベーション・ライフサイクルにおける各ステージを時系列を追って↓のようにカテゴライズしています。
(1) 初期市場: 破壊的イノベーションが重要(っていうか新しいイノベーションの導入時期です)
(2) キャズム(谷間): 新技術がどっちつかずの状態に陥る
(3) ボウリング・レーン: ニッチ市場が新技術を採用。アプリケーション・イノベーション(既存技術を新規市場に導入して、新たな用途に対応する)が重要
(4) トルネード: 技術の有用性が実証される。製品イノベーション(既存市場で定番となった製品やサービスを次のレベルに引き上げる)が重要
(5) メインストリート(初期): ブームの鎮静化。市場は順調に成長し続ける。プロセス・イノベーションが重要
(6) メインストリート(成熟期): 市場成長が頭打ち。コモディティ化が進行。経験のイノベーション(顧客経験を改善する表面的改良)、マーケティング・イノベーション(顧客と接触するプロセスを改善)が大事。
(7) メインストリート(衰退期): 市場の動きが止まり始め、顧客は代用品を積極的に探し始める。ビジネスモデル・イノベーション(バリュー・プロポジション、バリューチェーンの再構成)、構造のイノベーション(業界内の関係性を再構築)が大事
(8) 断層および終末: 技術の陳腐化。次世代のトルネードの萌芽。

まあ、興味があったら本書を読んでみて下さい。

全体的に、以前読んだ「「ものづくり」の戦略モデル」や「ブルー・オーシャン戦略」とオーバーラップする部分が多くみられましたが、一研究員として興味深く読むことができました。

イノベーションというと、青色LEDであったり、ノーベル賞級の合成技術の開発であったり、アスパルテームみたいなメガヒット商品といった新規技術にばかり目がいきがちだと思うのですが、既存技術の他市場(他分野)への応用という戦略も立派なイノベーションだと思うわけです。

とりあえず、年頭に独りよがりの独白ができてちょっとすっきりしました。

今年は、「人生を謳歌する」ために自分の時間を有効活用していこうと思う二流大卒のなんちゃって研究員です。




Time is Cash


なのです。


2006年12月25日月曜日

安全と効率はトレードオフ

前回のブログで、

「安全の確保っていうのは、効率と対立するものではなくて、効率向上に資する素材の一つだと思う訳です。」

と言っておきながら、舌の根の乾かぬうちにこんなタイトルです。

広い視野で見れば、安全と効率は共存する関係だと思いますが(前回のブログで述べた通り)、狭義ではトレードオフの関係にあると思っています。

1) 良くある話?
ある作業を行うにあたって、そこに何らかの危険因子があったとして、その危険因子を取り除くために安全確認作業を加えたとします。で、この安全確認作業を加えたものを新ルールとすると、

新ルールの作業時間=旧ルールの作業時間+安全確認作業時間

となるでしょう。つまり、単位時間当たりにこなせるタスクが減少することになります。これは、効率が下がったということではないでしょうか?

2) かなり極端であり得ない話

a) 企業の行う活動には常になんらかの危険が伴う(歩いて通勤していたら、通りすがりの車に突っ込まれたなんいうのもありますから)

b) 危険因子は全て取り除かなければならない(仮定の話です)

c) 企業としての活動を全て止めてしまえば、危険は全てなくなる

d) 会社を解散しますか?

上記2例から、コンキチは安全と効率はトレードオフの関係にあると強く主張したいと思います(当たり前ですが)。

で、ここでもう一つ言いたいのが。

A) (全くの同一作業において)安全活動が持続するものであれば、安全確認作業は増え続ける(=単位時間当たりにこなせるタスクが減少)
B) 既に現場が過去のものとなって久しい管理監督者は、過去の基準によって判断する(=安全確認作業を織り込んでいない)
C) A+B→管理監督者は、部下がトロトロしていると感じ、部下にプレッシャーをかける
D) プレッシャーをかけられた部下は、過負荷状態に陥る
E) 最後に過負荷状態に陥った部下は、そのうちなんかやらかしてしまう(カモ)

ということで、災害は起きるのではないかとコンキチは思います。一個人の所感ですが、(コンキチの勤務する会社や関連会社の)災害事例をみると、 その何れもが、過去に何度も起こっていて、対策も口が酸っぱくなる程繰り返されているものばかりなのにも関わらず、同じような原因で事故が発生しているように感じます。

安全、安全と口で言うのは容易いですが、

i) 「安全と効率はトレードオフ」ということを認識し、
ii) 安全確認は企業を健全に運営して行くための共通費用であると考え、
iii) 作業効率の向上は、合理化によって成し遂げる

ということを、より上位職位の方々には強く励行して欲しいと思う二流大卒のなんちゃって研究員のとある師走の一日でした。

cf.トヨタ張りにタクトタイムを測定するのもいいかもしれません